地方公共団体は、法律で定めるところにより、学校、図書館、博物館、公民館 その他の教育機関を設置するほか、条例で、教育に関する専門的、技術的事項の研究 又は教育関係職員の研修、保健 若しくは福利厚生に関する施設 その他の必要な教育機関を設置することができる。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第四章 教育機関
第一節 通則
前条に規定する学校に、法律で定めるところにより、学長、校長、園長、教員、事務職員、技術職員 その他の所要の職員を置く。
前条に規定する学校以外の教育機関に、法律 又は条例で定めるところにより、事務職員、技術職員 その他の所要の職員を置く。
前二項に規定する職員の定数は、この法律に特別の定がある場合を除き、当該地方公共団体の条例で定めなければならない。
ただし、臨時 又は非常勤の職員については、この限りでない。
学校 その他の教育機関のうち、大学 及び幼保連携型認定こども園は地方公共団体の長が、その他のものは教育委員会が所管する。
ただし、特定社会教育機関 並びに第二十三条第一項第二号から 第四号までに掲げる事務のうち同項の条例の定めるところにより地方公共団体の長が管理し、及び執行することとされたもののみに係る教育機関は、地方公共団体の長が所管する。
教育委員会は、法令 又は条例に違反しない限りにおいて、その所管に属する学校 その他の教育機関の施設、設備、組織編制、教育課程、教材の取扱い その他の管理運営の基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるものとする。
この場合において、当該教育委員会規則で定めようとする事項のうち、その実施のためには新たに予算を伴うこととなるものについては、教育委員会は、あらかじめ当該地方公共団体の長に協議しなければならない。
前項の場合において、教育委員会は、学校における教科書以外の教材の使用について、あらかじめ、教育委員会に届け出させ、又は教育委員会の承認を受けさせることとする定めを設けるものとする。
第二十三条第一項の条例の定めるところにより同項第一号に掲げる事務を管理し、及び執行することとされた地方公共団体の長は、法令 又は条例に違反しない限りにおいて、特定社会教育機関の施設、設備、組織編制 その他の管理運営の基本的事項について、必要な地方公共団体の規則を定めるものとする。
この場合において、当該規則で定めようとする事項については、当該地方公共団体の長は、あらかじめ当該地方公共団体の教育委員会に協議しなければならない。
教育委員会の所管に属する学校 その他の教育機関の校長、園長、教員、事務職員、技術職員 その他の職員は、この法律に特別の定めがある場合を除き、教育委員会が任命する。
第三十一条第一項 又は第二項に規定する職員の任免、人事評価、給与、懲戒、服務、退職管理 その他の身分取扱いに関する事項は、この法律 及び他の法律に特別の定めがある場合を除き、地方公務員法の定めるところによる。
学校 その他の教育機関の長は、この法律 及び教育公務員特例法に特別の定がある場合を除き、その所属の職員の任免 その他の進退に関する意見を任命権者に対して申し出ることができる。
この場合において、大学附置の学校の校長にあつては、学長を経由するものとする。
第二節 市町村立学校の教職員
市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 及び第二条に規定する職員(以下「県費負担教職員」という。)の任命権は、都道府県委員会に属する。
前項の都道府県委員会の権限に属する事務に係る第二十五条第二項の規定の適用については、
同項第四号中
「職員」とあるのは、
「職員 並びに第三十七条第一項に規定する県費負担教職員」と
する。
前項の規定にかかわらず、都道府県委員会は、同項の内申が県費負担教職員の転任(地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定により教育委員会を共同設置する一の市町村の県費負担教職員を免職し、引き続いて当該教育委員会を共同設置する他の市町村の県費負担教職員に採用する場合を含む。以下 この項において同じ。)に係るものであるときは、当該内申に基づき、その転任を行うものとする。
ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
都道府県内の教職員の適正な配置と円滑な交流の観点から、一の市町村(地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定により教育委員会を共同設置する場合における当該教育委員会を共同設置する他の市町村を含む。以下 この号において同じ。)における県費負担教職員の標準的な在職期間 その他の都道府県委員会が定める県費負担教職員の任用に関する基準に従い、一の市町村の県費負担教職員を免職し、引き続いて当該都道府県内の 他の市町村の県費負担教職員に採用する必要がある場合
前号に掲げる場合のほか、やむを得ない事情により当該内申に係る転任を行うことが困難である場合
市町村委員会は、次条の規定による校長の意見の申出があつた県費負担教職員について第一項 又は前項の内申を行うときは、当該校長の意見を付するものとする。
