届出は、届出事件の本人の本籍地 又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
戸籍法
第一節 通則
外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。
本籍が明かでない者 又は本籍がない者について、届出があつた後に、その者の本籍が明かになつたとき、又はその者が本籍を有するに至つたときは、届出人 又は届出事件の本人は、その事実を知つた日から十日以内に、届出事件を表示して、届出を受理した市町村長にその旨を届け出なければならない。
届出は、書面 又は口頭でこれをすることができる。
市町村長は、届出によつて効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻 又は離婚の届出(以下この条において「縁組等の届出」という。)が市役所 又は町村役場に出頭した者によつてされる場合には、当該出頭した者に対し、法務省令で定めるところにより、当該出頭した者が届出事件の本人(認知にあつては認知する者、民法第七百九十七条第一項に規定する縁組にあつては養親となる者 及び養子となる者の法定代理人、同法第八百十一条第二項に規定する離縁にあつては養親 及び養子の法定代理人となるべき者とする。次項 及び第三項において同じ。)であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために必要な氏名 その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証 その他の資料の提供 又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。
市町村長は、縁組等の届出があつた場合において、届出事件の本人のうちに、前項の規定による措置によつては市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後 遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならない。
何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等の届出がされた場合であつても、自らが市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。
市町村長は、前項の規定による申出に係る縁組等の届出があつた場合において、当該申出をした者が市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができなかつたときは、当該縁組等の届出を受理することができない。
市町村長は、前項の規定により縁組等の届出を受理することができなかつた場合は、遅滞なく、第三項の規定による申出をした者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出があつたことを通知しなければならない。
市町村長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、届出人、届出事件の本人 その他の関係者に対し、質問をし、又は必要な書類の提出を求めることができる。
届出の受理に際し、この法律の規定により届出人が明らかにすべき事項が明らかにされていないとき。
その他戸籍の記載のために必要があるとき。
法務大臣は、事件の種類によつて、届書の様式を定めることができる。
前項の場合には、その事件の届出は、当該様式によつてこれをしなければならない。
但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
届書には、次の事項を記載し、届出人が、これに署名しなければならない。
届出人の出生の年月日、住所 及び戸籍の表示
届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示 及び届出人の資格
届出事件によつて、届出人 又は届出事件の本人が他の戸籍に入るべきときは、その戸籍の表示を、その者が従前の戸籍から除かれるべきときは、従前の戸籍の表示を、その者について新戸籍を編製すべきときは、その旨、新戸籍編製の原因 及び新本籍を、届書に記載しなければならない。
届出事件によつて、届出人 若しくは届出事件の本人でない者が他の戸籍に入り、又はその者について新戸籍を編製すべきときは、届書にその者の氏名、出生の年月日 及び住所を記載する外、その者が他の戸籍に入るか 又はその者について新戸籍を編製するかの区別に従つて、前項に掲げる事項を記載しなければならない。
届出人でない者について新戸籍を編製すべきときは、その者の従前の本籍と同一の場所を新本籍と定めたものとみなす。
届出をすべき者が未成年者 又は成年被後見人であるときは、親権を行う者 又は後見人を届出義務者とする。
ただし、未成年者 又は成年被後見人が届出をすることを妨げない。
親権を行う者 又は後見人が届出をする場合には、届書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
届出をすべき者の氏名、出生の年月日 及び本籍
届出人が親権を行う者 又は後見人である旨
未成年者 又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者 又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。
証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所 及び本籍を記載して署名しなければならない。
届書に記載すべき事項であつて、存しないもの 又は知れないものがあるときは、その旨を記載しなければならない。
市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない。
届書には、この法律 その他の法令に定める事項の外、戸籍に記載すべき事項を明かにするために必要であるものは、これを記載しなければならない。
二箇所以上の市役所 又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合には、市役所 又は町村役場の数と同数の届書を提出しなければならない。
本籍地外で届出をするときは、前項の規定によるものの外、なお、一通の届書を提出しなければならない。
前二項の場合に、相当と認めるときは、市町村長は、届書の謄本を作り、これを届書に代えることができる。
口頭で届出をするには、届出人は、市役所 又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述しなければならない。
市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、かつ、届出人に、その書面に署名させなければならない。
届出人が疾病 その他の事故によつて出頭することができないときは、代理人によつて届出をすることができる。
ただし、第六十条、第六十一条、第六十六条、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十四条 及び第七十六条の届出については、この限りでない。
届出事件について父母 その他の者の同意 又は承諾を必要とするときは、届書にその同意 又は承諾を証する書面を添付しなければならない。
ただし、同意 又は承諾をした者に、届書にその旨を付記させて、署名させるだけで足りる。
届出事件について裁判 又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判 又は許可書の謄本を添付しなければならない。
届書に関する規定は、第三十七条第二項 及び前条第一項の書面にこれを準用する。
外国に在る日本人は、この法律の規定に従つて、その国に駐在する日本の大使、公使 又は領事に届出をすることができる。
外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、公使 又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
大使、公使 又は領事がその国に駐在しないときは、三箇月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない。
大使、公使 又は領事は、前二条の規定によつて書類を受理したときは、遅滞なく、外務大臣を経由してこれを本人の本籍地の市町村長に送付しなければならない。
届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。
裁判が確定した日から期間を起算すべき場合に、裁判が送達 又は交付前に確定したときは、その送達 又は交付の日からこれを起算する。
市町村長は、届出を怠つた者があることを知つたときは、相当の期間を定めて、届出義務者に対し、その期間内に届出をすべき旨を催告しなければならない。
届出義務者が前項の期間内に届出をしなかつたときは、市町村長は、更に相当の期間を定めて、催告をすることができる。
前二項の催告をすることができないとき、又は催告をしても届出がないときは、市町村長は、管轄法務局長等の許可を得て、戸籍の記載をすることができる。
第二十四条第四項の規定は、裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員がその職務上 届出を怠つた者があることを知つた場合にこれを準用する。
市町村長は、届出を受理した場合に、届書に不備があるため戸籍の記載をすることができないときは、届出人に、その追完をさせなければならない。
この場合には、前条の規定を準用する。
届出期間が経過した後の届出であつても、市町村長は、これを受理しなければならない。
市町村長は、届出人がその生存中に郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便によつて発送した届書については、当該届出人の死亡後であつても、これを受理しなければならない。
前項の規定によつて届書が受理されたときは、届出人の死亡の時に届出があつたものとみなす。
届出人は、届出の受理 又は不受理の証明書を請求することができる。
利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書 その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
第十条第三項 及び第十条の三の規定は、前二項の場合に準用する。