意匠法

# 昭和三十四年法律第百二十五号 #

第六章の二 ジュネーブ改正協定に基づく特例

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和六年一月一日 ( 2024年 1月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十一号
最終編集日 : 2024年 10月09日 12時57分


第一節 国際登録出願

1項

日本国民 又は日本国内に住所 若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人は、特許庁長官に意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下「ジュネーブ改正協定」という。)第一条(vii)に規定する国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。


この場合において、経済産業省令で定める要件に該当するときは、二人以上が共同して国際出願をすることができる。

2項

前項の規定による国際出願(以下「国際登録出願」という。)をしようとする者は、経済産業省令で定めるところにより外国語で作成した願書 及び必要な物件を提出しなければならない。

1項

第六十八条第二項において準用する特許法第十七条第三項第三号に係る部分に限る)及び第十八条第一項の規定は、国際登録出願に準用する。

1項

前二条に定めるもののほか、国際登録出願に関しジュネーブ改正協定 及びジュネーブ改正協定に基づく規則を実施するため必要な事項の細目は、経済産業省令で定める。

第二節 国際意匠登録出願に係る特例

1項

日本国をジュネーブ改正協定第一条(xix)に規定する指定締約国とする国際出願であつて、その国際出願に係るジュネーブ改正協定第一条(vi)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)についてジュネーブ改正協定第十条(3)(a)の規定による公表(以下「国際公表」という。)がされたものは、経済産業省令で定めるところにより、ジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日にされた意匠登録出願とみなす。

2項

二以上の意匠を包含する国際出願についての前項の規定の適用については、

同項
「された意匠登録出願」とあるのは、
「国際登録の対象である意匠ごとにされた意匠登録出願」と

する。

3項

第一項前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により意匠登録出願とみなされた国際出願(以下「国際意匠登録出願」という。)に係るジュネーブ改正協定第一条(viii)に規定する国際登録簿(以下「国際登録簿」という。)に記録された次の表の上欄に掲げる事項は、第六条第一項の規定により提出した願書に記載された同表の下欄に掲げる事項とみなす。

国際登録の名義人の氏名 又は名称 及びその住所

意匠登録出願人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

国際登録の対象である意匠の創作をした者の氏名 及びその住所

意匠の創作をした者の氏名 及び住所 又は居所

国際登録の対象である意匠を構成する一 若しくは二以上の製品 又は国際登録の対象である意匠が使用されることとなる一 若しくは二以上の製品

意匠に係る物品 又は意匠に係る建築物 若しくは画像の用途(上欄に掲げる製品が建築物 又は画像である場合において、当該製品に係る国際登録簿に記録された事項から当該建築物 又は画像の用途を認識することができるときに限る。

4項

国際意匠登録出願に係る国際登録簿に記録された意匠は、第六条第一項の規定により提出した図面に記載された意匠登録を受けようとする意匠とみなす。

1項

第四条第二項の規定の適用を受けようとする国際意匠登録出願の出願人は、その旨を記載した書面 及び証明書を、同条第三項本文の規定にかかわらず、国際公表があつた日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。


この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。

2項

前項に規定する出願人が、その国際出願と同時に証明書をジュネーブ改正協定第一条(xxviii)に規定する国際事務局(以下「国際事務局」という。)に提出したときは、第四条第三項の規定の適用については、証明書をジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日に特許庁長官に提出したものとみなす。

1項

本意匠の意匠登録出願と関連意匠の意匠登録出願の少なくともいずれか一方が国際意匠登録出願である場合における第十条第一項同条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項 及び次項において同じ。)の規定の適用については、

同条第一項
「又は第四十三条の三第一項 若しくは第二項の規定による」とあるのは、
「若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項 又はジュネーブ改正協定第六条(1)(a)の規定による」と

する。

2項

本意匠の意匠権が第六十条の十四第二項に規定する国際登録を基礎とした意匠権である場合における第十条第一項ただし書の規定の適用については、

同項ただし書中
「第四十四条第四項」とあるのは、
第六十条の十四第二項」と

する。

3項

基礎意匠に係る 又は二以上の関連意匠の意匠権が第六十条の十四第二項に規定する国際登録を基礎とした意匠権である場合における第十条第八項の規定の適用については、

同項
「第四十四条第四項」とあるのは、
第四十四条第四項 若しくは第六十条の十四第二項」と

する。

1項

国際意匠登録出願の出願人については、第十四条の規定は、適用しない

1項

国際意匠登録出願については、第十五条第一項において読み替えて準用する特許法第四十三条同項において準用する同法第四十三条の二第二項第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)並びに第十五条第一項において準用する同法第四十三条の二第一項第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第二項の規定は、適用しない

2項

特許法第四十三条第二項から第九項までの規定は、ジュネーブ改正協定第六条(1)(a)の規定による優先権の主張をした者に準用する。


この場合において、

同法第四十三条第二項
「次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内」とあるのは、
「経済産業省令で定める期間内」と

読み替えるものとする。

1項

国際意匠登録出願についての第十五条第二項において準用する特許法第三十四条第四項の規定の適用については、

同項
「相続 その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官」とあるのは、
意匠法第六十条の七第二項に規定する国際事務局」と

