民間事業者による信書の送達に関する法律

# 平成十四年法律第九十九号 #
略称 : 信書便法 

第二章 一般信書便事業

分類 法律
カテゴリ   郵務
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 05月07日 01時43分


第一節 事業の許可

1項

一般信書便事業を営もうとする者は、総務大臣の許可を受けなければならない。

1項

前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあっては、その代表者の氏名

二 号

次に掲げる事項に関する事業計画

信書便物の引受けの方法

信書便物の配達の方法

及びに掲げるもののほか、信書便物の送達の方法

その他総務省令で定める事項

三 号

他に事業を行っているときは、その事業の種類

2項

前項の申請書には、事業収支見積書 その他総務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、第六条の許可を受けることができない

一 号

一年以上の懲役 又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

二 号

一般信書便事業 又は特定信書便事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日(行政手続法平成五年法律第八十八号第十五条第一項の通知が到達した日(同条第三項により通知が到達したものとみなされた日を含む。)をいう。)前六十日以内にその法人の役員であった者で当該取消しの日から二年を経過しないものを含む。

三 号

法人であって、その役員のうちに前二号いずれかに該当する者のあるもの

1項

総務大臣は、第六条の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。

一 号

その事業の計画が信書便物の秘密を保護するため適切なものであること。

二 号

その事業の計画が全国の区域において一般信書便役務に係る信書便物(以下この号において「一般信書便物」という。)を引き受け、かつ、配達する計画を含むものであって、事業計画に次に掲げる事項が定められていること。

総務省令で定める基準に適合する信書便差出箱の設置 その他の一般信書便物を随時、かつ、簡易に差し出すことを可能とするものとして総務省令で定める基準に適合する信書便物の引受けの方法

一週間につき五日以上一般信書便物の配達を行うことができるものとして総務省令で定める基準に適合する信書便物の配達の方法

三 号

前二号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。

四 号

その事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。

1項

一般信書便事業者は、第七条第一項第一号 又は第三号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1項

一般信書便事業者は、その業務を行う場合には、第六条の許可に係る事業計画(以下この章において単に「事業計画」という。)に定めるところに従わなければならない。

1項

一般信書便事業者は、事業計画の変更(第三項に規定するものを除く)をしようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

2項

第九条の規定は、前項の認可について準用する。

3項

一般信書便事業者は、総務省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1項

一般信書便事業の譲渡し及び譲受けは、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2項

一般信書便事業者たる法人の合併 及び分割は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。


ただし、一般信書便事業者たる法人と一般信書便事業を営まない法人が合併する場合において一般信書便事業者たる法人が存続するとき、又は一般信書便事業者たる法人が分割をする場合において一般信書便事業を承継させないときは、この限りでない。

3項

第八条 及び第九条の規定は、前二項の認可について準用する。

4項

第一項の認可を受けて一般信書便事業を譲り受けた者 又は第二項の認可を受けて一般信書便事業者たる法人が合併 若しくは分割をした場合における合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 若しくは分割により一般信書便事業を承継した法人は、第六条の許可に基づく権利義務を承継する。

1項

一般信書便事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該一般信書便事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。次項において同じ。)が被相続人の営んでいた一般信書便事業を引き続き営もうとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、総務大臣の認可を受けなければならない。

2項

相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可をする旨 又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした一般信書便事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。

3項

第八条 及び第九条の規定は、第一項の認可について準用する。

4項

第一項の認可を受けた者は、被相続人に係る第六条の許可に基づく権利義務を承継する。

1項

一般信書便事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。

2項

一般信書便事業者たる法人の解散の決議 又は総社員の同意は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3項

総務大臣は、一般信書便事業の休止 若しくは廃止 又は法人の解散により公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き第一項の許可 又は前項認可をしなければならない。

第二節 業務

1項

一般信書便事業者は、総務省令で定めるところにより、一般信書便役務に関する料金(一般信書便役務に係る信書便物の送達の料金以外の料金のうち総務省令で定める料金を除く第二十七条第二号において同じ。)を定め、あらかじめ、総務大臣に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の料金は、次の各号いずれにも適合するものでなければならない。

一 号

配達地により異なる額が定められていないこと(一般信書便事業者の事業所においてその引受けを行う信書便物であって、その送達に際し当該一般信書便事業者の区分事業所(主として信書便物の区分を行う事業所をいう。)間の運送を要しない信書便物に係る料金を除く)。

