特許法

# 昭和三十四年法律第百二十一号 #

第二章 特許及び特許出願

分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月09日 10時49分


1項

産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。

一 号

特許出願前に日本国内 又は外国において公然知られた発明

二 号

特許出願前に日本国内 又は外国において公然実施をされた発明

三 号

特許出願前に日本国内 又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明 又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明

2項

特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず特許を受けることができない

1項

特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願 又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行 若しくは出願公開 又は実用新案法昭和三十四年法律第百二十三号第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明 又は考案(その発明 又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明 又は考案を除く)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず特許を受けることができない


ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該 他の特許出願 又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。

1項

特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号いずれかに該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項 及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項各号いずれかに該当するに至らなかつたものとみなす。

2項

特許を受ける権利を有する者の行為に起因して第二十九条第一項各号いずれかに該当するに至つた発明(発明、実用新案、意匠 又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項各号いずれかに該当するに至つたものを除く)も、 その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項 及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

3項

前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第二十九条第一項各号いずれかに該当するに至つた発明が前項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面(次項において「証明書」という。)を特許出願の日から三十日以内特許庁長官に提出しなければならない。

4項

証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。

1項

公の秩序、善良の風俗 又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず特許を受けることができない

1項

特許を受ける権利は、移転することができる。

2項

特許を受ける権利は、質権の目的とすることができない

3項

特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡することができない

4項

特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、 その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、仮専用実施権を設定し、又は他人に仮通常実施権を許諾することができない

1項

特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない

2項

同一の者から 承継した同一の特許を受ける権利について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた者以外の者の承継は、第三者に対抗することができない

3項

同一の者から承継した同一の発明 及び考案についての特許を受ける権利 及び実用新案登録を受ける権利について同日に特許出願 及び実用新案登録出願があつたときも、前項と同様とする。

4項

特許出願後における特許を受ける権利の承継は、相続 その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官に届け出なければ、その効力を生じない。

5項

特許を受ける権利の相続 その他の一般承継があつたときは、承継人は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。

6項

同一の者から 承継した同一の特許を受ける権利の承継について同日に二以上の届出があつたときは、届出をした者の協議により定めた者以外の者の届出は、その効力を生じない。

7項

第三十九条第六項 及び第七項の規定は、第二項第三項 及び前項の場合に準用する。

1項

特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内において、仮専用実施権を設定することができる。

2項

仮専用実施権に係る特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許権について、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、専用実施権が設定されたものとみなす。

3項

仮専用実施権は、その特許出願に係る発明の実施の事業とともにする場合、特許を受ける権利を有する者の承諾を得た場合 及び相続 その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

4項

仮専用実施権者は、特許を受ける権利を有する者の承諾を得た場合に限り、その仮専用実施権に基づいて取得すべき専用実施権について、他人に仮通常実施権を許諾することができる。

5項

仮専用実施権に係る特許出願について、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割があつたときは、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮専用実施権が設定されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

6項

仮専用実施権は、その特許出願について特許権の設定の登録があつたとき、その特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき又は その特許出願について拒絶をすべき旨の査定 若しくは審決が確定したときは、消滅する。

7項

仮専用実施権者は、第四項 又は次条第七項本文の規定による仮通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その仮専用実施権を放棄することができる。

8項

第三十三条第二項から 第四項までの規定は、仮専用実施権に準用する。

1項

特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内において、他人に仮通常実施権を許諾することができる。

2項

前項の規定による仮通常実施権に係る特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、その特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、通常実施権が許諾されたものとみなす。

3項

前条第二項の規定により、同条第四項の規定による仮通常実施権に係る仮専用実施権について専用実施権が設定されたものとみなされたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、その専用実施権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、通常実施権が許諾されたものとみなす。

4項

仮通常実施権は、その特許出願に係る発明の実施の事業とともにする場合、特許を受ける権利を有する者(仮専用実施権に基づいて取得すべき専用実施権についての仮通常実施権にあつては、特許を受ける権利を有する者 及び仮専用実施権者)の承諾を得た場合 及び相続 その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

5項

第一項 若しくは前条第四項 又は実用新案法第四条の二第一項の規定による仮通常実施権に係る第四十一条第一項の先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面(当該先の出願が第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明に基づいて第四十一条第一項の規定による優先権の主張があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、当該優先権の主張を伴う特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

