税理士は、この章の定めるところにより、税理士法人(税理士業務を組織的に行うことを目的として、税理士が共同して設立した法人をいう。以下同じ。)を設立することができる。
税理士法
第五章の二 税理士法人
税理士法人は、その名称中に税理士法人という文字を使用しなければならない。
次に掲げる者は、社員となることができない。
第四十三条の規定に該当することとなつた場合 又は第四十五条 若しくは第四十六条の規定による税理士業務の停止の処分を受けた場合において、当該業務の停止の期間を経過しない者
第四十八条の二十第一項の規定により税理士法人が解散 又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前三十日内にその社員であつた者でその処分の日から三年(業務の停止を命ぜられた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの
税理士法人は、税理士業務を行うほか、定款で定めるところにより、第二条第二項の業務 その他の業務で税理士が行うことができるものとして財務省令で定める業務の全部 又は一部を行うことができる。
前条に規定するもののほか、税理士法人は、第二条の二第一項の規定により税理士が処理することができる事務を当該税理士法人の社員 又は使用人である税理士(以下この条 及び第四十八条の二十第四項において「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けることができる。
この場合において、当該税理士法人は、委託者に、当該税理士法人の社員等のうちからその補佐人を選任させなければならない。
税理士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項の規定は、税理士法人の定款について準用する。
定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。
税理士法人は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書 及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を含む区域に設立されている税理士会(以下この章において「本店所在地の税理士会」という。)を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。
日本税理士会連合会は、財務省令で定めるところにより、税理士法人の名簿を作成し、これを国税庁長官に提出しなければならない。
日本税理士会連合会は、財務省令で定めるところにより、前項の名簿を電磁的記録をもつて作成することができる。
税理士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によつて、定款の変更をすることができる。
税理士法人は、定款を変更したときは、変更の日から二週間以内に、変更に係る事項を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。
税理士法人の社員が前項の規定に違反して自己 又は第三者のためにその税理士法人の業務の範囲に属する業務を行つたときは、当該業務によつて当該社員 又は第三者が得た利益の額は、税理士法人に生じた損害の額と推定する。
第一条、第二条の三、第三十条、第三十一条、第三十四条から第三十七条の二まで、第三十九条 及び第四十一条から第四十一条の三までの規定は、税理士法人について準用する。
第四十三条の規定に該当することとなつたこと。
第四十五条 又は第四十六条の規定による税理士業務の停止の処分を受けたこと。
第四十八条の二十第一項の規定による解散の命令
税理士法人は、前項の規定による場合のほか、社員が一人になり、そのなつた日から引き続き六月間 その社員が二人以上にならなかつた場合においても、その六月を経過した時に解散する。
税理士法人は、第一項第三号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。
裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
財務大臣は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。
前項の検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
裁判所は、第一項の検査役を選任した場合には、税理士法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
この場合においては、裁判所は、当該税理士法人 及び検査役の陳述を聴かなければならない。
税理士法人は、合併したときは、合併の日から二週間以内に、登記事項証明書(合併により設立する税理士法人にあつては、登記事項証明書 及び定款の写し)を添えて、その旨を、本店所在地の税理士会を経由して、日本税理士会連合会に届け出なければならない。
合併をする税理士法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
ただし、第三号の期間は、一月を下ることができない。
前項の規定にかかわらず、合併をする税理士法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第六項において準用する会社法第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号 又は第三号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、合併をする税理士法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社 及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。
ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
会社法第九百三十九条第一項(第二号 及び第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条 並びに第九百五十五条の規定は、税理士法人が第二項の規定による公告をする場合について準用する。
この場合において、
同法第九百三十九条第一項 及び第三項中
「公告方法」とあるのは
「合併の公告の方法」と、
同法第九百四十六条第三項中
「商号」とあるのは
「名称」と
読み替えるものとする。
