河川法

# 昭和三十九年法律第百六十七号 #

第三節 河川の使用及び河川に関する規制

分類 法律
カテゴリ   河川
@ 施行日 : 令和七年六月一日
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2026年 08月12日 23時28分


第一款 通則

1項

河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。

1項

前条の許可を受けた水利使用(流水の占用 又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築 若しくは改築をいう。以下同じ。)のために取水した流水 その他これに類する流水として政令で定めるもののみを利用する発電のために河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の登録を受けなければならない。

1項

河川管理者は、前条の登録の申請があつたときは、次条の規定により登録を拒否する場合を除き、政令で定める事項を第十二条第二項の水利台帳に登録しなければならない。

1項

河川管理者は、第二十三条の二の登録の申請が次の各号いずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。

一 号

申請者がこの法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であるとき。

二 号

申請者が第七十五条第一項の規定により許可、登録 又は承認の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者であるとき。

三 号

申請者が法人 又は団体であつて、その役員が前二号いずれかに該当する者であるとき。

四 号

第二十三条の許可を受けた水利使用のために取水した流水を利用する発電のために河川の流水を占用しようとする場合において、申請者と当該許可を受けた者とが異なるときは、当該申請者が当該申請に係る流水の占用について当該許可を受けた者の同意を得ていないとき。

五 号

前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める場合に該当するとき。

1項

河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。

1項

河川区域内の土地において土石(砂を含む。以下同じ。)を採取しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


河川区域内の土地において土石以外の河川の産出物で政令で指定したものを採取しようとする者も、同様とする。

1項

河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


河川の河口附近の海面において河川の流水を貯留し、又は停滞させるための工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者も、同様とする。

2項

高規格堤防特別区域内の土地においては、前項の規定にかかわらず、次に掲げる行為については、同項の許可を受けることを要しない。

一 号
基礎ぐいその他の高規格堤防の水の浸透に対する機能を減殺するおそれのないものとして政令で定める工作物の新築 又は改築
二 号

前号の工作物 並びに用排水路 その他の通水施設 及び池 その他の貯水施設で漏水のおそれのあるもの以外の工作物の地上 又は地表から政令で定める深さ以内の地下における新築 又は改築

三 号

工作物の地上における除却 又は工作物の地表から前号の政令で定める深さ以内の地下における除却で当該工作物が設けられていた土地を直ちに埋め戻すもの

3項

河川管理者は、高規格堤防特別区域内の土地における工作物の新築、改築 又は除却について第一項の許可の申請 又は第三十七条の二第五十八条の十三第九十五条 若しくは第九十九条第二項の規定による協議があつた場合において、その申請 又は協議に係る工作物の新築、改築 又は除却が高規格堤防としての効用を確保する上で支障を及ぼすおそれのあるものでない限り、これを許可し、又はその協議を成立させなければならない。

4項

第一項前段の規定は、樹林帯区域内の土地における工作物の新築、改築 及び除却については、適用しない。


ただし、当該工作物の新築 又は改築が、隣接する河川管理施設(樹林帯を除く)を保全するため特に必要であるとして河川管理者が指定した樹林帯区域(次項 及び次条第三項において「特定樹林帯区域」という。)内の土地においてされるものであるときは、この限りでない。

5項

河川管理者は、特定樹林帯区域を指定するときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。


これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。

1項

河川区域内の土地において土地の掘削、盛土 若しくは切土 その他土地の形状を変更する行為(前条第一項の許可に係る行為のためにするものを除く)又は竹木の栽植 若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


ただし、政令で定める軽易な行為については、この限りでない。

2項

高規格堤防特別区域内の土地においては、前項の規定にかかわらず、次に掲げる行為については、同項の許可を受けることを要しない。

一 号

前条第二項第一号の行為のためにする土地の掘削 又は地表から政令で定める深さ以内の土地の掘削で当該掘削した土地を直ちに埋め戻すもの

二 号
盛土
三 号

土地の掘削、盛土 及び切土以外の土地の形状を変更する行為

四 号
竹木の栽植 又は伐採
3項

樹林帯区域内の土地においては、第一項の規定にかかわらず次の各号特定樹林帯区域内の土地にあつては、第二号 及び第三号)に掲げる行為については、同項の許可を要しない。

一 号
工作物の新築 若しくは改築のためにする土地の掘削 又は工作物の除却のためにする土地の掘削で当該掘削した土地を直ちに埋め戻すもの
二 号
竹木の栽植
三 号
通常の管理行為で政令で定めるもの
4項

