自動車道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
道路運送法
第四章 自動車道及び自動車道事業
自動車道事業の免許は、通行する自動車の範囲を限定して行うことができる。
自動車道事業の免許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
前条第三項の規定により通行する自動車の範囲を限定する免許を受けようとする者は、申請書に前項に掲げる事項の外、通行させようとする自動車の範囲をあわせて記載しなければならない。
申請書には、一般自動車道の路線図 及び事業の施設、事業収支見積 その他国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
国土交通大臣は、申請者に対し、前三項に規定するもののほか、当該申請者の登記事項証明書 その他必要な書類の提出を求めることができる。
国土交通大臣は、前条に規定する申請書を受理したときは、その申請が次の各号に適合するかどうかを審査しなければならない。
当該事業の路線の選定が当該事業の経営の目的に適合するものであること。
当該一般自動車道の規模が当該地区における交通需要の量 及び性質に適合するものであること。
当該一般自動車道の路線の選定が道路法による道路で自動車のみの一般交通の用に供するものとの調整について特に考慮してなされているものであること。
前各号に掲げるもののほか、当該事業の計画が当該事業の長期にわたる経営の遂行上適切なものであること。
国土交通大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の場合を除いて、自動車道事業の免許をしなければならない。
免許を受けようとする者が一年以上の懲役 又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であるとき。
免許を受けようとする者が自動車道事業の免許の取消しを受け、取消しの日から二年を経過していない者であるとき。
免許を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が前二号 又は次号のいずれかに該当する者であるとき。
免許を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員が前三号のいずれかに該当する者であるとき。
自動車道事業の免許を受けた者(以下「自動車道事業者」という。)は、一般自動車道の構造 及び設備についての工事方法を定め、国土交通大臣の指定する期間内に、工事施行の認可を申請しなければならない。
ただし、当該事業の用に供する一般自動車道が工事を必要としない場合は、この限りでない。
国土交通大臣は、前項の申請があつたときは、その工事方法が事業計画 及び次条に規定する基準に適合しないと認める場合を除くほか、工事の完成の期間を指定して、前項の認可をしなければならない。
天災 その他やむを得ない事由により、第一項の期間内に認可を申請することができないときは、国土交通大臣は、申請により期間を伸長することができる。
一般自動車道は、道路、鉄道 又は軌道と平面交差をすることができない。
ただし、交通の量が少ない場合 その他特別の事由がある場合であつて国土交通省令で定める設備を設けるときは、この限りでない。
一般自動車道は、その幅員、勾配、曲線、見通し距離、通信設備 その他の構造 及び設備について国土交通省令で定める技術上の基準に従わなければならない。
国土交通大臣は、第五十条第一項の規定により一般自動車道の工事施行の認可をしたときは、路線、幅員 その他国土交通省令で定める事項を公示しなければならない。
自動車道事業者は、工事方法を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
ただし、路肩の幅員の拡張 その他国土交通省令で定める軽微な工事方法の変更については、この限りでない。
国土交通大臣は、工事方法の変更によつて事業計画 及び第五十一条の基準に適合しなくなると認める場合を除くほか、前項の認可をしなければならない。
自動車道事業者は、第一項ただし書の工事方法の変更をしたときは、遅滞なく その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、工事の施行中、第五十条第一項の工事施行の認可の際予測することができなかつたような事態が生じたことにより自動車の通行に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、自動車道事業者に対し、工事方法の変更を命ずることができる。
自動車道事業者は、第五十条第二項の工事の完成の期間内に、一般自動車道の工事を完成しなければならない。
第五十条第三項の規定は、前項の期間について準用する。
自動車道事業者は、一般自動車道の工事を完成したときは、遅滞なく国土交通大臣の検査を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該一般自動車道の構造 及び設備が、第五十条第一項の工事方法(第五十四条 又は第五十五条の規定による変更があつたときは、変更があつたもの)に合致し、かつ、工事を要しなかつた部分につき事業計画 及び第五十一条の基準に適合すると認めたときは、これを合格としなければならない。
自動車道事業者は、一般自動車道について前項の検査の合格があつたときは、遅滞なく その供用を開始しなければならない。
自動車道事業者は、一般自動車道の工事を必要としないときは、免許の際国土交通大臣が指定する期間内に、一般自動車道の構造 及び設備が事業計画 及び第五十一条の基準に適合するかどうかについて、国土交通大臣の検査を受けなければならない。
