公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律

# 平成十八年法律第四十九号 #
略称 : 公益法人法  公益法人認定法 

第二章 公益法人の認定等

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時54分


第一節 公益法人の認定

1項

公益目的事業を行う一般社団法人 又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。

1項

行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人 又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。

一 号

公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。

二 号

公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎 及び技術的能力を有するものであること。

三 号

その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人 その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。

四 号

その事業を行うに当たり、株式会社 その他の営利事業を営む者 又は特定の個人 若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附 その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。


ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附 その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。

五 号
投機的な取引、高利の融資 その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序 若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
六 号
その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
七 号

公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

八 号

その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。

九 号

その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する遊休財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。

十 号

各理事について、当該理事 及びその配偶者 又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。

十一 号

他の同一の団体(公益法人 又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く)の理事 又は使用人である者 その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。

十二 号

会計監査人を置いているものであること。


ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用 及び損失の額 その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。

十三 号

その理事、監事 及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与 その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益 及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等 及び従業員の給与、当該法人の経理の状況 その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。

十四 号

一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。

社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件 その他の不当な条件を付していないものであること。

社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件 その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。

(1)
社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。
(2)
社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭 その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。
理事会を置いているものであること。
十五 号

他の団体の意思決定に関与することができる株式 その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。


ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。

十六 号
公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨 並びにその維持 及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。
十七 号

第二十九条第一項 若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合 又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日 又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人 若しくは次に掲げる法人 又は国 若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。

私立学校法昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人

社会福祉法昭和二十六年法律第四十五号第二十二条に規定する社会福祉法人

更生保護事業法平成七年法律第八十六号第二条第六項に規定する更生保護法人

独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人

国立大学法人法平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人 又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人

地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人

その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人

十八 号

清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人 若しくは前号イからトまでに掲げる法人 又は国 若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。

1項

前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人 又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。

一 号

その理事、監事 及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの

公益法人が第二十九条第一項 又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの

この法律、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項 及び第三十二条の十一第一項の規定を除く)に違反したことにより、若しくは刑法明治四十年法律第四十五号第二百四条第二百六条第二百八条第二百八条の二第一項第二百二十二条 若しくは第二百四十七条の罪 若しくは暴力行為等処罰に関する法律大正十五年法律第六十号第一条第二条 若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税 若しくは地方税に関する法律中偽り その他不正の行為により国税 若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。

二 号

第二十九条第一項 又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの

三 号
その定款 又は事業計画書の内容が法令 又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
四 号

その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法平成五年法律第八十八号第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの

五 号

国税 又は地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの

六 号
暴力団員等がその事業活動を支配するもの
1項

公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。

一 号
名称 及び代表者の氏名
二 号

公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る)並びに主たる事務所 及び従たる事務所の所在場所

三 号
その行う公益目的事業の種類 及び内容
四 号
その行う収益事業等の内容
2項

前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 号
定款
二 号
事業計画書 及び収支予算書
三 号

事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと 又はこれを受けることができることを証する書類

四 号
当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表 その他の内閣府令で定める書類
五 号

第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類

六 号

前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類

1項

行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。

一 号

第五条第一号第二号 及び第五号 並びに第六条第三号 及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る)当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。

二 号

第六条第一号ニ 及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監 又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。

三 号

第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事 又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。

1項
公益認定を受けた一般社団法人 又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人 又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人 又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。
2項

前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。

3項
公益社団法人 又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人 又は公益財団法人という文字を用いなければならない。
4項
公益社団法人 又は公益財団法人でない者は、その名称 又は商号中に、公益社団法人 又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
5項
何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人 又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称 又は商号を使用してはならない。
6項

公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない

1項

行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

1項

公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。


ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。

一 号

公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る)又は主たる事務所 若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設 又は廃止を含む。

二 号
公益目的事業の種類 又は内容の変更
三 号
収益事業等の内容の変更
2項

前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。

3項

前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

4項

第五条 及び第六条第二号除く)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号 及び第三号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。

1項

行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。

2項

前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。

1項

公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。

一 号
名称 又は代表者の氏名の変更
二 号

第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更

三 号

定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更 及び前二号に掲げる変更に係るものを除く

四 号

前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更

2項

行政庁は、前項第一号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

第二節 公益法人の事業活動等

第一款 公益目的事業の実施等

1項
公益法人は、その公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならない。
1項

公益法人は、毎事業年度における公益目的事業比率(第一号に掲げる額の同号から第三号までに掲げる額の合計額に対する割合をいう。)が百分の五十以上となるように公益目的事業を行わなければならない。

一 号
公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
二 号
収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
三 号
当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額
1項

