警察法

# 昭和二十九年法律第百六十二号 #

第三章 警察庁

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和五年六月一日 ( 2023年 6月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月29日 14時28分


第一節 総則

1項

国家公安委員会に、警察庁を置く。

1項

警察庁の長は、警察庁長官とし、国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て、任免する。

2項

警察庁長官(以下「長官」という。)は、国家公安委員会の管理に服し、警察庁の庁務を統括し、所部の職員を任免し、及びその服務についてこれを統督し、並びに警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。

1項

警察庁は、国家公安委員会の管理の下に、第五条第四項各号に掲げる事務をつかさどり、並びに同条第五項 及び第六項に規定する事務について国家公安委員会を補佐する。

1項

警察庁に、次長一人を置く。

2項

次長は、長官を助け、庁務を整理し、各部局 及び機関の事務を監督する。

第二節 内部部局

1項

警察庁に、長官官房 及び次の五局を置く。

生活安全局

刑事局

交通局

警備局

サイバー警察局

2項

刑事局に組織犯罪対策部を、警備局に外事情報部 及び警備運用部を置く。

1項

長官官房に官房長を、各局に局長を置く。

2項

官房長 又は局長は、命を受け、長官官房の事務 又は局務を掌理する。

3項

各部に、部長を置く。

4項

部長は、命を受け、部務を掌理する。

1項

長官官房においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

機密に関すること。

二 号

長官の官印 及び庁印の管守に関すること。

三 号

公文書類の接受、発送、編集 及び保存に関すること。

四 号

所管行政に関する企画、立案 及び総合調整に関すること(次号に掲げるものを除く)。

五 号

第五条第一項の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画 及び立案 並びに総合調整に関すること。

六 号

所管行政に関する政策の評価に関すること。

七 号

法令案の審査に関すること。

八 号

所管行政に係る統計に関する事務の総括に関すること。

九 号

広報に関すること。

十 号

情報の公開に関すること。

十一 号

個人情報の保護に関すること。

十二 号

留置施設に関すること。

十三 号

警察職員の人事 及び定員に関すること。

十四 号

監察に関すること。

十五 号

予算、決算 及び会計に関すること。

十六 号

国有財産 及び物品の管理 及び処分に関すること。

十七 号

会計の監査に関すること。

十八 号

警察教養に関すること。

十九 号

警察職員の福利厚生に関すること。

二十 号

警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関すること。

二十一 号

犯罪被害者等基本計画の作成 及び推進に関すること。

二十二 号

犯罪被害者等給付金に関すること。

二十三 号

オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律第三条第一項に規定する給付金に関すること。

二十四 号

国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律第三条に規定する国外犯罪被害弔慰金等に関すること。

二十五 号
警察通信に関すること。
二十六 号
所管行政に関する情報の管理に関する企画 及び技術的研究に関すること。
二十七 号
所管行政に関する情報システムの整備 及び管理に関すること。
二十八 号
警察装備に関すること。
二十九 号
所管行政に係る国際協力に関する事務の総括に関すること。
三十 号

前各号に掲げるもののほか、他の局 又は機関の所掌に属しない事務に関すること。

1項

生活安全局においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

犯罪、事故 その他の事案に係る市民生活の安全と平穏に関すること。

二 号

地域警察 その他の警らに関すること。

三 号

犯罪の予防に関すること。

四 号

保安警察に関すること。

1項

刑事局においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

刑事警察に関すること。

二 号

犯罪鑑識に関すること。

三 号

犯罪統計に関すること。

四 号

暴力団対策に関すること。

五 号

薬物 及び銃器に関する犯罪の取締りに関すること。

六 号

組織犯罪の取締りに関すること(他局の所掌に属するものを除く)。

七 号

犯罪による収益の移転防止に関すること。

八 号

国際捜査共助に関すること。

九 号

重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律平成二十六年法律第五十七号第二条第一号に規定する合衆国連絡部局との連絡に関すること。

2項

組織犯罪対策部においては、前項第一号に掲げる事務のうち次に掲げるもの及び同項第四号から第九号までに掲げる事務をつかさどる。

一 号

国際的な犯罪捜査に関すること。

二 号

国際刑事警察機構との連絡に関すること。

1項

交通局においては、警察庁の所掌事務に関し、交通警察に関する事務をつかさどる。

1項

警備局においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

警備警察に関すること。

二 号

警衛に関すること。

三 号

警護に関すること。

四 号

警備実施に関すること。

五 号

第七十一条の緊急事態に対処するための計画 及びその実施に関すること。

2項

外事情報部においては、前項第一号に掲げる事務のうち外国人 又はその活動の本拠が外国に在る日本人に係るものをつかさどる。

3項

警備運用部においては、第一項第二号から第五号までに掲げる事務をつかさどる。

1項
サイバー警察局においては、警察庁の所掌事務に関し、次に掲げる事務をつかさどる。
一 号
サイバー事案に関する警察に関すること。
二 号
犯罪の取締りのための情報技術の解析に関すること。
1項