前条第三項の規定は、前項の検査の合格があつた場合について準用する。
自動車道事業者は、一般自動車道の一部について国土交通大臣の検査を受けることができる。
第五十七条第二項の規定は、前項の検査の場合について準用する。
第五十七条第三項の規定は、前項の検査の合格があつた場合について準用する。
自動車道事業者は、現に休止している自動車道事業の全部 又は一部を再開しようとするときは、一般自動車道の構造 及び設備が事業計画 及び第五十一条の基準に適合するかどうかについて、国土交通大臣の検査を受けなければならない。
第五十七条第三項の規定は、前項の検査の合格があつた場合について準用する。
自動車道事業者は、一般自動車道の使用料金を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも同様とする。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、左の基準によつて、これをしなければならない。
能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。
特定の使用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。
使用者の使用料金を負担する能力にかんがみ、使用者が当該事業を利用することを困難にするおそれがないものであること。
第一項の使用料金は、定額をもつて明確に定められなければならない。
自動車道事業者は、供用約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも同様とする。
第十一条第二項の規定は、前項の認可について準用する。
自動車道事業者は、通行する自動車の重量 その他国土交通省令で定める保安上の供用制限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも同様とする。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
自動車の通行に対し危険を生ずるおそれがないものであること。
一般自動車道の保全を困難にするおそれがないものであること。
自動車の通行効率の著しい低下を来さないものであること。
自動車道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、使用料金、供用約款 及び前条の規定により認可を受けた事項を公示しなければならない。
第十二条第三項の規定は、前項の規定により公示した事項を変更しようとする場合について準用する。
自動車道事業者は、左の場合を除いては、一般自動車道の供用を拒絶してはならない。
当該供用の申込が第六十二条の規定により認可を受けた供用約款によらないものであるとき。
当該供用の申込が第六十三条の規定により認可を受けた供用制限に該当するとき。
当該供用に関し使用者から特別の負担を求められたとき。
当該供用により他の自動車の通行に著しく支障を及ぼすおそれがあるとき。
当該供用が法令の規定 又は公の秩序 若しくは善良の風俗に反するものであるとき。
天災 その他やむを得ない事由により自動車の通行に支障があるとき。
自動車道事業者は、事業計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
ただし、営業所の名称 その他国土交通省令で定める軽微な事項に係る変更については、この限りでない。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
事業計画の変更によつて公衆の利便を害することとなるおそれがないものであること。
事業計画の変更によつて当該一般自動車道の規模が当該地区における交通需要の量 及び性質に適合しなくなるおそれがないものであること。
自動車道事業者は、第一項ただし書の事項について事業計画を変更したときは、遅滞なく その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第五十四条の規定は、自動車道事業者が一般自動車道の構造 又は設備の変更をする場合について準用する。
自動車道事業者は、一般自動車道をその構造 及び設備が事業計画 及び第五十一条の基準に適合するように維持しなければならない。
自動車道事業者は、国土交通省令で定める方法に従い、一般自動車道を検査しなければならない。
自動車道事業者は、一般自動車道が天災 その他の事由により自動車の通行に支障を生じたときは、直ちにその通行の禁止 その他適切な危害予防の措置を講ずるとともに、その復旧をしなければならない。
自動車道事業者は、前項の場合には、遅滞なく国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に報告しなければならない。
自動車道事業者は、政令で定める道路標識を設置しなければならない。
一般自動車道を通行する自動車は、前項の道路標識の表示に従わなければならない。
自動車道事業者は、その事業年度、勘定科目の分類、帳簿書類の様式 その他の会計に関する手続について国土交通省令で定めるところに従い、その会計を処理しなければならない。
自動車道事業者は、一般自動車道に関する測量、実地調査 又は工事のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受け、他人の土地に立ち入り、又はその土地を一時材料置場として使用することができる。
自動車道事業者は、前項の規定により立入 又は使用をしようとするときは、やむを得ない事由がある場合を除く外、あらかじめ、土地の占有者にその旨を通知しなければならない。
