貸金業法

# 昭和五十八年法律第三十二号 #
略称 : ノンバンク規制法 

第三章 貸金業協会

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 09月10日 15時17分


第一節 設立及び業務

1項

貸金業協会(以下この章において「協会」という。)は、資金需要者等の利益の保護を図り、貸金業の適正な運営に資することを目的とする。

2項
協会は、法人とする。
3項
協会は、全国を地区とするものでなければならない。
4項
協会は、その名称中に貸金業協会という文字を用いなければならない。
5項
協会でない者は、その名称 又は商号中に、貸金業協会であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
1項

協会は、貸金業者でなければ、これを設立することができない

2項
貸金業者は、協会を設立しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
1項

前条第二項の認可を受けようとする者は、その認可を受けようとする協会について、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 号
名称
二 号
事務所の所在の場所
三 号
役員の氏名 及び協会員の商号、名称 又は氏名
2項

前項の認可申請書には、その認可を受けようとする協会の定款、業務規程 その他の規則(以下「定款等」という。)その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

1項

内閣総理大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があつた場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

一 号
定款等の規定が法令に適合し、かつ、資金需要者等の利益の保護を図り、貸金業の適正な運営に資するために十分であること。
二 号
当該申請に係る協会がこの法律の規定に適合するように組織されるものであること。
2項

内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めるときは、次の各号いずれかに該当する場合を除き、設立の認可をしなければならない。

一 号

認可申請者がこの法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わつた後 又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの者であるとき。

二 号

認可を受けようとする協会の役員のうちに次のいずれかに該当する者があるとき。

心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者

第六条第一項第二号から第六号までいずれかに該当する者

三 号
認可申請書 又はその添付書類のうちに虚偽の記載があるとき。
1項

内閣総理大臣は、協会がその設立の認可を受けた時点において前条第二項各号いずれかに該当していたことが判明したときは、その認可を取り消すことができる。

1項
協会は、営利の目的をもつて業務を行つてはならない。
1項

協会の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
目的
二 号
名称
三 号
主たる事務所 その他の事務所の所在地
四 号
協会員に関する事項
五 号
総会に関する事項
六 号
役員に関する事項
七 号
理事会 その他の会議に関する事項
八 号

協会員の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人 又はこれらに準ずる者をいい、いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含む。第三十七条第五項において同じ。)及び使用人の資質の向上に関する事項

九 号
業務規程 その他の規則の作成 及び変更に関する事項
十 号
協会員の法令、法令に基づく行政官庁の処分 又は定款等の遵守の状況の調査に関する事項
十一 号
会費に関する事項
十二 号
会計 及び資産に関する事項
1項

協会は、その業務規程において、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

協会員が営む貸金業に係る過剰貸付けの防止に関する事項(次号に掲げるものを除く

二 号
協会員がその貸金業の業務に関して資金需要者である個人の顧客と締結する極度方式基本契約で定められた条件のうち、一定期間における最低の返済額 その他の返済に関する事項
三 号
協会員がその貸金業の業務に関して行う広告の内容、方法、頻度 及び審査に関する事項
四 号
協会員がその貸金業の業務に関して行う勧誘に関する事項
五 号
協会員がその貸金業の業務に関して行う債権の取立てに関する事項
六 号
協会員に対する監査に関する事項
七 号

協会員が営む貸金業の業務に対する資金需要者等(債務者等であつた者を含む。)からの苦情の解決に関する事項

八 号
資金需要者等に対する借入れ 及び返済に関する相談 又は助言 その他の支援に関する事項
九 号
貸金業の業務に従事する者に対する研修に関する事項
十 号

前各号に掲げるもののほか、協会の目的を達成するために必要な事項

1項
協会は、定款 又は業務規程を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2項

協会は、第二十七条第一項第二号 又は第三号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。


協会の規則(定款 及び業務規程を除く)の作成、変更 又は廃止があつたときも、同様とする。

1項
協会は、都道府県の区域ごとに支部を設けなければならない。
2項
支部は、協会の目的の達成に資するため、支部に所属する協会員に対する指導、連絡 及び監督を行う。
1項
協会は、会長 又は理事がその職務を行うことについて他人に加えた損害を賠償する責任を負う。
1項
協会の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

第二節 協会員

1項

協会の協会員は、貸金業者 又は貸金業に類するものとして内閣府令で定める業務を行う者に限る

2項

協会は、全ての貸金業者のうち政令で定める割合以上の貸金業者をその協会員としなければならない。

3項
協会員は、当該協会員の営業所 又は事務所の所在地を含む都道府県の区域に設けられている協会の支部に所属するものとする。
4項

協会は、その定款において、第六項の場合を除くほか、貸金業者は何人も協会員として加入することができる旨を定めなければならない。

5項

協会は、その定款において、協会員に、法令 及び協会の定款等を遵守するための当該協会員 又はその役員 若しくは使用人が遵守すべき規則 及び管理体制を整備させることにより、法令 又は協会の定款等に違反する行為を防止して、資金需要者等の信頼を確保することに努める旨を定めなければならない。

6項

協会は、その定款において、法令 若しくは法令に基づく内閣総理大臣 若しくは都道府県知事の処分に違反する行為をして、貸金業の業務の停止を命ぜられ、又は法令、法令に基づく行政官庁の処分 若しくは当該協会の定款等に違反する行為をして、協会から除名の処分を受けたことがある者については、その者が協会員として加入することを拒否することができる旨を定めることができる。