河川管理者は、河川区域内の土地における土地の掘削、盛土 又は切土により河川管理施設 又は許可工作物が損傷し、河川管理上著しい支障が生ずると認められる場合においては、当該河川管理施設 又は許可工作物の存する敷地を含む一定の河川区域内の土地については、第一項の許可をし、又は第五十八条の十三第九十五条 若しくは第九十九条第二項の規定による協議に応じてはならない。

5項

河川管理者は、前項の区域については、国土交通省令で定めるところにより、これを公示しなければならない。

6項

前条第三項の規定は、高規格堤防特別区域内の土地における土地の掘削 又は切土について第一項の許可の申請 又は第五十八条の十三第九十五条 若しくは第九十九条第二項の規定による協議があつた場合に準用する。

1項
河川における竹木の流送 又は舟 若しくはいかだの通航については、一級河川にあつては政令で、二級河川にあつては都道府県の条例で、河川管理上必要な範囲内において、これを禁止し、若しくは制限し、又は河川管理者の許可を受けさせることができる。
1項

第二十三条から前条までに規定するものを除くほか、河川の流水の方向、清潔、流量、幅員 又は深浅等について、河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為については、政令で、これを禁止し、若しくは制限し、又は河川管理者の許可を受けさせることができる。

2項

二級河川については、前項に規定する行為で政令で定めるものについて、都道府県の条例で、これを禁止し、若しくは制限し、又は河川管理者の許可を受けさせることができる。

1項

第二十六条第一項の許可を受けてダム その他の政令で定める工作物を新築し、又は改築する者は、当該工事について河川管理者の完成検査を受け、これに合格した後でなければ、当該工作物を使用してはならない。

2項

前項の規定にかかわらず、特別の事情があるときは、同項に規定する者は、当該工作物の工事の完成前においても、河川管理者の承認を受けて、当該工作物の一部を使用することができる。

1項

第二十六条第一項の許可を受けて工作物を設置している者は、当該工作物の用途を廃止したときは、速やかに、その旨を河川管理者に届け出なければならない。

2項

河川管理者は、前項の届出があつた場合において、河川管理上必要があると認めるときは、当該許可に係る工作物を除却し、河川を原状に回復し、その他河川管理上必要な措置をとることを命ずることができる。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の区域内に存する河川について第二十三条第二十四条 若しくは第二十五条の許可 又は第二十三条の二の登録を受けた者から、流水占用料、土地占用料 又は土石採取料 その他の河川産出物採取料(以下「流水占用料等」という。)を徴収することができる。

2項
流水占用料等の額の基準 及びその徴収に関して必要な事項は、政令で定める。
3項
流水占用料等は、当該都道府県の収入とする。
4項

国土交通大臣 又は指定都市の長は、第二十三条第二十四条 若しくは第二十五条の許可 又は第二十三条の二の登録をしたときは、速やかに、当該許可 又は登録に係る事項を当該許可 又は登録に係る河川の存する都道府県を統括する都道府県知事に通知しなければならない。


当該許可 又は登録について第七十五条の規定による処分をしたときも、同様とする。

1項

相続人、合併 又は分割により設立される法人 その他の第二十三条 若しくは第二十四条から第二十七条までの許可 又は第二十三条の二の登録を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、第二十三条第二十四条 若しくは第二十五条の許可 若しくは第二十三条の二の登録に基づく権利を承継し、又は第二十六条第一項 若しくは第二十七条第一項の許可に係る工作物、土地 若しくは竹木 若しくは当該許可に係る工作物の新築等 若しくは竹木の栽植等をすべき土地(以下この条において「許可に係る工作物等」という。)を承継する法人に限る)は、被承継人が有していたこれらの規定による許可 又は登録に基づく地位を承継する。

2項

第二十六条第一項 又は第二十七条第一項の許可を受けた者からその許可に係る工作物等を譲り受けた者は、当該許可を受けた者が有していた当該許可に基づく地位を承継する。当該許可を受けた者から賃貸借 その他により当該許可に係る工作物等を使用する権利を取得した者についても、当該工作物等の使用に関しては、同様とする。

3項

前二項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、河川管理者にその旨を届け出なければならない。

1項

第二十三条第二十四条 若しくは第二十五条の許可 又は第二十三条の二の登録に基づく権利は、河川管理者の承認を受けなければ、譲渡することができない。

2項

前項に規定する許可 又は登録に基づく権利を譲り受けた者は、譲渡人が有していたその許可 又は登録に基づく地位を承継する。

3項

第二十三条の三 及び第二十三条の四の規定は、第一項に規定する登録に係る同項の承認について準用する。

1項

国土交通大臣は、水利使用に関し、第二十三条の許可、第二十四条 若しくは第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く) 又は前条第一項に規定する許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する第二十四条の許可を除く)に係る同項の承認の申請があつた場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、その処分が政令で定める流水の占用に係るものである場合を除き、関係行政機関の長に協議しなければならない。


