裁判所は、必要があるときは、証拠物 又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。
但し、特別の定のある場合は、この限りでない。
裁判所は、必要があるときは、証拠物 又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。
但し、特別の定のある場合は、この限りでない。
差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成 若しくは変更をした電磁的記録 又は当該電子計算機で変更 若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機 又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機 又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。
裁判所は、差し押えるべき物を指定し、所有者、所持者 又は保管者にその物の提出を命ずることができる。
裁判所は、必要があるときは、記録命令付差押え(電磁的記録を保管する者 その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下同じ。)をすることができる。
裁判所は、被告人から発し、又は被告人に対して発した郵便物、信書便物 又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押え、又は提出させることができる。
前項の規定に該当しない郵便物、信書便物 又は電信に関する書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものは、被告事件に関係があると認めるに足りる状況のあるものに限り、これを差し押え、又は提出させることができる。
前二項の規定による処分をしたときは、その旨を発信人 又は受信人に通知しなければならない。
但し、通知によつて審理が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。
被告人 その他の者が遺留した物 又は所有者、所持者 若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
裁判所は、必要があるときは、被告人の身体、物 又は住居 その他の場所に就き、捜索をすることができる。
被告人以外の者の身体、物 又は住居 その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。
公務員 又は公務員であつた者が保管し、又は所持する物について、本人 又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは、当該監督官庁の承諾がなければ、押収をすることはできない。
但し、当該監督官庁は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。
左に掲げる者が前条の申立をしたときは、第一号に掲げる者についてはその院、第二号に掲げる者については内閣の承諾がなければ、押収をすることはできない。
衆議院 若しくは参議院の議員 又はその職に在つた者
内閣総理大臣 その他の国務大臣 又はその職に在つた者
前項の場合において、衆議院、参議院 又は内閣は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。
医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者 又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。
但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。
公判廷外における差押え、記録命令付差押え 又は捜索は、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状を発してこれをしなければならない。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状には、被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ 若しくは印刷させるべき電磁的記録 及びこれを記録させ 若しくは印刷させるべき者 又は捜索すべき場所、身体 若しくは物、有効期間 及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨 並びに発付の年月日 その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長が、これに記名押印しなければならない。
第九十九条第二項の規定による処分をするときは、前項の差押状に、同項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。
第六十四条第二項の規定は、第一項の差押状、記録命令付差押状 又は捜索状についてこれを準用する。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状は、検察官の指揮によつて、検察事務官 又は司法警察職員がこれを執行する。
ただし、裁判所が被告人の保護のため必要があると認めるときは、裁判長は、裁判所書記官 又は司法警察職員にその執行を命ずることができる。
裁判所は、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行に関し、その執行をする者に対し書面で適当と認める指示をすることができる。
前項の指示は、合議体の構成員にこれをさせることができる。
第七十一条の規定は、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行についてこれを準用する。
検察事務官 又は裁判所書記官は、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。
差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。
公判廷で差押えをする場合も、同様である。
差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。
公判廷で差押え、記録命令付差押え 又は捜索をする場合も、同様である。
前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。
差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状 又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計算機の操作 その他の必要な協力を求めることができる。
公判廷で差押え 又は捜索をする場合も、同様である。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。
検察官、被告人 又は弁護人は、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行に立ち会うことができる。
ただし、身体の拘束を受けている被告人は、この限りでない。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行をする者は、あらかじめ、執行の日時 及び場所を前項の規定により立ち会うことができる者に通知しなければならない。
ただし、これらの者があらかじめ裁判所に立ち会わない意思を明示した場合 及び急速を要する場合は、この限りでない。
裁判所は、差押状 又は捜索状の執行について必要があるときは、被告人をこれに立ち会わせることができる。
公務所内で差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行をするときは、その長 又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。
前項の規定による場合を除いて、人の住居 又は人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内で差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行をするときは、住居主 若しくは看守者 又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。
これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人 又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
女子の身体について捜索状の執行をする場合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。
但し、急速を要する場合は、この限りでない。
日出前、日没後には、令状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行のため、人の住居 又は人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内に入ることはできない。
日没前に差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行に着手したときは、日没後でも、その処分を継続することができる。
次に掲げる場所で差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行をするについては、前条第一項に規定する制限によることを要しない。
賭博、富くじ 又は風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所
旅館、飲食店 その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所。
ただし、公開した時間内に限る。
差押状、記録命令付差押状 又は捜索状の執行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。
捜索をした場合において証拠物 又は没収すべきものがないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。
押収をした場合には、その目録を作り、所有者、所持者 若しくは保管者(第百十条の二の規定による処分を受けた者を含む。)又はこれらの者に代わるべき者に、これを交付しなければならない。
運搬 又は保管に不便な押収物については、看守者を置き、又は所有者 その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。
危険を生ずる虞がある押収物は、これを廃棄することができる。
前二項の処分は、裁判所が特別の指示をした場合を除いては、差押状の執行をした者も、これをすることができる。
没収することができる押収物で滅失 若しくは破損の虞があるもの 又は保管に不便なものについては、これを売却してその代価を保管することができる。
押収物で留置の必要がないものは、被告事件の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。
押収物は、所有者、所持者、保管者 又は差出人の請求により、決定で仮にこれを還付することができる。
押収物が第百十条の二の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体で留置の必要がないものである場合において、差押えを受けた者と 当該記録媒体の所有者、所持者 又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。
前三項の決定をするについては、検察官 及び被告人 又は弁護人の意見を聴かなければならない。
押収した贓物で留置の必要がないものは、被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官 及び被告人 又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。
前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。
押収 又は捜索は、合議体の構成員にこれをさせ、又はこれをすべき地の地方裁判所、家庭裁判所 若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。
受託裁判官は、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所 又は簡易裁判所の裁判官に転嘱することができる。
受託裁判官は、受託事項について権限を有しないときは、受託の権限を有する他の地方裁判所、家庭裁判所 又は簡易裁判所の裁判官に嘱託を移送することができる。
受命裁判官 又は受託裁判官がする押収 又は捜索については、裁判所がする押収 又は捜索に関する規定を準用する。
但し、第百条第三項の通知は、裁判所がこれをしなければならない。
検察事務官 又は司法警察職員は、勾引状 又は勾留状を執行する場合において必要があるときは、人の住居 又は人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内に入り、被告人の捜索をすることができる。
この場合には、捜索状は、これを必要としない。
第百十一条、第百十二条、第百十四条 及び第百十八条の規定は、前条の規定により検察事務官 又は司法警察職員がする捜索についてこれを準用する。
但し、急速を要する場合は、第百十四条第二項の規定によることを要しない。