一般社団法人 又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
第四章 清算
第一節 清算の開始
解散した場合(第百四十八条第五号 又は第二百二条第一項第四号に掲げる事由によって解散した場合 及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)
設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
前条の規定により清算をする一般社団法人 又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
第二節 清算法人の機関
⤏ 第一款 清算法人における機関の設置
清算法人には、一人 又は二人以上の清算人を置かなければならない。
清算法人は、定款の定めによって、清算人会 又は監事を置くことができる。
第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人 又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。
第二章第三節第二款 及び前章第二節第一款(評議員 及び評議員会に係る部分を除く。)の規定は、清算法人については、適用しない。
⤏ 第二款 清算人の就任及び解任並びに監事の退任等
次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。
理事(次号 又は第三号に掲げる者がある場合を除く。)
社員総会 又は評議員会の決議によって選任された者
前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
前二項の規定にかかわらず、第百四十八条第七号 又は第二百二条第一項第六号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人 若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。
第一項 及び第二項の規定にかかわらず、第二百六条第二号 又は第三号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
第六十四条、第六十五条第一項 及び第六十五条の二の規定は清算人について、第六十五条第三項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。
この場合において、
同項中
「理事は」とあるのは、
「清算人は」と
読み替えるものとする。
清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。
清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(前条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。
職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。
第七十五条第一項から第三項までの規定は、清算人について準用する。
清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。
次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。
第六十七条(第百七十七条において準用する場合を含む。)
清算法人
第百七十四条
清算一般財団法人
⤏ 第三款 清算人の職務等
清算人は、次に掲げる職務を行う。
債権の取立て 及び債務の弁済
清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。次項において同じ。)の業務を執行する。
清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。
前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。
従たる事務所の設置、移転 及び廃止
第三十八条第一項各号に掲げる事項
第百八十一条第一項各号に掲げる事項
清算人の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制 その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
第八十一条から第八十五条まで、第八十八条 及び第八十九条の規定は、清算人(同条の規定については、第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)について準用する。
この場合において、
第八十一条中
「第七十七条第四項」とあるのは
「第二百十四条第七項において準用する第七十七条第四項」と、
同条、第八十四条第一項 及び第八十九条中
「社員総会」とあるのは
「社員総会 又は評議員会」と、
第八十二条中
「代表理事」とあるのは
「代表清算人(第二百十四条第一項に規定する代表清算人をいう。)」と、
第八十三条中
「並びに社員総会の決議」とあるのは
「(清算一般社団法人にあっては、法令 及び定款 並びに社員総会の決議)」と、
第八十五条 及び第八十八条第一項中
「社員」とあるのは
「社員 又は評議員」と、
第八十五条 及び第八十八条第二項中
「監事設置一般社団法人」とあるのは
「監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)」と
読み替えるものとする。
清算人は、清算法人を代表する。
ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。
清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第二百九条第二項から第四項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選 又は社員総会 若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。
第二百九条第一項第一号の規定により理事が清算人となる場合において、代表理事(一般社団法人等を代表する理事をいう。以下この項、第二百六十一条第一項第三号、第二百八十九条第二号、第二百九十三条第一号、第三百五条、第三百十五条第一項第二号イ 及び第三百二十条第一項において同じ。)を定めていたときは、当該代表理事が代表清算人となる。
裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。
前条第四項において準用する第八十一条の規定、次項において準用する第七十七条第四項の規定 及び第二百二十条第八項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人 又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。
第七十七条第四項 及び第五項 並びに第七十九条の規定は代表清算人について、第八十条の規定は民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算人 又は代表清算人の職務を代行する者について、それぞれ準用する。
清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。
清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
裁判所は、第二百九条第二項から第四項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
清算人が第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人 又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号 又は第三号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。
第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項の清算人
清算法人が当該取引をすることを決定した清算人
当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人
第百十二条 及び第百十六条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。
この場合において、
第百十二条中
「総社員」とあるのは
「総社員 又は総評議員」と、
第百十六条第一項中
「第八十四条第一項第二号」とあるのは
「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項第二号」と
読み替えるものとする。
清算人がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
清算人が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。
ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
第二百二十五条第一項に規定する財産目録等 並びに第二百二十七条第一項の貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知 又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業 その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載 若しくは記録
清算人、監事 又は評議員が清算法人 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事 又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
前項の場合には、第百十八条(第百九十八条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
⤏ 第四款 清算人会
清算人会は、すべての清算人で組織する。
清算人会は、次に掲げる職務を行う。
清算人会設置法人の業務執行の決定
清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。
ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。
清算人会は、その選定した代表清算人 及び第二百十四条第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。
第二百十四条第五項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。
清算人会は、次に掲げる事項 その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。
従たる事務所 その他の重要な組織の設置、変更 及び廃止
清算人の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制 その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。
代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの
第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十一条に規定する場合には、清算人会は、同条の規定による社員総会 又は評議員会の定めがある場合を除き、同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。
第七項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。
ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。
第九十二条の規定は、清算人会設置法人について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「第八十四条」とあるのは
「第二百十三条第四項において読み替えて準用する第八十四条」と、
「社員総会」とあるのは
「社員総会 又は評議員会」と、
「「理事会」とあるのは
「「清算人会」と、
同条第二項中
「第八十四条第一項各号」とあるのは
「第二百十三条第四項において準用する第八十四条第一項各号」と、
「理事は」とあるのは
「清算人は」と、
「理事会に」とあるのは
「清算人会に」と
読み替えるものとする。
清算人会は、各清算人が招集する。
ただし、清算人会を招集する清算人を定款 又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。
前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項 及び次条第二項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。
第九十四条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「各理事 及び各監事」とあるのは
「各清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。次項において同じ。)にあっては、各清算人 及び各監事)」と、
同条第二項中
「理事 及び監事」とあるのは
「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人 及び監事)」と
読み替えるものとする。
第九十五条 及び第九十六条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。
この場合において、
第九十五条第一項中
「理事の」とあるのは
「清算人の」と、
同条第二項中
「理事」とあるのは
「清算人」と、
同条第三項中
「理事(」とあるのは
「清算人(」と、
