文部科学大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝 又は天然記念物(以下「史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
文化財保護法
第七章 史跡名勝天然記念物
文部科学大臣は、前項の規定により指定された史跡名勝天然記念物のうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝 又は特別天然記念物(以下「特別史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
前二項の規定による指定は、その旨を官報で告示するとともに、当該特別史跡名勝天然記念物 又は史跡名勝天然記念物の所有者 及び権原に基づく占有者に通知してする。
前項の規定により通知すべき相手方が著しく多数で個別に通知し難い事情がある場合には、文部科学大臣は、同項の規定による通知に代えて、その通知すべき事項を当該特別史跡名勝天然記念物 又は史跡名勝天然記念物の所在地の市町村の事務所 又はこれに準ずる施設の掲示場に掲示することができる。
この場合においては、その掲示を始めた日から二週間を経過した時に同項の規定による通知が相手方に到達したものとみなす。
第一項 又は第二項の規定による指定は、第三項の規定による官報の告示があつた日からその効力を生ずる。
ただし、当該特別史跡名勝天然記念物 又は史跡名勝天然記念物の所有者 又は権原に基づく占有者に対しては、第三項の規定による通知が到達した時 又は前項の規定によりその通知が到達したものとみなされる時からその効力を生ずる。
文部科学大臣は、第一項の規定により名勝 又は天然記念物の指定をしようとする場合において、その指定に係る記念物が自然環境の保護の見地から価値の高いものであるときは、環境大臣と協議しなければならない。
前条第一項の規定による指定前において緊急の必要があると認めるときは、都道府県の教育委員会(当該記念物が指定都市の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の教育委員会。第百三十三条を除き、以下この章において同じ。)は、史跡名勝天然記念物の仮指定を行うことができる。
前項の規定により仮指定を行つたときは、都道府県の教育委員会は、直ちにその旨を文部科学大臣に報告しなければならない。
第一項の規定による仮指定には、前条第三項から第五項までの規定を準用する。
文部科学大臣 又は都道府県の教育委員会は、第百九条第一項 若しくは第二項の規定による指定 又は前条第一項の規定による仮指定を行うに当たつては、特に、関係者の所有権、鉱業権 その他の財産権を尊重するとともに、国土の開発 その他の公益との調整に留意しなければならない。
文部科学大臣 又は文化庁長官は、名勝 又は天然記念物に係る自然環境の保護 及び整備に関し必要があると認めるときは、環境大臣に対し、意見を述べることができる。
この場合において、文化庁長官が意見を述べるときは、文部科学大臣を通じて行うものとする。
環境大臣は、自然環境の保護の見地から価値の高い名勝 又は天然記念物の保存 及び活用に関し必要があると認めるときは、文部科学大臣に対し、又は文部科学大臣を通じ文化庁長官に対して意見を述べることができる。
特別史跡名勝天然記念物 又は史跡名勝天然記念物がその価値を失つた場合 その他特殊の事由のあるときは、文部科学大臣 又は都道府県の教育委員会は、その指定 又は仮指定を解除することができる。
第百十条第一項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物につき第百九条第一項の規定による指定があつたとき、又は仮指定があつた日から二年以内に同項の規定による指定がなかつたときは、仮指定は、その効力を失う。
第百十条第一項の規定による仮指定が適当でないと認めるときは、文部科学大臣は、これを解除することができる。
第一項 又は前項の規定による指定 又は仮指定の解除には、第百九条第三項から第五項までの規定を準用する。
史跡名勝天然記念物につき、所有者がないか 若しくは判明しない場合 又は所有者 若しくは第百十九条第二項の規定により選任された管理の責めに任ずべき者による管理が著しく困難 若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、文化庁長官は、適当な地方公共団体 その他の法人を指定して、当該史跡名勝天然記念物の保存のため必要な管理 及び復旧(当該史跡名勝天然記念物の保存のため必要な施設、設備 その他の物件で当該史跡名勝天然記念物の所有者の所有 又は管理に属するものの管理 及び復旧を含む。)を行わせることができる。
前項の規定による指定をするには、文化庁長官は、あらかじめ、指定しようとする地方公共団体 その他の法人の同意を得なければならない。
第一項の規定による指定は、その旨を官報で告示するとともに、当該史跡名勝天然記念物の所有者 及び権原に基づく占有者 並びに指定しようとする地方公共団体 その他の法人に通知してする。
第一項の規定による指定には、第百九条第四項 及び第五項の規定を準用する。
前条第一項に規定する事由が消滅した場合 その他特殊の事由があるときは、文化庁長官は、管理団体の指定を解除することができる。
前項の規定による解除には、前条第三項 並びに第百九条第四項 及び第五項の規定を準用する。