警察庁の課(室 その他課に準ずるものを含む。)の設置 及び所掌事務の範囲は、政令で定める。

2項

警察庁の課に、課長(室にあつては、室長)を置く。

3項

警察庁の長官官房、局 又は部に、その所掌事務の一部を総括整理する職を置くとき、又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くときは、これらの設置、職務 及び定数は、政令で定める。

第三節 附属機関

1項

警察庁に、警察大学校を附置する。

2項

警察大学校は、警察職員に対し、上級の幹部として必要な教育訓練を行い、警察に関する学術の研修をつかさどる。

3項

警察大学校に、校長を置く。

4項

警察大学校の位置 及び内部組織は、内閣府令で定める。

1項

警察庁に、科学警察研究所を附置する。

2項

科学警察研究所は、左に掲げる事務をつかさどる。

一 号

科学捜査についての研究 及び実験 並びにこれらを応用する鑑定 及び検査に関すること。

二 号

少年の非行防止 その他 犯罪の防止についての研究 及び実験に関すること。

三 号

交通事故の防止 その他交通警察についての研究 及び実験に関すること。

3項

科学警察研究所に、所長を置く。

4項

科学警察研究所の位置 及び内部組織は、内閣府令で定める。

1項

警察庁に、皇宮警察本部を附置する。

2項

皇宮警察本部は、天皇 及び皇后、皇太子 その他の皇族の護衛、皇居 及び御所の警備 その他の皇宮警察に関する事務をつかさどる。

3項

皇宮警察本部に、本部長を置く。

4項

皇宮警察本部に、皇宮警察学校を置き、皇宮警察の職員に対して必要な教育訓練を行う。

5項

皇宮警察本部の位置 及び内部組織は、内閣府令で定める。

第四節 地方機関

1項

警察庁に、その所掌事務のうち、第五条第四項第二号第四号から第十五号まで第十八号から第二十一号まで及び第二十四号から第二十七号までに掲げるものに係るものを分掌させるため、地方機関として、管区警察局を置く。

2項

管区警察局の名称、位置 及び管轄区域は、次の表のとおりとする。

名称
位置
管轄区域
東北管区警察局
仙台市
青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東管区警察局
さいたま市
茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 神奈川県 新潟県 山梨県 長野県 静岡県
中部管区警察局
名古屋市
富山県 石川県 福井県 岐阜県 愛知県 三重県
近畿管区警察局
大阪市
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
中国四国管区警察局
広島市
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
九州管区警察局
福岡市
福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
1項

前条の規定にかかわらず、関東管区警察局は、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち第五条第四項第十六号に掲げるものに係るものを分掌する。

1項

管区警察局に、局長を置く。

2項

管区警察局長は、管区警察局の事務を統括し、及び所属の警察職員を指揮監督し、並びに長官の命を受け、管区警察局の所掌事務(前条の規定により関東管区警察局が分掌する事務を除く。)について、府県警察を指揮監督する。

3項

管区警察局の内部組織は、政令で定める。

1項

管区警察局の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、地方機関として、警察支局を置くことができる。

2項

警察支局に、支局長を置く。

3項

警察支局の名称、位置 及び管轄区域は、政令で定める。

4項

警察支局の内部組織は、内閣府令で定める。

1項

管区警察局に、管区警察学校を附置する。

2項

管区警察学校は、警察職員に対し、幹部として必要な教育訓練 その他所要の教育訓練を行う。

3項

管区警察学校に、校長を置く。

4項

管区警察学校の位置 及び内部組織は、内閣府令で定める。

1項

警察庁に、その所掌事務のうち、東京都 及び北海道の区域における第五条第四項第十九号 及び第二十号に掲げるものに係るものを分掌させるため、地方機関として、東京都警察情報通信部 及び北海道警察情報通信部を置く。

2項

東京都警察情報通信部 及び北海道警察情報通信部に、部長を置く。

3項

東京都警察情報通信部 及び北海道警察情報通信部の位置 及び内部組織は、内閣府令で定める。

第五節 職員

1項

警察庁に、警察官、皇宮護衛官、事務官、技官 その他所要の職員を置く。

2項

皇宮護衛官は、皇宮警察本部に置く。

3項

長官は警察官とし、警察庁の次長、官房長、局長 及び部長、管区警察局長 その他政令で定める職は警察官をもつて、皇宮警察本部長は皇宮護衛官をもつて充てる。