二 号

大きさ 及び形状が総務省令で定める基準に適合する信書便物であって、その重量が二十五グラム以下のものに係る料金の額が、軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価 その他の事情を勘案して総務省令で定める額を超えないものであること。

三 号

定率 又は定額をもって明確に定められていること。

四 号

特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

1項

一般信書便事業者は、信書便の役務に関する提供条件(料金 及び総務省令で定める事項に係るものを除く)について信書便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときは、同項認可をしなければならない。

一 号

信書便物の引受け、配達、転送 及び還付 並びに送達日数に関する事項、信書便の役務に関する料金の収受に関する事項 その他一般信書便事業者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていること。

二 号

特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

1項

一般信書便事業者は、第十六条第一項の規定により届け出た料金(同項の総務省令で定める料金を含む。次条第二項において同じ。)、前条第一項の認可を受けた信書便約款(同項の総務省令で定める事項に係る提供条件を含む。次条において同じ。)その他総務省令で定める事項について、その事業所において公衆に見やすいように掲示するとともに、総務省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く)により公衆の閲覧に供しなければならない。

1項

一般信書便事業者は、正当な理由がなければ、一般信書便役務の提供を拒んではならない。

2項

一般信書便事業者は、第十六条第一項の規定により届け出た料金 及び第十七条第一項の認可を受けた信書便約款によらなければ一般信書便役務を提供してはならない。

3項

一般信書便事業者は、第十七条第一項の認可を受けた信書便約款によらなければ一般信書便役務以外の信書便の役務を提供してはならない。

1項

一般信書便事業者は、信書便物を引き受けたとき、又は信書の送達の事業に関する協定 若しくは契約を締結した外国信書便事業者から信書便物を引き渡されたときは、総務省令で定める場合を除き、総務省令で定めるところにより、当該信書便物の表面の見やすい所に当該一般信書便事業者の取扱いに係る信書便物であることを表示しなければならない。

1項

一般信書便事業者は、受取人不明 その他の事由により信書便物を送達することができない場合において、差出人不明 その他の事由により当該信書便物を差出人に還付することができないときは、総務省令で定めるところにより、当該信書便物を開くことができる。

2項

一般信書便事業者は、前項の規定により当該信書便物を開いてもなお当該信書便物を送達し、又は差出人に還付することができないときは、総務省令で定めるところにより、当該信書便物を管理しなければならない。

1項

一般信書便事業者は、その取扱中に係る信書便物の秘密を保護するため、総務省令で定めるところにより、信書便の業務の管理に関する事項について信書便管理規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

総務大臣は、信書便管理規程が一般信書便事業者の取扱中に係る信書便物の秘密を保護するものとして適当であると認めるときは、前項認可をしなければならない。

3項

一般信書便事業者 及びその従業者は、信書便管理規程を守らなければならない。

1項

一般信書便事業者は、信書便の業務の一部を委託しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

2項

総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときは、同項認可をしなければならない。

一 号

当該委託を必要とする特別の事情があること。

二 号

受託者が当該業務を行うのに適している者であること。

1項

一般信書便事業者は、他の一般信書便事業者 又は特定信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定 又は契約(信書便の業務の一部の委託に関するものを除く次項 及び次条において同じ。)を締結しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

2項

総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときは、同項認可をしなければならない。

一 号

当該協定 又は契約の締結を必要とする特別の事情があること。

二 号

一般信書便役務を提供するための協定 又は契約でないこと。

1項

一般信書便事業者は、外国信書便事業者と信書の送達の事業に関する協定 又は契約を締結しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

第三節 監督

1項

総務大臣は、一般信書便事業者が第十一条の規定に違反していると認めるときは、当該一般信書便事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。

1項

総務大臣は、一般信書便事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、一般信書便事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。

一 号

事業計画、信書便約款 又は信書便管理規程を変更すること。

二 号

一般信書便役務に関する料金が第十六条第二項各号いずれかに適合していないと認められる場合において、当該料金を変更すること。

三 号

前二号に掲げるもののほか、事業の運営を改善するために必要な措置をとること。

1項

総務大臣は、一般信書便事業者が次の各号いずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて事業の全部 若しくは一部の停止を命じ、又は第六条の許可を取り消すことができる。

一 号

この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分 又は許可 若しくは認可に付した条件に違反したとき。

二 号

第八条第一号 又は第三号に該当するに至ったとき。