仮登記担保契約に関する法律

昭和五十三年法律第七十八号
分類 法律
カテゴリ   民事
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分

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1項

この法律は、金銭債務を担保するため、その不履行があるときは債権者に債務者 又は第三者に属する所有権 その他の権利の移転等をすることを目的としてされた代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約 その他の契約で、その契約による権利について仮登記 又は仮登録のできるもの(以下「仮登記担保契約」という。)の効力等に関し、特別の定めをするものとする。

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1項

仮登記担保契約が土地 又は建物(以下「土地等」という。)の所有権の移転を目的とするものである場合には、予約を完結する意思を表示した日、停止条件が成就した日 その他の その契約において所有権を移転するものとされている日以後に、債権者が に規定する清算金の見積額(清算金がないと認めるときは、その旨)をその契約の相手方である債務者 又は第三者(以下「債務者等」という。)に通知し、かつ、その通知が債務者等に到達した日から 二月を経過しなければ、その所有権の移転の効力は、生じない。

2項

前項の規定による通知は、同項に規定する期間(以下「清算期間」という。)が経過する時の土地等の見積価額 並びにその時の債権 及び債務者等が負担すべき費用で債権者が代わつて負担したもの(土地等が二個以上あるときは、各土地等の所有権の移転によつて消滅させようとする債権 及びその費用をいう。)の額(以下「債権等の額」という。)を明らかにしてしなければならない。

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1項

債権者は、清算期間が経過した時の土地等の価額がその時の債権等の額を超えるときは、その超える額に相当する金銭(以下「清算金」という。)を債務者等に支払わなければならない。

2項

民法明治二十九年法律第八十九号の規定は、清算金の支払の債務と土地等の所有権移転の登記 及び引渡しの債務の履行について準用する。

3項

前二項の規定に反する特約で債務者等に不利なものは、無効とする。


ただし、清算期間が経過した後にされたものは、この限りでない。

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1項

に規定する場合において、債権者のために土地等の所有権の移転に関する仮登記がされているときは、その仮登記(以下「担保仮登記」という。)後に登記(仮登記を含む。)がされた先取特権、質権 又は抵当権を有する者は、その順位により、債務者等が支払を受けるべき清算金(の規定による通知に係る清算金の見積額を限度とする。)に対しても、その権利を行うことができる。


この場合には、清算金の払渡し前に差押えをしなければならない。

2項

前項の規定は、担保仮登記後にされた担保仮登記(の担保仮登記を除く。以下「後順位の担保仮登記」という。)の権利者について準用する。

3項

及びの規定は、後順位の担保仮登記の権利者が前項の規定により その権利を行う場合について準用する。

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1項

の規定による通知が債務者等に到達した時において、担保仮登記後に登記(仮登記を含む。)がされている先取特権、質権 若しくは抵当権を有する者 又は後順位の担保仮登記の権利者があるときは、債権者は、遅滞なく、これらの者に対し、の規定による通知をした旨、その通知が債務者等に到達した日 及びの規定により債務者等に通知した事項を通知しなければならない。

2項

の規定による通知が債務者等に到達した時において、担保仮登記に基づく本登記につき 登記上利害関係を有する第三者(前項の規定による通知を受けるべき者を除く)があるときは、債権者は、遅滞なく、その第三者に対し、の規定による通知をした旨 及びの規定により債務者等に通知した債権等の額を通知しなければならない。

3項

前二項の規定による通知は、通知を受ける者の登記簿上の住所 又は事務所にあてて発すれば足りる。

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1項

清算金の支払を目的とする債権については、清算期間が経過するまでは、譲渡 その他の処分をすることができない。

2項

清算期間が経過する前に清算金の支払の債務が弁済された場合には、その弁済をもつての先取特権、質権 若しくは抵当権を有する者 又は後順位の担保仮登記の権利者に対抗することができない


の規定による通知がされないで清算金の支払の債務が弁済された場合も、同様とする。

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1項

債権者は、清算金の支払を目的とする債権につき差押え 又は仮差押えの執行があつたときは、清算期間が経過した後、清算金を債務履行地の供託所に供託して、その限度において債務を免れることができる。

2項

前項の規定により供託がされたときは、債務者等の供託金の還付請求権につき、同項の差押え 又は仮差押えの執行がされたものとみなす。

3項

債権者は、に規定する場合を除き供託金を取り戻すことができない

4項

債権者は、債務者等のほか、差押債権者 又は仮差押債権者に対しても、遅滞なく、供託の通知をしなければならない。

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1項

債権者は、清算金の額がの規定により通知した清算金の見積額に満たないことを主張することができない。

2項

の先取特権、質権 若しくは抵当権を有する者 又は後順位の担保仮登記の権利者は、清算金の額が前項の見積額を超えることを主張することができない。

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1項

清算期間が経過した時の土地等の価額が その時の債権等の額に満たないときは、債権は、反対の特約がない限り、その価額の限度において 消滅する。

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1項

土地 及び その上にある建物が同一の所有者に属する場合において、その土地につき担保仮登記がされたときは、その仮登記に基づく本登記がされる場合につき、その建物の所有を目的として土地の賃貸借がされたものとみなす。


