中小企業基本法

# 昭和三十八年法律第百五十四号 #

第二章 基本的施策

分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和二年十月一日 ( 2020年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和二年法律第五十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月13日 22時11分


第一節 中小企業の経営の革新及び創業の促進

1項

国は、中小企業者の経営の革新を促進するため、新商品 又は新役務を開発するための技術に関する研究開発の促進、商品の生産 又は販売を著しく効率化するための設備の導入の促進、商品の開発、生産、輸送 及び販売を統一的に管理する新たな経営管理方法の導入の促進 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業の創業、特に女性や青年による中小企業の創業を促進するため、創業に関する情報の提供 及び研修の充実、創業に必要な資金の円滑な供給 その他の必要な施策を講ずるとともに、創業の意義 及び必要性に対する国民の関心 及び理解の増進に努めるものとする。

1項

国は、中小企業の創造的な事業活動を促進するため、商品の生産 若しくは販売 又は役務の提供に係る著しい新規性を有する技術に関する研究開発の促進、創造的な事業活動に必要な人材の確保 及び資金の株式 又は社債その他の手段による調達を円滑にするための制度の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

第二節 中小企業の経営基盤の強化

1項

国は、経営方法の改善、技術の向上 その他の中小企業の経営基盤の強化に必要な経営資源の確保に資するため、次に掲げる施策 その他の必要な施策を講ずるものとする。

一 号

中小企業の施設 又は設備の導入を図るため、中小企業者の事業の用に供する施設 又は設備の設置又は整備を促進すること。

二 号

中小企業の技術の向上を図るため、中小企業者が行う技術に関する研究開発を促進し、国が行う技術に関する研究開発に中小企業者を積極的に参加させ、国、独立行政法人、地方公共団体 又は地方独立行政法人の試験研究機関 及び大学と中小企業との連携を推進し、並びに技術者研修 及び技能者養成の事業を充実すること。

三 号

中小企業の事業活動に有用な知識の向上を図るため、経営管理者に対し研修の事業を充実するとともに、新たな事業の分野の開拓に寄与する情報 その他の情報の提供を促進すること。

2項

前項に定めるもののほか、国は、中小企業者の必要に応じ、情報の提供、助言 その他の方法により、中小企業者が経営資源を確保することを支援する制度の整備を行うものとする。

1項

国は、中小企業者がその事業基盤を国内に維持しつつ行う海外における事業の展開を促進するため、海外における事業の展開に関する情報の提供 及び研修の充実、海外における事業の展開に必要な資金の円滑な供給 その他の必要な施策を講ずるとともに、中小企業者が供給する魅力ある商品 又は役務に対する海外における関心 及び理解の増進に努めるものとする。

1項

国は、中小企業の情報通信技術の活用の推進を図るため、情報通信技術の活用に関する情報の提供の充実、情報通信技術の活用に必要な資金の円滑な供給 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業者が相互にその経営資源を補完することに資するため、中小企業者の交流 又は連携の推進、中小企業者の事業の共同化のための組織の整備、中小企業者が共同して行う事業の助成 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、自然的経済的社会的条件からみて一体である地域において、同種の事業 又はこれと関連性が高い事業を相当数の中小企業者が有機的に連携しつつ行つている産業の集積の活性化を図るために必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、相当数の中小小売商業者 又は中小サービス業者が事業を行う商店街 その他の商業の集積の活性化を図るため、顧客 その他の地域住民の利便の増進を図るための施設の整備、共同店舗の整備 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業における労働関係の適正化 及び従業員の福祉の向上を図るため必要な施策を講ずるとともに、中小企業に必要な労働力の確保を図るため、職業能力の開発 及び職業紹介の事業の充実 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業に関する取引の適正化を図るため、下請代金の支払遅延の防止、取引条件の明確化の促進 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業が供給する物品、 役務等に対する需要の増進に資するため、国等の物品、役務等の調達に関し、中小企業者の受注の機会の増大 その他の必要な施策を講ずるものとする。

第三節 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化

1項

国は、貿易構造、原材料の供給事情その他の経済的社会的環境の著しい変化による影響を受け、現に同一の地域 又は同一の業種に属する相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合には、中小企業の経営の安定を図り、及び事業の転換を円滑にするための施策 その他の必要な施策を講ずるものとする。

2項

国は、中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の経営の安定を図るための制度の整備 その他の必要な施策を講ずるものとする。

3項

国は、取引先企業の倒産の影響を受けて中小企業が倒産する等の事態の発生を防止するため、中小企業に関して実施する共済制度の整備 その他の必要な施策を講ずるものとする。

4項

国は、中小企業者の事業の再建、承継 又は廃止の円滑化を図るため、事業の再生のための制度の整備、事業の承継のための制度の整備、小規模企業に関して実施する共済制度の整備 その他の必要な施策を講ずるものとする。

5項

国は、第一項 及び前項の施策を講ずるに当たつては、中小企業の従事者の就職を容易にすることができるように必要な考慮を払うものとする。

第四節 資金の供給の円滑化及び自己資本の充実

1項

国は、中小企業に対する資金の供給の円滑化を図るため、政府関係金融機関の機能の強化、信用補完事業の充実、民間金融機関からの中小企業に対する適正な融資の指導 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国は、中小企業の自己資本の充実を図り、その経営基盤の強化に資するため、中小企業に対する投資の円滑化のための制度の整備、租税負担の適正化 その他の必要な施策を講ずるものとする。