弁護士 及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員 又は使用人である弁護士 及び外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律 又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律)又は所属弁護士会 若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序 又は信用を害し、その他職務の内外を問わず その品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
弁護士法
第八章 懲戒
第一節 懲戒事由及び懲戒権者等
懲戒は、その弁護士 又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。
弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して行う 懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。
弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。
二年以内の業務の停止
弁護士法人に対する懲戒は、次の四種とする。
二年以内の弁護士法人の業務の停止又はその法律事務所の業務の停止
退会命令(当該弁護士会の地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対するものに限る。)
除名(当該弁護士会の地域内に主たる法律事務所を有する弁護士法人に対するものに限る。)
弁護士会は、その地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して、前項第二号の懲戒を行う場合にあつては、その地域内にある法律事務所の業務の停止のみを行うことができる。
第二項 又は前項の規定の適用に当たつては、日本弁護士連合会は、その地域内に当該弁護士法人の主たる法律事務所がある弁護士会とみなす。
弁護士法人は、特定の弁護士会の地域内にあるすべての法律事務所について業務の停止の懲戒を受けた場合には、当該業務の停止の期間中、その地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。
弁護士法人は、前条第二項第三号の懲戒を受けた場合には、その処分を受けた日から三年間、当該懲戒を行つた弁護士会の地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。
何人も、弁護士 又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士 又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。
弁護士会は、所属の弁護士 又は弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない。
綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等(懲戒の手続に付された弁護士 又は弁護士法人をいう。以下同じ。)につき懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
綱紀委員会は、第二項の調査により、第一項の請求が不適法であると認めるとき 若しくは対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき 又は事案の軽重 その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。
この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。
この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。
懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
日本弁護士連合会は、第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分について審査請求があつたときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求め、その議決に基づき、裁決をしなければならない。
前項の審査請求については、行政不服審査法第九条第十七条、第二章第三節 及び第五十条第二項の規定は、適用しない。
第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、
同法第十一条第二項中
「第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)」とあるのは
「日本弁護士連合会の懲戒委員会」と、
同法第十三条第一項 及び第二項中
「審理員」とあるのは
「第十一条第二項の懲戒委員会」と、
同法第四十四条中
「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき)」とあるのは
「弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第五十九条第一項の議決があったとき」と
する。
日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案について自らその弁護士 又は弁護士法人を懲戒することを適当と認めるときは、次項から第六項までに規定するところにより、これを懲戒することができる。
日本弁護士連合会は、弁護士 又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、懲戒の手続に付し、日本弁護士連合会の綱紀委員会に事案の調査をさせることができる。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等につき日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、第二項の調査により、対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重 その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、第三項の審査により対象弁護士等につき懲戒しないことを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は第六十条の規定により日本弁護士連合会から懲戒を受けた者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。
第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒の処分に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。
懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換 又は登録取消の請求をすることができない。
懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、法律事務所の移転 又は廃止により、所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつても、これを退会しないものとする。
懲戒の手続に付された弁護士法人は、その手続が結了するまで、第三十六条の二第四項の規定により所属弁護士会を変更することができない。
懲戒の手続に付された弁護士法人が、主たる法律事務所を所属弁護士会の地域外に移転したときは、この章の規定の適用については、その手続が結了するまで、旧所在地にも 主たる法律事務所があるものとみなす。
懲戒の手続に付された弁護士法人は、清算が結了した後においても、この章の規定の適用については、懲戒の手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。
第二節 懲戒請求者による異議の申出等
第五十八条第一項の規定により弁護士 又は弁護士法人に対する懲戒の請求があつたにもかかわらず、弁護士会が対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき 又は相当の期間内に懲戒の手続を終えないときは、その請求をした者(以下「懲戒請求者」という。)は、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。
弁護士会がした懲戒の処分が不当に軽いと思料するときも、同様とする。
前項の規定による異議の申出(相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについてのものを除く。)は、弁護士会による当該懲戒しない旨の決定に係る第六十四条の七第一項第二号の規定による通知又は当該懲戒の処分に係る第六十四条の六第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三箇月以内にしなければならない。
異議の申出の書面を郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で提出した場合における前項の異議の申出期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
日本弁護士連合会は、前条第一項の規定による異議の申出があり、当該事案が原弁護士会(懲戒請求者が懲戒の請求をした弁護士会をいう。以下同じ。)の懲戒委員会の審査に付されていないものであるときは、日本弁護士連合会の綱紀委員会に異議の審査を求めなければならない。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、原弁護士会が第五十八条第四項の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたことについての異議の申出につき、前項の異議の審査により原弁護士会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消して、事案を原弁護士会に送付する。
前項の規定により事案の送付を受けた原弁護士会は、その懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
この場合においては、第五十八条第五項 及び第六項の規定を準用する。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、原弁護士会が相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについての異議の申出につき、第一項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じなければならない。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、異議の申出を不適法として却下し、又は理由がないとして棄却することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしなければならない。
懲戒請求者は、日本弁護士連合会が前条第二項に規定する異議の申出につき同条第五項の規定によりこれを却下し、又は棄却する決定をした場合において、不服があるときは、日本弁護士連合会に、綱紀審査会による綱紀審査を行うことを申し出ることができる。
この場合において、日本弁護士連合会は、綱紀審査会に綱紀審査を求めなければならない。
前項の規定による綱紀審査の申出は、日本弁護士連合会がした当該異議の申出を却下し、又は棄却する決定に係る第六十四条の七第二項第六号の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
第六十四条第三項の規定は、前項の綱紀審査の申出に準用する。
綱紀審査会は、前条第一項の綱紀審査により原弁護士会の懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この議決は、出席した委員の三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
前項の場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、自らがした異議の申出を却下し、又は棄却する決定及び原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消して、事案を原弁護士会に送付する。
前項の規定により事案の送付を受けた原弁護士会は、その懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
この場合においては、第五十八条第五項 及び第六項の規定を準用する。
綱紀審査会は、綱紀審査の申出を不適法として却下することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、綱紀審査の申出を却下する決定をしなければならない。
綱紀審査会は、前項の場合を除き、第一項の議決が得られなかつたときは、その旨の議決をしなければならない。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、((綱紀審査の申出を棄却する決定をしなければ**ならない。
