南極地域の環境の保護に関する法律(以下「法」という。)第三条第五号の環境省令で定める南極特別保護地区は、別記のとおりとする。
南極地域の環境の保護に関する法律施行規則
制定に関する表明
南極地域の環境の保護に関する法律(平成九年法律第六十一号)及び南極地域の環境の保護に関する法律施行令(平成九年政令第二百四十四号)の規定に基づき、南極地域の環境の保護に関する法律施行規則を次のように定める。
第一章 総則
南極地域の環境の保護に関する法律施行令(以下「令」という。)第一条第二号 及び第三号の環境省令で定める農林水産省令の規定は、次に掲げるものとする。
指定漁業の許可及び取締り等に関する省令(昭和三十八年農林省令第五号)第七十九条
指定漁業の許可及び取締り等に関する省令第八十条
指定漁業の許可及び取締り等に関する省令第八十一条
法第三条第六号イの環境省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
南極水産動植物採捕(南極地域の海域に生息し、又は生育する水産動植物(以下 この号において単に「水産動植物」という。)の採捕をいう。以下同じ。)に伴う水産動植物の混獲
南極水産動植物採捕に付随する探索 及び集魚
南極水産動植物採捕を目的とした船舶の航行 並びに当該航行に付随する物品の運搬 及び船舶への補給
前三号に掲げるもののほか、前号に規定する船舶内にある者が当該船舶内においてする行為
法第三条第六号ロの環境省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
船舶の航行 又は航空機の飛行に付随する物品の運搬 及び船舶 又は航空機への補給
前号に掲げるもののほか、南極地域の海域にある船舶 又は航空機内にある者が当該船舶 又は航空機内においてする行為
法第三条第七号の環境省令で定める南極地域の環境の構成要素は、別表第一の上欄に掲げるものとする。
法第三条第十号の環境省令で定める哺乳綱に属する種は、別表第二に掲げる種とする。
法第三条第十一号の環境省令で定める鳥綱に属する種は、別表第三に掲げる種とする。
法第三条第十三号の環境省令で定める史跡 及び歴史的記念物は、別表第四に掲げるものとする。
第二章 南極地域活動計画の確認
法第五条第三項の規定により環境大臣に対し行う届出は、様式第一の届出書により行う。
法第六条第一項の規定により環境大臣に対し行う申請は、様式第一の二の申請書により行う。
前項の申請書には、南極地域活動を主宰しようとする者が法第六条第二項各号に該当しないことを説明した書面を添付しなければならない。
法第七条第一項第二号の行為の区分は別表第五の上欄に掲げるものとし、同号の行為の目的は同表の上欄に掲げる行為の区分に応じそれぞれ同表の中欄に掲げるものとし、同号の条件は同表の上欄に掲げる行為の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げるものとする。
法第七条第一項第三号の環境省令で定める要件は、別表第六の上欄に掲げる南極特別保護地区ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げるものとする。
環境大臣は、法第八条第四項の規定により学識経験のある者の意見を聴くときは、次条の南極地域活動計画確認検討委員名簿に記載されている者の意見を聴くものとする。
環境大臣は、南極地域に関し専門の学識経験のある者のうちから、南極地域活動計画確認検討委員を委嘱して南極地域活動計画確認検討委員名簿を作成し、これを公表するものとする。
法第八条第五項の規定により行う南極環境構成要素の観測 又は測定は、別表第一の上欄に掲げる南極環境構成要素の区分に従い、それぞれ同表の中欄に掲げる対象から環境大臣があらかじめ指定するものにつき、同表の下欄に掲げる方法から環境大臣があらかじめ指定するものにより、南極地域の環境の保護の観点から必要な限度において環境大臣があらかじめ指定する頻度で行うものとする。
法第九条第一項の規定により環境大臣が行う公告は、官報により行うものとする。
法第九条第一項の環境省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
法第六条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項
申請書 及び法第六条第三項に規定する図書の縦覧の場所
法第九条第二項の意見書の提出方法、提出期限の日時 及び提出先
