犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則

# 平成二十年法務省令第二十八号 #

第二章 仮釈放等

分類 府令・省令
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和六年法務省令第十号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 04時17分


第一節 仮釈放、仮出場及び少年院からの仮退院

第一款 法定期間経過の通告等

1項

矯正施設の長(刑事施設の長 及び少年院の長をいう。以下同じ。)は、懲役 若しくは禁錮の刑に処せられた者 又は少年法昭和二十三年法律第百六十八号第二十四条第一項第三号 若しくは同法第六十四条第一項第三号の保護処分を受けた者を収容したときは、速やかに、刑事施設 又は少年院の所在地を管轄する地方委員会 及び刑事施設 又は少年院に収容された者(以下「刑事施設等被収容者」という。)に係る帰住予定地(刑の執行のため刑事施設 若しくは少年院に収容されている者、労役場に留置されている者 若しくは保護処分の執行のため少年院に収容されている者が釈放された後に居住する予定の住居の所在地 又は当該住居がないときはその者が釈放された後に居住することを希望する場所をいう。以下同じ。)を管轄する保護観察所の長に対し、書面により、次に掲げる事項を通知しなければならない。


これらの事項に変動が生じた場合における当該変動に係る事項についても、同様とする。

一 号

刑事施設等被収容者の氏名、生年月日 及び本籍

二 号

懲役 又は禁錮の刑に処せられた者についてはその刑の言渡しをした裁判所の名称、言渡し 及び確定の年月日 並びに罪名、刑名 及び刑期(懲役 又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者(以下次号第九条第一号 及び第百一条第三号において「一部猶予者」という。)にあっては、その刑のうち執行を猶予された部分の期間 並びに猶予の期間 及び当該猶予の期間中の保護観察の有無を含む。)、少年法第二十四条第一項第三号 又は同法第六十四条第一項第三号の保護処分を受けた者についてはその保護処分をした家庭裁判所の名称、その年月日 及び非行名

三 号

懲役 又は禁錮の刑に処せられた者については収容した日、刑期の起算日 及び終了日(一部猶予者にあっては、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の終了日を含む。)並びに刑法明治四十年法律第四十五号第二十八条 又は少年法第五十八条第一項に規定する期間(以下「法定期間」という。)の末日、少年法第二十四条第一項第三号 又は同法第六十四条第一項第三号の保護処分を受けた者については収容した日 及び収容すべき期間の終了日

四 号

犯罪 又は非行の概要、動機 及び原因

五 号
共犯者の状況
六 号
被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況
七 号
生活歴
八 号
心身の状況
九 号

懲役 又は禁錮の刑の執行のため刑事施設に収容された者については処遇要領(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律平成十七年法律第五十号第八十四条第二項に規定する処遇要領をいう。以下同じ。)、懲役 若しくは禁錮の刑 又は保護処分の執行のため少年院に収容された者については個人別矯正教育計画(少年院法平成二十六年法律第五十八号第三十四条第一項に規定する個人別矯正教育計画をいう。以下同じ。

十 号
帰住予定地
十一 号

引受人(刑の執行のため刑事施設 又は少年院に収容されている者、労役場に留置されている者 又は保護処分の執行のため少年院に収容されている者(以下本号において「矯正施設被収容者」という。)が釈放された後にその者と同居するなどしてその生活の状況に配慮し、その者の改善更生のために特に協力する者をいう。以下同じ。)又は引受人以外の者であって矯正施設被収容者が釈放された後にその者の改善更生のために協力する者(以下「引受人等」という。)の状況

十二 号
釈放後の生活の計画
十三 号
その他参考となる事項
2項

前項の場合において、更生保護事業法平成七年法律第八十六号第二条第七項に規定する更生保護施設 その他の施設 又は前項の居住することを希望する場所を帰住予定地とする刑事施設等被収容者については、その理由、家族の状況 その他必要な事項を併せて通知しなければならない。

3項

地方委員会は、拘留の刑の執行のため刑事施設に収容されている者 又は労役場に留置されている者について、必要があると認めるときは、その者を収容し、又は留置している刑事施設の長に対し、次に掲げる事項を記載した書面の提出を求めることができる。

