動物の愛護及び管理に関する法律

# 昭和四十八年法律第百五号 #
略称 : 動管法  動物愛護法 

第四章の三 犬及び猫の登録

分類 法律
カテゴリ   環境保全
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月30日 18時22分


1項

犬猫等販売業者は、犬 又は猫を取得したときは、環境省令で定めるところにより、当該犬 又は猫を取得した日(生後九十日以内の犬 又は猫を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日を経過する日(その日までに当該犬 又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに、当該犬 又は猫にマイクロチップ犬 又は猫の所有者に関する情報 及び犬 又は猫の個体の識別のための情報の適正な管理 及び伝達に必要な機器であつて識別番号(個々の機器を識別するために割り当てられる番号をいう。以下同じ。)が電磁的方法(電子的方法、磁気的方法 その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録されたもののうち、環境省令で定める基準に適合するものをいう。以下同じ。)を装着しなければならない。


ただし、当該犬 又は猫に既にマイクロチップが装着されているとき並びにマイクロチップを装着することにより当該犬 又は猫の健康 及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。

2項

犬猫等販売業者以外の犬 又は猫の所有者は、その所有する犬 又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない。

1項

獣医師は、前条の規定により犬 又は猫にマイクロチップを装着しようとする者の依頼を受けて当該犬 又は猫にマイクロチップを装着した場合には、当該マイクロチップの識別番号 その他環境省令で定める事項を記載した証明書(次項 及び第三十九条の五第三項において「マイクロチップ装着証明書」という。)を当該犬 又は猫の所有者に発行しなければならない。

2項
マイクロチップ装着証明書の様式 その他の必要な事項は、環境省令で定める。
1項

何人も、犬 又は猫の健康 及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときを除き、 当該犬 又は猫に装着されているマイクロチップを取り外してはならない。

1項

次の各号に掲げる者は、その所有する犬 又は猫について、当該各号に定める日から三十日を経過する日(その日までに当該犬 又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに、環境大臣の登録を受けなければならない。

一 号

第三十九条の二第一項 又は第二項の規定によりその所有する犬 又は猫にマイクロチップを装着した者

当該マイクロチップを装着した日

二 号

マイクロチップが装着された犬 又は猫であつて、この項の登録(以下この章において単に「登録」という。)を受けていないものを取得した犬猫等販売業者

当該犬 又は猫を取得した日

2項

登録を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。

一 号

氏名 及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名 及び主たる事務所の所在地)並びに電話番号 並びに登録を受けようとする犬 又は猫の所在地

二 号
登録を受けようとする犬 又は猫に装着されているマイクロチップの識別番号
三 号

前二号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項

3項

登録を受けようとする者(第一項第一号に掲げる者に限る)は、前項の申請書に、マイクロチップ装着証明書を添付しなければならない。

4項

環境大臣は、登録をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該登録を受けた者に対し、その所有する犬 又は猫に関する証明書以下この章において「登録証明書」という。)を交付しなければならない。

5項

登録証明書には、環境省令で定める様式に従い、 登録を受けた犬 又は猫に装着されているマイクロチップの識別番号 その他の環境省令で定める事項を記載するものとする。

6項

登録を受けた者は、登録証明書を亡失し、又は登録証明書が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をして、登録証明書の再交付を受けることができる。

7項

環境大臣は、登録に係る事項を記録し、これを当該登録が行われた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

8項

登録を受けた者は、第二項第一号に掲げる事項 その他の環境省令で定める事項に変更を生じたときは、環境省令で定めるところにより、変更を生じた日から三十日を経過する日までに、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

9項

登録を受けた犬 又は猫の譲渡しは、当該犬 又は猫に係る登録証明書とともにしなければならない。

1項

次に掲げる者は、環境省令で定めるところにより、犬 又は猫を取得した日から三十日を経過する日(その日までに当該犬 又は猫の譲渡しをする場合にあつては、その譲渡しの日)までに変更登録を受けなければならない。