第百十三条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人(以下この章(第百三十三条の二第一項を除く。)及び第百八十七条第一項第三号において「管理団体」という。)は、文部科学省令の定める基準により、史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲いその他の施設を設置しなければならない。
史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目 又は地積に異動があつたときは、管理団体は、文部科学省令の定めるところにより、文化庁長官にその旨を届け出なければならない。
管理団体が復旧を行う場合は、管理団体は、あらかじめ、その復旧の方法 及び時期について当該史跡名勝天然記念物の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者の意見を聞かなければならない。
史跡名勝天然記念物の所有者 又は占有者は、正当な理由がなくて、管理団体が行う管理 若しくは復旧 又はその管理 若しくは復旧のため必要な措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
管理団体が行う管理 及び復旧に要する費用は、この法律に特別の定めのある場合を除いて、管理団体の負担とする。
前項の規定は、管理団体と所有者との協議により、管理団体が行う管理 又は復旧により所有者の受ける利益の限度において、管理 又は復旧に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。
管理団体は、その管理する史跡名勝天然記念物につき観覧料を徴収することができる。
管理団体が行う管理 又は復旧によつて損失を受けた者に対しては、当該管理団体は、その通常生ずべき損失を補償しなければならない。
前項の補償の額は、管理団体(管理団体が地方公共団体であるときは、当該地方公共団体の教育委員会)が決定する。
前項の規定による補償額については、第四十一条第三項の規定を準用する。
前項で準用する第四十一条第三項の規定による訴えにおいては、管理団体を被告とする。
管理団体が行う管理には、第三十条、第三十一条第一項 及び第三十三条の規定を、管理団体が行う管理 及び復旧には、第三十五条 及び第四十七条の規定を、管理団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、第五十六条第三項の規定を準用する。
管理団体がある場合を除いて、史跡名勝天然記念物の所有者は、当該史跡名勝天然記念物の管理 及び復旧に当たるものとする。
前項の規定により史跡名勝天然記念物の管理に当たる所有者は、当該史跡名勝天然記念物の適切な管理のため必要があるときは、第百九十二条の二第一項に規定する文化財保存活用支援団体 その他の適当な者を専ら自己に代わり当該史跡名勝天然記念物の管理の責めに任ずべき者(以下この章 及び第百八十七条第一項第三号において「管理責任者」という。)に選任することができる。
この場合には、第三十一条第三項の規定を準用する。
所有者が行う管理には、第三十条、第三十一条第一項、第三十二条、第三十三条 並びに第百十五条第一項 及び第二項(同条第二項については、管理責任者がある場合を除く。)の規定を、所有者が行う管理 及び復旧には、第三十五条 及び第四十七条の規定を、所有者が変更した場合の権利義務の承継には、第五十六条第一項の規定を、管理責任者が行う管理には、第三十条、第三十一条第一項、第三十二条第三項、第三十三条、第四十七条第四項 及び第百十五条第二項の規定を準用する。
管理が適当でないため史跡名勝天然記念物が滅失し、き損し、衰亡し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、文化庁長官は、管理団体、所有者 又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置 その他管理に関し必要な措置を命じ、又は勧告することができる。
前項の場合には、第三十六条第二項 及び第三項の規定を準用する。
文化庁長官は、特別史跡名勝天然記念物がき損し、又は衰亡している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、管理団体 又は所有者に対し、その復旧について必要な命令 又は勧告をすることができる。
文化庁長官は、特別史跡名勝天然記念物以外の史跡名勝天然記念物が、き損し、又は衰亡している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、管理団体 又は所有者に対し、その復旧について必要な勧告をすることができる。
前二項の場合には、第三十七条第三項 及び第四項の規定を準用する。
文化庁長官は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、特別史跡名勝天然記念物につき自ら復旧を行い、又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置をすることができる。
管理団体、所有者 又は管理責任者が前二条の規定による命令に従わないとき。
特別史跡名勝天然記念物がき損し、若しくは衰亡している場合 又は滅失し、き損し、衰亡し、若しくは盗み取られるおそれのある場合において、管理団体、所有者 又は管理責任者に復旧 又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置をさせることが適当でないと認められるとき。
