居住者に対し国内において第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等(以下この章において「利子等」という。)又は第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等(以下この章において「配当等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その利子等 又は配当等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
所得税法
第四編 源泉徴収
第一章 利子所得及び配当所得に係る源泉徴収
配当等(投資信託(公社債投資信託 及び公募公社債等運用投資信託を除く。)又は特定受益証券発行信託の収益の分配を除く。)については、支払の確定した日から一年を経過した日までにその支払がされない場合には、その一年を経過した日においてその支払があつたものとみなして、前項の規定を適用する。
前条の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。
利子等
その金額に百分の十五の税率を乗じて計算した金額
配当等
その金額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額
第二章 給与所得に係る源泉徴収
第一節 源泉徴収義務及び徴収税額
居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
法人の法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員に対する賞与については、支払の確定した日から一年を経過した日までにその支払がされない場合には、その一年を経過した日においてその支払があつたものとみなして、前項の規定を適用する。
常時二人以下の家事使用人のみに対し給与等の支払をする者は、前条の規定にかかわらず、 その給与等について所得税を徴収して納付することを要しない。
次条に規定する賞与以外の給与等について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる給与等の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う給与等
次に掲げる場合の区分に応じ、その給与等の金額(ロ、ハ、ニ 又はヘに掲げる場合にあつては、それぞれ当該金額の二倍に相当する金額、当該金額の三倍に相当する金額、給与等の月割額 又は給与等の日割額)並びに当該申告書に記載された源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には第百九十四条第一項第六号(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族とし、当該申告書に記載された源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族が同条第四項に規定する国外居住親族(第百八十七条(障害者控除等の適用を受ける者に係る徴収税額)及び第百九十条第二号ハ(年末調整)において「国外居住親族」という。)である場合には第百九十四条第四項に規定する書類の提出 又は提示がされた源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族に限る。次条において「主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族」という。)の有無 及び その数に応ずる次に定める税額
給与等の支給期が毎月と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額
給与等の支給期が毎半月と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額
給与等の支給期が毎旬と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額
給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて計算した金額に相当する税額
給与等の支給期が毎日と定められている場合
別表第三の甲欄に掲げる税額
イから ホまでに掲げる場合以外の場合
別表第三の甲欄に掲げる税額にその支給日数を乗じて計算した金額に相当する税額
前号 及び次号に掲げる給与等以外の給与等
次に掲げる場合の区分に応じ、その給与等の金額(ロ、ハ、ニ 又はヘに掲げる場合にあつては、それぞれ当該金額の二倍に相当する金額、当該金額の三倍に相当する金額、給与等の月割額 又は給与等の日割額)、従たる給与についての扶養控除等申告書の提出の有無 並びに当該申告書に記載された第百九十五条第一項第三号(従たる給与についての扶養控除等申告書)に規定する源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族(当該源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族が同条第四項の記載がされた者である場合には、同項に規定する書類の提出 又は提示がされた源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族に限る。)の数に応ずる次に定める税額
給与等の支給期が毎月と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額
給与等の支給期が毎半月と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額
給与等の支給期が毎旬と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額
給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて計算した金額に相当する税額
給与等の支給期が毎日と定められている場合
別表第三の乙欄に掲げる税額
イから ホまでに掲げる場合以外の場合
別表第三の乙欄に掲げる税額にその支給日数を乗じて計算した金額に相当する税額
労働した日 又は時間によつて算定され、かつ、労働した日ごとに支払を受ける給与等で政令で定めるもの
その給与等の金額に応じ、別表第三の丙欄に掲げる税額
前項第一号 及び第二号に規定する月割額 又は日割額の意義 その他 同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
賞与(賞与の性質を有する給与を含む。以下この条において同じ。)について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次項の規定の適用がある場合を除き、次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべきその他の給与等(以下この条において「通常の給与等」という。)がある場合(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合にあつては、前月中に通常の給与等の支払がされない場合を含む。次号イ 及び次項において同じ。)
前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合には、その賞与の支払の直前に支払つた又は支払うべきその通常の給与等の前条第一項第一号に規定する月割額。次号イ 及び次項において同じ。)、給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応じ別表第四の甲欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に相当する税額
イに掲げる場合以外の場合
その賞与の金額の六分の一(当該金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には、十二分の一。次号ロ 及び次項において同じ。)に相当する金額 並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額に六(当該賞与の金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には、十二。次号ロ 及び次項において同じ。)を乗じて計算した金額に相当する税額
前号に掲げる賞与以外の賞与
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等がある場合
前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額に応じ別表第四の乙欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に相当する税額
イに掲げる場合以外の場合
その賞与の金額の六分の一に相当する金額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等がある場合において、その賞与の金額が前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額の十倍に相当する金額を超えるときは、当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与
その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金額との合計額 並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額と当該通常の給与等の金額 並びに当該申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額との差額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
前号に掲げる賞与以外の賞与
その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金額との合計額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額と当該通常の給与等の金額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額との差額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その年最後に支払う給与等が第百九十条(年末調整)の規定の適用を受ける通常の給与等であり、かつ、当該通常の給与等の支払をする日の属する月に賞与を支払う場合において、当該賞与を支払う日の現況によりその年中にその居住者に対し支払うべきことが確定する給与等(その居住者がその年において他の給与等の支払者を経由して他の給与所得者の扶養控除等申告書を提出したことがある場合には、当該 他の給与等の支払者がその年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等で政令で定めるものを含む。)につき同条の規定を適用した場合に同条に規定する不足額が生ずると見込まれるときは、当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、第一項第一号 又は前項第一号の規定にかかわらず、これらの規定による税額と当該不足額に相当する税額との合計額とすることができる。