会社法第八百二十八条第一項(第七号 及び第八号に係る部分に限る。)及び第二項(第七号 及び第八号に係る部分に限る。)、第八百三十四条(第七号 及び第八号に係る部分に限る。)、第八百三十五条第一項、第八百三十六条第二項 及び第三項、第八百三十七条から第八百三十九条まで、第八百四十三条(第一項第三号 及び第四号 並びに第二項ただし書を除く。)並びに第八百四十六条の規定は税理士法人の合併の無効の訴えについて、同法第八百六十八条第六項、第八百七十条第二項(第六号に係る部分に限る。)、第八百七十条の二、第八百七十一条本文、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)、第八百七十二条の二、第八百七十三条本文、第八百七十五条 及び第八百七十六条の規定はこの条において準用する同法第八百四十三条第四項の申立てについて、それぞれ準用する。
財務大臣は、税理士法人がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その税理士法人に対し、戒告し、若しくは二年以内の期間を定めて業務の全部 若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。
第四十七条、第四十七条の三 及び第四十七条の四の規定は、前項の処分について準用する。
第一項の規定による処分の手続に付された税理士法人は、清算が結了した後においても、この条の規定の適用については、当該手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
第一項の規定は、同項の規定により税理士法人を処分する場合において、当該税理士法人の社員等につき第四十五条 又は第四十六条に該当する事実があるときは、その社員等である税理士に対し、懲戒処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条 並びに会社法第六百条、第六百十四条から第六百十九条まで、第六百二十一条 及び第六百二十二条の規定は税理士法人について、同法第五百八十条第一項、第五百八十一条、第五百八十二条、第五百八十五条第一項 及び第四項、第五百八十六条、第五百九十三条、第五百九十五条、第五百九十六条、第五百九十九条、第六百一条、第六百五条、第六百六条、第六百九条第一項 及び第二項、第六百十一条(第一項ただし書を除く。)、第六百十二条 並びに第六百十三条の規定は税理士法人の社員について、同法第五百八十九条第一項の規定は税理士法人の社員であると誤認させる行為をした者の責任について、同法第八百五十九条から第八百六十二条までの規定は税理士法人の社員の除名 並びに業務を執行する権利 及び代表権の消滅の訴えについて、それぞれ準用する。
この場合において、
同法第六百十三条中
「商号」とあるのは
「名称」と、
同法第六百十五条第一項、第六百十七条第一項 及び第二項 並びに第六百十八条第一項第二号中
「法務省令」とあるのは
「財務省令」と、
同法第六百十七条第三項中
「電磁的記録」とあるのは
「電磁的記録(税理士法第二条第一項第二号に規定する電磁的記録をいう。次条第一項第二号において同じ。)」と、
同法第八百五十九条第二号中
「第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは
「税理士法第四十八条の十四第一項」と
読み替えるものとする。
会社法第六百四十四条(第三号を除く。)、第六百四十五条から第六百四十九条まで、第六百五十条第一項 及び第二項、第六百五十一条第一項 及び第二項(同法第五百九十四条の準用に係る部分を除く。)、第六百五十二条、第六百五十三条、第六百五十五条から第六百五十九条まで、第六百六十二条から第六百六十四条まで、第六百六十六条から第六百七十三条まで、第六百七十五条、第八百六十三条、第八百六十四条、第八百六十八条第一項、第八百六十九条、第八百七十条第一項(第一号 及び第二号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十四条(第一号 及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十五条 並びに第八百七十六条の規定は、税理士法人の解散 及び清算について準用する。
この場合において、
同法第六百四十四条第一号中
「第六百四十一条第五号」とあるのは
「税理士法第四十八条の十八第一項第三号」と、
同法第六百四十七条第三項中
「第六百四十一条第四号 又は第七号」とあるのは
「税理士法第四十八条の十八第一項第五号 若しくは第六号 又は第二項」と、
同法第六百五十八条第一項 及び第六百六十九条中
「法務省令」とあるのは
「財務省令」と、
同法第六百六十八条第一項 及び第六百六十九条中
「第六百四十一条第一号から第三号まで」とあるのは
「税理士法第四十八条の十八第一項第一号 又は第二号」と、
同法第六百七十条第三項中
「第九百三十九条第一項」とあるのは
「税理士法第四十八条の十九の二第六項において準用する第九百三十九条第一項」と、
同法第六百七十三条第一項中
「第五百八十条」とあるのは
「税理士法第四十八条の二十一第一項において準用する第五百八十条第一項」と
読み替えるものとする。
会社法第八百二十四条、第八百二十六条、第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第十号に係る部分に限る。)、第八百七十一条本文、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条本文、第八百七十五条、第八百七十六条、第九百四条 及び第九百三十七条第一項(第三号ロに係る部分に限る。)の規定は税理士法人の解散の命令について、同法第八百二十五条、第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第一号 及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条、第八百七十四条(第二号 及び第三号に係る部分に限る。)、第八百七十五条、第八百七十六条、第九百五条 及び第九百六条の規定はこの項において準用する同法第八百二十四条第一項の申立てがあつた場合における税理士法人の財産の保全について、それぞれ準用する。
会社法第八百二十八条第一項(第一号に係る部分に限る。)及び第二項(第一号に係る部分に限る。)、第八百三十四条(第一号に係る部分に限る。)、第八百三十五条第一項、第八百三十七条から第八百三十九条まで 並びに第八百四十六条の規定は、税理士法人の設立の無効の訴えについて準用する。
会社法第八百三十三条第二項、第八百三十四条(第二十一号に係る部分に限る。)、第八百三十五条第一項、第八百三十七条、第八百三十八条、第八百四十六条 及び第九百三十七条第一項(第一号リに係る部分に限る。)の規定は、税理士法人の解散の訴えについて準用する。
破産法(平成十六年法律第七十五号)第十六条の規定の適用については、税理士法人は、合名会社とみなす。