一 号

拘留の刑の執行のため刑事施設に収容されている者 又は労役場に留置されている者の氏名、生年月日 及び本籍

二 号

拘留の刑の執行のため刑事施設に収容されている者についてはその刑の言渡しをした裁判所の名称、言渡し 及び確定の年月日


並びに罪名、刑名 及び刑期、労役場に留置されている者については罰金の言渡しをした裁判所の名称、言渡し 及び確定の年月日 並びに罪名、刑名 及び罰金の額

三 号

拘留の刑の執行のため刑事施設に収容されている者については刑期の起算日 及び終了日、労役場に留置されている者については留置した日、留置すべき期間 及びその終了日

四 号
犯罪の概要
五 号
心身の状況
六 号
その他参考となる事項
4項

刑事施設の長は、前項に規定する書面を提出した場合において、当該書面に記載した事項に変動が生じたときは、速やかに、当該刑事施設の所在地を管轄する地方委員会に対し、書面により、当該変動に係る事項を通知しなければならない。

1項

法第三十三条の規定による通告は、法定期間の末日から十日以内に行うものとする。

2項

前項の通告は、通告の対象となる者の氏名 及び生年月日、法定期間の末日 その他参考となる事項を記載した書面によらなければならない。

第二款 矯正施設の長による申出

1項

矯正施設の長は、次に掲げる者について、仮釈放、仮出場 又は少年院からの仮退院(以下「仮釈放等」という。)を許すべき旨の申出をするか否かに関する審査(以下「審査」という。)を行わなければならない。

一 号

刑の執行のため収容している者(一部猶予者にあっては、執行が猶予されなかった部分の期間が法定期間を超える者に限る

二 号
労役場に留置している者
三 号

保護処分の執行のため収容している者

1項

矯正施設の長は、審査に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる者の意見を求めるものとする。

一 号

審査の対象となる者の処遇に関係のある当該矯正施設(刑事施設(当該刑事施設に附置された労役場を含む。)及び少年院をいう。以下同じ。)の職員以外の協力者

二 号

当該矯正施設の職員以外の精神医学、心理学等の専門的知識を有する者

三 号
裁判官 又は検察官
2項

矯正施設の長は、前項の場合のほか、審査に当たり、裁判官 又は検察官から、当該審査の対象となる者について仮釈放等に関する意見が表明されているときは、当該意見を考慮するものとする。

3項

矯正施設の長は、審査に関し必要があると認めるときは、訴訟記録を閲覧するものとする。

1項

懲役 又は禁錮の刑の執行のため矯正施設に収容している者の審査は、法定期間の末日までに行い、その後 の審査は、少なくとも六月ごとに行うものとする。

2項

保護処分の執行のため少年院に収容している者の審査は、少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達したとき 又は第三十条に定める基準に該当する見込みがあると認めるときに行うものとする。

1項

矯正施設の長は、懲役 又は禁錮の刑の執行のため収容している者について、第二十八条に定める基準に該当すると認めるときは、法第三十四条第一項の規定による申出をするものとする。

2項

刑事施設の長は、拘留の刑の執行のため収容している者 又は労役場に留置している者について、第二十九条に定める基準に該当すると認めるときは、法第三十四条第二項の規定による申出をするものとする。

1項

少年院の長は、保護処分の執行のため収容している者について、第三十条に定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、仮退院を許すべき旨の申出をするものとする。

2項

前項の規定による申出があったときは、法第四十二条による法第三十五条第二項の規定の準用については、少年院法第百三十五条の規定による申出があったものとみなす。

1項

仮釈放等を許すべき旨の申出は、次に掲げる事項を記載した書面によらなければならない。

一 号

仮釈放等の対象となるべき者の氏名、生年月日 及び本籍

二 号

仮釈放等の対象となるべき者の現在する場所

三 号
申出の理由
四 号
被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況
五 号
心身の状況
六 号
帰住予定地
七 号
帰住予定地
八 号
引受人等の状況
九 号
釈放後の生活の計画
十 号
仮釈放等により釈放することが適当と認められる日
十一 号
その他参考となる事項
2項

刑事施設の長は、仮出場を許すべき旨の申出をする場合であって、第七条第三項に規定する書面を提出していないときは、前項に規定する書面に、同項各号に掲げる事項のほか、第七条第一項第四号 及び第五号 並びに同条第三項第二号 及び第三号に掲げる事項を記載するものとする。