第一項の規定による立入 又は使用によつて生じた損失は、立入 又は使用の後、遅滞なく当該事業者においてこれを補償しなければならない。
前項の規定に基いて補償すべき損失は、第一項の規定による立入 又は使用により通常生ずべき損失とする。
第三項の規定による補償について協議がととのわないとき、又は協議することができないときは、都道府県知事は、申請により裁定する。
前項の規定による裁定に係る補償金額について不服のある者は、その裁定のあつたことを知つた日から六箇月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
前項の訴においては、当該事業者 又は補償を受くべき者を被告とする。
国土交通大臣は、自動車道事業者の事業について公共の福祉を阻害している事実があると認めるときは、自動車道事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
事業計画 又は第六十三条の供用制限を変更すること。
自動車道事業の管理の委託 及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
自動車道事業者は、その事業の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
国土交通大臣は、当該休止 又は廃止によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除くほか、前項の許可をしなければならない。
第三十八条第四項の規定は、自動車道事業者が事業の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとする場合について準用する。
自動車道事業者たる法人の解散の決議 又は総社員の同意は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
前条第二項の規定は、前項の認可について準用する。
次の場合には、自動車道事業の免許は、その効力を失う。
第五十条第一項 及び第三項の期間内に工事施行の認可を申請しないとき。
第五十条第一項の規定による申請に対し不認可の処分を受けたとき。
第五十八条の規定による検査により不合格の処分を受けたとき。
自動車道事業には、第十条、第三十条、第三十三条、第三十六条、第三十七条 及び第四十条の規定を準用する。
国 又は国の許可を受けた者が、一般自動車道に接続し、若しくは近接し、又はこれを横断して道路法による道路、自動車道、河川、運河、鉄道、軌道 又は索道を造設しようとするときは、自動車道事業者は、当該一般自動車道の効用が妨げられる場合を除き、これを拒むことができない。
国土交通大臣は、前項の場合において、公共の福祉を確保するため必要があると認めるときは、自動車道事業者に対し、構造 若しくは設備の変更 又は設備の共用を命ずることができる。
前二項の場合において、その実施 及びその方法 並びに費用の負担につき協議が調わないときは、国土交通大臣は、申請により裁定する。
自動車道事業者が受けた損失の補償についても同様とする。
第六十九条第三項 及び第四項の規定は、第一項 及び第二項の場合について、
同条第六項 及び第七項の規定は、前項の場合について準用する。
自動車道事業者は、道路法による道路、河川 又は運河の管理者の許可を受けて道路法による道路、河川 又は運河に接続し、若しくは近接し、又はこれを横断して一般自動車道を造設することができる。
前項の管理者は、当該公共物の効用を妨げない限り、これを許可しなければならない。
専用自動車道を設置した自動車運送事業者は、その全部 又は一部の供用を開始しようとするときは、国土交通大臣の検査を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該専用自動車道の構造 及び設備が、次項において準用する第五十条第一項の工事方法(次項において準用する第五十四条 又は第五十五条の規定による変更があつたときは、変更があつたもの)に合致し、かつ、工事を要しなかつた部分につき事業計画 及び次項において準用する第五十一条の基準に適合すると認めたとき(工事を必要としない場合にあつては、事業計画 及び同項において準用する同条の基準に適合すると認めたとき)は、これを合格としなければならない。
専用自動車道には、第五十条第一項 及び第二項、第五十一条、第五十三条から第五十五条まで、第六十条第一項、第六十三条、第六十七条、第六十八条、第六十九条、第七十条、第七十三条 並びに前条の規定を準用する。
この場合において、
第五十条第一項中
「国土交通大臣の指定する期間内に、工事施行の認可を」とあるのは
「工事施行の認可を」と、
同条第二項中
「工事の完成の期間を指定して、前項の認可を」とあるのは
「前項の認可を」と
読み替えるものとする。
国において自動車道事業を経営しようとするときは、当該官庁は、国土交通大臣の承認を受けなければならない。
第四十七条第二項 及び第三項 並びに第四十八条の規定は、前項の承認について準用する。
国において経営する自動車道事業には、第四十七条から第五十条まで、第五十四条から第六十条まで、第六十二条、第六十三条、第六十七条、第六十八条の二、第七十条、第七十条の二、第七十条の四、第七十二条(第十条の規定の準用に関する部分を除く。)及び第七十五条(同条第三項中 第五十一条、第五十三条、第六十八条、第六十九条、第七十三条 及び第七十四条の規定の準用に関する部分を除く。)の規定を適用しない。
国において経営する自動車道事業について適用される規定中「免許」、「許可」又は「認可」とあるのは、「承認」と読み替えるものとする。