この法律は、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)の基本理念にのっとり、小規模企業の振興について、その基本原則、基本方針 その他の基本となる事項を定めるとともに、国 及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより、小規模企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民経済の健全な発展 及び国民生活の向上を図ることを目的とする。
第一章 総則
この法律において「小規模企業者」とは、中小企業基本法第二条第五項に規定する小規模企業者をいう。
この法律において「小企業者」とは、おおむね常時使用する従業員の数が五人以下の事業者をいう。
国は、前二条の小規模企業の振興についての基本原則(以下「基本原則」という。)にのっとり、小規模企業の振興に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
国の関係行政機関は、小規模企業の振興 及びこれに関連する施策の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
国内外の多様な需要に応じた商品の販売 又は役務の提供の促進 及び新たな事業の展開の促進を図ること。
小規模企業者以外の者であって、その事業に関し小規模企業と関係があるものは、国 及び地方公共団体が行う小規模企業の振興に関する施策の実施について協力するようにしなければならない。
政府は、中小企業政策審議会の意見を聴いて、定期的に、小規模企業の実態を明らかにするため必要な調査を行い、その結果を公表しなければならない。
政府は、毎年、国会に、小規模企業の動向 及び政府が小規模企業の振興に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
政府は、毎年、中小企業政策審議会の意見を聴いて、前項の報告に係る小規模企業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
第二章 小規模企業振興基本計画
政府は、小規模企業の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、小規模企業振興基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
前二号に掲げるもののほか、小規模企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
政府は、第一項の規定により基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、小規模企業者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、中小企業政策審議会の意見を聴かなければならない。
政府は、第一項の規定により基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
政府は、小規模企業をめぐる情勢の変化を勘案し、及び小規模企業の振興に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね五年ごとに、基本計画を変更するものとする。
第三項 及び第四項の規定は、基本計画の変更について準用する。
第三章 小規模企業の振興に関する基本的施策
国は、前二項の施策を講ずるに当たっては、創業 及び事業の承継 又は廃止が相互に密接な関連を有する場合があることに鑑み、必要に応じて、これらの施策相互の有機的な連携を図りつつ効果的に講ずるよう努めるものとする。
国は、小規模企業が単独で 又は共同して行う事業活動であって、地域経済の活性化に資するものを推進するため、小規模企業者と小規模企業者以外の者の交流 又は連携の推進、小規模企業者と小規模企業者以外の者が共同して行う事業の助成 その他の必要な施策を講ずるものとする。
国は、小規模企業が単独で又は共同して行う事業活動であって、地域住民の生活の向上 及び交流の促進に資するものを推進するため、小規模企業が地域の住民の生活に関する需要に応じて行う商品の販売 若しくは役務の提供 又は商店街 その他の商業の集積の活性化に必要な資金の円滑な供給、助言、情報の提供、普及宣伝の強化 その他の必要な施策を講ずるものとする。