1項

矯正施設の長は、仮釈放等を許すべき旨の申出に係る者について、地方委員会が仮釈放等を許す旨の決定をし、又はこれをしない旨の判断をする前に第二十八条から第三十条まで 又は少年院法第百三十五条に定める基準に該当しなくなったと認めるときは、当該申出を取り下げるものとする。

第三款 審理

1項

法第三十六条第一項法第四十二条において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による調査は、次条各号に掲げる事項について行うものとする。

2項

地方委員会は、法第三十六条第一項の規定による調査においては、その対象となる者に対し、釈放後の生活の計画 その他の仮釈放等の審理を開始するか否かを判断するために必要な事項を記載した書面の提出を求めることができる。

1項

仮釈放等を許すか否かに関する審理は、次に掲げる事項を調査して行うものとする。

一 号

犯罪 又は非行の内容、動機 及び原因 並びにこれらについての審理対象者の認識 及び心情

二 号
共犯者の状況
三 号
被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況
四 号

審理対象者の性格、経歴、心身の状況、家庭環境 及び交友関係

五 号

矯正施設における処遇の経過 及び審理対象者の生活態度

六 号
帰住予定地の生活環境
七 号
引受人等の状況
八 号
釈放後の生活の計画
九 号

その他審理のために必要な事項

1項

地方委員会の委員は、仮釈放等を許すか否かに関する審理において、審理対象者と面接するに当たっては、審理対象者の陳述の内容、態度等から、第二十八条第二十九条 又は法第四十一条第三十条に定めるものを含む。)に定める基準に該当するか否かを判断するために必要な事項を把握し、的確な心証を得ることに努めるものとする。

1項

地方委員会の委員は、前条の面接に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる者の立会いを求め、その意見を聴くものとする。

一 号
保護観察所の保護観察官
二 号

精神医学、心理学等の専門的知識を有する者

2項

前項第二号に掲げる者は、同項の立会いに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

1項

法第三十七条第一項ただし書(法第四十二条において準用する場合を含む。)の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 号

第三十二条第一項第三号 又は第四号に掲げる事由により審理を終結することとするとき。

二 号

矯正施設の長が第十六条の規定により仮釈放等を許すべき旨の申出を取り下げた場合において、当該申出に係る処分をしないこととするとき。

三 号

審理を担当する合議体の構成員である委員が、既に終結している審理対象者に係る審理において、当該審理対象者との面接を行った場合において、当該面接の日から四月を経過していないとき。

四 号

審理を担当する合議体の構成員である委員が、審理対象者に係る法第三十六条第一項の規定による調査において、当該審理対象者との面接を既に行っているとき。

五 号

審理対象者が刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第八十八条第二項の規定により開放的施設における処遇を受けている場合であって、当該審理対象者について仮釈放を許す旨の決定をするとき。

六 号

保護処分の執行のため少年院に収容されている審理対象者について、個人別矯正教育計画における矯正教育の期間が二年以内の場合であって、当該審理対象者について少年院からの仮退院を許す旨の決定をするとき。


ただし、当該審理対象者について少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達していないとき 又は事案の性質 若しくは当該審理対象者の性格、経歴等に照らし、面接の省略が相当でないと認めるときは、この限りでない。

七 号

審理対象者が釈放された場合に出入国管理及び難民認定法昭和二十六年政令第三百十九号第二十四条各号に掲げる者として本邦からの退去を強制される見込みがある場合であって、当該審理対象者について仮釈放等を許す旨の決定をするとき。

八 号

災害の発生、感染症のまん延 その他のやむを得ない事由により面接を行うことが困難であると認められる場合であって、地方委員会が、第二十八条 又は法第四十一条第三十条に定めるものを含む。)に定める基準に該当するか否かを判断するために必要な事項を把握することができたとき。

1項

第十条の規定は、仮釈放等を許すか否かに関する審理について準用する。


この場合において、

同条第一項第一号
当該矯正施設(刑事施設(当該刑事施設に附置された労役場を含む。)及び少年院をいう。以下同じ。)の職員以外の協力者」とあるのは
「協力者」と、

同項第二号
当該矯正施設の職員以外の精神医学」とあるのは
「精神医学」と

読み替えるものとする。

1項

仮釈放等を許すか否かに関する審理の対象とされている者が他の矯正施設に移送されたときは、当該矯正施設の所在地を管轄する地方委員会が引き続き審理を行うものとする。

第四款 被害者等の意見等の聴取

1項

法第三十八条第一項法第四十二条において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する申出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