前項の場合には、第三十八条第二項 及び第三十九条から第四十一条までの規定を準用する。
国が復旧 又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置につき第百十八条 及び第百二十条で準用する第三十五条第一項の規定により補助金を交付し、又は第百二十一条第二項で準用する第三十六条第二項、第百二十二条第三項で準用する第三十七条第三項 若しくは前条第二項で準用する第四十条第一項の規定により費用を負担した史跡名勝天然記念物については、第四十二条の規定を準用する。
史跡名勝天然記念物に関し その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならない。
ただし、現状変更については維持の措置 又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、文部科学省令で定める。
第一項の規定による許可を与える場合には、第四十三条第三項の規定を、第一項の規定による許可を受けた者には、同条第四項の規定を準用する。
第一項の規定による処分には、第百十一条第一項の規定を準用する。
第一項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第三項で準用する第四十三条第三項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。
前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。
第一項の規定による許可を受けず、又は第三項で準用する第四十三条第三項の規定による許可の条件に従わないで、史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をした者に対しては、文化庁長官は、原状回復を命ずることができる。
この場合には、文化庁長官は、原状回復に関し必要な指示をすることができる。
前条第一項の規定により許可を受けなければならないこととされている行為であつてその行為をするについて、他の法令の規定により許可、認可 その他の処分で政令に定めるものを受けなければならないこととされている場合において、当該他の法令において当該処分の権限を有する行政庁 又はその委任を受けた者は、当該処分をするときは、政令の定めるところにより、文化庁長官(第百八十四条第一項 又は第百八十四条の二第一項の規定により前条第一項の規定による許可を都道府県 又は市町村の教育委員会が行う場合には、当該都道府県 又は市町村の教育委員会)に対し、その旨を通知するものとする。
史跡名勝天然記念物を復旧しようとするときは、管理団体 又は所有者は、復旧に着手しようとする日の三十日前までに、文部科学省令の定めるところにより、文化庁長官にその旨を届け出なければならない。
ただし、第百二十五条第一項の規定により許可を受けなければならない場合 その他文部科学省令の定める場合は、この限りでない。
史跡名勝天然記念物の保護上必要があると認めるときは、文化庁長官は、前項の届出に係る史跡名勝天然記念物の復旧に関し 技術的な指導と助言を与えることができる。
文化庁長官は、史跡名勝天然記念物の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。
前項の規定による処分によつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。
第一項の規定による制限 又は禁止に違反した者には、第百二十五条第七項の規定を、前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。
管理団体である地方公共団体 その他の法人が、史跡名勝天然記念物の指定に係る土地 又は建造物 その他の土地の定着物で、その管理に係る史跡名勝天然記念物の保存のため特に買い取る必要があると認められるものを買い取る場合には、国は、その買取りに要する経費の一部を補助することができる。
前項の場合には、第三十五条第二項 及び第三項 並びに第四十二条の規定を準用する。
史跡名勝天然記念物の管理団体 又は所有者は、文部科学省令で定めるところにより、史跡名勝天然記念物の保存 及び活用に関する計画(以下「史跡名勝天然記念物保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
史跡名勝天然記念物保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該史跡名勝天然記念物の名称 及び所在地
当該史跡名勝天然記念物の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
その他文部科学省令で定める事項
前項第二号に掲げる事項には、当該史跡名勝天然記念物の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為に関する事項を記載することができる。
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その史跡名勝天然記念物保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該史跡名勝天然記念物保存活用計画の実施が当該史跡名勝天然記念物の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱 又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
