地方公共団体は、地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得 及び造成 その他の管理等を行わせるため、単独で、又は他の地方公共団体と共同して、土地開発公社を設立することができる。
公有地の拡大の推進に関する法律
第三章 土地開発公社
地方公共団体は、土地開発公社を設立しようとするときは、その議会の議決を経て定款を定め、都道府県(都道府県の加入する一部事務組合 又は広域連合を含む。以下この項において同じ。)又は都道府県 及び市町村が設立しようとする場合にあつては主務大臣、その他の場合にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
前条の規定による土地開発公社は、法人とする。
土地開発公社は、その名称中に土地開発公社という文字を用いなければならない。
土地開発公社でない者は、その名称中に土地開発公社という文字を用いてはならない。
地方公共団体でなければ、土地開発公社に出資することができない。
土地開発公社の設立者である地方公共団体(以下「設立団体」という。)は、土地開発公社の基本財産の額の二分の一以上に相当する資金 その他の財産を出資しなければならない。
土地開発公社の定款には、次に掲げる事項を規定しなければならない。
業務の範囲 及びその執行に関する事項
定款の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、設立団体の議会の議決を経て第十条第二項の規定の例により主務大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
土地開発公社は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
理事が数人ある場合において、定款に別段の定めがないときは、土地開発公社の事務は、理事の過半数で決する。
理事は、土地開発公社のすべての事務について、土地開発公社を代表する。
ただし、定款の規定に反することはできない。
理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
土地開発公社と理事との利益が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。
この場合には、監事が土地開発公社を代表する。
土地開発公社の役員 及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
土地開発公社は、第十条第一項の目的を達成するため、次に掲げる業務の全部 又は一部を行うものとする。
第四条第一項 又は第五条第一項に規定する土地
都市計画法第四条第七項に規定する市街地開発事業 その他政令で定める事業の用に供する土地
イからニまでに掲げるもののほか、地域の秩序ある整備を図るために必要な土地として政令で定める土地
前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
土地開発公社は、前項の業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内において、次に掲げる業務を行なうことができる。
前項第一号の土地の造成(一団の土地に係るものに限る。)又は同項第二号の事業の実施とあわせて整備されるべき公共施設 又は公用施設の整備で地方公共団体の委託に基づくもの及び当該業務に附帯する業務を行なうこと。
土地開発公社は、第一項第一号ニに掲げる土地の取得については、地方公共団体の要請をまつて行うものとする。
土地開発公社は、その所有する土地を第一項第一号ニに掲げる土地として処分しようとするときは、関係地方公共団体に協議しなければならない。
ただし、前項の要請に従つて処分する場合は、この限りでない。
第三項の要請 及び前項の協議に関し必要な事項は、政令で定める。
土地開発公社は、毎事業年度、予算、事業計画 及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、設立団体の長の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
土地開発公社は、毎事業年度の終了後二箇月以内に、財産目録、貸借対照表、損益計算書 及び事業報告書を作成し、監事の意見を付けて、これを設立団体の長に提出しなければならない。
土地開発公社は、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、準備金として整理しなければならない。
土地開発公社は、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項の規定による準備金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
前各項に定めるもののほか、土地開発公社の財務 及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。
主務大臣 又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、土地開発公社に対し、その業務 及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員をして土地開発公社の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の必要な物件を検査させることができる。
前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
主務大臣 又は都道府県知事は、土地開発公社の業務の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、設立団体 又はその長に対し、第一項の規定による命令 その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
土地開発公社の役員 及び職員は、その取扱いに係る土地を譲り受け、又は自己の所有物と交換することができない。
前項の規定に違反する行為は、これを無効とする。
設立団体が二以上である土地開発公社に係る第十六条第二項 及び第三項、第十八条第二項 並びに第十九条第一項に規定する権限の行使については、当該設立団体の長が協議して定めるところによる。
土地開発公社は、設立団体がその議会の議決を経て第十条第二項の規定の例により主務大臣 又は都道府県知事の認可を受けたときに、解散する。
土地開発公社は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、土地開発公社に出資した者に対し、これを定款の定めるところにより分配しなければならない。
土地開発公社が解散したときは、理事がその清算人となる。
ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。
前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
清算人は、その就職の日から二箇月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。
この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。
ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第一項の公告は、官報に掲載してする。
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、土地開発公社の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
裁判所は、第二十二条の四の規定により清算人を選任した場合には、土地開発公社が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
この場合においては、裁判所は、当該清算人 及び監事の陳述を聴かなければならない。
前二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。
この場合において、
前条中
「清算人 及び監事」とあるのは、
「土地開発公社 及び検査役」と
読み替えるものとする。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条の規定は、土地開発公社について準用する。
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、土地開発公社を地方公共団体とみなしてこれらの法令を準用する。