第三十七条の場合において、都道府県委員会(この条に掲げる一の市町村に係る県費負担教職員の免職に関する事務を行う者 及び この条に掲げる 他の市町村に係る県費負担教職員の採用に関する事務を行う者の一方 又は双方が第五十五条第一項 又は第六十一条第一項の規定により当該事務を行うこととされた市町村委員会である場合にあつては、当該一の市町村に係る県費負担教職員の免職に関する事務を行う教育委員会 及び当該 他の市町村に係る県費負担教職員の採用に関する事務を行う教育委員会)は、地方公務員法第二十七条第二項 及び第二十八条第一項の規定にかかわらず、一の市町村の県費負担教職員を免職し、引き続いて当該都道府県内の 他の市町村の県費負担教職員に採用することができるものとする。
この場合において、当該県費負担教職員が当該免職された市町村において同法第二十二条(同法第二十二条の二第七項 及び教育公務員特例法第十二条第一項の規定において 読み替えて適用する場合を含む。)の規定により正式任用になつていた者であるときは、当該県費負担教職員の当該 他の市町村における採用については、地方公務員法第二十二条の規定は、適用しない。
県費負担教職員の定数は、都道府県の条例で定める。
ただし、臨時 又は非常勤の職員については、この限りでない。
県費負担教職員の市町村別の学校の種類ごとの定数は、前項の規定により定められた定数の範囲内で、都道府県委員会が、当該市町村における児童 又は生徒の実態、当該市町村が設置する学校の学級編制に係る事情等を総合的に勘案して定める。
前項の場合において、都道府県委員会は、あらかじめ、市町村委員会の意見を聴き、その意見を十分に尊重しなければならない。
県費負担教職員の給与、勤務時間 その他の勤務条件については、地方公務員法第二十四条第五項の規定により条例で定めるものとされている事項は、都道府県の条例で定める。
県費負担教職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、当該市町村の条例 及び規則 並びに当該市町村委員会の定める教育委員会規則 及び規程(前条 又は次項の規定によつて都道府県が制定する条例を含む。)に従い、かつ、市町村委員会 その他職務上の上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
県費負担教職員の任免、分限 又は懲戒に関して、地方公務員法の規定により条例で定めるものとされている事項は、都道府県の条例で定める。
都道府県委員会は、県費負担教職員の任免 その他の進退を適切に行うため、市町村委員会の行う県費負担教職員の服務の監督 又は前条 若しくは前項の規定により都道府県が制定する条例の実施について、技術的な基準を設けることができる。
県費負担教職員の人事評価は、地方公務員法第二十三条の二第一項の規定にかかわらず、都道府県委員会の計画の下に、市町村委員会が行うものとする。
県費負担教職員の研修は、地方公務員法第三十九条第二項の規定にかかわらず、市町村委員会も行うことができる。
市町村委員会は、都道府県委員会が行う県費負担教職員の研修に協力しなければならない。
この法律に特別の定めがあるもののほか、県費負担教職員に対して地方公務員法を適用する場合においては、同法中次の表の上欄に掲げる規定の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
第十六条各号列記以外の部分 | 職員 | 職員(第二号の場合にあつては、都道府県教育委員会 又は地方教育行政の組織 及び運営に関する法律第五十五条第一項 若しくは第六十一条第一項の規定により同法第三十七条第一項に規定する県費負担教職員の任用に関する事務を行うこととされた市町村教育委員会の任命に係る職員 及び懲戒免職の処分を受けた当時属していた地方公共団体の職員) |
第十六条第二号 | 当該地方公共団体において | 都道府県教育委員会(地方教育行政の組織 及び運営に関する法律第五十五条第一項 又は第六十一条第一項の規定により同法第三十七条第一項に規定する県費負担教職員の懲戒に関する事務を行うこととされた市町村教育委員会を含む。)により |
第二十六条の二第一項 及び第二十六条の三第一項 | 任命権者 | 市町村教育委員会 |
第二十八条の四第一項 | 当該地方公共団体 | 市町村 |
常時勤務を要する職 | 当該市町村を包括する都道府県の区域内の市町村の常時勤務を要する職 | |
第二十八条の五第一項 | 当該地方公共団体 | 市町村 |
短時間勤務の職( | 当該市町村を包括する都道府県の区域内の市町村の短時間勤務の職( | |
第二十九条第一項第一号 | この法律 若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律 | この法律、第五十七条に規定する特例を定めた法律 若しくは地方教育行政の組織 及び運営に関する法律 |
第三十四条第二項 | 任命権者 | 市町村教育委員会 |
第三十七条 | 地方公共団体 | 都道府県 及び市町村 |
第三十八条、第三十八条の二第六項第六号、第三十八条の三(見出しを含む。)、第三十八条の四(見出しを含む。)並びに第三十八条の五の見出し 及び同条第一項 | 任命権者 | 市町村教育委員会 |
前項に定めるもののほか、県費負担教職員に対して地方公務員法の規定を適用する場合における技術的読替は、政令で定める。
都道府県委員会は、地方公務員法第二十七条第二項 及び第二十八条第一項の規定にかかわらず、その任命に係る市町村の県費負担教職員(教諭、養護教諭、栄養教諭、助教諭 及び養護助教諭(同法第二十八条の四第一項 又は第二十八条の五第一項の規定により採用された者(以下 この項において「再任用職員」という。)を除く。)並びに講師(再任用職員 及び同法第二十二条の二第一項各号に掲げる者を除く。)に限る。)で次の各号のいずれにも該当するもの(同法第二十八条第一項各号 又は第二項各号のいずれかに該当する者を除く。)を免職し、引き続いて当該都道府県の常時勤務を要する職(指導主事 並びに校長、園長 及び教員の職を除く。)に採用することができる。