当該史跡名勝天然記念物保存活用計画に前項に規定する事項が記載されている場合には、その内容が史跡名勝天然記念物の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為を適切に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
前条第四項の認定を受けた史跡名勝天然記念物の管理団体 又は所有者は、当該認定を受けた史跡名勝天然記念物保存活用計画の変更(文部科学省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、文化庁長官の認定を受けなければならない。
前条第四項 及び第五項の規定は、前項の認定について準用する。
第百二十九条の二第三項に規定する事項が記載された史跡名勝天然記念物保存活用計画が同条第四項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。以下この章 及び第百五十三条第二項第二十五号において同じ。)を受けた場合において、当該史跡名勝天然記念物の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第百二十五条第一項の許可を受けなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文化庁長官に届け出ることをもつて足りる。
文化庁長官は、第百二十九条の二第四項の認定を受けた史跡名勝天然記念物の管理団体 又は所有者に対し、当該認定を受けた史跡名勝天然記念物保存活用計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次条第一項 及び第百二十九条の七において「認定史跡名勝天然記念物保存活用計画」という。)の実施の状況について報告を求めることができる。
文化庁長官は、認定史跡名勝天然記念物保存活用計画が第百二十九条の二第四項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
文化庁長官は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を当該認定を受けていた者に通知しなければならない。
都道府県 及び市町村の教育委員会は、史跡名勝天然記念物の管理団体 又は所有者の求めに応じ、史跡名勝天然記念物保存活用計画の作成 及び認定史跡名勝天然記念物保存活用計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な指導 又は助言をすることができる。
文化庁長官は、史跡名勝天然記念物の管理団体 又は所有者の求めに応じ、史跡名勝天然記念物保存活用計画の作成 及び認定史跡名勝天然記念物保存活用計画の円滑かつ確実な実施に関し 必要な指導 又は助言をするように努めなければならない。
文化庁長官は、必要があると認めるときは、管理団体、所有者 又は管理責任者に対し、史跡名勝天然記念物の現状 又は管理、復旧 若しくは環境保全の状況につき報告を求めることができる。
文化庁長官は、次の各号のいずれかに該当する場合において、前条の報告によつても なお史跡名勝天然記念物に関する状況を確認することができず、かつ、その確認のため他に方法がないと認めるときは、調査に当たる者を定め、その所在する土地 又はその隣接地に立ち入つてその現状 又は管理、復旧 若しくは環境保全の状況につき実地調査 及び土地の発掘、障害物の除却 その他調査のため必要な措置をさせることができる。
ただし、当該土地の所有者、占有者 その他の関係者に対し、著しい損害を及ぼすおそれのある措置は、させてはならない。
史跡名勝天然記念物に関する現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の許可の申請があつたとき。
史跡名勝天然記念物がき損し、又は衰亡しているとき。
史跡名勝天然記念物が滅失し、き損し、衰亡し、又は盗み取られるおそれのあるとき。
特別の事情によりあらためて特別史跡名勝天然記念物 又は史跡名勝天然記念物としての価値を調査する必要があるとき。
前項の規定による調査 又は措置によつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。
第一項の規定により立ち入り、調査する場合には、第五十五条第二項の規定を、前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。
文部科学大臣は、史跡名勝天然記念物(第百十条第一項に規定する仮指定を都道府県の教育委員会が行つたものを含む。)以外の記念物(第百八十二条第二項に規定する指定を地方公共団体が行つているものを除く。)のうち、その文化財としての価値にかんがみ 保存 及び活用のための措置が特に必要とされるものを文化財登録原簿に登録することができる。
前項の規定による登録には、第五十七条第二項 及び第三項、第百九条第三項から第五項まで 並びに第百十一条第一項の規定を準用する。
前条の規定により登録された記念物(以下「登録記念物」という。)については、第五十九条第一項から第五項まで、第六十四条、第六十八条、第百十一条第二項 及び第三項 並びに第百十三条から第百二十条までの規定を準用する。
この場合において、
第五十九条第一項中