給与所得者の扶養控除等申告書 又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した居住者(以下この条において「対象居住者」という。)のこれらの申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされた配偶者(以下この条において「対象配偶者」という。)が、当該対象居住者を、当該対象配偶者の提出した給与所得者の扶養控除等申告書 若しくは従たる給与についての扶養控除等申告書 又は公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者として第百八十五条第一項第一号 若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)若しくは前条第一項第一号 若しくは第二項第一号 又は第二百三条の三第一号から 第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受ける場合には、当該対象配偶者は当該対象居住者の提出した給与所得者の扶養控除等申告書 又は従たる給与についての扶養控除等申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされていないものとして、第百八十五条第一項第一号 及び第二号 並びに前条第一項第一号 及び第二項第一号の規定を適用する。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、当該申告書にその者が障害者、寡婦、ひとり親 又は勤労学生に該当する旨の記載があるもの(当該勤労学生が第二条第一項第三十二号ロ 又はハ(定義)に掲げる者に該当する場合には、当該申告書に勤労学生に該当する旨の記載があるほか、第百九十四条第三項(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する書類の提出 又は提示があつたもの)である場合には、これらの一に該当するごとに控除対象扶養親族が一人あると記載されているものとし、当該申告書に同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに障害者 又は同居特別障害者(当該障害者 又は同居特別障害者が国外居住親族である場合には、同条第四項に規定する書類の提出 又は提示がされた障害者 又は同居特別障害者に限る。)がある旨の記載があるものである場合には、これらの一に該当するごとに控除対象扶養親族が他に一人あると記載されているものとして、第百八十五条第一項第一号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)並びに第百八十六条第一項第一号 及び第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定を適用する。
給与等の支払の際控除される第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料 又は第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金がある場合には、第百八十五条(賞与以外の給与等に係る徴収税額) 又は第百八十六条(賞与に係る徴収税額)の規定の適用については、その給与等の金額に相当する金額から当該社会保険料の金額と 当該小規模企業共済等掛金の額との合計額を控除した残額に相当する金額の給与等の支払があつたものとみなし、その残額がないときは、その給与等の支払がなかつたものとみなす。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその支払う給与等について第百八十五条第一項第一号イから ニまで(賞与以外の給与等に係る徴収税額) 並びに第百八十六条第一項第一号ロ 及び第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定を適用する場合において、 その給与等の支払額に関する計算を事務機械によつて処理しているときは、これらの規定に規定する別表第二の甲欄に掲げる税額は、当該税額が算定された方法に準ずるものとして財務大臣が定める方法によつて計算した金額をもつて代えることができる。
財務大臣は、前項の定めをしたときは、これを告示する。
第二節 年末調整
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第一号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が二千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後 その年十二月三十一日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、同号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第二号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならない。
その年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等(その居住者がその年において他の給与等の支払者を経由して他の給与所得者の扶養控除等申告書を提出したことがある場合には、当該 他の給与等の支払者がその年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等で政令で定めるものを含む。次号において同じ。)につき第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額の合計額
別表第五により、その年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等の金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額から次に掲げる金額の合計額を控除した金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てた金額)を課税総所得金額とみなして第八十九条第一項(税率)の規定を適用して計算した場合の税額
その給与等から控除される第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料(ロにおいて「社会保険料」という。)の金額 及び第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金(ロにおいて「小規模企業共済等掛金」という。)の額
その年中に支払つた社会保険料の金額 及び小規模企業共済等掛金の額(それぞれイに掲げるものを除くものとし、その居住者がその年において提出した給与所得者の保険料控除申告書に記載されたもの(第百九十六条第二項(保険料等の支払を証する書類の提出等)に規定する社会保険料の金額 及び小規模企業共済等掛金の額にあつては、同項に規定する書類の提出 又は提示のあつたものに限る。)に限る。)並びに第七十六条第一項(生命保険料控除)に規定する新生命保険料の金額 及び旧生命保険料の金額、同条第二項に規定する介護医療保険料の金額、同条第三項に規定する新個人年金保険料の金額 及び旧個人年金保険料の金額 並びに第七十七条第一項(地震保険料控除)に規定する地震保険料の金額(これらの金額のうち当該申告書に記載され、かつ、第百九十六条第二項に規定する書類の提出 又は提示のあつたものに限る。)につき第七十四条から 第七十七条までの規定の適用があるものとした場合に控除されるべき金額
当該給与所得者の扶養控除等申告書に記載された同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者(当該同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者が国外居住親族である場合には、第百九十四条第四項 及び第六項(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する書類の提出 又は提示がされた同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者に限る。)の有無 及び その数 並びに当該申告書にその居住者が特別障害者 若しくは その他の障害者、寡婦、ひとり親 又は勤労学生に該当する旨の記載があるかどうか(当該勤労学生が第二条第一項第三十二号ロ 又はハ(定義)に掲げる者に該当する場合には、当該申告書に勤労学生に該当する旨の記載があるかどうかのほか、第百九十四条第三項に規定する書類の提出 又は提示があつたかどうか)並びに当該申告書に記載された控除対象扶養親族(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には同条第一項第六号に規定する控除対象扶養親族とし、当該申告書に記載された控除対象扶養親族が国外居住親族である場合には同条第四項 及び第六項に規定する書類の提出 又は提示がされた控除対象扶養親族に限る。)の有無、その控除対象扶養親族の数 その他の事項に応じ、第七十九条から 第八十二条まで(障害者控除等)及び第八十四条(扶養控除)の規定に準じて計算した障害者控除の額、寡婦控除の額、ひとり親控除の額、勤労学生控除の額 及び扶養控除の額に相当する金額
給与所得者の配偶者控除等申告書に記載されたその居住者の第二条第一項第三十号に規定する合計所得金額(以下 この号において「合計所得金額」という。)の見積額、当該申告書に記載された控除対象配偶者 又は第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者(当該控除対象配偶者 又は配偶者が第百九十四条第四項 又は第百九十五条の二第二項(給与所得者の配偶者控除等申告書)の記載がされた者である場合には、これらの規定に規定する書類の提出 又は提示がされた控除対象配偶者 又は配偶者に限る。)の有無、その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者に該当するかどうか、その控除対象配偶者 又は配偶者がこの条に規定する居住者として当該申告書を提出しているかどうか、その控除対象配偶者 又は配偶者が第二百三条の六第一項(公的年金等の受給者の扶養親族等申告書)に規定する居住者として同項第三号に掲げる事項を記載した公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出しているかどうか 及び その控除対象配偶者 又は配偶者の合計所得金額 又は その見積額に応じ、第八十三条(配偶者控除)又は第八十三条の二の規定に準じて計算した配偶者控除の額 又は配偶者特別控除の額に相当する金額
給与所得者の基礎控除申告書に記載されたその居住者の合計所得金額の見積額に応じ、第八十六条(基礎控除)の規定に準じて計算した基礎控除の額に相当する金額
前条の場合において、同条に規定する超過額をその年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、なお充当しきれない超過額(当該超過額のうちにまだ徴収されていないものがあるときは、その徴収されていない部分の金額に相当する金額を控除した金額。以下この条において「過納額」という。)があるときは、前条の給与等の支払者は、その過納額を還付する。
第百九十条(年末調整)の場合において、同条に規定する不足額をその年最後に給与等の支払をする際徴収し、なお徴収しきれない不足額があるときは、同条の給与等の支払者は、その翌年において給与等の支払をする際 順次これを徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
第百九十条に規定する不足額があり、かつ、第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額に比して著しく少ないと認められる場合において、同条の居住者が、同条の給与等の支払者から その年最後に支払を受ける給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長の承認を受けたときは、当該支払者は、第百九十条 及び前項の規定にかかわらず、その承認に係る金額を当該不足額から控除した残額をその年最後に給与等の支払をする際徴収し、その承認に係る金額の二分の一に相当する金額をその翌年一月 及び二月に給与等の支払をする際それぞれ徴収し、なお不足額があるときは、その翌年三月以後給与等の支払をする際順次徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
