組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
民法
第十二節 組合
出資は、労務をその目的とすることができる。
第五百三十三条 及び第五百三十六条の規定は、組合契約については、適用しない。
組合員は、他の組合員が組合契約に基づく債務の履行をしないことを理由として、組合契約を解除することができない。
組合員の一人について意思表示の無効 又は取消しの原因があっても、他の組合員の間においては、組合契約は、その効力を妨げられない。
各組合員の出資 その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。
金銭を出資の目的とした場合において、組合員がその出資をすることを怠ったときは、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。
組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する。
組合の業務の決定 及び執行は、組合契約の定めるところにより、一人 又は数人の組合員 又は第三者に委任することができる。
前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。
この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。
前項の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。
組合の常務は、前各項の規定にかかわらず、各組合員 又は各業務執行者が単独で行うことができる。
ただし、その完了前に他の組合員 又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。
各組合員は、組合の業務を執行する場合において、組合員の過半数の同意を得たときは、他の組合員を代理することができる。
前項の規定にかかわらず、業務執行者があるときは、業務執行者のみが組合員を代理することができる。
この場合において、業務執行者が数人あるときは、各業務執行者は、業務執行者の過半数の同意を得たときに限り、組合員を代理することができる。
前二項の規定にかかわらず、各組合員 又は各業務執行者は、組合の常務を行うときは、単独で組合員を代理することができる。
第六百四十四条から第六百五十条までの規定は、組合の業務を決定し、又は執行する組合員について準用する。
組合契約の定めるところにより一人 又は数人の組合員に業務の決定 及び執行を委任したときは、その組合員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。
前項の組合員は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によって解任することができる。
各組合員は、組合の業務の決定 及び執行をする権利を有しないときであっても、その業務 及び組合財産の状況を検査することができる。
当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。
利益 又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益 及び損失に共通であるものと推定する。
組合の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができる。
組合の債権者は、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合 又は等しい割合でその権利を行使することができる。
ただし、組合の債権者がその債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていたときは、その割合による。
組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合 及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。
組合員は、組合財産である債権について、その持分についての権利を単独で行使することができない。
組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。
組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。
組合員は、その全員の同意によって、又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。
前項の規定により組合の成立後に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務については、これを弁済する責任を負わない。
組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。
ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。
組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。
前条の場合のほか、組合員は、次に掲げる事由によって脱退する。
組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。
ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。
脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
脱退した組合員は、前項に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。
脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。
脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
脱退の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。
組合は、次に掲げる事由によって解散する。
組合の目的である事業の成功 又はその成功の不能
組合契約で定めた存続期間の満了
組合契約で定めた解散の事由の発生
やむを得ない事由があるときは、各組合員は、組合の解散を請求することができる。
第六百二十条の規定は、組合契約について準用する。
組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。
清算人の選任は、組合員の過半数で決する。
第六百七十条第三項から第五項まで 並びに第六百七十条の二第二項 及び第三項の規定は、清算人について準用する。
第六百七十二条の規定は、組合契約の定めるところにより組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。
債権の取立て 及び債務の弁済
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。