6項

仮通常実施権に係る特許出願について、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、当該特許出願の分割に係る新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

7項

前条第五項本文の規定により、同項に規定する新たな特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権についての仮専用実施権(以下 この項において「新たな特許出願に係る仮専用実施権」という。)が設定されたものとみなされたときは、当該新たな特許出願に係るもとの特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権についての仮専用実施権に基づいて取得すべき専用実施権についての仮通常実施権を有する者に対し、当該新たな特許出願に係る仮専用実施権に基づいて取得すべき専用実施権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

8項

実用新案法第四条の二第一項の規定による仮通常実施権に係る実用新案登録出願について、第四十六条第一項の規定による出願の変更があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、当該出願の変更に係る特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

9項

意匠法昭和三十四年法律第百二十五号)第五条の二第一項の規定による仮通常実施権に係る意匠登録出願について、第四十六条第二項の規定による出願の変更があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、当該出願の変更に係る特許出願に係る特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、仮通常実施権が許諾されたものとみなす。


ただし、当該設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

10項

仮通常実施権は、その特許出願について特許権の設定の登録があつたとき、その特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき又は その特許出願について拒絶をすべき旨の査定 若しくは審決が確定したときは、消滅する。

11項

前項に定める場合のほか、前条第四項の規定 又は第七項本文の規定による仮通常実施権は、その仮専用実施権が消滅したときは、消滅する。

12項

第三十三条第二項 及び第三項の規定は、仮通常実施権に準用する。

1項

仮専用実施権の設定、移転(相続 その他の一般承継によるものを除く)、変更、消滅(混同 又は第三十四条の二第六項の規定によるものを除く)又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。

2項

前項の相続 その他の一般承継の場合は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に届け出なければならない。

1項

仮通常実施権は、その許諾後に当該仮通常実施権に係る特許を受ける権利 若しくは仮専用実施権 又は当該仮通常実施権に係る特許を受ける権利に関する仮専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。

1項

使用者、法人、国 又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員 又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在 又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。

2項

従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除きあらかじめ、使用者等に特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ、 又は使用者等のため仮専用実施権 若しくは専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則 その他の定めの条項は、無効とする。

3項

従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則 その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する。

4項

従業者等は、契約、勤務規則 その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ、若しくは使用者等のため専用実施権を設定したとき、又は契約、勤務規則 その他の定めにより職務発明について使用者等のため仮専用実施権を設定した場合において、第三十四条の二第二項の規定により専用実施権が設定されたものとみなされたときは、相当の金銭 その他の経済上の利益(次項 及び第七項において「相当の利益」という。)を受ける権利を有する。

5項

契約、勤務規則 その他の定めにおいて相当の利益について定める場合には、相当の利益の内容を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策定された当該基準の開示の状況、相当の利益の内容の決定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより相当の利益を与えることが不合理であると認められるものであつてはならない。

6項

経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、前項の規定により考慮すべき状況等に関する事項について指針を定め、これを公表するものとする。

7項

相当の利益についての定めがない場合 又は その定めたところにより相当の利益を与えることが第五項の規定により不合理であると認められる場合には、第四項の規定により受けるべき相当の利益の内容は、その発明により使用者等が受けるべき利益の額、その発明に関連して使用者等が行う負担、貢献 及び従業者等の処遇 その他の事情を考慮して定めなければならない。

1項

特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

特許出願人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号

発明者の氏名 及び住所 又は居所

2項

願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面 及び要約書を添付しなければならない。

3項

前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
発明の名称
二 号
図面の簡単な説明
三 号
発明の詳細な説明
4項

前項第三号の発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。

一 号

経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。

二 号

その発明に関連する文献公知発明(第二十九条第一項第三号に掲げる発明をいう。以下 この号において同じ。)のうち、特許を受けようとする者が特許出願の時に知つているものがあるときは、その文献公知発明が記載された刊行物の名称 その他のその文献公知発明に関する情報の所在を記載したものであること。

5項

第二項の特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。


この場合において、一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない。

6項

第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。

一 号

特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。

二 号

特許を受けようとする発明が明確であること。

三 号

請求項ごとの記載が簡潔であること。

四 号

その他 経済産業省令で定めるところにより記載されていること。

7項

第二項の要約書には、明細書、特許請求の範囲 又は図面に記載した発明の概要 その他 経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