公益法人の毎事業年度の末日における遊休財産額は、公益法人が当該事業年度に行った公益目的事業と同一の内容 及び規模の公益目的事業を翌事業年度においても引き続き行うために必要な額として、当該事業年度における公益目的事業の実施に要した費用の額(その保有する資産の状況 及び事業活動の態様に応じ当該費用の額に準ずるものとして内閣府令で定めるものの額を含む。)を基礎として内閣府令で定めるところにより算定した額を超えてはならない。

2項

前項に規定する「遊休財産額」とは、公益法人による財産の使用 若しくは管理の状況 又は当該財産の性質にかんがみ、公益目的事業 又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等 その他の業務 若しくは活動のために現に使用されておらず、かつ、引き続き これらのために使用されることが見込まれない財産として内閣府令で定めるものの価額の合計額をいう。

1項

公益法人の理事 若しくは監事 又は代理人、使用人 その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。

一 号
寄附の勧誘 又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘 又は要求を継続すること。
二 号
粗野 若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘 又は要求をすること。
三 号
寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。
四 号

前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘 若しくは要求を受けた者 又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。

第二款 公益目的事業財産

1項

公益法人は、次に掲げる財産(以下「公益目的事業財産」という。)を公益目的事業を行うために使用し、又は処分しなければならない。


ただし、内閣府令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。

一 号

公益認定を受けた日以後に寄附を受けた財産(寄附をした者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く

二 号

公益認定を受けた日以後に交付を受けた補助金 その他の財産(財産を交付した者が公益目的事業以外のために使用すべき旨を定めたものを除く

三 号
公益認定を受けた日以後に行った公益目的事業に係る活動の対価として得た財産
四 号
公益認定を受けた日以後に行った収益事業等から生じた収益に内閣府令で定める割合を乗じて得た額に相当する財産
五 号

前各号に掲げる財産を支出することにより取得した財産

六 号

第五条第十六号に規定する財産(前各号に掲げるものを除く

七 号
公益認定を受けた日の前に取得した財産であって同日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産
八 号

前各号に掲げるもののほか、当該公益法人が公益目的事業を行うことにより取得し、又は公益目的事業を行うために保有していると認められるものとして内閣府令で定める財産

第三款 公益法人の計算等の特則

1項

収益事業等に関する会計は、公益目的事業に関する会計から区分し、各収益事業等ごとに特別の会計として経理しなければならない。

1項

公益法人は、第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事 及び評議員に対する報酬等を支給しなければならない。

2項

公益法人は、前項の報酬等の支給の基準を公表しなければならない。


これを変更したときも、同様とする。

1項

公益法人は、毎事業年度開始の日の前日までに(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の事業計画書、収支予算書 その他の内閣府令で定める書類を作成し、当該事業年度の末日までの間、当該書類をその主たる事務所に、その写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。

2項

公益法人は、毎事業年度経過後三箇月以内に(公益認定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該公益認定を受けた後遅滞なく)、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、当該書類を五年間 その主たる事務所に、その写しを三年間 その従たる事務所に備え置かなければならない。

一 号
財産目録
二 号

役員等名簿(理事、監事 及び評議員の氏名 及び住所を記載した名簿をいう。以下同じ。

三 号

第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類

四 号

前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類

3項

第一項に規定する書類 及び前項各号に掲げる書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。

4項

何人も、公益法人の業務時間内は、いつでも、第一項に規定する書類、第二項各号に掲げる書類、定款、社員名簿 及び一般社団・財団法人法第百二十九条第一項一般社団・財団法人法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類等(以下「財産目録等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。


この場合においては、当該公益法人は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

一 号

財産目録等が書面をもって作成されているときは、当該書面 又は当該書面の写しの閲覧の請求

二 号

財産目録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

5項

前項の規定にかかわらず、公益法人は、役員等名簿 又は社員名簿について当該公益法人の社員 又は評議員以外の者から同項の請求があった場合には、これらに記載され又は記録された事項中、個人の住所に係る記載 又は記録の部分を除外して、同項の閲覧をさせることができる。

6項

財産目録等が電磁的記録をもって作成されている場合であって、その従たる事務所における第四項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている公益法人についての第一項 及び第二項の規定の適用については、

第一項
その主たる事務所に、その写しをその従たる事務所」とあるのは
「その主たる事務所」と、

第二項
その主たる事務所に、その写しを三年間 その従たる事務所」とあるのは
「その主たる事務所」と

する。

1項

公益法人は、毎事業年度の経過後三箇月以内前条第一項に規定する書類については、毎事業年度開始の日の前日まで)に、内閣府令で定めるところにより、財産目録等(定款を除く)を行政庁に提出しなければならない。

