測量法

# 昭和二十四年法律第百八十八号 #

第二章 基本測量

分類 法律
カテゴリ   土地
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 06月20日 07時05分


第一節 計画及び実施

1項
国土交通大臣は、基本測量に関する長期計画を定めなければならない。
1項

国土地理院の長は、関係行政機関 又はその他の者に対し、基本測量に関する資料 又は報告の提出を求めることができる。

1項

国土地理院の長は、基本測量を実施しようとするときは、あらかじめその地域、期間 その他必要な事項を関係都道府県知事に通知しなければならない。

2項

国土地理院の長は、基本測量の実施を終つたときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。

3項

都道府県知事は、前二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。

1項

国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するために必要があるときは、国有、公有 又は私有の土地に立ち入ることができる。

2項

前項の規定により宅地 又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入ろうとする者は、あらかじめその占有者に通知しなければならない。


但し、占有者に対してあらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。

3項

第一項に規定する者が、同項の規定により土地に立ち入る場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

4項

前項に規定する証明書の様式は、国土交通省令で定める。

1項

国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するためにやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得て、障害となる植物 又はかき、さく等を伐除することができる。

1項

国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、山林原野 又はこれに類する土地で基本測量を実施する場合において、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得ることが困難であり、且つ、植物 又はかき、さく等の現状を著しく損傷しないときは、前条の規定にかかわらず、承諾を得ないで、これらを伐除することができる。


この場合においては、遅滞なく、その旨を所有者 又は占有者に通知しなければならない。

1項

国土地理院の長 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施する場合において、仮設標識を設置するために必要があるときは、あらかじめ占有者に通知して、土地、樹木、又は工作物を一時使用することができる。


但し、占有者に対しあらかじめ通知することが困難であるときは、通知することを要しないものとする。

1項

政府は、基本測量を実施するために、必要があるときは、土地、建物、樹木 若しくは工作物を収用し、又は使用することができる。

2項

前項の規定による収用 又は使用に関しては、土地収用法昭和二十六年法律第二百十九号)を適用する。

1項

第十六条から第十八条までの規定による植物、垣 若しくはさく等の伐除 又は土地、樹木 若しくは工作物の一時使用により、損失を受けた者がある場合においては、政府は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2項

前項の規定により補償を受けることができる者は、その補償金額に不服がある場合においては、政令で定めるところにより、その金額の通知を受けた日から一月以内に、土地収用法第九十四条第二項の規定による収用委員会の裁決を求めることができる。

1項

国土地理院の長は、基本測量において永久標識 又は一時標識を設置したときは、遅滞なく、その種類 及び所在地 その他国土交通省令で定める事項を関係都道府県知事に通知するとともに、これをインターネットの利用 その他適切な方法により公表しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を関係市町村長(特別区の区長を含む。次項 及び第三十七条第二項において同じ。)に通知しなければならない。

3項

市町村長は、基本測量の永久標識 又は一時標識について、滅失、破損 その他異状があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を国土地理院の長に通知しなければならない。

1項

何人も、国土地理院の長の承諾を得ないで、基本測量の測量標を移転し、汚損し、その他その効用を害する行為をしてはならない。

1項

国土地理院の長は、基本測量の永久標識 又は一時標識を移転し、撤去し、又は廃棄したときは、遅滞なく、その種類 及び旧所在地 その他国土交通省令で定める事項を関係都道府県知事 及びその敷地の所有者 又は占有者に通知するとともに、これをインターネットの利用 その他適切な方法により公表しなければならない。

2項

第二十一条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

1項

基本測量の永久標識 又は一時標識の汚損 その他その効用を害するおそれがある行為を当該永久標識 若しくは一時標識の敷地 又はその付近でしようとする者は、理由を記載した書面をもつて、国土地理院の長に当該永久標識 又は一時標識の移転を請求することができる。

2項

前項の規定による請求(国 又は都道府県が行うものを除く)は、当該永久標識 又は一時標識の所在地の都道府県知事を経由して行わなければならない。


この場合において、都道府県知事は、当該請求に係る事項に関する意見を付して、国土地理院の長に送付するものとする。

3項

国土地理院の長は、第一項の規定による請求に理由があると認めるときは、当該永久標識 又は一時標識を移転し、理由がないと認めるときは、その旨を移転を請求した者に通知しなければならない。

4項

前項の規定による永久標識 又は一時標識の移転に要した費用は、移転を請求した者が負担しなければならない。

1項

国土地理院の長は、基本測量の仮設標識の移転の請求があつた場合において、その請求に理由があると認めたときは、当該仮設標識を移転しなければならない。

1項

基本測量以外の測量を実施しようとする者は、国土地理院の長の承認を得て、基本測量の測量標を使用することができる。

第二節 測量成果

1項

国土交通大臣は、基本測量の測量成果を得たときは、当該測量の種類、精度 並びにその実施の時期 及び地域 その他必要と認める事項を官報で公告しなければならない。

2項

国土交通大臣は、基本測量の測量成果のうち地図 その他一般の利用に供することが必要と認められるものについては、これらを刊行し、又はこれらの内容である情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であつて国土交通省令で定めるものにより不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとらなければならない。

3項

国土地理院の長は、基本測量の測量成果 及び測量記録を保管し、国土交通省令で定めるところにより、これを一般の閲覧に供しなければならない。

1項

基本測量の測量成果 及び測量記録の謄本 又は抄本の交付を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、国土地理院の長に申請をしなければならない。

2項

前項の規定により謄本 又は抄本の交付の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

1項

基本測量の測量成果のうち、地図 その他の図表、成果表、写真 又は成果を記録した文書(これらが電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をもつて作成されている場合における当該電磁的記録を含む。第四十三条において「図表等」という。)を測量の用に供し、刊行し、又は電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとるために複製しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、国土地理院の長の承認を得なければならない。

1項

基本測量の測量成果を使用して基本測量以外の測量を実施しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、国土地理院の長の承認を得なければならない。

2項

国土地理院の長は、前項の承認の申請があつた場合において、次の各号いずれにも該当しないと認めるときは、その承認をしなければならない。

一 号
申請手続が法令に違反していること。
二 号
当該測量成果を使用することが当該測量の正確さを確保する上で適切でないこと。
3項

第一項の承認を得て測量を実施した者は、その実施により得られた測量成果に基本測量の測量成果を使用した旨を明示しなければならない。

4項

基本測量の測量成果を使用して刊行物(当該刊行物が電磁的記録をもつて作成されている場合における当該電磁的記録を含む。以下 この項 及び第四十四条第四項において同じ。)を刊行し、又は当該刊行物の内容である情報について電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとろうとする者は、当該刊行物にその旨を明示しなければならない。

1項

国土地理院の長は、地かく、地ぼう 又は地物の変動 その他の事由により基本測量の測量成果が現況に適合しなくなつた場合においては、遅滞なく、その測量成果を修正しなければならない。