1項

特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面 及び要約書に代えて、同条第三項から 第六項までの規定により明細書 又は特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面 及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。

2項

前項の規定により外国語書面 及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日(第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、同項に規定する先の出願の日、第四十三条第一項第四十三条の二第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項 若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願にあつては、最初の出願 若しくはパリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願 又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の日、第四十一条第一項第四十三条第一項第四十三条の二第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項 若しくは第二項の規定による二以上の優先権の主張を伴う特許出願にあつては、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日。第六十四条第一項において同じ。)から一年四月以内に外国語書面 及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。


ただし、当該外国語書面出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願 又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合にあつては、本文の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更 又は実用新案登録に基づく特許出願の日から 二月以内に限り、外国語書面 及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。

3項

特許庁長官は、前項本文に規定する期間(同項ただし書の規定により外国語書面 及び外国語要約書面の翻訳文を提出することができるときは、同項ただし書に規定する期間。以下この条において同じ。)内に同項に規定する外国語書面 及び外国語要約書面の翻訳文の提出がなかつたときは、外国語書面出願の出願人に対し、その旨を通知しなければならない。

4項

前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する外国語書面 及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。

5項

前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く)の第二項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、同項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす。

6項

前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、第四項に規定する期間内に当該翻訳文を提出することができなかつたことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する外国語書面 及び外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。

7項

第四項 又は前項の規定により提出された翻訳文は、第二項本文に規定する期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。

8項

第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲 及び図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は同条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。

1項

二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる。

1項

特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない

1項

特許庁長官は、特許出願が次の各号いずれかに該当する場合を除き、 特許出願に係る願書を提出した日を特許出願の日として認定しなければならない。

一 号

特許を受けようとする旨の表示が明確でないと認められるとき。

二 号

特許出願人の氏名 若しくは名称の記載がなく、 又は その記載が特許出願人を特定できる程度に明確でないと認められるとき。

三 号

明細書(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面。以下この条において同じ。)が添付されていないとき(次条第一項に規定する方法により特許出願をするときを除く)。

2項

特許庁長官は、特許出願が前項各号いずれかに該当するときは、特許を受けようとする者に対し、特許出願について補完をすることができる旨を通知しなければならない。

3項

前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、その補完をすることができる。

4項

前項の規定により補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、手続の補完に係る書面(以下「手続補完書」という。)を提出しなければならない。


ただし同項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に明細書を提出しなければならない。

5項

第三項の規定により明細書について補完をする場合には、手続補完書の提出と同時に第三十六条第二項の必要な図面(外国語書面出願にあつては、必要な図面でこれに含まれる説明を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)を提出することができる。

6項

第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、手続補完書を提出した時にしたものとみなす。


この場合において、特許庁長官は、手続補完書を提出した日を特許出願の日として認定するものとする。

7項

第四項ただし書の規定により提出された明細書は願書に添付して提出したものと、


第五項の規定により提出された図面は願書に添付して提出したものとみなす。

8項

特許庁長官は、第二項の規定による通知を受けた者が第三項に規定する期間内にその補完をしないときは、その特許出願を却下することができる。

9項

特許を受けようとする者が第二項の規定による通知を受ける前に、その通知を受けた場合に執るべき手続を執つたときは、経済産業省令で定める場合を除き、当該手続は、その通知を受けたことにより執つた手続とみなす。

1項

特許を受けようとする者は、外国語書面出願をする場合を除き第三十六条第二項の規定にかかわらず、願書に明細書 及び必要な図面を添付することなく、その者がした特許出願(外国においてしたものを含む。以下この条において「先の特許出願」という。)を参照すべき旨を主張する方法により、特許出願をすることができる。


ただし、その特許出願が前条第一項第一号 又は第二号に該当する場合は、この限りでない。

2項

前項に規定する方法により特許出願をしようとする者は、その旨 及び先の特許出願に関し経済産業省令で定める事項を記載した書面を当該特許出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。

3項

第一項に規定する方法により特許出願をした者は、経済産業省令で定める期間内に、当該特許出願に係る願書に添付して提出すべき明細書 及び必要な図面 並びに同項に規定する方法における主張に係る先の特許出願に関し経済産業省令で定める書類を提出しなければならない。