一 号
申出人の氏名 又は名称 及び住所
二 号

当該申出に係る審理対象者を特定するに足りる事項

三 号

申出人が法第三十八条第一項に規定する申出をすることができる者であること。

1項

法第三十八条第一項の規定による意見等の聴取は、地方委員会の構成員である委員をして行わせることができる。

2項

前項の意見等の聴取は、当該意見等を記載した書面の提出を受け、又は保護観察官をして被害者等の陳述の内容を録取させることにより行うこともできる。

1項

地方委員会は、法第三十八条第一項の規定により意見等を聴取するときは、第二十四条の申出をした被害者等に対し、聴取の日時 及び場所(前条第二項の規定により書面の提出を受ける場合には提出先 及び提出期限、保護観察官をして録取させる場合にはその日時 及び場所)を通知しなければならない。

2項

地方委員会は、法第三十八条第一項ただし書の規定により意見等を聴取しないこととしたときは、第二十四条の申出をした被害者等に対し、その旨を通知しなければならない。

1項

法第三十八条第一項の規定により意見等を聴取する場合には、被害者等の心身の状況に配慮するものとする。

1項

地方委員会は、法第三十八条第一項の規定により意見等を聴取した場合において、被害者等の意向に配慮しつつ必要があると認めるときは、当該意見等に係る審理対象者を収容している矯正施設の長に対し、当該矯正施設における処遇の実施に必要な事項を通知するものとする。

第五款 許可の基準

1項

法第三十九条第一項に規定する仮釈放を許す処分は、懲役 又は禁錮の刑の執行のため矯正施設に収容されている者について、悔悟の情 及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがなく、かつ、保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする。


ただし、社会の感情がこれを是認すると認められないときは、この限りでない。

1項

法第三十九条第一項に規定する仮出場を許す処分は、拘留の刑の執行のため刑事施設に収容されている者 又は労役場に留置されている者の心身の状況、収容 又は留置の期間、社会の感情 その他の事情を考慮し、相当と認めるときにするものとする。

1項

法第四十一条に規定する仮に退院させることが改善更生のために特に必要であると認めるときとは、保護処分の執行のため少年院に収容されている者について少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達していない場合において、その努力により成績が向上し、保護観察に付することが改善更生のために特に必要であると認めるときとする。

第六款 審理の終結

1項

地方委員会は、仮釈放等を許すか否かに関する審理の対象とされている者について、次の各号いずれかに該当する場合には、審理を終結するものとする。

一 号

仮釈放等を許す旨の決定をしたとき。

二 号

前号の決定をしない旨の判断をしたとき。

三 号

懲役、禁錮 若しくは拘留の刑 又は労役場留置の執行を停止された日から三月を経過したとき。


ただし、執行の停止が取り消される見込みがあるときは、この限りでない。

四 号
保護処分の取消し、恩赦、逃走、死亡 その他の事情により矯正施設に収容中の者でなくなったとき。
2項

地方委員会は、前項第二号に該当することにより審理を終結したときは、当該審理の対象とされていた者を収容し、又は留置している矯正施設の長に対し、その旨を通知するものとする。

第七款 審理の再開

1項

矯正施設の長 又は保護観察所の長は、仮釈放等を許す旨の決定を受けた者について、法第三十九条第四項法第四十二条において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する特別の事情が生じたと認めるときは、速やかに、当該決定をした地方委員会に対し、その旨 及びその内容を通知しなければならない。

2項

地方委員会は、法第三十九条第四項の規定により審理を再開したときは、速やかに、仮釈放等を許す旨の決定をし、又はこれをしない旨の判断をするよう努めなければならない。

1項

地方委員会は、法第三十九条第四項の規定により審理を再開したときは、速やかに、審理対象者を収容し、又は留置している矯正施設の長 及びその帰住予定地を管轄する保護観察所の長に対し、その旨を通知するものとする。