7項

協会は、協会員の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

8項
協会に加入していない者は、その名称 又は商号中に、協会員であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
1項
協会は、その定款において、協会員が、法令、法令に基づく行政官庁の処分 又は当該協会の定款等に違反する行為をした場合に、当該協会員に対し、過怠金を課し、定款の定める協会員の権利の停止 若しくは制限を命じ、又は除名する旨を定めなければならない。

第三節 管理

1項

協会に、役員として、会長一人、理事二人以上 及び監事二人以上を置く。

2項
会長は、協会を代表し、その事務を総理する。
3項
理事は、定款の定めるところにより、協会を代表し、会長を補佐して協会の事務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。
4項
監事は、協会の事務を監査する。
5項

役員が次のいずれかに該当することとなつたときは、その職を失う。

一 号
心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
二 号

第六条第一項第二号から第六号までいずれかに該当する者

1項
内閣総理大臣は、不正の手段により役員となつた者のあることを発見したとき、又は役員が法令、法令に基づく行政官庁の処分 若しくは定款 若しくは業務規程に違反したときは、協会に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
1項
内閣総理大臣は、理事 又は監事の職務を行う者のない場合において、必要があると認めるときは、仮理事 又は仮監事を選任することができる。
1項
協会の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

第四節 監督

1項
内閣総理大臣は、協会の定款等 又は業務の運営 若しくは財産の状況に関し、資金需要者等の利益の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該協会に対し、定款等の変更 その他監督上必要な措置をとることを命ずることができる。
1項

内閣総理大臣は、協会が法令、法令に基づく行政官庁の処分 若しくは当該協会の定款等(以下この条において「法令等」という。)に違反した場合 又は協会員が法令等に違反する行為をしたにもかかわらず、当該協会員に対し法令等を遵守させるために協会がこの法律、この法律に基づく命令 若しくは定款等により認められた権能を行使せず その他必要な措置をとることを怠つた場合において、資金需要者等の利益の保護のため必要かつ適当であると認めるときは、その設立の認可を取り消し、一年以内の期間を定めてその業務の全部 若しくは一部の停止を命じ、その業務の方法の変更 若しくはその業務の一部の禁止を命じ、その役員の解任を命じ、又は定款等に定める必要な措置をとることを命ずることができる。

1項
内閣総理大臣は、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、協会に対し、その業務 若しくは財産に関して報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、協会の事務所に立ち入らせ、当該協会の業務 若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。
2項

内閣総理大臣は、資金需要者等の利益の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、協会から業務の委託を受けた者に対し、当該協会の業務 若しくは財産に関し参考となるべき報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該協会から業務の委託を受けた者の営業所 若しくは事務所に立ち入らせ、当該協会の業務 若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

3項

前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4項

第一項 及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

協会は、事業年度ごとに、次に掲げる書類を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 号
前事業年度の事業概況報告書 及び当該事業年度の事業計画書
二 号
前事業年度末における財産目録
三 号
前事業年度の収支決算書 及び当該事業年度の収支予算書

第五節 雑則

1項

協会は、資金需要者等(債務者等であつた者を含む。)から協会員が営む貸金業の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該協会員に対し、その苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。

2項

協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該協会員に対し、文書 若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。

3項

協会員は、協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。

4項

協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情 及びその解決の結果について協会員に周知しなければならない。

5項

第一項の規定は、協会が第四十一条の三十九第一項の規定による指定を受けている場合には、適用しない

1項

内閣総理大臣 又は都道府県知事は、この法律の円滑な実施を図るため、内閣府令で定めるところにより、この法律の規定に基づく登録の申請、届出 その他必要な事項について、協会に協力させることができる。

1項
協会は、金融に係る知識の普及、啓発活動 及び広報活動を通じて、資金需要者等の利益の保護の促進に努めなければならない。
1項

協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2項
協会は、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をすることによつて成立する。
3項

第一項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない

1項
協会は、次の事由により解散する。
一 号
定款に定める事由の発生
二 号
総会の決議
三 号
破産手続開始の決定
四 号
協会の設立の認可の取消し
2項
協会の解散に関する総会の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3項

協会が第一項第一号の規定により解散したときは、その代表者であつた者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

4項

協会について破産手続開始 若しくは破産手続終結の決定があつた場合 又は破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所書記官は、その旨を内閣総理大臣に通知しなければならない。

5項

前各項に定めるもののほか、協会の解散に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、その旨(第一号に掲げる場合にあつてはその旨 及び認可を受けた協会の定款等、第三号に掲げる場合にあつてはその旨 及び変更後の定款 又は業務規程、第四号に掲げる場合にあつてはその旨 及び届出があつた事項)を官報で公示しなければならない。

一 号

第二十六条第二項の認可をしたとき。

二 号

第二十九条の規定により認可を取り消したとき。

三 号

第三十三条第一項の認可をしたとき。

四 号

第三十三条第二項の届出があつたとき。

五 号

第四十一条の三の規定により定款等の変更 その他監督上必要な措置をとることを命じたとき。

六 号

第四十一条の四の規定により認可を取り消し、業務の停止を命じ、その業務の方法の変更 若しくはその業務の禁止を命じ、その役員の解任を命じ、又は定款等に定める必要な措置をとることを命じたとき。

七 号

前条第二項の認可をしたとき。

八 号

前条第三項の届出があつたとき。

九 号

前条第四項の通知を受けたとき。