4項

前項の規定により提出された明細書 及び図面に記載した事項が、第一項に規定する方法における主張に係る先の特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面(当該先の特許出願が、外国語書面出願である場合にあつては外国語書面、外国においてしたものである場合にあつては その出願に際し提出した書類であつて明細書、特許請求の範囲 又は図面に相当するもの)に記載した事項の範囲内にない場合は、その特許出願は、前条第一項の規定にかかわらず前項の規定により明細書 及び図面を提出した時にしたものとみなす。

5項

第三項の規定により提出された明細書 及び図面は、願書に添付して提出したものとみなす。

6項

前各項の規定は、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項 又は第二項の規定による出願の変更に係る特許出願 及び第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、適用しない

1項

特許庁長官は、特許出願の日の認定に際して、願書に添付されている明細書 又は図面(外国語書面出願にあつては、明細書に記載すべきものとされる事項を第三十六条の二第一項の経済産業省令で定める外国語で記載した書面 又は必要な図面でこれに含まれる説明を同項の経済産業省令で定める外国語で記載したもの。以下この条において同じ。)について、その一部の記載が欠けていることを発見したときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。

2項

前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、明細書 又は図面について補完をすることができる。

3項

前項の規定によりその補完をするには、経済産業省令で定めるところにより、明細書 又は図面の補完に係る書面(以下 この条 及び第六十七条第三項第六号において「明細書等補完書」という。)を提出しなければならない。

4項

第一項の規定による通知を受けた者が第二項に規定する期間内にその補完をしたときは、その特許出願は、第三十八条の二第一項 又は第六項の規定にかかわらず、明細書等補完書を提出した時にしたものとみなす。


ただし、その補完が第四十一条第一項の規定による優先権の主張 又は第四十三条第一項第四十三条の二第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係るものであつて、かつ、前項の規定により提出した明細書等補完書に記載した内容が経済産業省令で定める範囲内にあるときは、この限りでない。

5項

第二項の補完をした特許出願が、第三十八条の二第一項第一号 又は第二号に該当する場合であつて、その補完に係る手続補完書を第三項の規定により明細書等補完書を提出した後に提出したときは、その特許出願は、前項の規定にかかわらず、当該手続補完書を提出した時にしたものとみなす。

6項

第二項の規定によりその補完をした明細書 又は図面は、願書に添付して提出したものとみなす。

7項

第二項の補完をした者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第三項の規定により提出した明細書等補完書を取り下げることができる。

8項

前項の規定による明細書等補完書の取下げがあつたときは、その補完は、されなかつたものとみなす。

9項

第三十八条の二第九項の規定は、第一項の規定による通知を受ける前に執つた手続に準用する。

10項

前各項の規定は、第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項 又は第二項の規定による出願の変更に係る特許出願 及び第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、適用しない

1項

特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。

1項

同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。

2項

同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。


協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない

3項

特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願 及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみ その発明について特許を受けることができる。

4項

特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明と その実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く)において、その特許出願 及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許 又は実用新案登録を受けることができる。


協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない

5項

特許出願 若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定 若しくは審決が確定したときは、その特許出願 又は実用新案登録出願は、第一項から 前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす


ただし、その特許出願について第二項後段 又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定 又は審決が確定したときは、この限りでない。

6項

特許庁長官は、第二項 又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項 又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。

7項

特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項 又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。

1項

特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許 又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願 又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。


ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限る

一 号

その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その特許出願を先の出願の日から 一年以内にすることができなかつたことについて正当な理由がある場合であつて、かつ、その特許出願が経済産業省令で定める期間内にされたものである場合を除く

二 号

先の出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願 若しくは第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願 又は実用新案法第十一条第一項において準用するこの法律第四十四条第一項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願 若しくは実用新案法第十条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願である場合

三 号

先の出願が、その特許出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合

四 号

先の出願について、その特許出願の際に、査定 又は審決が確定している場合

五 号

先の出願について、その特許出願の際に、実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合

2項

前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項 若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張 又は第四十三条第一項第四十三条の二第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項これらの規定を同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面に相当するものに限る)に記載された発明を除く)についての第二十九条第二十九条の二本文、第三十条第一項 及び第二項第三十九条第一項から 第四項まで第六十九条第二項第二号第七十二条第七十九条第八十一条第八十二条第一項第百四条第六十五条第六項第百八十四条の十第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)並びに第百二十六条第七項第十七条の二第六項第百二十条の五第九項 及び第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、同法第七条第三項 及び第十七条、意匠法第二十六条、第三十一条第二項 及び第三十二条第二項 並びに商標法昭和三十四年法律第百二十七号第二十九条 並びに第三十三条の二第一項 及び第三十三条の三第一項これらの規定を同法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。