その他 環境大臣が縦覧を適正に行うため必要と認める事項
法第十条第一項の規定により環境大臣に対し行う届出は、様式第二の一の届出書により行う。
法第十条第三項の規定により環境大臣に対し行う届出は、様式第二の一の届出書に、次の各号の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める書類を添付して行う。
申請者について相続があった場合
相続があったことを証する書面
申請者について合併があった場合
合併後存続する法人 又は合併により設立した法人の定款 又は寄附行為 及び登記事項証明書
申請者について分割があった場合
分割により当該業務を承継した法人の定款 又は寄附行為 及び登記事項証明書
第一項の規定は確認を受けた南極地域活動に係る主宰者となろうとする者について、前項の規定は確認を受けた南極地域活動に係る主宰者の地位を相続、合併 又は分割(申請中の南極地域活動計画に係る南極地域活動を主宰する業務を承継させるものに限る。)により承継しようとする者について準用する。
この場合において、
第一項 及び前項中
「届出は」とあるのは
「承認の申請は」と、
「第二の一の届出書」とあるのは
「第二の二の申請書」と、
前項中
「申請者」とあるのは
「確認を受けた南極地域活動に係る主宰者」と
読み替えるものとする。
法第十一条第五項の規定による行為者証の交付の申請は、様式第二の三の申請書により行う。
法第十一条第五項の行為者証(以下この条において単に「行為者証」という。)の様式は、様式第三のとおりとする。
法第十一条第六項の規定による行為者証の再交付の申請は、次の各号の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める書類に、行為者証を亡失し、又は滅失した事情を記載した書類を添付して、環境大臣に提出して行うものとする。
申請をしようとする者が主宰者である場合
第一項第一号 及び第二号に掲げる事項
亡失 又は滅失した行為者証に係る行為者の氏名
亡失 又は滅失した行為者証の番号 及び交付年月日
申請をしようとする者が行為者である場合
亡失 又は滅失した行為者証の番号 及び交付年月日
第三章 南極地域における行為の制限
法第十四条第一項の環境省令で定める検査を受けている場合は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、当該検査を受けている個体(これらの個体の一部を含むものとし、これらの加工品を除く。以下この条において同じ。)が家きんのものである場合とする。
環境保護に関する南極条約議定書(以下「議定書」という。)の締約国において前号に掲げる検査に相当する検査を受けている場合
法第十四条第一項の環境省令で定める場合は、南極地域に持ち込む個体が家きん 又はCanis属(イヌ属)の種の個体以外のものである場合とする。
法第十四条第二項第二号ロの環境省令で定める場合は、次に掲げるものとする。
南極地域に持ち込む生きている生物(ウイルスを含む。以下この条において同じ。)が南極地域にある間船舶内 又は航空機内にある場合
南極水産動植物採捕の用に供するために持ち込む場合
人体内に通常あり、又は人体 若しくは船舶 その他の物件に通常付着している生きている生物を持ち込む場合
令第二条第一号の環境省令で定めるものは、放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)第二条第二項に規定する放射性同位元素、放射性同位元素等の規制に関する法律施行令(昭和三十五年政令第二百五十九号)第一条第一号から 第五号までに掲げるもの(核原料物質、核燃料物質 及び原子炉の規制に関する法律施行令(昭和三十二年政令第三百二十四号)第四十四条に定める限度を超えない核原料物質を除く。)及び これらにより汚染された物(核原料物質、核燃料物質 及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十一条の二第一項の確認を受けたもの 又は放射性同位元素等の規制に関する法律第三十三条の三第一項の確認を受けたものを除く。)とする。
法第十六条第一号の環境省令で定める焼却の方法に関する基準は、焼却設備の排出口から火炎 及び環境大臣が定める方法により測定した汚染度が五十パーセントを超える黒煙を出さない焼却方法により焼却することとする。
令第三条第四号の環境省令で定める基準は、別表第七の上欄に掲げる物質の種類ごとに同表の下欄に掲げる基準値を超えないこととする。