する。

2項

国際意匠登録出願については、第十五条第二項において準用する特許法第三十四条第五項 及び第六項の規定は、適用しない

1項

国際意匠登録出願の出願人は、国際公表があつた後に国際意匠登録出願に係る意匠を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後意匠権の設定の登録前に業としてその国際意匠登録出願に係る意匠 又はこれに類似する意匠を実施した者に対し、その国際意匠登録出願に係る意匠が登録意匠である場合にその登録意匠 又はこれに類似する意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。


当該警告をしない場合においても、国際公表がされた国際意匠登録出願に係る意匠であることを知つて意匠権の設定の登録前に業としてその国際公表がされた国際意匠登録出願に係る意匠 又はこれに類似する意匠を実施した者に対しては、同様とする。

2項

特許法第六十五条第二項から第六項までの規定は、前項の規定により請求権を行使する場合に準用する。


この場合において、

同条第五項
「出願公開後」とあるのは
「国際公表後」と、

同条第六項
「第百一条、第百四条から第百四条の三まで、第百五条から第百五条の二の十二まで、第百五条の四から第百五条の七まで 及び」とあるのは
意匠法第三十八条同法第四十一条において準用する特許法第百四条の二から第百五条まで第百五条の二の十二 及び第百五条の四から第百五条の六まで 並びに意匠法第五十二条において準用する特許法」と

読み替えるものとする。

1項

国際意匠登録出願についての第十九条において準用する特許法第五十二条第二項の規定の適用については、特許庁長官は、査定(第十八条の規定による意匠登録をすべき旨の査定に限る)に記載されている事項を、経済産業省令で定めるところにより、国際事務局を経由して国際登録の名義人に通知することをもつて、第十九条において準用する同項の規定による当該査定の謄本の送達に代えることができる。

2項

前項の場合において、同項の規定による通知が国際登録簿に記録された時に、同項に規定する送達があつたものとみなす。

1項

国際意匠登録出願についての第二十条第二項の規定の適用については、

同項
「第四十二条第一項の規定による第一年分の登録料の納付」とあるのは、
「意匠登録をすべき旨の査定 又は審決」と

する。

1項
国際意匠登録出願は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、取り下げられたものとみなす。
2項

前条の規定により読み替えて適用する第二十条第二項の規定により設定の登録を受けた意匠権(以下「国際登録を基礎とした意匠権」という。)は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、消滅したものとみなす。

3項

前二項の効果は、国際登録簿から当該国際登録が消滅した日から生ずる。

1項

基礎意匠の意匠権が国際登録を基礎とした意匠権である場合における第二十二条第二項の規定の適用については、

同項
「第四十四条第四項」とあるのは、
第六十条の十四第二項」と

する。

1項

基礎意匠の意匠権が国際登録を基礎とした意匠権である場合における第二十七条第三項の規定の適用については、

同項
「第四十四条第四項」とあるのは、
第六十条の十四第二項」と

する。

1項
国際登録を基礎とした意匠権を有する者は、その意匠権を放棄することができる。
2項

国際登録を基礎とした意匠権については、第三十六条において準用する特許法第九十七条第一項の規定は、適用しない

1項

国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅 又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。

2項

国際登録を基礎とした意匠権については、第三十六条において準用する特許法第九十八条第一項第一号 及び第二項の規定は、適用しない

1項

国際登録を基礎とした意匠権についての第六十一条第一項第一号の規定の適用については、

同号
「意匠権の設定、移転、信託による変更、消滅、回復 又は処分の制限」とあるのは、
「意匠権の設定、信託による変更、消滅(存続期間の満了によるものに限る)又は処分の制限」と

する。

2項

国際登録を基礎とした意匠権の移転 又は消滅(存続期間の満了によるものを除く)は、国際登録簿に登録されたところによる。

1項

国際登録を基礎とした意匠権についての第六十六条第二項第一号の規定の適用については、

同号
「第四十四条第四項の規定によるものを除く。)又は回復(第四十四条の二第二項の規定によるものに限る。)」とあるのは、
第六十条の十四第二項の規定によるもの(ジュネーブ改正協定第十七条()の更新がなかつたことによるものに限る)を除く)」と

する。

1項

国際意匠登録出願をしようとする者は、ジュネーブ改正協定第七条(2)の個別の指定手数料(以下「個別指定手数料」という。)として、一件ごとに、十万五百円を超えない範囲内で政令で定める額に相当する額を国際事務局に納付しなければならない。

2項

国際意匠登録出願 又は国際登録を基礎とした意匠権が基礎とした国際登録についてジュネーブ改正協定第十七条(2)の更新をする者は、個別指定手数料として、一件ごとに、八万四千五百円を超えない範囲内で政令で定める額に相当する額を国際事務局に納付しなければならない。

3項

国際意匠登録出願 及び国際登録を基礎とした意匠権については、第四十二条から第四十五条まで 及び第六十七条第二項別表第一号に掲げる部分に限る)の規定は、適用しない

1項

国際意匠登録出願が取り下げられ、又は国際意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定 若しくは審決が確定したときは、前条第一項 又は第二項の規定により納付すべき個別指定手数料を納付した者の請求により政令で定める額を返還する。

2項

前項の規定による個別指定手数料の返還は、国際意匠登録出願が取り下げられ、又は国際意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定 若しくは審決が確定した日から六月を経過した後は、請求することができない

3項

第一項の規定による個別指定手数料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

1項

第六十条の六から前条までに定めるもののほか、ジュネーブ改正協定 及びジュネーブ改正協定に基づく規則を実施するため必要な事項の細目は、経済産業省令で定める。