第二節 収容中の者の不定期刑の終了

1項

矯正施設の長は、不定期刑の執行のため収容している者について、次条に定める基準に該当すると認めるときは、法第四十三条の規定による申出をするものとする。

1項

法第四十四条第一項の規定による刑の執行を受け終わったものとする処分は、不定期刑の執行のため矯正施設に収容されている者について、その性格、年齢、経歴、心身の状況、家庭環境、交友関係、被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況、矯正施設における処遇の経過 及び生活態度、帰住予定地の生活環境、釈放後の生活の計画 その他の事情を考慮し、善良な社会の一員として自立し、改善更生することが確実であり、かつ、保護観察を要しないと認めるときにするものとする。

1項

第九条第十条第十五条 及び第十六条の規定は法第四十三条の規定による申出について、第一節第三款第十七条除く)及び第六款の規定は法第四十四条第一項の決定をするか否かに関する審理について、それぞれその性質に反しない限り、準用する。

第三節 収容中の者の退院

1項

少年院の長は、保護処分の執行のため収容している者について、次条に定める基準に該当すると認めるときは、少年院法第百三十六条第一項の規定による申出をするものとする。

1項

法第四十六条第一項の規定による退院を許す処分は、保護処分の執行のため少年院に収容されている者について、その性格、年齢、経歴、心身の状況、家庭環境、交友関係、被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況、少年院における処遇の経過 及び生活態度、帰住予定地の生活環境、釈放後の生活の計画 その他の事情を考慮し、善良な社会の一員として自立し、改善更生することが確実であり、かつ、保護観察を要しないと認めるときにするものとする。

1項

第九条第十条第十五条 及び第十六条の規定は少年院法第百三十六条第一項の規定による申出について、第一節第三款第十七条除く)及び第六款の規定は法第四十六条第一項の決定をするか否かに関する審理について、それぞれその性質に反しない限り、準用する。

1項

少年院の長は、少年法第六十六条第一項の決定を受けた特定保護観察処分少年を収容したときは、速やかに、当該少年院の所在地を管轄する地方委員会 及びその者に係る法第六十八条の五第三項の保護観察所の長に対し、書面により、次に掲げる事項を通知しなければならない。

一 号

少年法第六十六条第一項の決定をした家庭裁判所の名称 及びその年月日

二 号
収容した日 及び収容可能期間の満了日
三 号

第七条第一項第一号第十号第十一号 及び第十三号に掲げる事項

2項

少年院の長は、前項の通知をした場合において、同項により通知した事項に変動が生じたとき 又は第七条第一項第五号第六号第八号 若しくは第十二号に掲げる事項に関して必要があると認めるときは、速やかに、当該少年院の所在地を管轄する地方委員会 及びその者に係る帰住予定地を管轄する保護観察所の長に対し、書面により、当該変動等に係る事項を通知しなければならない。

3項

少年院の長は、前二項の保護観察所の長に対し、少年院法第三十四条第六項の規定により個人別矯正教育計画を通知するとき、同法第三十五条第三項の規定により成績の評価の結果を通知するとき 又は同条第四項の規定により少年院における生活 及び心身の状況を通知するときは、それぞれ当該少年院の所在地を管轄する地方委員会にも通知しなければならない。

4項

第二項の場合(第七条第一項第十号に掲げる事項について、更生保護事業法第二条第七項に規定する更生保護施設 その他の施設 又は第七条第一項の居住することを希望する場所とする旨の変動が生じた場合に限る)においては、その理由、家族の状況 その他必要な事項を併せて通知しなければならない。

1項

少年院の長は、収容中の特定保護観察処分少年について、次条に定める基準に該当すると認めるときは、地方委員会に対し、退院を許すべき旨の申出をするものとする。

2項

前項の規定による申出があったときは、法第四十七条の三による法第三十五条第二項の規定の準用については、少年院法第百三十六条の二の規定による申出があったものとみなす。

1項

法第四十七条の二に規定する退院させて再び保護観察を実施することが改善更生のために特に必要であると認めるときとは、収容中の特定保護観察処分少年について少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達していない場合において、その努力により成績が向上し、再び保護観察を実施することが改善更生のために特に必要であると認めるときとする。

1項

第九条から第十一条まで第十五条 及び第十六条の規定は少年院法第百三十六条の二の規定による申出について、第一節第三款(第二十一条除く)、第四款第六款 及び第七款の規定は法第四十七条の二の決定をするか否かに関する審理について、それぞれその性質に反しない限り、準用する。