ただし、その年最後に給与等の支払をした後においてその居住者に対し第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等の支払をすることとなつた場合は、その承認に係る金額のうち当該退職手当等の支払の時までにまだ徴収していない金額に相当する金額を当該支払の際徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
第百九十条の給与等の支払者から その年最後に給与等の支払を受ける日の属する月中に当該支払者から支払を受ける給与等の金額の総額から、その給与等につき第百八十三条第一項(源泉徴収義務) 及び第百九十条の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額を控除した残額に相当する金額
その年一月から 前号に規定する月の前月までの間に第百九十条の給与等の支払者から支払を受けた給与等の金額の総額から、その給与等につき第百八十三条第一項の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額の合計額を控除した残額の月割額として政令で定めるところにより計算した金額
第百九十一条(過納額の還付)に規定する過納額の還付の手続、前条第二項に規定する承認の手続 その他 これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 給与所得者の源泉徴収に関する申告
国内において給与等の支払を受ける居住者は、その給与等の支払者(その支払者が二以上ある場合には、主たる給与等の支払者)から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地。以下この節において同じ。)の所轄税務署長に提出しなければならない。
その居住者が、特別障害者 若しくは その他の障害者 又は勤労学生に該当する場合にはその旨 及び その該当する事実 並びに寡婦 又はひとり親に該当する場合には その旨
同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者がある場合には、その旨、その数、その者の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名) 並びにその該当する事実
源泉控除対象配偶者の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名)
控除対象扶養親族の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名) 並びに控除対象扶養親族のうちに特定扶養親族 又は老人扶養親族がある場合には、その旨 及び その該当する事実
二以上の給与等の支払者から給与等の支払を受ける場合には、源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族のうち、主たる給与等の支払者から支払を受ける給与等について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収される所得税の額の計算の基礎としようとするものの氏名
第三号の同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 若しくは特別障害者以外の障害者 又は第四号の源泉控除対象配偶者 若しくは第五号の控除対象扶養親族(前号に規定する場合に該当するときは、同号に規定する源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族に限る。)が非居住者である親族である場合には、その旨
前項の規定による申告書を提出した居住者は、その年の中途において当該申告書に記載した事項について異動を生じた場合には、同項の給与等の支払者から その異動を生じた日後最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、その異動の内容 その他財務省令で定める事項を記載した申告書を、当該支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前二項の規定による申告書に勤労学生に該当する旨の記載をした居住者で第二条第一項第三十二号ロ 又はハ(定義)に掲げる者に該当するものは、政令で定めるところにより、これらの者に該当する旨を証する書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項 又は第二項の規定による申告書に第一項第七号に掲げる事項の記載をした居住者は、政令で定めるところにより、当該記載がされた者(次項において「国外居住親族」という。)が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類を提出し、又は提示しなければならない。
前項に規定する居住者は、第百九十条(年末調整)に規定する過不足の額の計算上、国外居住親族に係る同条第二号ハに掲げる障害者控除の額 又は扶養控除の額に相当する金額の控除を受けようとする場合には、第一項に規定する給与等の支払者から その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、当該国外居住親族が当該居住者と生計を一にする事実 その他財務省令で定める事項を記載した申告書を、当該支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の規定による申告書を提出する居住者は、政令で定めるところにより、同項の国外居住親族が当該居住者と生計を一にすることを明らかにする書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項、第二項 又は第五項の規定による申告書は、給与所得者の扶養控除等申告書という。
国内において二以上の給与等の支払者から給与等の支払を受ける居住者は、主たる給与等の支払者から支払を受けるその年中の給与等の金額の見積額につき第二十八条第二項(給与所得の金額)及び第百八十八条(給与等から 控除される社会保険料等がある場合の徴収税額の計算)の規定に準じて計算した金額として政令で定めるところにより計算した金額が障害者控除の額、寡婦控除の額、ひとり親控除の額、勤労学生控除の額、源泉控除対象配偶者について控除を受ける配偶者控除の額 又は配偶者特別控除の額、扶養控除の額 及び基礎控除の額の合計額に満たないと見込まれる場合には、その年において、次に掲げる事項を記載した申告書を、主たる給与等の支払者以外の給与等の支払者(以下 この項において「従たる給与等の支払者」という。)を経由して、当該従たる給与等の支払者から支払を受ける給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長に提出することができる。
源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名)
源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族のうち、当該従たる給与等の支払者から支払を受ける給与等について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収される所得税の額の計算の基礎としようとするものの氏名
前号に規定する源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族が非居住者である親族である場合には、その旨
前項の規定による申告書を提出した居住者は、その年の中途において当該申告書に記載した事項について異動を生じた場合には、同項の給与等の支払者から その異動を生じた日後最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、その異動の内容 その他財務省令で定める事項を記載した申告書を、当該支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項に定めるもののほか、第一項の規定による申告書を提出した居住者が、その年において提出した給与所得者の扶養控除等申告書に記載した前条第一項第六号に規定する源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族を第一項第三号に規定する源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族として同項の規定による申告書に追加して記載する必要が生じた場合の申告その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項 又は第二項の規定による申告書に第一項第四号に掲げる事項の記載をした居住者は、政令で定めるところにより、当該記載がされた者が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項 又は第二項の規定による申告書は、従たる給与についての扶養控除等申告書という。
国内において給与等の支払を受ける居住者は、第百九十条(年末調整)に規定する過不足の額の計算上、同条第二号ニに掲げる配偶者控除の額 又は配偶者特別控除の額に相当する金額の控除を受けようとする場合には、その給与等の支払者(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には、主たる給与等の支払者)から その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
その居住者のその年の第二条第一項第三十号(定義)に規定する合計所得金額(次号 及び次条第一項第二号において「合計所得金額」という。)の見積額
控除対象配偶者 又は第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者の氏名、個人番号 及び その者のその年の合計所得金額 又は その見積額並びにその者が老人控除対象配偶者 又は非居住者である場合には その旨
前項の規定による申告書に控除対象配偶者 又は同項第三号に規定する配偶者が非居住者である旨の記載をした居住者は、政令で定めるところにより、当該記載がされた者が当該居住者の配偶者に該当する旨を証する書類及び当該記載がされた者が当該居住者と生計を一にすることを明らかにする書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項の規定による申告書は、給与所得者の配偶者控除等申告書という。
国内において給与等の支払を受ける居住者は、第百九十条(年末調整)に規定する過不足の額の計算上、同条第二号ホに掲げる基礎控除の額に相当する金額の控除を受けようとする場合には、その給与等の支払者(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には、主たる給与等の支払者)から その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の規定による申告書は、給与所得者の基礎控除申告書という。
国内において給与等の支払を受ける居住者は、第百九十条(年末調整)に規定する過不足の額の計算上、同条第二号ロに規定する社会保険料、小規模企業共済等掛金、新生命保険料、旧生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料、旧個人年金保険料 又は地震保険料に係る控除を受けようとする場合には、その給与等の支払者(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には、主たる給与等の支払者)から その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
