この省令で「事業者」、「試験研究」及び「原単位」とは、それぞれ企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号。以下「法」という。)第二条の事業者、第三条の試験研究 及び第九条の原単位をいう。
企業合理化促進法施行規則
制定に関する表明
企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号)に基き、及び同法を実施するため、企業合理化促進法施行規則を次のように制定する。
第一章 総則
第二章 補助金の交付
法第三条に規定する補助金(以下本章中「補助金」という。)は、左に掲げるものとする。
応用研究補助金(基礎研究の結果を鉱工業等に応用するために行う研究に対する補助金をいう。)
工業化試験補助金(基礎研究 又は応用研究の成果によるのみでは工業化に必要とする充分な条件を得ることが困難な場合において、当該条件を得るために行う試験に対する補助金をいう。以下同じ。)
機械設備等試作補助金(新規の機械設備等の試作に対する補助金をいう。)
補助金の交付は、試験研究を遂行するために必要な費用のうち、左に掲げるものについて使途を指定して行う。
建物 又は構築物の買受、建造、改良、据付 又は修繕に要する費用
機械装置(船舶 及び車両を含む。)又は工具器具備品の買受、製造、改良、据付 又は修繕に要する費用
前各号に掲げるものの外、主務大臣が特に必要と認める費用
補助金の交付を受けようとする者は、補助金交付申請書を主務大臣に提出しなければならない。
前項の申請書には、左に掲げる書類を添附しなければならない。
法人であるときは、定款 又は寄附行為
主務大臣は、前条第一項の申請書 及び同条第二項の添附書類の提出があつたときは、これらの書類を審査して補助金を交付するかどうかの決定をし、交付すると決定をしたときは、交付すべき補助金の額を申請者に通知するものとする。
主務大臣は、工業化試験補助金の交付について、当該補助金に係る工業化試験が成 功したと認定したときは当該補助金の全部 又は一部を償還させる旨の条件を附することができる。
主務大臣は、前項に規定するものの外、補助金の交付について、補助金の使途に関する制限 その他の必要な条件を附することができる。
前条第一項の規定による通知を受けた者は、遅滞なく請書を主務大臣に提出しなければならない。
主務大臣は、前条の請書を提出した者に対し、補助金を交付する。
補助金の交付を受けた者(以下「被交付者」という。)は、帳簿を備え、補助金の交付の対象となつた試験研究(以下「被交付試験研究」という。)の遂行についての収支の額 及び補助金の使途を明記しなければならない。
第五条第一項の規定による通知を受けた者は、左に掲げる場合には、遅滞なく試験研究計画変更承認申請書を主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
被交付試験研究を中止しようとする場合 又はその全部 若しくは一部の遂行を他に委託しようとする場合
被交付試験研究を他に承継させようとする場合 又は補助金の交付の対象となつた主な機械設備等を当該試験研究終了前に他に譲渡しようとする場合
その他試験研究計画書に記載された試験研究遂行計画を著しく変更しようとする場合
主務大臣は、前項の承認に、必要な条件を附することができる。
被交付者は、被交付試験研究を廃止した場合には、遅滞なくその旨を記載した届出書を主務大臣に提出しなければならない。
主務大臣は、第一項の申請書 又は前項の届出書の提出があつた場合には、当該申請書 又は届出書を提出した者に対して、第五条第一項の規定による交付の決定を取り消し、若しくは変更し、又は期限を附して既に交付した補助金の全部 若しくは一部の返還を命ずることができる。
被交付者は、被交付試験研究の遂行に重大な支障を与える事故が発生したときは、遅滞なく当該事故の原因 及び状況 並びにこれに対する措置に関する届出書を主務大臣に提出しなければならない。
被交付者は、毎会計年度終了後一箇月以内に、当該会計年度における被交付試験研究の実施状況 及び補助金の使用状況に関する届出書を主務大臣に提出しなければならない。
被交付者は、被交付試験研究が終了したときは、試験研究終了届出書を主務大臣に提出しなければならない。
被交付者は、被交付試験研究に基く発明 又は考案に関して特許権、実用新案権 又は意匠権を取得した場合には、遅滞なく その旨を記載した届出書を主務大臣に提出しなければならない。