これらの規定による許可に関し第七十五条の規定による処分をしようとするとき、又は都道府県知事が第七十九条第二項第四号の同意の申請をした場合においてその申請に対する処分をしようとするときも、同様とする。

2項

国土交通大臣は、第二十七条第一項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為により著しい影響を受ける事業があるときは、当該事業を主管する行政機関の長に協議しなければならない。

1項

国土交通大臣は、水利使用に関し、第二十三条の許可、第二十四条 若しくは第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く) 又は第三十四条第一項に規定する許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する第二十四条の許可を除く)に係る同項の承認の申請があつた場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、その処分が前条第一項の政令で定める流水の占用に係るものである場合を除き、あらかじめ、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。


これらの規定による許可に関し第七十五条の規定による処分をしようとするときも、同様とする。

2項

都道府県知事は、二級河川について、水利使用で政令で定めるものに関し、第二十三条の許可 又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く)をしようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3項

指定都市の長は、水利使用に関し、第九条第五項の規定により行うものとされた一級河川の管理で政令で定めるものを行おうとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。

4項

指定都市の長は、二級河川について、水利使用で政令で定めるものに関し、第二十三条の許可 又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く)をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事 及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

5項

国土交通大臣は、第二十七条第一項の許可をしようとする場合において、当該許可が政令で定める行為に係るものであるときは、あらかじめ、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。

1項

河川管理者は、第二十六条第一項の許可を受けた者の委託があつた場合においては、同項の許可に係る工作物に関する工事を自ら行うことができる。

1項

水防管理団体 又は水防協力団体(水防法第三十六条第一項の規定により指定された水防協力団体をいう。以下この条において同じ。)が行う水防に必要な器具、資材 又は設備を保管するための倉庫 その他これに類する施設として国土交通省令で定めるものの設置についての第二十四条第二十六条第一項 及び第三十四条第一項第二十四条の許可に係る部分に限る)の規定の適用については、水防管理団体 又は水防協力団体と河川管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可 又は承認があつたものとみなす。

第二款 水利調整

1項

河川管理者は、水利使用に関し第二十三条の許可 又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く)の申請があつた場合においては、当該申請が却下すべきものである場合を除き、国土交通省令で定めるところにより、申請者の氏名、水利使用の目的 その他国土交通省令で定める事項を第二十三条 及び第二十四条から第二十九条までの規定による許可を受けた者 並びに政令で定める河川に関し権利を有する者(以下「関係河川使用者」と総称する。)に通知しなければならない。


ただし、当該水利使用により損失を受けないことが明らかである者 及び当該水利使用を行うことについて同意をした者については、この限りでない。

1項

前条の通知があつたときは、関係河川使用者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者に対し、当該水利使用によりその者が受ける損失を明らかにして、当該水利使用について意見を申し出ることができる。

1項

河川管理者は、水利使用に関し第二十三条 又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合において、前条の申出をした関係河川使用者で当該申請に係る水利使用により損失を受けるものがあるときは、当該水利使用を行うことについて当該関係河川使用者のすべての同意がある場合を除き次の各号に該当する場合でなければ、その許可をしてはならない。

一 号
当該水利使用に係る事業が関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業に比し公益性が著しく大きい場合
二 号

損失を防止するために必要な施設(以下「損失防止施設」という。)を設置すれば関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業の実施に支障がないと認められる場合

2項

国土交通大臣は、前項第一号に該当するものとして水利使用に関し第二十三条 又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合においては、あらかじめ、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。

1項

水利使用に関する第二十三条 若しくは第二十六条第一項の許可 又は第二十三条の二の登録により損失を受ける者があるときは、当該水利使用に関する許可 又は登録を受けた者がその損失を補償しなければならない。

1項

前条の規定による損失の補償で関係河川使用者に係るものについては、水利使用の許可を受けた者と関係河川使用者とが協議しなければならない。

2項

前項の規定による協議が成立しない場合においては、当事者は、政令で定めるところにより、河川管理者の裁定を求めることができる。

3項

河川管理者は、前項の裁定をする場合において、損失の補償として、損失防止施設を設置すべき旨の関係河川使用者の要求があり、かつ、水利使用の許可を受けた者の意見をきいてその要求を相当と認めるときは、損失防止施設の機能、規模、構造、設置場所等を定めて、当該水利使用の許可を受けた者が損失防止施設を設置すべき旨の裁定をすることができる。