その年中に支払つた第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料(給与等から控除されるものを除く。)の金額及び第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金(給与等から 控除されるものを除く。)の額
その年中に支払つた第七十六条第一項(生命保険料控除)に規定する新生命保険料の金額 及び旧生命保険料の金額、同条第二項に規定する介護医療保険料の金額、同条第三項に規定する新個人年金保険料の金額 及び旧個人年金保険料の金額並びに第七十七条第一項(地震保険料控除)に規定する地震保険料の金額につきこれらの規定の適用があるものとした場合に控除されるべき金額
前項の規定による申告書を提出する居住者は、政令で定めるところにより、その年において支払つた同項第二号に規定する社会保険料(第七十四条第二項第五号に掲げるものに限る。)の金額 若しくは前項第二号に規定する小規模企業共済等掛金の額 又は同項第三号に規定する新生命保険料の金額、旧生命保険料の金額、介護医療保険料の金額、新個人年金保険料の金額、旧個人年金保険料の金額 若しくは地震保険料の金額につき、これらの支払をした旨を証する書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項の規定による申告書は、給与所得者の保険料控除申告書という。
次に掲げる給与等は、第百九十四条から 前条まで(給与所得者の源泉徴収に関する申告書)に規定する給与等に含まれないものとする。
第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等
第百八十五条第一項第三号(労働した日ごとに支払われる給与等)に掲げる給与等
第百九十四条から 第百九十六条まで(給与所得者の源泉徴収に関する申告書)の場合において、これらの規定による申告書がその提出の際に経由すべき給与等の支払者に受理されたときは、その申告書は、その受理された日にこれらの規定に規定する税務署長に提出されたものとみなす。
第百九十四条から 第百九十六条までに規定する給与等の支払を受ける居住者は、これらの規定による申告書の提出の際に経由すべき給与等の支払者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて財務省令で定めるものをいう。以下 この項 及び第五項において同じ。)による当該申告書に記載すべき事項(以下 この項において「記載事項」という。)の提供を適正に受けることができる措置を講じていること その他の政令で定める要件を満たす場合には、当該申告書の提出に代えて、当該給与等の支払者に対し、当該記載事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該給与等の支払を受ける居住者は、その者の氏名を明らかにする措置であつて財務省令で定めるものを講じなければならない。
前項の規定の適用がある場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「申告書が」とあるのは
「申告書に記載すべき事項を」と、
「支払者に受理されたとき」とあるのは
「支払者が提供を受けたとき」と、
「受理された日」とあるのは
「提供を受けた日」と
する。
給与所得者の扶養控除等申告書、従たる給与についての扶養控除等申告書 又は給与所得者の配偶者控除等申告書(以下 この項において「扶養控除等申告書」という。)の提出を受ける給与等の支払者が、財務省令で定めるところにより、当該扶養控除等申告書に記載されるべき源泉控除対象配偶者、控除対象配偶者、第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者、控除対象扶養親族 その他財務省令で定める者(以下 この項において「源泉控除対象配偶者等」という。)の氏名 及び個人番号 その他の事項を記載した帳簿(当該扶養控除等申告書の提出の前に、当該源泉控除対象配偶者等に係る給与等の支払を受ける居住者から 次に掲げる申告書の提出を受けて作成されたものに限る。)を備えているときは、その給与等の支払を受ける者は、第百九十四条第一項、第百九十五条第一項 及び第百九十五条の二第一項の規定にかかわらず、当該給与等の支払者に提出する扶養控除等申告書には、当該帳簿に記載されている個人番号の記載を要しないものとする。
ただし、当該扶養控除等申告書に記載されるべき氏名 又は個人番号が当該帳簿に記載されている源泉控除対象配偶者等の氏名 又は個人番号と異なるときは、この限りでない。
第百九十六条第一項に規定する給与等の支払を受ける居住者は、第二項の規定により給与所得者の保険料控除申告書に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合には、同条第二項に規定する社会保険料の金額、小規模企業共済等掛金の額、新生命保険料の金額、旧生命保険料の金額、介護医療保険料の金額、新個人年金保険料の金額、旧個人年金保険料の金額 又は地震保険料の金額の支払をした旨を証する書類の同項の規定による提出 又は提示に代えて、政令で定めるところにより、当該申告書の提出の際に経由すべき給与等の支払者に対し、当該書類に記載されるべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該給与等の支払を受ける居住者は、当該書類を提出し、又は提示したものとみなす。
第三章 退職所得に係る源泉徴収
居住者に対し国内において第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その退職手当等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
常時二人以下の家事使用人のみに対し第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者は、前条の規定にかかわらず、その支払う退職手当等について所得税を徴収して納付することを要しない。
第百九十九条(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
退職手当等の支払を受ける居住者が提出した退職所得の受給に関する申告書に、その支払うべきことが確定した年において支払うべきことが確定した他の退職手当等で既に支払がされたもの(次号において「支払済みの他の退職手当等」という。)がない旨の記載がある場合
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を課税退職所得金額とみなして第八十九条第一項(税率)の規定を適用して計算した場合の税額
その支払う退職手当等が一般退職手当等(第三十条第七項(退職所得)に規定する一般退職手当等をいう。次号イ 及び第二百三条第一項第二号(退職所得の受給に関する申告書)において同じ。)に該当する場合
その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てた金額。次号イにおいて同じ。)
その支払う退職手当等が短期退職手当等(第三十条第四項に規定する短期退職手当等をいう。次号ロ 及び第二百三条第一項第二号において同じ。)に該当する場合
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てた金額)
その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合
当該残額の二分の一に相当する金額
(1)に掲げる場合以外の場合
百五十万円とその支払う退職手当等の金額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額
その支払う退職手当等が特定役員退職手当等(第三十条第五項に規定する特定役員退職手当等をいう。次号ハ 及び第二百三条第一項第二号において同じ。)に該当する場合
その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額 又はその全額を切り捨てた金額。次号ハにおいて同じ。)
退職手当等の支払を受ける居住者が提出した退職所得の受給に関する申告書に、支払済みの他の退職手当等がある旨の記載がある場合
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を課税退職所得金額とみなして第八十九条第一項の規定を適用して計算した場合の税額から、 その支払済みの他の退職手当等につき第百九十九条の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額を控除した残額に相当する税額
その支払う退職手当等と その支払済みの他の退職手当等がいずれも一般退職手当等に該当する場合
その支払う退職手当等の金額と その支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から 退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額
その支払う退職手当等とその支払済みの他の退職手当等がいずれも短期退職手当等に該当する場合
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てた金額)
その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合
当該残額の二分の一に相当する金額
(1)に掲げる場合以外の場合
その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額と百五十万円との合計額
その支払う退職手当等とその支払済みの他の退職手当等がいずれも特定役員退職手当等に該当する場合
その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額
イからハまでに掲げる場合以外の場合
政令で定めるところにより計算した金額
前項各号に規定する退職所得控除額は、同項の規定による所得税を徴収すべき退職手当等を支払うべきことが確定した時の状況における第三十条第三項第一号に規定する勤続年数に準ずる勤続年数 及び同条第六項第三号に掲げる場合に該当するかどうかに応ずる別表第六に掲げる退職所得控除額(同項第一号に掲げる場合に該当するときは、同項の規定に準じて計算した金額)による。
退職手当等の支払を受ける居住者がその支払を受ける時までに退職所得の受給に関する申告書を提出していないときは、第百九十九条の規定により徴収すべき所得税の額は、その支払う退職手当等の金額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額に相当する税額とする。
第三十一条第三号(退職手当等とみなす一時金)の規定により退職手当等とみなされる一時金の支払をする場合において、同号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちに同号に規定する加入者の負担した金額があるとき(これに類する場合として政令で定める場合を含む。)は、前条の規定の適用については、その退職一時金の額から その負担した金額(政令で定めるものを含む。)を控除した金額に相当する退職手当等の支払があつたものとみなす。
国内において退職手当等の支払を受ける居住者は、その支払を受ける時までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、その退職手当等の支払者を経由して、その退職手当等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長に提出しなければならない。