主務大臣は、第五条第一項の規定による通知を受けた者について左の各号の一に該当する事由があると認めるときは、その者に対し、同項の規定による交付の決定を取り消し、若しくは変更し、又は期限を附して既に交付した補助金の全部 若しくは一部の返還を命ずることができる。
法 若しくはこの省令 又はこれらの法令に基く主務大臣の処分に対する違反
当該試験研究に関する不正、怠慢 その他不適当の行為
当該試験研究を遂行する見込の喪失
主務大臣は、前項に規定する場合の外、補助金の交付の対象となつた使途に用いた費用の合計額が補助金額に満たなかつた場合には、期限を附して既に交付した補助金の全部 又は一部の返還を命ずることができる。
主務大臣は、工業化試験補助金の交付について、第五条第二項の条件を附した場合において、同項の規定による成功の認定をしたときは、当該工業化試験の成果、企業化の難易等を考慮し、償還すべき補助金の額 並びに償還の始期 及び終期を決定して補助金償還の指令を発するものとする。
工業化試験補助金の被交付者は、前項の指令を受けた場合には、補助金償還計画書を主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
主務大臣は、前項の承認に、必要な条件を附することができる。
工業化試験補助金の被交付者は、試験研究の成果の企業化に着手した場合 又は試験研究の成果を他に譲渡した場合には、遅滞なくその旨を記載した届出書を主務大臣に提出しなければならない。
主務大臣は、被交付者が第九条第四項 若しくは第十四条第一項 若しくは第二項の規定により返還すべき金額又は第十五条第二項の承認を受けた償還計画に基き償還すべき金額をそれぞれの納付期日後なお納付しない場合には、その未納に係る金額に対し、その未納に係る期間について、日数に応じ、年九・七五パーセントの割合による利息を賦課することができる。
前項の利息の計算につき、同項に定める年当たりの割合は、閏年の日を含む期間についても、三百六十五日当たりの割合とする。
第三章 産業関連施設の整備
法第八条の規定により、道路、港湾施設 又は漁港施設の建設、改良、維持 又は復旧を申請しようとする事業者は、道路については別表第一、港湾施設 又は漁港施設については別表第二の様式による申請書を当該道路、港湾 又は漁港の管理者(以下本条中「管理者」という。)に提出しなければならない。
前項の場合において、当該事業者の当該申請に係る事業が別表第三の上欄に掲げる大臣の所管に属する事業であるときは、当該事業者は、前項の申請書の写三部をそれぞれ当該道路、港湾 又は漁港を管轄区域に含む同表の下欄に掲げる機関に提出しなければならない。
別表第三の下欄に掲げる機関は、前項の規定により申請書の写を受理したときは、その内容を審査し、これに対する意見書を管理者と協議して作成し、当該申請書の写二部とともにこれをそれぞれ同表の上欄に掲げる大臣に送付しなければならない。
第四章 原単位に関する報告
事業者は、毎四半期終了後一箇月以内に、当該四半期におけるその生産に係る鉱工業品の原材料 又は動力の原単位の状況について、当該事業者の工場 又は事業場ごとに、報告書を主務大臣に提出しなければならない。
前項の事業者の範囲並びに鉱工業品、鉱工業品の原材料 及び動力の種類は、主務大臣が告示で定める。
主務大臣は、必要があると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、同項の期間 又は期限について告示で特例を定めることができる。
第五章 雑則
試験研究を行う者 又は事業者は、別表第三の上欄に掲げる大臣に書類を提出する場合には、試験研究については主たる試験研究を行う場所を、原単位についてはその報告に係る工場 又は事業場の所在地を管轄する同表の下欄に掲げる機関を経由してしなければならない。
法第十四条第二項の身分を示す証票の様式は、主務大臣が告示で定める。
第四条第一項の補助金交付申請書、第十二条の試験研究終了届出書 及び第十五条第二項の補助金償還計画書の様式、提出部数 及び提出期限、第六条の請書、第十一条の届出書 及び第十九条の報告書の様式 及び提出部数、第四条第二項第一号の試験研究計画書の様式 並びに第九条第一項の試験研究計画変更承認申請書、同条第三項の届出書、第十条の届出書、第十三条の届出書 及び第十六条の届出書の提出部数は、主務大臣が告示で定める。