2項
行政庁は、公益法人から提出を受けた財産目録等について閲覧 又は謄写の請求があった場合には、内閣府令で定めるところにより、その閲覧 又は謄写をさせなければならない。
3項

前項の規定にかかわらず、行政庁は、役員等名簿 又は社員名簿について同項の請求があった場合には、これらに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除外して、その閲覧 又は謄写をさせるものとする。

1項

公益法人の会計監査人は、一般社団・財団法人法第百七条第一項一般社団・財団法人法第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定によるもののほか、財産目録 その他の内閣府令で定める書類を監査する。この場合において、会計監査人は、会計監査報告に当該監査の結果を併せて記載し、又は記録しなければならない。

第四款 合併等

1項

公益法人は、次に掲げる行為をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を行政庁に届け出なければならない。

一 号

合併(当該合併に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合 又は次条第一項の認可の申請をする場合を除く

二 号

事業の全部 又は一部の譲渡(当該事業の譲渡に関し第十一条第一項の変更の認定の申請をする場合を除く

三 号
公益目的事業の全部の廃止
2項

行政庁は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

1項

公益法人が合併により消滅する法人となる新設合併契約を締結したときは、当該公益法人(当該公益法人が二以上ある場合にあっては、その)は、当該新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)が当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継することについて、行政庁の認可を申請することができる。

2項

行政庁は、新設法人が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、前項の認可をするものとする。

一 号

第五条各号に掲げる基準に適合するものであること。

二 号

第六条各号いずれかに該当するものでないこと。

3項

第一項の認可があった場合には、新設法人は、その成立の日に、当該新設合併により消滅する公益法人の地位を承継する。

4項

第七条第八条第十条 及び第十二条の規定は、第一項の認可について準用する。


この場合において、

第七条第一項
次に掲げる事項」とあるのは
「次に掲げる事項(第一号に掲げる事項については新設合併により消滅する公益法人 及び新設合併により設立する法人(以下この条において「新設法人」という。)に係るもの、第二号から第四号までに掲げる事項については新設法人に係るもの)」と、

同項第二号
定款」とあるのは
「定款の案」と、

同条第二項
次に掲げる書類」とあるのは
「次に掲げる書類(第一号の定款の案 及び第二号から第五号までに掲げる書類については、新設法人に係るもの)」と、

同項第一号
定款」とあるのは
「新設合併契約書 及び定款の案」と、

第十二条第一項
前条第二項」とあるのは
第二十五条第四項において準用する第七条第一項」と

読み替えるものとする。

5項

第一項の認可を受けて合併により消滅する公益法人の地位を承継する新設法人についての第十八条 及び第三十条第二項の規定の適用については、

第十八条第一号から第四号までの規定中
公益認定を受けた日」とあるのは
「その成立の日」と、

同条第五号
前各号」とあるのは
前各号 及び第七号」と、

同条第七号
公益認定を受けた日の前に取得した財産であって同日以後に内閣府令で定める方法により公益目的事業の用に供するものである旨を表示した財産」とあるのは
「その成立の際に合併により消滅する公益法人から承継した財産であって、当該消滅する公益法人の公益目的事業財産であったもの」と、

第三十条第二項第一号
が取得した」とあるのは
「が合併により承継し、又は取得した」と、

第十八条第六号に掲げる財産にあっては、」とあるのは
第二十五条第五項の規定により読み替えて適用する第十八条第七号に掲げる財産にあっては、合併により消滅する公益法人が」と、

もの」とあるのは
「もの(当該公益法人が同日以後に第十八条第七号の内閣府令で定めるところにより公益目的事業の用に供するものである旨を表示したものを除く)」と、

同項第二号
公益認定を受けた日」とあるのは
「その成立の日」と、

同項第三号
公益認定を受けた日」とあるのは
「その成立の日」と、

定めるもの」とあるのは
「定めるもの並びに合併により消滅する公益法人が公益認定を受けた日以後にその公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産以外の財産 及び同日以後に当該公益法人がその公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払 その他内閣府令で定めるもの」と

する。

1項

公益法人が合併以外の理由により解散をした場合には、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあっては、破産管財人)は、当該解散の日から一箇月以内に、その旨を行政庁に届け出なければならない。

2項

清算人は、一般社団・財団法人法第二百三十三条第一項の期間が経過したときは、遅滞なく、残余財産の引渡しの見込みを行政庁に届け出なければならない。


当該見込みに変更があったときも、同様とする。

3項
清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。
4項

行政庁は、第一項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

第三節 公益法人の監督

1項
行政庁は、公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、内閣府令で定めるところにより、公益法人に対し、その運営組織 及び事業活動の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織 及び事業活動の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2項