4項

河川管理者は、第二項の裁定をしようとする場合においては、あらかじめ、関係河川使用者が当該河川の使用を行なう土地の所在する都道府県の収用委員会の意見をきかなければならない。

5項

第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があつた日から六十日以内に、訴えをもつてその変更を請求することができる。

6項

前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。

7項

第五項の規定による訴えの提起は、水利使用 及び当該水利使用に係る事業の実施を妨げない。

1項

水利使用の許可を受けた者は、第三十九条の申出をした関係河川使用者に係る前条第一項の協議 又は同条第二項の裁定に係る損失を補償した後(損失の補償が損失防止施設の設置に係るものであるときは、当該施設を設置し、かつ、河川管理者の確認を得た後)でなければ、流水を貯留し、又は取水してはならない。


ただし第三十九条の申出をした関係河川使用者の受ける損失であつて河川管理者が当該水利使用の許可に係る流水の貯留 若しくは取水の後でなければその程度を確定することができない旨の決定をし、若しくは当該水利使用の許可に係る工作物が完成しなければ当該損失防止施設を設置することができないこと その他当該損失防止施設の種類、構造等について特別の事情があることにより、損失防止施設の設置の時期について当該水利使用の許可に係る流水の貯留 若しくは取水の後でよい旨の決定をしたもの 又は当該水利使用の許可に係る流水の貯留 若しくは取水につき同意をした関係河川使用者の受ける損失については、この限りでない。

2項

前項の場合において、次の各号いずれかに該当するときは、水利使用の許可を受けた者は、補償金を供託することができる。

一 号
補償金の提供をした場合において、補償金を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
二 号
補償金を受けるべき者が補償金を受領することができないとき。
三 号

水利使用の許可を受けた者が補償金を受けるべき者を確知することができないとき。


ただし、水利使用の許可を受けた者に過失があるときは、この限りでない。

四 号
水利使用の許可を受けた者が河川管理者の裁定した補償金額に対して不服があるとき。
五 号
水利使用の許可を受けた者が差押え 又は仮差押えにより補償金の払渡しを禁じられたとき。
3項

前項第四号の場合において補償金を受けるべき者の請求があるときは、水利使用の許可を受けた者は、自己の見積金額を払い渡し、裁定による補償金額との差額を供託しなければならない。

4項

第二項の規定による供託は、水利使用を行なう土地のもよりの供託所にしなければならない。

5項

水利使用の許可を受けた者は、第二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金を取得すべき者に通知しなければならない。

6項

水利使用の許可を受けた者は、第二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、供託物受入の記載ある供託書の写しを添付して、その旨を河川管理者に届け出なければならない。

第三款 ダムに関する特則

1項

ダム(河川の流水を貯留し、又は取水するため第二十六条第一項の許可を受けて設置するダムで、基礎地盤から堤頂までの高さが十五メートル以上のものをいう。第五十一条の二 及び第五十一条の三除き、以下同じ。)で政令で定めるものを設置する者は、当該ダムの設置により河川の状態が変化し、洪水時における従前の当該河川の機能が減殺されることとなる場合においては、河川管理者の指示に従い、当該機能を維持するために必要な施設を設け、又はこれに代わるべき措置をとらなければならない。

2項

前項の河川管理者の指示の基準は、政令で定める。

1項

ダムで政令で定めるものを設置する者は、当該ダムの操作が当該河川の管理上適正に行なわれることを確保するため、政令で定める基準に従い、観測施設を設け、水位、流量 及び雨雪量を観測しなければならない。

1項

前条のダムの設置者は、洪水が発生し、又は発生するおそれがある場合においては、政令で定めるところにより、同条の規定による観測の結果 及び当該ダムの操作の状況を河川管理者 及び関係都道府県知事に通報しなければならない。

2項

前条のダムの設置者は、政令で定める基準に従い、前項の通報がすみやかに、かつ、的確に行なわれるために必要な通報施設を設けておかなければならない。

1項

ダムを設置する者は、当該ダムを流水の貯留 又は取水の用に供しようとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、当該ダムの操作の方法について操作規程を定め、河川管理者の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

河川管理者は、ダムで政令で定めるものについて前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。

3項

ダムの操作は、第一項の承認を受けた操作規程に従つて行なわなければならない。

4項
河川管理者は、当該ダムに関する工事 又は河川の状況の変化 その他当該河川に関する特別の事情により、当該操作規程によつては河川管理上支障を生ずると認める場合においては、当該操作規程の変更を命ずることができる。
1項

ダムを設置する者は、ダムを操作することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認められる場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認められるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係都道府県知事、関係市町村長 及び関係警察署長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。