3項

第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面(外国語書面出願にあつては、外国語書面)に記載された発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項 若しくは実用新案法第八条第一項の規定による優先権の主張 又は第四十三条第一項第四十三条の二第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。 )若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項これらの規定を同法第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 又は図面に相当するものに限る)に記載された発明を除く)については、当該特許出願について特許掲載公報の発行 又は出願公開がされた時に当該先の出願について出願公開 又は実用新案掲載公報の発行がされたものとみなして、第二十九条の二本文 又は同法第三条の二本文の規定を適用する。

4項

第一項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨 及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。

1項

前条第一項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなす。


ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定 若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実用新案法第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合 又は当該先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。

2項

前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない

3項

前条第一項の規定による優先権の主張を伴う特許出願が先の出願の日から経済産業省令で定める期間内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。

1項

パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとする者は、その旨 並びに最初に出願をし若しくは同条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし又は同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の国名 及び出願の年月日を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。

2項

前項の規定による優先権の主張をした者は、最初に出願をし、若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし、若しくは同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した書面、その出願の際の書類で明細書、特許請求の範囲 若しくは実用新案登録請求の範囲 及び図面に相当するものの謄本 又はこれらと同様な内容を有する公報 若しくは証明書であつてその同盟国の政府が発行したものを次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

当該最初の出願 若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により当該最初の出願とみなされた出願 又は同条A(2)の規定により当該最初の出願と認められた出願の日

二 号

その特許出願が第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日

三 号

その特許出願が前項次条第一項第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。) 又は第四十三条の三第一項 若しくは第二項の規定による他の優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日

3項

第一項の規定による優先権の主張をした者は、最初の出願 若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願 又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の番号を記載した書面を前項に規定する書類とともに特許庁長官に提出しなければならない。


ただし同項に規定する書類の提出前にその番号を知ることができないときは、当該書面に代えてその理由を記載した書面を提出し、かつ、その番号を知つたときは、遅滞なく、その番号を記載した書面を提出しなければならない。

4項

第一項の規定による優先権の主張をした者が第二項に規定する期間内に同項に規定する書類を提出しないときは、当該優先権の主張は、その効力を失う。

5項

第二項に規定する書類に記載されている事項を電磁的方法(電子的方法、磁気的方法 その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)によりパリ条約の同盟国の政府 又は工業所有権に関する国際機関との間で交換することができる場合として経済産業省令で定める場合において、第一項の規定による優先権の主張をした者が、第二項に規定する期間内に、出願の番号 その他の当該事項を交換するために必要な事項として経済産業省令で定める事項を記載した書面を特許庁長官に提出したときは、前二項の規定の適用については、第二項に規定する書類を提出したものとみなす。

6項

特許庁長官は、第二項に規定する期間内に同項に規定する書類 又は前項に規定する書面の提出がなかつたときは、第一項の規定による優先権の主張をした者に対し、その旨を通知しなければならない。

7項

前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第二項に規定する書類 又は第五項に規定する書面を特許庁長官に提出することができる。

8項

第六項の規定による通知を受けた者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に第二項に規定する書類 又は第五項に規定する書面を提出することができないときは、前項の規定にかかわらず、経済産業省令で定める期間内に、その書類 又は書面を特許庁長官に提出することができる。

9項

第七項 又は前項の規定により第二項に規定する書類 又は第五項に規定する書面の提出があつたときは、第四項の規定は、適用しない

1項

パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとしたにもかかわらず、同条C(1)に規定する優先期間(以下 この項において「優先期間」という。)内に優先権の主張を伴う特許出願をすることができなかつた者は、その特許出願をすることができなかつたことについて正当な理由があり、かつ、経済産業省令で定める期間内にその特許出願をしたときは、優先期間の経過後であつても、同条の規定の例により、その特許出願について優先権を主張することができる。

2項

前条の規定は、前項の規定により優先権を主張する場合に準用する。

1項

次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。

日本国民 又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第三条の規定により 同盟国の国民とみなされる者を含む。次項において同じ。
世界貿易機関の加盟国
世界貿易機関の加盟国の国民(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定附属書一C第一条3に規定する 加盟国の国民をいう。次項において同じ。
パリ条約の同盟国 又は世界貿易機関の加盟国
2項