この場合において、第二号に規定する支払済みの他の退職手当等がある旨を記載した申告書を提出するときは、当該申告書に当該支払済みの他の退職手当等につき第二百二十六条第二項(源泉徴収票)の規定により交付される源泉徴収票を添付しなければならない。
第二百一条第一項第一号(徴収税額)に規定する支払済みの他の退職手当等があるかどうか並びに当該支払済みの他の退職手当等があるときは 当該支払済みの他の退職手当等が一般退職手当等、短期退職手当等 又は特定役員退職手当等のいずれに該当するかの別 及び その金額
第二百一条第二項に規定する退職所得控除額の計算の基礎となる勤続年数
その居住者が第三十条第六項第三号(退職所得)に掲げる場合に該当するかどうか 及びこれに該当するときは その該当する事実
第二百条(源泉徴収を要しない退職手当等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる退職手当等は、前項に規定する退職手当等に含まれないものとする。
第一項の場合において、同項の規定による申告書がその提出の際に経由すべき退職手当等の支払者に受理されたときは、その申告書は、その受理された時に同項に規定する税務署長に提出されたものとみなす。
第一項の退職手当等の支払を受ける居住者は、同項の規定による申告書の提出の際に経由すべき退職手当等の支払者が電磁的方法(第百九十八条第二項(給与所得者の源泉徴収に関する申告書の提出時期等の特例)に規定する電磁的方法をいう。以下 この項において同じ。)による当該申告書に記載すべき事項(以下 この項において「記載事項」という。)の提供を適正に受けることができる措置を講じていること その他の政令で定める要件を満たす場合には、当該申告書の提出に代えて、当該退職手当等の支払者に対し、当該記載事項を電磁的方法により提供することができる。この場合においては、同条第二項後段の規定を準用する。
前項の規定の適用がある場合における第三項の規定の適用については、
同項中
「申告書が」とあるのは
「申告書に記載すべき事項を」と、
「支払者に受理されたとき」とあるのは
「支払者が提供を受けたとき」と、
「受理された時」とあるのは
「提供を受けた時」と
する。
第一項の規定による申告書は、退職所得の受給に関する申告書という。
第三章の二 公的年金等に係る源泉徴収
居住者に対し国内において第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等(以下この章において「公的年金等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その公的年金等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
前条の規定により徴収すべき所得税の額は、公的年金等の金額から、次の各号に掲げる公的年金等の区分に応じ当該各号に定める金額を控除した残額に百分の五(第三号 又は第六号に掲げる公的年金等の当該残額が十六万二千五百円に当該公的年金等の金額に係る月数を乗じて計算した金額を超える場合におけるその超える部分の金額 及び第七号に掲げる公的年金等の当該残額については、百分の十)の税率を乗じて計算した金額とする。
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した公的年金等の支払者が支払う公的年金等(次号 及び第三号に掲げるものを除く。)
次に掲げる金額の合計額に当該公的年金等の金額に係る月数を乗じて計算した金額
当該公的年金等の月割額として政令で定める金額の百分の二十五に相当する金額に六万五千円を加算した金額と九万円とのいずれか多い金額
当該申告書に当該公的年金等の受給者が障害者である旨の記載がある場合には、二万二千五百円(当該公的年金等の受給者が特別障害者である旨の記載がある場合には、三万五千円)
当該申告書に当該公的年金等の受給者が寡婦である旨の記載がある場合には、二万二千五百円
当該申告書に当該公的年金等の受給者がひとり親である旨の記載がある場合には、三万円
当該申告書に源泉控除対象配偶者(当該源泉控除対象配偶者が第二百三条の六第三項(公的年金等の受給者の扶養親族等申告書)に規定する記載がされた者(ヘ 及びトにおいて「国外居住親族」という。)である場合には、同項に規定する書類の提出 又は提示がされた源泉控除対象配偶者に限る。)がある旨の記載がある場合には、三万二千五百円(当該源泉控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である旨の記載がある場合には、四万円)
当該申告書に控除対象扶養親族(当該控除対象扶養親族が国外居住親族である場合には、第二百三条の六第三項に規定する書類の提出 又は提示がされた控除対象扶養親族に限る。)がある旨の記載がある場合には、三万二千五百円(当該控除対象扶養親族のうちに特定扶養親族 又は老人扶養親族がある旨の記載がある場合には、その特定扶養親族については五万二千五百円とし、老人扶養親族については四万円とする。)にその控除対象扶養親族の数を乗じて計算した金額
当該申告書に同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに障害者(当該障害者が国外居住親族である場合には、第二百三条の六第三項に規定する書類の提出 又は提示がされた障害者に限る。)がある旨の記載がある場合には、二万二千五百円(当該同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに同居特別障害者 又は その他の特別障害者(当該同居特別障害者 又は その他の特別障害者が国外居住親族である場合には、同項に規定する書類の提出 又は提示がされた同居特別障害者 又は その他の特別障害者に限る。)がある旨の記載がある場合には、その同居特別障害者については六万二千五百円とし、その他の特別障害者については三万五千円とする。)にその障害者の数を乗じて計算した金額
独立行政法人農業者年金基金法第十八条第一号(給付の種類)に掲げる農業者老齢年金 その他の政令で定める公的年金等(以下 この号 及び第五号において「農業者老齢年金等」という。)の支払を受ける居住者で当該農業者老齢年金等について公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出したものに対し、その提出の際に経由した当該農業者老齢年金等の支払者が支払う当該農業者老齢年金等
当該農業者老齢年金等を前号に掲げる公的年金等とした場合における同号に定める金額から政令で定める金額を控除した金額
国家公務員共済組合法第七十四条第一号(退職等年金給付の種類)に掲げる退職年金 その他の政令で定める公的年金等(以下 この号 及び第六号において「退職年金等」という。)の支払を受ける居住者で当該退職年金等について公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出したものに対し、その提出の際に経由した当該退職年金等の支払者が支払う当該退職年金等
当該退職年金等を第一号に掲げる公的年金等とした場合における同号に定める金額から政令で定める金額を控除した金額
前三号 及び次号から 第七号までに掲げる公的年金等以外の公的年金等
その公的年金等の月割額として政令で定める金額の百分の二十五に相当する金額に六万五千円を加算した金額と九万円とのいずれか多い金額に、当該公的年金等の金額に係る月数を乗じて計算した金額
農業者老齢年金等の支払を受ける居住者で当該農業者老齢年金等について公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出していないものに対し、当該農業者老齢年金等の支払者が支払う当該農業者老齢年金等
当該農業者老齢年金等を前号に掲げる公的年金等とした場合における同号に定める金額から政令で定める金額を控除した金額
退職年金等の支払を受ける居住者で当該退職年金等について公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出していないものに対し、当該退職年金等の支払者が支払う当該退職年金等
当該退職年金等を第四号に掲げる公的年金等とした場合における同号に定める金額から政令で定める金額を控除した金額
第三十五条第三項第三号(雑所得)に掲げる年金 その他政令で定めるもの(第二百三条の六第一項において「確定給付企業年金等」という。)
その公的年金等の金額の百分の二十五に相当する金額
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を提出した居住者(以下この条において「対象居住者」という。)の当該申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされた配偶者(以下この条において「対象配偶者」という。)が、当該対象居住者を、当該対象配偶者の提出した給与所得者の扶養控除等申告書 若しくは従たる給与についての扶養控除等申告書 又は公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者として第百八十五条第一項第一号 若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)若しくは第百八十六条第一項第一号 若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)又は前条第一号から 第三号までの規定の適用を受ける場合には、当該対象配偶者は当該対象居住者の提出した公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされていないものとして、同条第一号から 第三号までの規定を適用する。
次の各号に掲げる場合に該当するときは、第二百三条の三(徴収税額)の規定の適用については、当該各号に定めるところによる。
公的年金等の支払の際控除される第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料がある場合
その公的年金等の金額に相当する金額から当該社会保険料の金額を控除した残額に相当する金額の公的年金等の支払があつたものとみなし、その残額がないときは、その公的年金等の支払がなかつたものとみなす。
確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金の支払をする場合において、第三十五条第三項第三号(雑所得)に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちに同号に規定する加入者の負担した金額があるとき
その年金の額から その負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する公的年金等の支払があつたものとみなす。
第三十五条第三項第三号に規定する政令で定める年金の支払をする場合(政令で定める場合に限る。)
その年金の額から政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する公的年金等の支払があつたものとみなす。
国内において公的年金等(確定給付企業年金等を除く。)の支払を受ける居住者が、第二百三条の三(第一号から 第三号までに係る部分に限る。)(徴収税額)の規定による所得税の額の計算において同条第一号ロから トまでに掲げる金額のいずれかの金額の控除を受けようとする場合には、その公的年金等の支払者から毎年最初に公的年金等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該公的年金等の支払者を経由して、その公的年金等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長に提出しなければならない。
その居住者が、特別障害者 又は その他の障害者に該当する場合には その旨 及び その該当する事実 並びに寡婦 又はひとり親に該当する場合には その旨
