刑事訴訟法

# 昭和二十三年法律第百三十一号 #
略称 : 刑訴法 

第四章 弁護及び補佐

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 03月12日 02時50分


1項

被告人 又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

○2項

被告人 又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

1項

弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

○2項

簡易裁判所 又は地方裁判所においては、裁判所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる


ただし、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る

1項

弁護人を選任しようとする被告人 又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。

○2項

弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。

○3項

弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。


同項の規定により紹介した弁護士が被告人 又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。

1項

公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においても その効力を有する。

○2項

公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。

1項

被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。

1項

前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。

1項

裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人 又は被疑者の弁護人の数を制限することができる。


但し、被告人の弁護人については、特別の事情のあるときに限る

1項

被告人が貧困 その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。


但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

1項

この法律により弁護人を要する場合を除いて、被告人が前条の請求をするには、資力申告書その者に属する現金、預金 その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額(以下「資力」という。)及びその内訳を申告する書面をいう。以下同じ。)を提出しなければならない。

1項

この法律により弁護人を要する場合を除いて、その資力が基準額標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬 及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)以上である被告人が第三十六条の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。

○2項

前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所 又は当該被告事件が係属する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

1項

左の場合に被告人に弁護人がないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。

一 号

被告人が未成年者であるとき。

二 号

被告人が年齢七十年以上の者であるとき。

三 号

被告人が耳の聞えない者 又は口のきけない者であるとき。

四 号

被告人が心神喪失者 又は心神耗弱者である疑があるとき。

五 号
その他必要と認めるとき。
1項

被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困 その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。


ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合 又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

○2項

前項の請求は、勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

1項

前条第一項の請求をするには、資力申告書を提出しなければならない。

○2項

その資力が基準額以上である被疑者が前条第一項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。

○3項

前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

1項

裁判官は、被疑者に対して勾留状が発せられ、かつ、これに弁護人がない場合において、精神上の障害 その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について必要があると認めるときは、職権で弁護人を付することができる。


ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

1項

裁判官は、死刑 又は無期の懲役 若しくは禁錮に当たる事件について第三十七条の二第一項 又は前条の規定により弁護人を付する場合 又は付した場合において、特に必要があると認めるときは、職権で更に弁護人一人を付することができる。


ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

1項

この法律の規定に基づいて裁判所 若しくは裁判長 又は裁判官が付すべき弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

○2項

前項の規定により選任された弁護人は、旅費、日当、宿泊料 及び報酬を請求することができる。

1項

裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。


ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。

1項

裁判所は、次の各号いずれかに該当すると認めるときは、裁判所 若しくは裁判長 又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。

一 号

第三十条の規定により弁護人が選任されたこと その他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。

二 号

被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

三 号

心身の故障 その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。

四 号

弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。

五 号

弁護人に対する暴行、脅迫 その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

○2項

弁護人を解任するには、あらかじめ、その意見を聴かなければならない。

○3項

弁護人を解任するに当たつては、被告人の権利を不当に制限することがないようにしなければならない。

○4項

公訴の提起前は、裁判官が付した弁護人の解任は、裁判官がこれを行う。


この場合においては、前三項の規定を準用する。

1項

裁判所 又は裁判官の判断を誤らせる目的で、その資力について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、十万円以下の過料に処する。

1項

身体の拘束を受けている被告人 又は被疑者は、弁護人 又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る)と立会人なくして接見し、又は書類 若しくは物の授受をすることができる。

○2項

前項の接見 又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人 又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅 又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。

○3項

検察官、検察事務官 又は司法警察職員司法警察員 及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見 又は授受に関し、その日時、場所 及び時間を指定することができる。


但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

1項

弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類 及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。


但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。

○2項

前項の規定にかかわらず第百五十七条の六第四項に規定する記録媒体は、謄写することができない

1項

弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。

1項

被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 及び兄弟姉妹は、何時でも補佐人となることができる。

○2項

補佐人となるには、審級ごとにその旨を届け出なければならない。

○3項

補佐人は、被告人の明示した意思に反しない限り、被告人がすることのできる訴訟行為をすることができる。


但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。