パリ条約の同盟国 又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国(日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めることとしているものであつて、特許庁長官が指定するものに限る。以下 この項において「特定国」という。)の国民がその特定国においてした出願に基づく優先権 及び日本国民 又はパリ条約の同盟国の国民 若しくは世界貿易機関の加盟国の国民が特定国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、特許出願について、これを主張することができる。

3項

前二条の規定は、前二項の規定により優先権を主張する場合に準用する。

1項

特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一 又は二以上の新たな特許出願とすることができる。

一 号

願書に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面について補正をすることができる時 又は期間内にするとき。

二 号

特許をすべき旨の査定(第百六十三条第三項において準用する第五十一条の規定による特許をすべき旨の査定 及び第百六十条第一項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く)の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき。

三 号

拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月以内にするとき。

2項

前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。


ただし、新たな特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願 又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用 及び第三十条第三項の規定の適用については、この限りでない。

3項

第一項に規定する新たな特許出願をする場合における第四十三条第二項第四十三条の二第二項前条第三項において準用する場合を含む。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、

第四十三条第二項
最先の日から一年四月以内」とあるのは、
「最先の日から一年四月 又は新たな特許出願の日から三月のいずれか遅い日まで」と

する。

4項

第一項に規定する新たな特許出願をする場合には、もとの特許出願について提出された書面 又は書類であつて、新たな特許出願について第三十条第三項第四十一条第四項 又は第四十三条第一項 及び第二項これらの規定を第四十三条の二第二項前条第三項において準用する場合を含む。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな特許出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす。

5項

第一項第二号に規定する三十日の期間は、第四条 又は第百八条第三項の規定により同条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

6項

第一項第三号に規定する三月の期間は、第四条の規定により第百二十一条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

7項

第一項に規定する新たな特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第二号 又は第三号に規定する期間内にその新たな特許出願をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から 十四日在外者にあつては、二月以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその新たな特許出願をすることができる。

1項

実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。


ただし、その実用新案登録出願の日から三年を経過した後は、この限りでない。

2項

意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することができる。


ただし、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後 又は その意匠登録出願の日から三年を経過した後(その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月以内の期間を除く)は、この限りでない。

3項

前項ただし書に規定する三月の期間は、意匠法第六十八条第一項において準用するこの法律第四条の規定により意匠法第四十六条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

4項

第一項 又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。

5項

第一項の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する期間内にその出願の変更をすることができないとき、又は第二項の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する三年の期間内にその出願の変更をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその出願の変更をすることができる。

6項

第四十四条第二項から 第四項までの規定は、第一項 又は第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。

1項

実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。


この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。

一 号

その実用新案登録に係る実用新案登録出願の日から 三年を経過したとき。

二 号

その実用新案登録に係る実用新案登録出願 又は その実用新案登録について、実用新案登録出願人 又は実用新案権者から 実用新案法第十二条第一項に規定する実用新案技術評価(次号において単に「実用新案技術評価」という。)の請求があつたとき。

三 号

その実用新案登録に係る実用新案登録出願 又は その実用新案登録について、実用新案登録出願人 又は実用新案権者でない者がした実用新案技術評価の請求に係る実用新案法第十三条第二項の規定による最初の通知を受けた日から三十日を経過したとき。

四 号

その実用新案登録について請求された実用新案法第三十七条第一項の実用新案登録無効審判について、同法第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。

2項

前項の規定による特許出願は、その願書に添付した明細書、特許請求の範囲 又は図面に記載した事項が当該特許出願の基礎とされた実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内にあるものに限り、その実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなす。


ただし、その特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願 又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用 並びに第三十条第三項第三十六条の二第二項ただし書 及び第四十八条の三第二項の規定の適用については、この限りでない。

3項

第一項の規定による特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号 又は第三号に規定する期間を経過するまでにその特許出願をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその特許出願をすることができる。

4項

実用新案権者は、専用実施権者、質権者 又は実用新案法第十一条第三項において準用するこの法律第三十五条第一項実用新案法第十八条第三項において準用するこの法律第七十七条第四項 若しくは実用新案法第十九条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、第一項の規定による特許出願をすることができる。

5項

第四十四条第三項 及び第四項の規定は、第一項の規定による特許出願をする場合に準用する。