源泉控除対象配偶者の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名)並びに源泉控除対象配偶者が老人控除対象配偶者に該当する場合には、その旨 及び その該当する事実
控除対象扶養親族の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名)並びに控除対象扶養親族のうちに特定扶養親族 又は老人扶養親族がある場合には、その旨 及び その該当する事実
同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者がある場合には、その旨、その者の氏名 及び個人番号(個人番号を有しない者にあつては、氏名) 並びにその該当する事実
第三号の源泉控除対象配偶者、第四号の控除対象扶養親族 又は前号の同居特別障害者 若しくは その他の特別障害者 若しくは特別障害者以外の障害者が非居住者である親族である場合には、その旨
前項の規定による申告書を同項の公的年金等の支払者を経由して提出する場合において、当該申告書に記載すべき事項がその年の前年において当該公的年金等の支払者を経由して提出した同項の規定による申告書に記載した事項と異動がないときは、居住者は、当該公的年金等の支払者が政令で定めるところにより国税庁長官の承認を受けている場合に限り、同項の規定により記載すべき事項に代えて当該異動がない旨を記載した同項の規定による申告書を提出することができる。
第一項の規定による申告書に同項第六号に掲げる事項の記載をした居住者(前項の規定により当該記載に代えて異動がない旨の記載をした居住者を含む。)は、政令で定めるところにより、当該記載がされた者(前項の規定により当該記載に代えて異動がない旨の記載がされた者を含む。)が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類を提出し、又は提示しなければならない。
第一項の場合において、同項の規定による申告書がその提出の際に経由すべき公的年金等の支払者に受理されたときは、その申告書は、その受理された日に同項に規定する税務署長に提出されたものとみなす。
第一項の公的年金等の支払を受ける居住者は、同項の規定による申告書の提出の際に経由すべき公的年金等の支払者が電磁的方法(第百九十八条第二項(給与所得者の源泉徴収に関する申告書の提出時期等の特例)に規定する電磁的方法をいう。以下 この項において同じ。)による当該申告書に記載すべき事項(以下 この項において「記載事項」という。)の提供を適正に受けることができる措置を講じていること その他の政令で定める要件を満たす場合には、当該申告書の提出に代えて、当該公的年金等の支払者に対し、当該記載事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合においては、同条第二項後段の規定を準用する。
前項の規定の適用がある場合における第四項の規定の適用については、
同項中
「申告書が」とあるのは
「申告書に記載すべき事項を」と、
「支払者に受理されたとき」とあるのは
「支払者が提供を受けたとき」と、
「受理された日」とあるのは
「提供を受けた日」と
する。
第一項の規定による申告書の提出を受ける公的年金等の支払者が、財務省令で定めるところにより、当該申告書に記載されるべき源泉控除対象配偶者、同一生計配偶者、控除対象扶養親族 その他財務省令で定める者(以下 この項において「源泉控除対象配偶者等」という。)の氏名 及び個人番号 その他の事項を記載した帳簿(当該申告書の提出の前に、当該源泉控除対象配偶者等に係る第一項の居住者から第百九十八条第四項各号に掲げる申告書の提出を受けて作成されたものに限る。)を備えているときは、その居住者は、第一項の規定にかかわらず、当該公的年金等の支払者に提出する同項の規定による申告書には、当該帳簿に記載されている個人番号の記載を要しないものとする。
ただし、当該申告書に記載されるべき氏名 又は個人番号が当該帳簿に記載されている源泉控除対象配偶者等の氏名 又は個人番号と異なるときは、この限りでない。
第一項の規定による申告書は、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書という。
居住者が前条第一項に規定する公的年金等の支払を受ける場合において、その年中に支払を受けるべき当該公的年金等の額がその年最初に当該公的年金等の支払を受けるべき日の前日の現況において政令で定める金額に満たないときは、当該公的年金等については、第二百三条の二(源泉徴収義務)の規定による所得税の徴収 及び納付は、要しないものとする。
第四章 報酬、料金等に係る源泉徴収
第一節 報酬、料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収
居住者に対し国内において次に掲げる報酬 若しくは料金、契約金 又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬 若しくは料金、契約金 又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み 又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料 及び講演料 並びにこれらに類するもので政令で定める報酬 又は料金
弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士 その他 これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬 又は料金
社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の規定により支払われる診療報酬
職業野球の選手、職業拳闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人 その他 これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬 又は料金
映画、演劇 その他政令で定める芸能 又はラジオ放送 若しくはテレビジョン放送に係る出演 若しくは演出(指揮、監督 その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬 又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬 又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)
キャバレー、ナイトクラブ、バー その他 これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ 又は客に接待をして遊興 若しくは飲食をさせるものにおいて客に侍してその接待をすることを業務とするホステス その他の者(以下この条において「ホステス等」という。)のその業務に関する報酬 又は料金
役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの
広告宣伝のための賞金 又は馬主が受ける競馬の賞金で政令で定めるもの
前項の規定は、次に掲げるものについては、適用しない。
前項に規定する報酬 若しくは料金、契約金 又は賞金のうち、第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(次号において「給与等」という。)又は第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等に該当するもの
前項第一号から 第五号まで 並びに第七号 及び第八号に掲げる報酬 若しくは料金、契約金 又は賞金のうち、第百八十三条第一項(給与所得に係る源泉徴収義務)の規定により給与等につき所得税を徴収して納付すべき個人以外の個人から支払われるもの
前項第六号に掲げる報酬 又は料金のうち、同号に規定する施設の経営者(以下この条において「バー等の経営者」という。)以外の者から支払われるもの(バー等の経営者を通じて支払われるものを除く。)
第一項第六号に掲げる報酬 又は料金のうちに、客からバー等の経営者を通じてホステス等に支払われるものがある場合には、当該報酬 又は料金については、当該バー等の経営者を当該報酬 又は料金に係る同項に規定する支払をする者とみなし、当該報酬 又は料金をホステス等に交付した時にその支払があつたものとみなして、同項の規定を適用する。
前条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。
前条第一項第一号、第二号、第四号 若しくは第五号 又は第七号に掲げる報酬 若しくは料金 又は契約金(次号に掲げる報酬 及び料金を除く。)
その金額に百分の十(同一人に対し一回に支払われる金額が百万円を超える場合には、その超える部分の金額については、百分の二十)の税率を乗じて計算した金額
前条第一項第二号に掲げる司法書士、土地家屋調査士 若しくは海事代理士の業務に関する報酬 若しくは料金、同項第三号に掲げる診療報酬、同項第四号に掲げる職業拳闘家、外交員、集金人 若しくは電力量計の検針人の業務に関する報酬 若しくは料金、同項第六号に掲げる報酬 若しくは料金 又は同項第八号に掲げる賞金
その金額(当該賞金が金銭以外のもので支払われる場合には、その支払の時における価額として政令で定めるところにより計算した金額)から 政令で定める金額を控除した残額に百分の十の税率を乗じて計算した金額
第二百四条第一項第五号に規定する事業を営む居住者で、 自ら主催して演劇の公演を行なつていること その他の政令で定める要件を備えているものが、政令で定めるところにより当該要件を備えていることにつき納税地の所轄税務署長の証明書の交付を受け、 その証明書が効力を有している間にこれを同号に掲げる人的役務の提供に関する報酬 又は料金の支払をする者に提示してその支払を受ける場合には、その支払をする者は、当該報酬 又は料金については、第二百四条第一項の規定にかかわらず、所得税を徴収して納付することを要しない。
前項の証明書の交付を受けた居住者がその交付を受けた後 同項に規定する要件に該当しないこととなつた場合には、その該当しないこととなつた日後遅滞なく、政令で定めるところにより、その旨を納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。
第一項に規定する証明書は、次に掲げる場合には、その効力を失う。
納税地の所轄税務署長が当該証明書につき有効期限を定めた場合において、 その有効期限を経過したとき。
前項の規定による届出があつたとき。
納税地の所轄税務署長において、当該証明書の交付を受けた居住者がその交付を受けた後第一項に規定する要件に該当しないこととなつたものと認めて、 その者にその旨を通知したとき。
第二節 生命保険契約等に基づく年金に係る源泉徴収
居住者に対し国内において次に掲げる契約 その他政令で定める年金に係る契約に基づく年金の支払をする者は、その支払の際、その年金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
第七十六条第六項第一号から 第四号まで(生命保険料控除)に掲げる契約
第七十七条第二項各号(地震保険料控除)に掲げる契約
前二号に掲げる契約に類する契約で政令で定めるもの
前条の規定により徴収すべき所得税の額は、同条に規定する契約に基づいて支払われる年金の額から 当該契約に基づいて払い込まれた保険料 又は掛金の額のうちその支払われる年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に百分の十の税率を乗じて計算した金額とする。
次に掲げる年金の支払をする者は、当該年金については、第二百七条(源泉徴収義務)の規定にかかわらず、 所得税を徴収して納付することを要しない。
第二百七条に規定する契約に基づく年金の年額から 当該契約に基づいて払い込まれた保険料 又は掛金の額のうち当該年金に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額が政令で定める金額に満たない場合における当該年金