1項

ダムを設置する者は、国土交通省令で定めるところにより、洪水時におけるダムの操作に関する記録を作成し、これを保管するとともに、河川管理者からその提出を求められたときは、遅滞なく、これを河川管理者に提出しなければならない。

1項
ダムを設置する者は、当該ダムを流水の貯留 又は取水の用に供する場合においては、当該ダムの維持、操作 その他の管理を適正に行なうため、政令で定める資格を有する管理主任技術者を置かなければならない。
2項

ダムを設置する者は、前項の規定により管理主任技術者を選任したときは、当該管理主任技術者につき、国土交通省令で定める事項を河川管理者に届け出なければならない。

1項

ダムと河川管理施設とが相互に効用を兼ねる場合における当該施設について、第十七条第一項の協議に基づき、河川管理者がその維持 及び操作を行なう場合には、この款の規定の適用について、政令で特別の定めをすることができる。

1項

河川管理者は、その管理する一級河川に設置された第四十四条第一項に規定するダム 又は河川管理施設であるダム(次項 及び次条において「利水ダム等」という。)の洪水調節機能の向上を図るために必要な協議を行うため、ダム洪水調節機能協議会を組織するものとする。

2項
ダム洪水調節機能協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
一 号
河川管理者
二 号

利水ダム等に係る水利使用に関し第二十三条 又は第二十六条第一項の許可を受けた者

三 号
関係都道府県知事
四 号
関係行政機関、関係市町村長 その他の河川管理者が必要と認める者
3項

第一項の規定によりダム洪水調節機能協議会を組織する河川管理者は、同項に規定する協議を行う旨を前項第二号 及び第三号に掲げる者に通知しなければならない。

4項

前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、当該通知に係る協議に応じなければならない。

5項

ダム洪水調節機能協議会は、必要があると認めるときは、その構成員以外の関係行政機関に対し、資料の提供、意見の表明、説明 その他必要な協力を求めることができる。

6項

ダム洪水調節機能協議会において協議が調つた事項については、ダム洪水調節機能協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならない。

7項

前各項に定めるもののほか、ダム洪水調節機能協議会の運営に関し必要な事項は、ダム洪水調節機能協議会が定める。

1項
河川管理者は、その管理する二級河川に設置された利水ダム等の洪水調節機能の向上を図るために必要な協議を行うため、都道府県ダム洪水調節機能協議会を組織することができる。
2項
都道府県ダム洪水調節機能協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
一 号
河川管理者
二 号

利水ダム等に係る水利使用に関し第二十三条 又は第二十六条第一項の許可を受けた者

三 号
関係行政機関、関係市町村長 その他の河川管理者が必要と認める者
3項

前条第三項から第七項までの規定は、都道府県ダム洪水調節機能協議会について準用する。


この場合において、

同条第三項
「第一項」とあるのは
次条第一項」と、

「前項第二号 及び第三号」とあるのは
同条第二項第二号」と

読み替えるものとする。

第四款 緊急時の措置

1項
河川管理者は、洪水による災害が発生し、又は発生するおそれが大きいと認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、ダムを設置する者に対し、当該ダムの操作について、その水系に係る河川の状況を総合的に考慮して、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
1項

異常な渇水により、許可に係る水利使用が困難となり、又は困難となるおそれがある場合においては、水利使用の許可を受けた者(以下この款において「水利使用者」という。)は、相互にその水利使用の調整について必要な協議を行うように努めなければならない。


この場合において、河川管理者は、当該協議が円滑に行われるようにするため、水利使用の調整に関して必要な情報の提供に努めなければならない。

2項

前項の協議を行うに当たつては、水利使用者は、相互に他の水利使用を尊重しなければならない。

3項

河川管理者は、第一項の協議が成立しない場合において、水利使用者から申請があつたとき、又は緊急に水利使用の調整を行わなければ公共の利益に重大な支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、水利使用の調整に関して必要なあつせん 又は調停を行うことができる。

1項

水利使用者は、河川管理者の承認を受けて、異常な渇水により許可に係る水利使用が困難となつた他の水利使用者に対して、当該異常な渇水が解消するまでの間に限り、自己が受けた第二十三条 及び第二十四条の許可に基づく水利使用の全部 又は一部を行わせることができる。

2項

前項の承認に係る水利使用を行わないこととなつた場合においては、当該承認を受けた者は、遅滞なく、河川管理者にその旨を届け出なければならない。

3項

河川管理者は、前項の規定による届出があつた場合 又は第一項に規定する他の水利使用者の許可に係る水利使用が困難でなくなつた場合においては、同項の承認を取り消さなければならない。