一 号
登録を受けた犬 又は猫を取得した犬猫等販売業者
二 号

犬猫等販売業者以外の者であつて、登録を受けた犬 又は猫を当該犬 又は猫に係る登録証明書とともに譲り受けたもの

2項

前条第四項から 第九項までの規定は、前項の変更登録(以下この章において単に「変更登録」という。)について準用する。

1項

環境大臣は、犬の所有者が当該犬を取得した日(生後九十日以内の犬を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日以内に登録 又は変更登録を受けた場合において、当該犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあつては、区長。以下この条において同じ。)の求めがあるときは、環境省令で定めるところにより、当該市町村長に環境省令で定める事項を通知しなければならない。

2項

前項の規定により市町村長が通知を受けた場合における狂犬病予防法第四条の規定の適用については、当該通知に係る犬の所有者が当該犬に係る登録 又は変更登録を受けた日において、当該犬の所有者から同条第一項の規定による犬の登録の申請 又は同条第五項の規定による届出があつたものとみなし、当該犬に装着されているマイクロチップは、同条第二項の規定により市町村長から交付された鑑札とみなす。

3項

環境大臣は、犬の所有者から第三十九条の五第八項第三十九条の六第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出があつた場合において、当該犬の所在地を管轄する市町村長の求めがあるときは、環境省令で定めるところにより、当該市町村長に環境省令で定める事項を通知しなければならない。

4項

前項の規定により市町村長が通知を受けたときは、当該通知に係る届出があつた日において、当該届出をした犬の所有者から狂犬病予防法第四条第四項の規定による届出があつたものとみなす。

5項

第二項の規定により狂犬病予防法第四条第二項の規定により市町村長から交付された鑑札とみなされたマイクロチップが装着されている犬の所有者は、その犬から当該マイクロチップを取り除いた場合 その他の厚生労働省令で定める場合には、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長に対し、その旨を届け出なければならない。

6項

市町村長は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出をした犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。

7項

前項の場合における狂犬病予防法第四条第三項の規定の適用については、

同項
前項の鑑札」とあるのは、
動物の愛護及び管理に関する法律昭和四十八年法律第百五号第三十九条の七第六項の鑑札」と

する。

1項

登録を受けた犬 又は猫の所有者は、当該犬 又は猫が死亡したときその他の環境省令で定める場合に該当するときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

1項

都道府県等は、第三十九条の二から 前条までに規定する措置が適切になされるよう、 犬 又は猫の所有者に対し、必要な指導 及び助言を行うように努めなければならない。

1項

環境大臣は、環境省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、第三十九条の五から 第三十九条の八までに規定する環境大臣の事務(以下「登録関係事務」という。)を行わせることができる。

2項

指定登録機関の指定は、環境省令で定めるところにより、登録関係事務を行おうとする者の申請により行う。

3項

環境大臣は、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、 指定登録機関の指定をしてはならない。

一 号

職員、設備、登録関係事務の実施の方法 その他の事項についての登録関係事務の実施に関する計画が、登録関係事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

二 号

前号の登録関係事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的 及び技術的な基礎を有するものであること。

4項

環境大臣は、第二項の申請をした者が次の各号いずれかに該当するときは、第一項の規定による指定をしてはならない。

一 号

一般社団法人 又は一般財団法人以外の者であること。

二 号

登録関係事務以外の業務により登録関係事務を公正に実施することができないおそれがあること。

三 号

第三十九条の二十の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。

四 号

その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者

5項

指定登録機関が二以上ある場合には、各指定登録機関は、登録関係事務の適正な実施を確保するため、相互に連携を図らなければならない。

6項

指定登録機関が登録関係事務を行う場合における第三十九条の五第一項 及び第二項の規定、同条第四項 及び第六項から 第八項までの規定(第三十九条の六第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条の七第一項 及び第三項の規定 並びに第三十九条の八の規定の適用については、