第二百七条に規定する契約に基づく年金のうち当該年金の支払を受ける者と当該契約に係る保険法(平成二十年法律第五十六号)第二条第三号(定義)に規定する保険契約者とが異なる契約その他の政令で定める契約に基づく年金
第三節 定期積金の給付補てん金等に係る源泉徴収
居住者に対し国内において第百七十四条第三号から 第八号まで(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる給付補てん金、利息、利益 又は差益の支払をする者は、その支払の際、その給付補てん金、利息、利益 又は差益について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
前条の規定により徴収すべき所得税の額は、同条に規定する給付補てん金、利息、利益 又は差益の額に百分の十五の税率を乗じて計算した金額とする。
第四節 匿名組合契約等の利益の分配に係る源泉徴収
居住者に対し国内において匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づく利益の分配につき支払をする者は、その支払の際、その利益の分配について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
前条の規定により徴収すべき所得税の額は、同条に規定する契約に基づき支払われる利益の分配の額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額とする。
第五章 非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収
非居住者に対し国内において第百六十一条第一項第四号から 第十六号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)の支払をする者又は外国法人に対し国内において同項第四号から 第十一号まで 若しくは第十三号から 第十六号までに掲げる国内源泉所得(第百八十条第一項(恒久的施設を有する外国法人の受ける国内源泉所得に係る課税の特例)又は第百八十条の二第一項 若しくは第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定に該当するもの及び政令で定めるものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、これらの国内源泉所得について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
前項に規定する国内源泉所得の支払が国外において行われる場合において、その支払をする者が国内に住所 若しくは居所を有し、又は国内に事務所、事業所 その他 これらに準ずるものを有するときは、その者が当該国内源泉所得を国内において支払うものとみなして、同項の規定を適用する。
この場合において、
同項中
「翌月十日まで」とあるのは、
「翌月末日まで」と
する。
内国法人に対し国内において第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配 又は賞金(これらのうち第百七十六条第一項 又は第二項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定に該当するものを除く。)の支払をする者は、その支払の際、当該利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配 又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
第百八十一条第二項(配当等の支払があつたものとみなす場合)の規定は第一項 又は前項の規定を適用する場合について、第百八十三条第二項(賞与の支払があつたものとみなす場合)の規定は第一項の規定を適用する場合についてそれぞれ準用する。
第百六十一条第一項第四号に規定する配分を受ける同号に掲げる国内源泉所得については、同号に規定する組合契約を締結している組合員(これに類する者で政令で定めるものを含む。)である非居住者 又は外国法人が当該組合契約に定める計算期間 その他これに類する期間(これらの期間が一年を超える場合は、これらの期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)。以下 この項において「計算期間」という。)において生じた当該国内源泉所得につき金銭 その他の資産(以下 この項において「金銭等」という。)の交付を受ける場合には、当該配分をする者を当該国内源泉所得の支払をする者とみなし、当該金銭等の交付をした日(当該計算期間の末日の翌日から二月を経過する日までに当該国内源泉所得に係る金銭等の交付がされない場合には、同日)においてその支払があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。
前条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
前条第一項に規定する国内源泉所得(次号 及び第三号に掲げるものを除く。)
その金額(次に掲げる国内源泉所得については、それぞれ次に定める金額)に百分の二十の税率を乗じて計算した金額
第百六十一条第一項第十二号ロ(国内源泉所得)に掲げる年金
その支払われる年金の額から五万円にその支払われる年金の額に係る月数を乗じて計算した金額を控除した残額
第百六十一条第一項第十三号に掲げる賞金
その金額(金銭以外のもので支払われる場合には、その支払の時における価額として政令で定めるところにより計算した金額)から五十万円を控除した残額
第百六十一条第一項第十四号に掲げる年金
同号に規定する契約に基づいて支払われる年金の額から当該契約に基づいて払い込まれた保険料 又は掛金の額のうちその支払われる年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
第百六十一条第一項第五号に掲げる国内源泉所得
その金額に百分の十の税率を乗じて計算した金額
第百六十一条第一項第八号 及び第十五号に掲げる国内源泉所得
その金額に百分の十五の税率を乗じて計算した金額
前条第三項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
前条第三項に規定する利子等、給付補塡金、利息、利益 又は差益
その金額に百分の十五の税率を乗じて計算した金額
前条第三項に規定する配当等 又は利益の分配
その金額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額
前条第三項に規定する賞金
その金額(金銭以外のもので支払われる場合には、その支払の時における価額として政令で定めるところにより計算した金額)から 政令で定める金額を控除した残額に百分の十の税率を乗じて計算した金額
恒久的施設を有する非居住者で政令で定める要件を備えているもののうち第百六十一条第一項第四号、第六号、第七号、第十号、第十一号、第十二号イ(給与に係る部分を除く。)又は第十四号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得(政令で定めるものを除く。)でその非居住者の恒久的施設に帰せられるもの(同項第四号に掲げる国内源泉所得にあつては、同号に規定する事業に係る恒久的施設以外の恒久的施設に帰せられるものに限る。以下 この項において「対象国内源泉所得」という。)の支払を受けるものが、政令で定めるところにより、当該支払を受けるものが当該要件を備えていること 及び その支払を受けることとなる国内源泉所得が対象国内源泉所得に該当することにつき 納税地の所轄税務署長の証明書の交付を受け、その証明書を当該国内源泉所得の支払をする者に提示した場合には、その支払をする者は、その証明書が効力を有している間にその証明書を提示した者に対して支払う当該国内源泉所得については、第二百十二条第一項(源泉徴収義務)の規定にかかわらず、所得税を徴収して納付することを要しない。
前項に規定する非居住者で同項に規定する証明書の交付を受けたものが、その交付を受けた後、同項に規定する要件に該当しないこととなり、又は恒久的施設を有しないこととなつた場合には、その該当しないこととなつた日 又は有しないこととなつた日以後 遅滞なく、政令で定めるところにより、その旨を納税地の所轄税務署長に届け出るとともに、その証明書の提示先にその旨を通知しなければならない。
納税地の所轄税務署長は、第一項に規定する非居住者で同項に規定する証明書の交付を受けたものが、その交付を受けた後、同項に規定する要件に該当しないこととなり、又は恒久的施設を有しないこととなつたと認める場合には、当該証明書の交付を受けたものに対し、書面によりその旨を通知するものとする。
前項の場合において、同項に規定する通知を受けた者は、当該通知を受けた日以後 遅滞なく、第一項に規定する証明書の提示先に当該通知を受けた旨を通知しなければならない。
納税地の所轄税務署長は、第二項の規定による届出があつた場合 又は第三項の規定により通知をした場合には、財務省令で定めるところにより、当該届出をした者 又は当該通知を受けた者の氏名その他の財務省令で定める事項を公示するものとする。
第一項に規定する証明書は、次に掲げる場合には、その効力を失う。
当該証明書につき納税地の所轄税務署長が定めた有効期限を経過したとき。
前項の規定による公示があつたとき。
国内において第百六十一条第一項第六号(国内源泉所得)に規定する事業を行う非居住者 又は外国法人が同号に掲げる対価につき第二百十二条第一項(源泉徴収義務)の規定により所得税を徴収された場合には、政令で定めるところにより、当該非居住者 又は外国法人が当該所得税を徴収された対価のうちから 当該事業のために人的役務の提供をする非居住者に対してその人的役務の提供につき支払う第百六十一条第一項第十二号イ 又はハに掲げる給与 又は報酬について、その支払の際、第二百十二条第一項の規定による所得税の徴収が行われたものとみなす。
第六章 源泉徴収に係る所得税の納期の特例
居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)又は第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)に規定する者を除く。)は、当該支払をする者の事務所、事業所 その他 これらに準ずるものでその支払事務を取り扱うもの(給与等の支払を受ける者が常時十人未満であるものに限る。以下この章において「事務所等」という。)につき、当該事務所等の所在地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、一月から 六月まで及び七月から 十二月までの各期間(当該各期間のうちその承認を受けた日の属する期間については、その日の属する月から 当該期間の最終月までの期間とする。以下この条において同じ。)に当該事務所等において支払つた給与等 及び退職手当等(非居住者に対して支払つた給与等 及び退職手当等 並びに第二百四条第一項第二号(源泉徴収をされる報酬 又は料金)に掲げる報酬 又は料金を含む。以下この条において同じ。)について第二章から 前章まで(給与所得等に係る源泉徴収)の規定により徴収した所得税の額を、これらの規定にかかわらず、一月から 六月までの期間に係る給与等 及び退職手当等について徴収した所得税の額にあつては当該期間の属する年の七月十日までに、七月から 十二月までの期間に係る給与等 及び退職手当等について徴収した所得税の額にあつては当該期間の属する年の翌年一月二十日までに国に納付することができる。
前条の承認の申請をしようとする者は、その承認を受けようとする事務所等の所在地、当該事務所等において給与等の支払を受ける者の数 その他財務省令で定める事項を記載した申請書を同条に規定する税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請書を提出した者につき次の各号の一に該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