前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

行政庁は、公益法人について、次条第二項各号いずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該公益法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。

2項

行政庁は、前項の勧告をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その勧告の内容を公表しなければならない。

3項

行政庁は、第一項の勧告を受けた公益法人が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、当該公益法人に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

4項

行政庁は、前項の規定による命令をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

5項

行政庁は、第一項の勧告 及び第三項の規定による命令をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くことができる。

一 号

第五条第一号第二号 若しくは第五号第六条第三号 若しくは第四号 又は次条第二項第三号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る

許認可等行政機関

二 号

第六条第一号ニ 又は第六号に規定する事由

警察庁長官等

三 号

第六条第五号に規定する事由

国税庁長官等

1項

行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消さなければならない。

一 号

第六条各号第二号除く)のいずれかに該当するに至ったとき。

二 号

偽りその他不正の手段により公益認定、第十一条第一項の変更の認定 又は第二十五条第一項の認可を受けたとき。

三 号

正当な理由がなく、前条第三項の規定による命令に従わないとき。

四 号

公益法人から公益認定の取消しの申請があったとき。

2項

行政庁は、公益法人が次のいずれかに該当するときは、その公益認定を取り消すことができる。

一 号

第五条各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったとき。

二 号

前節の規定を遵守していないとき。

三 号

前二号のほか、法令 又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。

3項

前条第五項の規定は、前二項の規定による公益認定の取消しをしようとする場合について準用する。

4項

行政庁は、第一項 又は第二項の規定により公益認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

5項

第一項 又は第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた公益法人は、その名称中の公益社団法人 又は公益財団法人という文字をそれぞれ一般社団法人 又は一般財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。

6項

行政庁は、第一項 又は第二項の規定による公益認定の取消しをしたときは、遅滞なく、当該公益法人の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該公益法人の名称の変更の登記を嘱託しなければならない。

7項

前項の規定による名称の変更の登記の嘱託書には、当該登記の原因となる事由に係る処分を行ったことを証する書面を添付しなければならない。

1項

行政庁が前条第一項 若しくは第二項の規定による公益認定の取消しをした場合 又は公益法人が合併により消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く)において、第五条第十七号に規定する定款の定めに従い、当該公益認定の取消しの日 又は当該合併の日から一箇月以内に公益目的取得財産残額に相当する額の財産の贈与に係る書面による契約が成立しないときは、内閣総理大臣が行政庁である場合にあっては国、都道府県知事が行政庁である場合にあっては当該都道府県が当該公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について、同号に規定する定款で定める贈与を当該公益認定の取消しを受けた法人 又は当該合併により消滅する公益法人の権利義務を承継する法人(第四項において「認定取消法人等」という。)から受ける旨の書面による契約が成立したものとみなす。


当該公益認定の取消しの日 又は当該合併の日から一箇月以内に当該公益目的取得財産残額の一部に相当する額の財産について同号に規定する定款で定める贈与に係る書面による契約が成立した場合における残余の部分についても、同様とする。

2項

前項に規定する「公益目的取得財産残額」とは、第一号に掲げる財産から第二号に掲げる財産を除外した残余の財産の価額の合計額から第三号に掲げる額を控除して得た額をいう。

一 号

当該公益法人が取得したすべての公益目的事業財産(第十八条第六号に掲げる財産にあっては、公益認定を受けた日前に取得したものを除く

二 号
当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産
三 号

公益目的事業財産以外の財産であって当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を行うために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払 その他内閣府令で定めるものの額の合計額

3項

前項に規定する額の算定の細目 その他公益目的取得財産残額の算定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

4項

行政庁は、第一項の場合には、認定取消法人等に対し、前二項の規定により算定した公益目的取得財産残額 及び第一項の規定により当該認定取消法人等と国 又は都道府県との間に当該公益目的取得財産残額 又はその一部に相当する額の金銭の贈与に係る契約が成立した旨を通知しなければならない。

5項

公益法人は、第五条第十七号に規定する定款の定めを変更することができない

1項

次の各号に掲げる者は、公益法人についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、行政庁が公益法人に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、行政庁に対し、その旨の意見を述べることができる。

一 号

許認可等行政機関

第五条第一号第二号 若しくは第五号に掲げる基準に適合しない事由 又は第六条第三号 若しくは第四号 若しくは第二十九条第二項第三号に該当する事由(事業を行うに当たり法令上許認可等行政機関の許認可等を必要とする場合に限る

二 号

警察庁長官等

第六条第一号ニ 又は第六号に該当する事由

三 号

国税庁長官等

第六条第五号に該当する事由