都道府県委員会は、第一項の規定による採用に当たつては、公務の能率的な運営を確保する見地から、同項の県費負担教職員の適性、知識等について十分に考慮するものとする。
第四十条後段の規定は、第一項の場合について準用する。
この場合において、
同条後段中
「当該 他の市町村」とあるのは、
「当該都道府県」と
読み替えるものとする。
市(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を除く。以下この条において同じ。)町村の教育委員会は、都道府県委員会が教育公務員特例法第二十三条第一項の初任者研修を実施する場合において、市町村の設置する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校(後期課程に定時制の課程(学校教育法第四条第一項に規定する定時制の課程をいう。以下同じ。)のみを置くものに限る。)又は特別支援学校に非常勤の講師(地方公務員法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める者を除く。以下 この条 及び第六十一条第一項において同じ。)(高等学校にあつては、定時制の課程の授業を担任する非常勤の講師に限る。)を勤務させる必要があると認めるときは、都道府県委員会に対し、当該都道府県委員会の事務局の非常勤の職員の派遣を求めることができる。
前項の規定による求めに応じて派遣される職員(第四項において「派遣職員」という。)は、派遣を受けた市町村の職員の身分を併せ有することとなるものとし、その報酬、職務を行うために要する費用の弁償 及び期末手当(地方公務員法第二十二条の二第一項第二号に掲げる者にあつては、給料、手当 及び旅費)は、当該職員の派遣をした都道府県の負担とする。
市町村の教育委員会は、第一項の規定に基づき派遣された非常勤の講師の服務を監督する。
前項に規定するもののほか、派遣職員の身分取扱いに関しては、当該職員の派遣をした都道府県の非常勤の講師に関する定めの適用があるものとする。
第三節 共同学校事務室
教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校のうち その指定する二以上の学校に係る事務(学校教育法第三十七条第十四項(同法第二十八条、第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項 及び第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により事務職員がつかさどる事務 その他の事務であつて共同処理することが当該事務の効果的な処理に資するものとして政令で定めるものに限る。)を当該学校の事務職員が共同処理するための組織として、当該指定する二以上の学校のうちいずれか一の学校に、共同学校事務室を置くことができる。
共同学校事務室の室長 及び職員は、第一項の規定による指定を受けた学校であつて、当該共同学校事務室が その事務を共同処理する学校の事務職員をもつて充てる。
ただし、当該事務職員をもつて室長に充てることが困難であるとき その他特別の事情があるときは、当該事務職員以外の者をもつて室長に充てることができる。
前三項に定めるもののほか、共同学校事務室の室長 及び職員に関し必要な事項は、政令で定める。
第四節 学校運営協議会
教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校ごとに、当該学校の運営 及び当該運営への必要な支援に関して協議する機関として、学校運営協議会を置くように努めなければならない。
ただし、二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合として文部科学省令で定める場合には、二以上の学校について一の学校運営協議会を置くことができる。
対象学校(当該学校運営協議会が、その運営 及び当該運営への必要な支援に関して協議する学校をいう。以下この条において同じ。)の所在する地域の住民
社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第九条の七第一項に規定する地域学校協働活動推進員 その他の対象学校の運営に資する活動を行う者
対象学校の校長は、前項の委員の任命に関する意見を教育委員会に申し出ることができる。
学校運営協議会は、前項に規定する基本的な方針に基づく対象学校の運営 及び当該運営への必要な支援に関し、対象学校の所在する地域の住民、対象学校に在籍する生徒、児童 又は幼児の保護者 その他の関係者の理解を深めるとともに、対象学校と これらの者との連携 及び協力の推進に資するため、対象学校の運営 及び当該運営への必要な支援に関する協議の結果に関する情報を積極的に提供するよう努めるものとする。
学校運営協議会は、対象学校の運営に関する事項(次項に規定する事項を除く。)について、教育委員会 又は校長に対して、意見を述べることができる。
学校運営協議会は、対象学校の職員の採用 その他の任用に関して教育委員会規則で定める事項について、当該職員の任命権者に対して意見を述べることができる。
この場合において、当該職員が県費負担教職員(第五十五条第一項 又は第六十一条第一項の規定により市町村委員会が その任用に関する事務を行う職員を除く。)であるときは、市町村委員会を経由するものとする。
対象学校の職員の任命権者は、当該職員の任用に当たつては、前項の規定により述べられた意見を尊重するものとする。