この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
会社法
第三章 非訟
第一節 総則
親会社社員(会社である親会社の株主 又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面 又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本 若しくは抄本の交付、事項の提供 又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
当該書面の閲覧 若しくは謄写 又はその謄本 若しくは抄本の交付
当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧 若しくは謄写 又は電磁的方法による当該事項の提供 若しくは当該事項を記載した書面の交付
第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第七百五条第四項 及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条 並びに第七百十四条第一項 及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定 並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項 及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件 並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判 及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。
この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。
裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。
ただし、不適法 又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項 若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項 及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会 又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役 若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項 若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人 若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役 又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定
当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者
清算人、社債管理者 又は社債管理補助者の解任についての裁判
当該清算人、社債管理者 又は社債管理補助者
第三十三条第七項の規定による裁判
設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者 及び同条第二号の譲渡人
第二百七条第七項 又は第二百八十四条第七項の規定による裁判
当該株式会社 及び第百九十九条第一項第三号 又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者
第四百五十五条第二項第二号 又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判
当該株主
第四百五十六条 又は第五百六条の規定による裁判
当該株主
第七百三十二条の規定による裁判
利害関係人
第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判
社債を発行した会社
第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判
社債を発行した会社
第八百二十四条第一項の規定による裁判
当該会社
第八百二十七条第一項の規定による裁判
当該外国会社
裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人 及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。
ただし、不適法 又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面 又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判
当該株式会社
第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項 又は第八百九条第二項の規定による株式 又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定
価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。) 又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定
売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定
当該株式会社
第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定
特別支配株主
第八百四十三条第四項の申立てについての裁判
同項に規定する行為をした会社
裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。
前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。
前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。
前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人 及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。
ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。
裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。
裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項 及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。
前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。
この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。
ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。
第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判
第八百七十四条各号に掲げる裁判
次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。
第六百九条第三項 又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判
利害関係人
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判
申立人、株主 及び株式会社
第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判
申立人、新株予約権者 及び株式会社
第八百七十条第一項各号に掲げる裁判
申立人 及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号 及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者)
第八百七十条第二項各号に掲げる裁判
申立人 及び当該各号に定める者
裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人 及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。
この場合においては、第八百七十条の二第二項 及び第三項の規定を準用する。
第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。
第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。
ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで 及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。
次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役 若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人 若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者 若しくは社債管理補助者の特別代理人 又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者 若しくは社債管理補助者の選任 又は選定の裁判
第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任 又は解任についての裁判
第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判
この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号 及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。)
この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条 及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。
この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項 及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問 及び裁判は、併合してしなければならない。
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。
第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。
第三節 特別清算の手続に関する特則
⤏ 第一款 通則
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下 この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件 又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
前項に規定する株式会社 又は親法人 及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社 及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下 この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。
通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官 又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。
第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。
特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。
ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。
特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。
この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。
特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。
この節の規定による公告は、官報に掲載してする。
前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節 若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節 若しくは第二節 若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律 その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書 その他の物件(以下 この条 及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を\請求することができる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
前項の規定は、文書等のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。
この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分 又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。
ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。
清算株式会社以外の利害関係人
第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分 又は特別清算開始の申立てについての裁判
清算株式会社
特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判 又は前号に定める命令、保全処分、処分 若しくは裁判
非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。
次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧 若しくは謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又はその複製(以下 この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下 この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社 又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者 及び清算株式会社に限ることができる。
第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等
第五百三十五条第一項 又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等
前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者 及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
第一項の申立てを却下する決定 及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
⤏ 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則
債権者 又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。
債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。
特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
前項の中止の命令 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。
特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。
特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。
特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。
特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。
裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
第一項の中止の命令 及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第三項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
⤏ 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則
裁判所は調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。
調査命令 及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。
第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。
第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前条の規定は、調査委員について準用する。
清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。
裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。
第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。
第五百四十条第一項 又は第二項の規定による保全処分
第五百四十一条第一項 又は第二項の規定による処分
第五百四十二条第一項 又は第二項の規定による保全処分
第五百四十三条の規定による処分
前項各号に掲げる裁判 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。
清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下 この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。
裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。
役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。
第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。
共助対象外国租税の請求権について、協定において減免 その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。
第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。
⤏ 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則
特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。
特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
第四節 外国会社の清算の手続に関する特則
前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。
第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則
裁判所は、第八百二十四条第一項 又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。
法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。
裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと 及び前項の審問の期日を通知しなければならない。
第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。
裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社 又は外国会社の負担とする。
当該保全処分について必要な費用も、同様とする。
前項の保全処分 又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社 又は外国会社の負担とする。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写 又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。
この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。
民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。