情報公開・個人情報保護審査会設置法

平成十五年法律第六十号
分類 法律
カテゴリ   行政組織
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第三十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月21日 17時53分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 設置及び組織

  • 第三章 審査会の調査審議の手続

  • 第四章 雑則

第一章 総則

1項
この法律は、情報公開・個人情報保護審査会の設置 及び組織 並びに調査審議の手続等について定めるものとする。

第二章 設置及び組織

1項

次に掲げる法律の規定による諮問に応じ審査請求について調査審議するため、総務省に、情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)を置く。

一 号

行政機関の保有する情報の公開に関する法律平成十一年法律第四十二号第十九条第一項

二 号

独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律平成十三年法律第百四十号第十九条第一項

三 号

個人情報の保護に関する法律平成十五年法律第五十七号第百五条第一項

1項

審査会は、委員十五人をもって組織する。

2項

委員は、非常勤とする。


ただし、そのうち五人以内は、常勤とすることができる。

1項
委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2項

委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会 又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

3項

前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。


この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

4項

委員の任期は、三年とする。


ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5項
委員は、再任されることができる。
6項

委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

7項
内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反 その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
8項

委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。


その職を退いた後も同様とする。

9項
委員は、在任中、政党 その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
10項

常勤の委員は、在任中、内閣総理大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。

11項
委員の給与は、別に法律で定める。
1項
審査会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2項
会長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3項
会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
1項

審査会は、その指名する委員三人をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。

2項

前項の規定にかかわらず、審査会が定める場合においては、委員の全員をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。

1項
審査会の事務を処理させるため、審査会に事務局を置く。
2項
事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。
3項
事務局長は、会長の命を受けて、局務を掌理する。

第三章 審査会の調査審議の手続

1項

この章において「諮問庁」とは、次に掲げる者をいう。

一 号

行政機関の保有する情報の公開に関する法律第十九条第一項の規定により審査会に諮問をした行政機関の長

二 号

独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第十九条第一項の規定により審査会に諮問をした独立行政法人等

三 号

個人情報の保護に関する法律第百五条第一項の規定により審査会に諮問をした同法第百四条第一項に規定する行政機関の長等

2項

この章において「行政文書等」とは、次に掲げるものをいう。

一 号

行政機関の保有する情報の公開に関する法律第十条第一項に規定する開示決定等に係る行政文書(同法第二条第二項に規定する行政文書をいう。以下 この項において同じ。)(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第十三条第二項の規定により行政文書とみなされる法人文書(同法第二条第二項に規定する法人文書をいう。次号において同じ。)を含む。

二 号

独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第十条第一項に規定する開示決定等に係る法人文書(行政機関の保有する情報の公開に関する法律第十二条の二第二項の規定により法人文書とみなされる行政文書を含む。

3項

この章において「保有個人情報」とは、個人情報の保護に関する法律第七十八条第一項第四号第九十四条第一項 又は第百二条第一項に規定する開示決定等、訂正決定等 又は利用停止決定等に係る同法第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。

1項

審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等 又は保有個人情報の提示を求めることができる。


この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された行政文書等 又は保有個人情報の開示を求めることができない

2項

諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。

3項
審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、行政文書等に記録されている情報 又は保有個人情報に含まれている情報の内容を審査会の指定する方法により分類 又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
4項

第一項 及び前項に定めるもののほか、審査会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人(行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第十三条第四項に規定する参加人をいう。次条第二項 及び第十六条において同じ。)又は諮問庁(以下「審査請求人等」という。)に意見書 又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させ 又は鑑定を求めること その他必要な調査をすることができる。

1項

審査会は、審査請求人等から申立てがあったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。


ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

2項

前項本文の場合においては、審査請求人 又は参加人は、審査会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

1項

審査請求人等は、審査会に対し、意見書 又は資料を提出することができる。


ただし、審査会が意見書 又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

1項

審査会は、必要があると認めるときは、その指名する委員に、第九条第一項の規定により提示された行政文書等 若しくは保有個人情報を閲覧させ、同条第四項の規定による調査をさせ、又は第十条第一項本文の規定による審査請求人等の意見の陳述を聴かせることができる。

1項

審査会は、第九条第三項 若しくは第四項 又は第十一条の規定による意見書 又は資料の提出があったときは、当該意見書 又は資料の写し(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下 この項 及び次項において同じ。)にあっては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を当該意見書 又は資料を提出した審査請求人等以外の審査請求人等に送付するものとする。


ただし、第三者の利益を害するおそれがあると認められるとき、その他正当な理由があるときは、この限りでない。

2項

審査請求人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書 又は資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)を求めることができる。


この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない

3項

審査会は、第一項の規定による送付をし、又は前項の規定による閲覧をさせようとするときは、当該送付 又は閲覧に係る意見書 又は資料を提出した審査請求人等の意見を聴かなければならない。


ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

4項

審査会は、第二項の規定による閲覧について、日時 及び場所を指定することができる。

1項
審査会の行う調査審議の手続は、公開しない。
1項

この法律の規定による審査会 又は委員の処分 又はその不作為については、審査請求をすることができない

1項
審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人 及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。

第四章 雑則

1項

この法律に定めるもののほか、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

第四条第八項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。