「代表理事」とあるのは
「代表清算人」と、
同条第五項中
「理事であって」とあるのは
「清算人であって」と、
第九十六条中
「理事が」とあるのは
「清算人が」と、
「理事(」とあるのは
「清算人(」と
読み替えるものとする。
第九十八条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「理事、監事 又は会計監査人」とあるのは
「清算人 又は監事」と、
「理事 及び監事」とあるのは
「清算人(監事設置清算法人(第二百十四条第六項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人 及び監事)」と、
同条第二項中
「第九十一条第二項」とあるのは
「第二百二十条第九項」と
読み替えるものとする。
清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員 又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為 その他法令 若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。
前項の規定による請求は、清算人(前条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。
前条第三項の規定は、第一項の規定による請求があった場合について準用する。
第一項の規定による請求を行った社員 又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は前項において準用する前条第三項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。
清算人会設置法人は、清算人会の日(第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、同項において準用する第九十五条第三項の議事録 又は第二百二十一条第五項において準用する第九十六条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面 若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員 又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。
前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
監事設置清算法人である清算一般社団法人における前項の規定の適用については、
同項中 「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」と
する。
債権者は、清算人 又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
裁判所は、第三項の規定により読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求 又は前項の請求に係る閲覧 又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項の規定により読み替えて適用する第二項の許可 又は前項の許可をすることができない。
⤏ 第五款 理事等に関する規定の適用
清算法人については、第六十五条第二項、第七十二条 及び第七十四条第三項(これらの規定を第百七十七条において準用する場合を含む。)並びに第八十七条 及び第二章第三節第六款(第百四条第一項を除き、これらの規定を第百九十七条において準用する場合を含む。)の規定中理事、理事会 又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会 又は清算人会設置法人に関する規定として清算人、清算人会 又は清算人会設置法人に適用があるものとする。
清算一般社団法人については、第二章第三節第一款 及び第百三十七条第十項の規定中理事、理事会 又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会 又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会 又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。
清算一般財団法人については、第百五十三条第三項第一号、第百七十三条第二項 及び前章第二節第三款の規定中理事 又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人 又は清算人会に関する規定として清算人 又は清算人会に適用があるものとする。
この場合において、
第百八十一条第一項中
「理事会の決議によって」とあるのは
「清算人は」と、
「定めなければならない」とあるのは
「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(第二百十条第二項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」と
する。
第三節 財産目録等
清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録 及び貸借対照表(以下この条 及び次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。
清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。
清算人は、財産目録等(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会 又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。
清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。
裁判所は、申立てにより 又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部 又は一部の提出を命ずることができる。
清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日 又はその後 毎年 その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
前項の貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
清算法人は、第一項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表 及びその附属明細書を保存しなければならない。
監事設置清算法人においては、前条第一項の貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
清算人会設置法人においては、前条第一項の貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。
次の各号に掲げる清算法人は、第二百二十七条第一項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表 及び事務報告 並びにこれらの附属明細書(前条第一項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
清算一般社団法人
定時社員総会の日の一週間前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
清算一般財団法人
定時評議員会の日の一週間前の日(第百九十四条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
社員、評議員 及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、社員 及び債権者が第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。
貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求 又はその事項を記載した書面の交付の請求
次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表 及び事務報告を定時社員総会 又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。
監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。)
第二百二十八条第一項の監査を受けた貸借対照表 及び事務報告
清算人会設置法人
第二百二十八条第二項の承認を受けた貸借対照表 及び事務報告
前二号に掲げるもの以外の清算法人
第二百二十七条第一項の貸借対照表 及び事務報告
前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会 又は定時評議員会の承認を受けなければならない。
清算人は、第一項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会 又は定時評議員会に報告しなければならない。
裁判所は、申立てにより 又は職権で、訴訟の当事者に対し、第二百二十七条第一項の貸借対照表 及びその附属明細書の全部 又は一部の提出を命ずることができる。
第二章第四節第三款(第百二十三条第四項、第百二十八条第三項、第百二十九条 及び第百三十条を除き、第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定は、清算法人については、適用しない。
第四節 債務の弁済等
清算法人は、第二百六条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。
前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。
清算法人は、前条第一項の期間内は、債務の弁済をすることができない。
この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。
前項の規定にかかわらず、清算法人は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権 その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。
この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。
清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権 その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。
この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。
前項の場合には、清算法人は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。
第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。
当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。
基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。
清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。
ただし、その存否 又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。
清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって第二百三十三条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。
前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。
第五節 残余財産の帰属
残余財産の帰属は、定款で定めるところによる。
前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会 又は評議員会の決議によって定める。
前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。
第六節 清算事務の終了等
清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。
清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。
清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を社員総会 又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。
前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。
ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。
清算人(清算人会設置法人にあっては、第二百二十条第七項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿 並びにその事業 及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。
裁判所は、利害関係人の申立てにより、前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。
この場合においては、同項の規定は、適用しない。
前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。
第二項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。