日本弁護士連合会は、第六十四条第一項の規定による異議の申出があり、当該事案が原弁護士会の懲戒委員会の審査に付されたものであるときは、日本弁護士連合会の懲戒委員会に異議の審査を求めなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会が第五十八条第六項の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたことについての異議の申出につき、前項の異議の審査により対象弁護士等を懲戒することを相当と認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした対象弁護士等を懲戒しない旨の決定を取り消し、自ら対象弁護士等を懲戒しなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会が相当の期間内に懲戒の手続を終えないことについての異議の申出につき、第一項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、原弁護士会がした懲戒の処分が不当に軽いとする異議の申出につき、第一項の異議の審査によりその異議の申出に理由があると認めるときは、懲戒の処分の内容を明示して、懲戒の処分を変更することを相当とする旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、原弁護士会がした懲戒の処分を取り消し、自ら対象弁護士等を懲戒しなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会は、異議の申出を不適法として却下し、又は理由がないとして棄却することを相当と認めるときは、その旨の議決をする。
この場合において、日本弁護士連合会は、当該議決に基づき、異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしなければならない。
弁護士会 又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒するときは、対象弁護士等に懲戒の処分の内容 及び その理由を書面により通知しなければならない。
弁護士会 又は日本弁護士連合会は、対象弁護士等を懲戒したときは、速やかに、弁護士会にあつては懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会 及び日本弁護士連合会に、日本弁護士連合会にあつては懲戒請求者 及び対象弁護士等の所属弁護士会に、懲戒の処分の内容 及び その理由を書面により通知しなければならない。
日本弁護士連合会は、弁護士会 又は日本弁護士連合会が対象弁護士等を懲戒したときは、遅滞なく、懲戒の処分の内容を官報をもつて公告しなければならない。
弁護士会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者、懲戒の手続に付された弁護士法人の他の所属弁護士会及び日本弁護士連合会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。
綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたとき
その旨 及び事案の内容
対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき
その旨 及び その理由
懲戒委員会 又はその部会が、同一の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したとき
その旨
懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと 又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したとき
その旨 及び その理由
日本弁護士連合会は、その懲戒の手続に関し、次の各号に掲げる場合には、速やかに、対象弁護士等、懲戒請求者及び対象弁護士等の所属弁護士会に、当該各号に定める事項を書面により通知しなければならない。
綱紀委員会に事案の調査をさせたとき又は懲戒委員会に事案の審査を求めたとき
その旨 及び事案の内容
対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしたとき
その旨 及び その理由
綱紀委員会に異議の審査を求めたとき、綱紀審査会に綱紀審査を求めたとき又は懲戒委員会に異議の審査を求めたとき
その旨
第六十四条の二第二項 又は第六十四条の四第二項の規定により原弁護士会に事案を送付したとき
その旨 及び その理由
原弁護士会に対し、速やかに懲戒の手続を進め、対象弁護士等を懲戒し、又は懲戒しない旨の決定をするよう命じたとき
その旨 及び その理由
異議の申出を却下し、又は棄却する決定をしたとき
その旨 及び その理由
綱紀審査の申出を却下し、又は棄却する決定をしたとき
その旨 及び その理由
懲戒委員会 又はその部会が、同一の事由について刑事訴訟が係属していることにより懲戒の手続を中止したとき又はその手続を再開したとき
その旨
懲戒の手続に付された弁護士が死亡したこと 又は弁護士でなくなつたことにより懲戒の手続が終了したとき
その旨 及び その理由
第三節 懲戒委員会
各弁護士会 及び日本弁護士連合会にそれぞれ懲戒委員会を置く。
懲戒委員会は、その置かれた弁護士会 又は日本弁護士連合会の求めにより、その所属の弁護士 又は弁護士法人の懲戒に関して必要な審査をする。
懲戒委員会は、四人以上であつてその置かれた弁護士会 又は日本弁護士連合会の会則で定める数の委員をもつて組織する。
弁護士会の懲戒委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官 及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。
この場合において、裁判官 又は検察官である委員はその地の高等裁判所 若しくは地方裁判所 又は高等検察庁検事長 若しくは地方検察庁検事正の推薦に基づき、その他の委員はその弁護士会の総会の決議に基づき、委嘱しなければならない。
日本弁護士連合会の懲戒委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官 及び学識経験のある者の中から、それぞれ日本弁護士連合会の会長が委嘱する。
この場合において、裁判官 又は検察官である委員は最高裁判所 又は検事総長の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の総会の決議に基づき、委嘱しなければならない。
懲戒委員会の委員の任期は、二年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
懲戒委員会の委員は、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
懲戒委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
委員長に事故のあるときは、あらかじめ懲戒委員会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。
前条第四項の規定は、委員長に準用する。
懲戒委員会に、四人以上であつてその置かれた弁護士会 又は日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。