これらの規定中
環境大臣」とあるのは、
「指定登録機関」と

する。

1項
指定登録機関の役員の選任 及び解任は、環境大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2項

環境大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令 又は処分を含む。)若しくは第三十九条の十三第一項に規定する登録関係事務規程に違反する行為をしたとき又は登録関係事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

1項

指定登録機関は、毎事業年度、事業計画 及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第三十九条の十第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、環境大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定登録機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書 及び収支決算書を作成し、環境大臣に提出しなければならない。

1項

指定登録機関は、登録関係事務の開始前に、登録関係事務の実施に関する規程(以下「登録関係事務規程」という。)を定め、環境大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項
登録関係事務規程で定めるべき事項は、環境省令で定める。
3項

環境大臣は、第一項の認可をした登録関係事務規程が登録関係事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

1項
指定登録機関の役員 若しくは職員 又は これらの職にあつた者は、登録関係事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2項

登録関係事務に従事する指定登録機関の役員 又は職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

指定登録機関は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、 これに登録関係事務に関する事項で環境省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

1項

環境大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録関係事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

1項

環境大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、環境省令で定めるところにより、指定登録機関に対し、報告をさせることができる。

1項

環境大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、指定登録機関の帳簿、書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項
指定登録機関は、環境大臣の許可を受けなければ、登録関係事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
1項

環境大臣は、指定登録機関が第三十九条の十第四項各号第三号除く)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2項

環境大臣は、指定登録機関が次の各号いずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部 又は一部の停止を命ずることができる。

一 号

第三十九条の十第三項各号の要件を満たさなくなつたと認められるとき。

二 号

第三十九条の十一第二項第三十九条の十三第三項 又は第三十九条の十六の規定による命令に違反したとき。

三 号

第三十九条の十二 又は前条の規定に違反したとき。

四 号

第三十九条の十三第一項の認可を受けた登録関係事務規程によらないで登録関係事務を行つたとき。

五 号

次条第一項の条件に違反したとき。

1項

第三十九条の十第一項第三十九条の十一第一項第三十九条の十二第一項第三十九条の十三第一項 又は第三十九条の十九の規定による指定、認可 又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2項

前項の条件は、当該指定、認可 又は許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可 又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。

1項

指定登録機関が行う登録関係事務に係る処分 又は その不作為について不服がある者は、環境大臣に対し、審査請求をすることができる。


この場合において、環境大臣は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十五条第二項 及び第三項第四十六条第一項 及び第二項第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定登録機関の上級行政庁とみなす。

1項

環境大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、登録関係事務を行わないものとする。

2項

環境大臣は、指定登録機関が第三十九条の十九の規定による許可を受けてその登録関係事務の全部 若しくは一部を休止したとき、第三十九条の二十第二項の規定により指定登録機関に対し登録関係事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき又は指定登録機関が天災 その他の事由によりその登録関係事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その登録関係事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。

3項

環境大臣が前項の規定により登録関係事務の全部 若しくは一部を自ら行う場合、指定登録機関が第三十九条の十九の規定による許可を受けてその登録関係事務の全部 若しくは一部を廃止する場合 又は環境大臣が第三十九条の二十の規定により指定を取り消した場合における登録関係事務の引継ぎ その他の必要な事項は、環境省令で定める。

1項

環境大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号

第三十九条の十第一項の規定による指定をしたとき。

二 号

第三十九条の十九の規定による許可をしたとき。

三 号

第三十九条の二十の規定により指定を取り消し、又は登録関係事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。

四 号

前条第二項の規定により登録関係事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき又は自ら行つていた登録関係事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。

1項

次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(指定登録機関が登録関係事務を行う場合にあつては、指定登録機関)に納めなければならない。

一 号
登録を受けようとする者
二 号
登録証明書の再交付を受けようとする者
三 号
変更登録を受けようとする者
2項

前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。

1項

この章に規定するもののほか、マイクロチップの装着、登録 及び変更登録 並びに指定登録機関に関し必要な事項については、環境省令で定める。