この場合において、その存続期間 及び借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。

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1項

債務者等は、清算金の支払の債務の弁済を受けるまでは、債権等の額(債権が消滅しなかつたものとすれば、債務者が支払うべき債権等の額をいう。)に相当する金銭を債権者に提供して、土地等の所有権の受戻しを請求することができる。


ただし、清算期間が経過した時から五年が経過したとき、又は第三者が所有権を取得したときは、この限りでない。

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1項

の先取特権、質権 又は抵当権を有する者は、清算期間内は、これらの権利によつて担保される債権の弁済期の到来前であつても、土地等の競売を請求することができる。

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1項

担保仮登記がされている土地等に対する強制競売、担保権の実行としての競売又は企業担保権の実行手続(以下「強制競売等」という。)においては、その担保仮登記の権利者は、他の債権者に先立つて、その債権の弁済を受けることができる。


この場合における順位に関しては、その担保仮登記に係る権利を抵当権とみなし、その担保仮登記のされた時に その抵当権の設定の登記がされたものとみなす。

2項

前項の場合において、担保仮登記の権利者が利息 その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となつた最後の二年分についてのみ、同項の規定による権利を行うことができる。

3項

前項の規定は、担保仮登記の権利者が 債務の不履行によつて生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合において、その最後の二年分についても、これを適用する。


ただし、利息 その他の定期金と通算して二年分超えることができない

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1項

仮登記担保契約で、消滅すべき金銭債務が その契約の時に特定されていないものに基づく担保仮登記は、強制競売等においては、その効力を有しない。

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1項

担保仮登記がされている土地等につき強制競売等の開始の決定があつた場合において、その決定が清算金の支払の債務の弁済前(清算金がないときは、清算期間の経過前)にされた申立てに基づくときは、担保仮登記の権利者は、その仮登記に基づく本登記の請求をすることができない

2項

前項の強制競売等の開始の決定があつた場合において、その決定が清算金の支払の債務の弁済後(清算金がないときは、清算期間の経過後)にされた申立てに基づくときは、担保仮登記の権利者は、その土地等の所有権の取得をもつて差押債権者に対抗することができる。

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1項

担保仮登記がされている土地等につき強制競売等が行われたときは、担保仮登記に係る権利は、の場合を除き、その土地等の売却によつて消滅する。

2項

民事執行法昭和五十四年法律第四号 及びの規定は前項の規定により消滅する担保仮登記に係る権利を有する者に対抗することができない土地等に係る権利の取得 及び仮処分の執行について、の規定は利害関係を有する者のした前項の規定 又は この項において準用するの規定と異なる合意の届出について準用する。

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1項

裁判所書記官は、所有権の移転に関する仮登記がされている土地等に対する強制競売 又は担保権の実行としての競売において 配当要求の終期を定めたときは、仮登記の権利者に対し、その仮登記が、担保仮登記であるときは その旨 並びに債権(利息 その他の附帯の債権を含む。)の存否、原因 及び額を、担保仮登記でないときは その旨を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。

2項

差押えの登記前にされた担保仮登記に係る権利で売却により消滅するものを有する債権者は、前項の規定による債権の届出をしたときに限り、売却代金の配当 又は弁済金の交付を受けることができる。

3項

所有権の移転に関する仮登記がされている土地等につき企業担保権の実行の開始の決定があつたときは、管財人は、仮登記の権利者に対し、第一項に規定する事項を企業担保法昭和三十三年法律第百六号の期間内に届け出るべき旨を催告しなければならない。

4項

の規定は第一項 又は前項の規定による催告を受けた仮登記の権利者について、の規定は第二項の債権者のための担保仮登記が仮差押えの登記後にされたものである場合について、の規定は第二項の債権者のための担保仮登記が執行停止に係る 差押えの登記後にされたものである場合について準用する。

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1項

担保仮登記の権利者は、清算金を供託した日から一月を経過した後に その担保仮登記に基づき不動産登記法平成十六年法律第百二十三号に規定する本登記を申請する場合には、の規定にかかわらず、先取特権、質権 若しくは抵当権を有する者 又は後順位の担保仮登記の権利者がにおいて準用する場合を含む。)の差押えをしたこと 及び清算金を供託したことをもつて これらの者の承諾に代えることができる。


ただし、その本登記の申請に係る土地等につき これらの者のために担保権の実行としての競売の申立ての登記がされているときは、この限りでない。

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1項

破産財団に属する土地等についてされている担保仮登記(の担保仮登記を除く第三項 及び第四項において同じ。)の権利者については、平成十六年法律第七十五号)中破産財団に属する財産につき 抵当権を有する者に関する規定を適用する。

2項

破産財団に属しない破産者の土地等についてされている担保仮登記の権利者については、に規定する抵当権を有する者に関する規定を準用する。

3項

再生債務者の土地等についてされている担保仮登記の権利者については、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)中抵当権を有する者に関する規定を適用する。

4項

担保仮登記に係る権利は、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の適用に関しては、抵当権とみなす。

5項

の担保仮登記は、破産手続、再生手続 及び更生手続においては、その効力を有しない。

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1項

第二条から 前条までの規定は、仮登記担保契約で、土地等の所有権以外の権利(先取特権、質権、抵当権 及び企業担保権を除く)の取得を目的とするものについて準用する。

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