委員に事故のあるとき 又は委員が欠けたときは、弁護士会の会長 又は日本弁護士連合会の会長は、その委員と同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を指名する。
第六十六条の二の規定は、予備委員に準用する。
懲戒委員会は、事案の審査をするため、必要に応じ、部会を置くことができる。
部会は、委員長が指名する弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者である委員 各一人以上をもつて組織する。
部会に部会長を置き、部会を組織する委員の互選によりこれを定める。
部会長に事故のあるときは、あらかじめ部会の定める順序により、他の委員が部会長の職務を行う。
懲戒委員会は、その定めるところにより、部会が審査をした事案については、部会の議決をもつて委員会の議決とすることができる。
懲戒委員会は、事案の審査を求められたときは、速やかに、審査の期日を定め、対象弁護士等にその旨を通知しなければならない。
審査を受ける弁護士 又は審査を受ける弁護士法人の社員は、審査期日に出頭し、かつ、陳述することができる。
この場合において、その弁護士 又は弁護士法人の社員は、委員長の指揮に従わなければならない。
懲戒委員会は、審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人 及び官公署 その他に対して陳述、説明 又は資料の提出を求めることができる。
懲戒委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。
懲戒委員会は、同一の事由について刑事訴訟が係属する間は、懲戒の手続を中止することができる。
前三条の規定は、懲戒委員会の部会に準用する。
第四節 綱紀委員会
各弁護士会 及び日本弁護士連合会にそれぞれ綱紀委員会を置く。
弁護士会の綱紀委員会は、第五十八条第二項 及び第七十一条の六第二項の調査その他その置かれた弁護士会所属の弁護士及び弁護士法人の綱紀保持に関する事項をつかさどる。
日本弁護士連合会の綱紀委員会は、第六十条第二項 及び第七十一条の六第二項の調査並びに第六十四条の二第一項の異議の審査その他弁護士 及び弁護士法人の綱紀保持に関する事項をつかさどる。
綱紀委員会は、四人以上であつてその置かれた弁護士会 又は日本弁護士連合会の会則で定める数の委員をもつて組織する。
弁護士会の綱紀委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官 及び学識経験のある者の中から、それぞれ弁護士会の会長が委嘱する。
この場合においては、第六十六条の二第一項後段の規定を準用する。
日本弁護士連合会の綱紀委員会の委員は、弁護士、裁判官、検察官 及び学識経験のある者の中から、それぞれ日本弁護士連合会の会長が委嘱する。
この場合においては、第六十六条の二第二項後段の規定を準用する。
綱紀委員会の委員の任期は、二年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
綱紀委員会の委員は、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
綱紀委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
委員長に事故のあるときは、あらかじめ綱紀委員会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。
前条第四項の規定は、委員長に準用する。
綱紀委員会に、四人以上であつてその置かれた弁護士会 又は日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。
委員に事故のあるとき 又は委員が欠けたときは、弁護士会の会長 又は日本弁護士連合会の会長は、その委員と同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を指名する。
第七十条の三の規定は、予備委員に準用する。
綱紀委員会は、事案の調査 又は審査をするため、必要に応じ、部会を置くことができる。
部会は、委員長が指名する弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者である委員 各一人以上をもつて組織する。
部会に部会長を置き、部会を組織する委員の互選によりこれを定める。
部会長に事故のあるときは、あらかじめ部会の定める順序により、他の委員が部会長の職務を行う。
綱紀委員会は、その定めるところにより、部会が調査 又は審査をした事案については、部会の議決をもつて委員会の議決とすることができる。
綱紀委員会は、調査 又は審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人 及び官公署 その他に対して陳述、説明 又は資料の提出を求めることができる。
綱紀委員会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。
前二条の規定は、綱紀委員会の部会に準用する。
第五節 綱紀審査会
日本弁護士連合会に綱紀審査会を置く。
綱紀審査会は、弁護士会が第五十八条第四項の規定により対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をし、かつ、日本弁護士連合会がこれに対する懲戒請求者による異議の申出を却下し、又は棄却する決定をした場合において、なお懲戒請求者からの申出があるときに、国民の意見を反映させて懲戒の手続の適正を確保するため必要な綱紀審査を行う。
綱紀審査会は、委員十一人をもつて組織する。
綱紀審査会の委員は、学識経験のある者(弁護士、裁判官 若しくは検察官である者 又はこれらであつた者を除く。)の中から、日本弁護士連合会の会長が日本弁護士連合会の総会の決議に基づき、委嘱する。
委員の任期は、二年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
綱紀審査会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
委員長に事故のあるときは、あらかじめ綱紀審査会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。
前条第三項の規定は、委員長に準用する。
綱紀審査会に、日本弁護士連合会の会則で定める数の予備委員を置く。
委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、日本弁護士連合会の会長は、予備委員の中からその代理をする者を指名する。
第七十一条の三の規定は、予備委員に準用する。
綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等、懲戒請求者、関係人 及び官公署 その他に対して陳述、説明 又は資料の提出を求めることができる。
綱紀審査会は、綱紀審査に関し必要があるときは、対象弁護士等の所属弁護士会の綱紀委員会又は日本弁護士連合会の綱紀委員会に必要な調査を嘱託することができる。
綱紀審査会は、議決をしたときは、速やかに、理由を付した議決書を作成しなければならない。