その承認を受けようとする事務所等において給与等の支払を受ける者が常時十人未満であると認められないこと。
次項の規定による取消し(その者について前号に該当する事実が生じたことのみを理由としてされたものを除く。)の通知を受けた日以後一年以内にその申請書を提出したこと。
その者につき現に国税の滞納があり、かつ、その滞納税額の徴収が著しく困難であること その他 その申請を認める場合には前条に規定する所得税の納付に支障が生ずるおそれがあると認められる相当の理由があること。
税務署長は、前条の承認を受けた者について前項第一号 又は第三号に該当する事実が生じたと認めるときは、その承認を取り消すことができる。
税務署長は、第一項の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認 若しくは却下の処分をするとき、又は前項の規定による承認の取消しの処分をする場合には、その申請をした者 又は承認を受けていた者に対し、書面によりその旨を通知する。
第一項の申請書の提出があつた場合において、その申請書の提出があつた日の属する月の翌月末日までにその申請につき承認 又は却下の処分がなかつたときは、同日においてその承認があつたものとみなす。
第二百十六条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)の承認を受けた者は、その承認に係る事務所等において給与等の支払を受ける者が常時十人未満でなくなつた場合には、遅滞なく、その旨 その他財務省令で定める事項を記載した届出書を当該事務所等の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
この場合において、その届出書の提出があつたときは、その提出の日の属する同条に規定する期間以後の期間については、その承認は、その効力を失うものとする。
第二百十七条第三項(納期の特例に関する承認の取消し)の規定による承認の取消し又は前条の届出書の提出があつた場合には、その取消し又は提出の日の属する第二百十六条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)に規定する期間に係る同条に規定する所得税のうち同日の属する月分以前の各月分に係るものについては、同日の属する月の翌月十日をその納期限とする。
第七章 源泉徴収に係る所得税の納付及び徴収
第一章から 前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付する者は、その納付の際、国税通則法第三十四条第一項(納付の手続)に規定する納付書に財務省令で定める計算書を添附しなければならない。
第一章から 前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を納付しなかつたときは、税務署長は、その所得税をその者から徴収する。
税務署長は、前項の場合において、次の各号に掲げる支払の日 又は支払金額(これらのうち、青色申告書を提出した個人の不動産所得、事業所得 及び山林所得を生ずべき業務に係る支払に係るもの並びに法人税法第二条第三十六号(定義)に規定する青色申告書を提出した法人の支払(その法人が同法第百三十一条(推計による更正 又は決定)に規定する通算法人である場合には、当該通算法人の同条に規定する各事業年度に係る支払を除く。)に係るものを除く。)の区分に応じ当該各号に定める事項により、当該各号に掲げる支払の日を推定し、又は当該各号に掲げる支払金額を推計して、同項に規定する所得税を同項に規定する者から 徴収することができる。
第二章(給与所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第百八十三条第一項(源泉徴収義務)に規定する給与等(以下この条において「給与等」という。)の支払の日 又は給与等の支払を受けた者ごとの給与等の支払金額
当該給与等の支払をした者が定めている給与等の支払に関する規程 並びに当該給与等の支払を受けた者の労務に従事した期間、労務の性質 及び その提供の程度
第三章(退職所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第百九十九条(源泉徴収義務)に規定する退職手当等(以下この条において「退職手当等」という。)の支払の日 又は退職手当等の支払を受けた者ごとの退職手当等の支払金額
当該退職手当等の支払をした者が定めている退職手当等の支払に関する規程 並びに当該退職手当等の支払を受けた者の労務に従事した期間、労務の性質 及び その提供の程度
第四章第一節(報酬、料金、契約金又は賞金に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第二百四条第一項(源泉徴収義務)に規定する報酬 若しくは料金、契約金 若しくは賞金(以下この条において「報酬等」という。)の支払の日 又は報酬等の支払を受けた者ごとの報酬等の支払金額
当該報酬 又は料金の支払を受けた者の業務を行つた期間、業務の内容 及び その提供の程度、当該契約金の支払を受けた者の約する役務の提供の内容 並びに当該賞金の支払の事由
第五章(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収)の規定による源泉徴収の対象となる第二百十二条第一項(源泉徴収義務)に規定する国内源泉所得(給与等、退職手当等 又は報酬等に相当するものに限る。以下この条において「国内源泉所得」という。)の支払の日 又は国内源泉所得の支払を受けた者ごとの国内源泉所得の支払金額
当該国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に定める事項
税務署長は、前項の規定により、同項各号に掲げる支払の日を推定し、又は同項各号に掲げる支払金額を推計することが困難である場合には、次の各号に掲げる支払の日 又は支払金額の区分に応じ当該各号に定めるところにより、第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
前項第一号に掲げる支払の日 又は支払金額
同号の給与等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間 その他の当該給与等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下 この号において「給与等の計算期間」という。)における同項第一号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日 若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
当該給与等の計算期間における当該給与等の支払をした者の給与等の支払金額の総額を当該給与等の計算期間における当該給与等の支払をした者から給与等の支払を受けた者の人数で除し、これを当該給与等の計算期間の月数で除して計算した金額
前項第二号に掲げる支払の日 又は支払金額
同号の退職手当等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間 その他の当該退職手当等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下 この号において「退職手当等の計算期間」という。)における同項第二号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日 若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
当該退職手当等の計算期間における当該退職手当等の支払をした者の退職手当等の支払金額の総額を当該退職手当等の計算期間における当該退職手当等の支払をした者から退職手当等の支払を受けた者の人数で除して計算した金額
前項第三号に掲げる支払の日 又は支払金額
同号の報酬等の支払をした個人がその年において業務を営んでいた期間 その他の当該報酬等の支払をした者の区分に応じ政令で定める期間(以下 この号において「報酬等の計算期間」という。)における同項第三号に掲げる支払の日をイに掲げる日とし、又は同号に掲げる支払の日 若しくはイに掲げる日における同号に掲げる支払金額をロに掲げる金額とする。
当該報酬等の計算期間における当該報酬等の支払をした者の報酬等の種類ごとの支払金額の総額を当該報酬等の計算期間における当該報酬等の種類ごとの当該報酬等の支払をした者から当該報酬等の支払を受けた者の人数で除して計算した金額
前項第四号に掲げる支払の日 又は支払金額
国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に定めるところによる。
前項第一号ロの月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
税務署長は、第三項の場合において、その支払をした者の収入 若しくは支出の状況、 生産量、販売量 その他の取扱量 その他事業の規模 又は財産若しくは債務の増減の状況により次の各号に掲げる総額 又は人数を推計し、同項の規定により第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
第三項第一号ロに規定する給与等の支払金額の総額 又は同号ロに規定する給与等の支払を受けた者の人数
第三項第二号ロに規定する退職手当等の支払金額の総額 又は同号ロに規定する退職手当等の支払を受けた者の人数
第三項第三号ロに規定する報酬等の種類ごとの支払金額の総額 又は同号ロに規定する報酬等の支払を受けた者の人数
国内源泉所得の前三号の区分に応じ前三号に掲げる総額 又は人数
税務署長は、第一項から 第三項まで 及び前項の場合において、その支払が、給与等 若しくは国内源泉所得のいずれに該当するか、退職手当等 若しくは国内源泉所得のいずれに該当するか、又は報酬等 若しくは国内源泉所得のいずれに該当するかを推定してこれらの規定により第一項に規定する所得税を同項に規定する者から徴収することができる。
この場合において、これらのいずれに該当するかを推定することが困難であるときは、それぞれ給与等、退職手当等 又は報酬等に該当するものとすることができる。
第二項から 前項までに定めるもののほか、第三項の規定により第一項に規定する所得税の額を計算する場合における第二百五条第二号(徴収税額)に規定する政令で定める金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
前条の規定により所得税を徴収された者がその徴収された所得税の額の全部 又は一部につき第一章から 第五章まで(源泉徴収)の規定による徴収をしていなかつた場合 又は これらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその徴収をしないでその所得税をその納付の期限後に納付した場合には、これらの者は、その徴収をしていなかつた所得税の額に相当する金額を、その徴収をされるべき者に対して同条の規定による徴収の時以後 若しくは当該納付をした時以後に支払うべき金額から控除し、又は当該徴収をされるべき者に対し当該所得税の額に相当する金額の支払を請求することができる。
この場合において、その控除された金額 又は その請求に基づき支払われた金額は、当該徴収をされるべき者については、第一章から 第五章までの規定により徴収された所得税とみなす。
第一章から 第五章まで(源泉徴収)の規定により所得税の徴収がされたときは、これらの規定による徴収をされるべき者に対する所得税の還付 又は充当については、これらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を国に納付すべき日(徴収の日がその納付すべき日後である場合には、その徴収の日)においてその納付があつたものとみなす。