「第二十七条第一項の規定により重要文化財に指定したとき」とあるのは
「第百九条第一項の規定により史跡名勝天然記念物に指定したとき(第百十条第一項に規定する仮指定を都道府県の教育委員会(当該記念物が指定都市の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の教育委員会)が行つたときを含む。)」と、
同条第四項中
「所有者に通知する」とあるのは
「所有者 及び権原に基づく占有者に通知する。ただし、通知すべき相手方が著しく多数で個別に通知し難い事情がある場合には、文部科学大臣は、当該通知に代えて、その通知すべき事項を当該登録記念物の所在地の市町村の事務所 又はこれに準ずる施設の掲示場に掲示することができる。この場合においては、その掲示を始めた日から二週間を経過した時に当該通知が相手方に到達したものとみなす」と、
同条第五項中
「抹消には、前条第二項の規定を準用する」とあるのは
「抹消は、前項の規定による官報の告示があつた日からその効力を生ずる。ただし、当該登録記念物の所有者 又は権原に基づく占有者に対しては、前項の規定による通知が到達した時 又は同項の規定によりその通知が到達したものとみなされる時からその効力を生ずる」と、
第百十三条第一項中
「不適当であると明らかに認められる場合には」とあるのは
「不適当であることが明らかである旨の関係地方公共団体の申出があつた場合には、関係地方公共団体の意見を聴いて」と、
第百十八条 及び第百二十条中
「第三十条、第三十一条第一項」とあるのは
「第三十一条第一項」と、
「準用する」とあるのは
「準用する。この場合において、第三十一条第一項中「並びにこれに基いて発する文部科学省令 及び文化庁長官の指示に従い」とあるのは「及びこれに基づく文部科学省令に従い」と読み替えるものとする」と、
第百十八条中
「第三十五条 及び第四十七条の規定を、管理団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、第五十六条第三項」とあるのは
「第四十七条第四項」と、
第百二十条中
「第三十五条 及び第四十七条の規定を、所有者が変更した場合の権利義務の承継には、第五十六条第一項」とあるのは
「第四十七条第四項」と
読み替えるものとする。
登録記念物の管理団体(前条において準用する第百十三条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人をいう。)又は所有者は、文部科学省令で定めるところにより、登録記念物の保存 及び活用に関する計画(以下「登録記念物保存活用計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。
登録記念物保存活用計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
当該登録記念物の保存 及び活用のために行う具体的な措置の内容
その他文部科学省令で定める事項
前項第二号に掲げる事項には、当該登録記念物の現状変更に関する事項を記載することができる。
文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その登録記念物保存活用計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該登録記念物保存活用計画の実施が当該登録記念物の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
第百八十三条の二第一項に規定する文化財保存活用大綱 又は第百八十三条の五第一項に規定する認定文化財保存活用地域計画が定められているときは、これらに照らし適切なものであること。
当該登録記念物保存活用計画に前項に規定する事項が記載されている場合には、その内容が登録記念物の現状変更を適切に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。
文化庁長官は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した者に通知しなければならない。
前条第三項に規定する事項が記載された登録記念物保存活用計画が同条第四項の認定(次条において準用する第六十七条の三第一項の変更の認定を含む。第百五十三条第二項第二十六号において同じ。)を受けた場合において、当該登録記念物の現状変更をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第百三十三条において準用する第六十四条第一項の規定による届出を行わなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該現状変更が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文化庁長官に届け出ることをもつて足りる。
登録記念物保存活用計画については、第六十七条の三 及び第六十七条の五から第六十七条の七までの規定を準用する。
この場合において、
第六十七条の三第一項中
「前条第四項」とあるのは
「第百三十三条の二第四項」と、
同条第二項中
「前条第四項 及び第五項」とあるのは
「第百三十三条の二第四項 及び第五項」と、
第六十七条の五中
「第六十七条の二第四項」とあるのは
「第百三十三条の二第四項」と、
第六十七条の六第一項中
「第六十七条の二第四項各号」とあるのは
「第百三十三条の二第四項各号」と
読み替えるものとする。