前項に規定する基準値は、環境大臣が定める方法により測定した場合における測定値によるものとする。
法第十六条第二号の環境省令で定める地域は、海岸 又は氷棚の先端から内陸に向かって五キロメートル以上離れた地域であって、氷床に覆われたもの(当該地域にある氷床に囲まれた露岩地域を含む。)とする。
法第十六条第二号の環境省令で定める埋立ての方法に関する基準は、次の各号のいずれにも適合するものであることとする。
前条で規定する地域にある常設の建築物内においてする行為 又は当該建築物を拠点としてする行為に伴って生ずる液状廃棄物以外の液状廃棄物を埋め立てるものでないこと。
前条で規定する地域にある氷床に囲まれた露岩地域に埋め立てるものでないこと。
当該液状廃棄物が流出しないように埋め立てること。
法第十六条第二号の規定により液状廃棄物を処分するに当たっては、氷の消耗が著しい地域を終点とする既知の氷の流線上を避けるよう努めるものとする。
令第四条第二号の環境省令で定める基準は、別表第八の上欄に掲げる項目ごとに同表の下欄に掲げる基準値に適合することとする。
前項に規定する基準値は、環境大臣が定める方法により測定した場合における測定値によるものとする。
法第十六条第三号で定める排出の方法に関する基準は、液状廃棄物に含まれる固形状の物が溶解するまで貯留する処理を行い 排出することとする。
法第十六条第三号の規定により液状廃棄物を南極地域の陸域から海域に排出するに当たっては、液状廃棄物の初期希釈 及び急速な拡散のための条件を備えている海域に排出するよう努めるものとする。
法第十六条第四号に規定する廃棄物を除去することによる南極環境影響の程度がそれを遺棄することによる南極環境影響の程度よりも大きいと認められる場合として環境省令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
建築物(燃料、衣類、食料 その他 当該建築物の中にある物品を含む。)、機械 又はドラム缶の全体が氷雪に埋もれた場合
ラジオゾンデ、測風気球 その他の気象測器 並びに電離層の諸現象 並びに宇宙線の観測に用いる器具、器械 及び装置(以下 この号において「気象測器等」という。)を気象、電離層の諸現象 又は宇宙線の観測の用に供するために南極地域において飛しょうさせ、当該気象測器等の回収のために探索する必要がある場合
法第十六条第五号に規定する南極地域において行為をする上でやむを得ず、かつ、南極環境影響の程度が軽微であるとして環境省令で定めるものは、南極地域の陸域(常設の建築物内を除く。)において生ずるし尿の処分とする。
前項の し尿については、できる限り活動の拠点である常設の建築物 又は船舶に持ち帰るよう努めるものとする。
法第十八条の環境省令で定める南極環境影響の程度が軽微な場合は、同条に規定する南極地域への持込みが禁止される物が南極地域にある間船舶内 又は航空機内にある場合とする。
第五章 雑則
法第二十四条第二項の環境省令で定める行為は、次に掲げる行為とする。
南極地域にある建築物 又は船舶、航空機、車両 若しくは発電機 その他の機械であって、南極地域における生活に必要なものを維持 又は修理するために緊急時においてやむを得ずする行為
次の各号のいずれかに掲げる事態が生じ、又は生じるおそれのある場合であって、当該事態を除去し、又は当該事態の発生を回避するために緊急時においてやむを得ずする行為
南極地域の気候の自然な変動に影響を及ぼす事態
南極地域の大気の著しい汚染、水質の著しい汚濁(水質以外の水の状態 又は水底の底質の著しい悪化を含む。)又は土壌の著しい汚染の原因となる事態
南極地域の大気の組成を変化させ、土地(海底を含む。)若しくは氷床の形質を著しく変更し、又は河川、湖沼等の水位 若しくは水量に著しい増減を及ぼす事態
南極地域に生息し、又は生育する動植物の種について、その種の個体の主要な生息地 又は生育地を消滅させる事態、種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数を著しく減少させる事態 その他のその種の個体の生息状態 又は生育状態に著しく影響を及ぼす事態
南極地域の固有の価値であって重要なものを有する地域において、当該価値を著しく減ずる事態
法第二十四条第三項の規定により環境大臣に対し行う報告は、様式第五の報告書により行う。
この省令の規定により環境大臣に提出する書類は、国外にあっては領事官(領事官の職務を行う大使館 若しくは公使館の長 又は その事務を代理する者を含む。)を経由して提出することができる。