次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
会社法
第二章 訴訟
第一節 会社の組織に関する訴え
会社の設立
会社の成立の日から二年以内
株式会社の成立後における株式の発行
株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)
自己株式の処分
自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)
新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下 この章において同じ。)の発行
新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)
株式会社における資本金の額の減少
資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内
会社の組織変更
組織変更の効力が生じた日から六箇月以内
会社の吸収合併
吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内
会社の新設合併
新設合併の効力が生じた日から六箇月以内
会社の吸収分割
吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内
会社の新設分割
新設分割の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式交換株式交換の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式移転
株式移転の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式交付株式
交付の効力が生じた日から六箇月以内
次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
前項第一号に掲げる行為
設立する株式会社の株主等(株主、取締役 又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役 又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役 又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員 又は清算人をいう。以下この項において同じ。)
前項第二号に掲げる行為
当該株式会社の株主等
前項第三号に掲げる行為
当該株式会社の株主等
前項第四号に掲げる行為
当該株式会社の株主等 又は新株予約権者
前項第五号に掲げる行為
当該株式会社の株主等、破産管財人 又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者
前項第六号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは組織変更について承認をしなかった債権者
前項第七号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者
前項第八号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは新設合併について承認をしなかった債権者
前項第九号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者
前項第十号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は新設分割をする会社 若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは新設分割について承認をしなかった債権者
前項第十一号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは株式交換について承認をしなかった債権者
前項第十二号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者 又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人 若しくは株式移転について承認をしなかった債権者
前項第十三号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式 若しくは新株予約権等を譲り渡した者 又は株式交付親会社の株主等、破産管財人 若しくは株式交付について承認をしなかった債権者
次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
株主総会 若しくは種類株主総会 又は創立総会 若しくは種類創立総会(以下 この節 及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。
次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会 又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役 又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。
当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役。以下 この項において同じ。)、監査役 若しくは清算人(当該決議が株主総会 又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役 又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会 又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
株主総会等の招集の手続 又は決議の方法が法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続 又は決議の方法が法令 又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。
社員が民法 その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき
当該社員
社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき
当該債権者
次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。
株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
株式会社の財産の管理 又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。
やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。
次の各号に掲げる訴え(以下 この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
会社の設立の無効の訴え
設立する会社
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。)
株式の発行をした株式会社
自己株式の処分の無効の訴え
自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行の無効の訴え
新株予約権の発行をした株式会社
株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え
当該株式会社
会社の組織変更の無効の訴え
組織変更後の会社
会社の吸収合併の無効の訴え
吸収合併後存続する会社
会社の新設合併の無効の訴え
新設合併により設立する会社
会社の吸収分割の無効の訴え
吸収分割契約をした会社
会社の新設分割の無効の訴え
新設分割をする会社 及び新設分割により設立する会社
株式会社の株式交換の無効の訴え
株式交換契約をした会社
株式会社の株式移転の無効の訴え
株式移転をする株式会社 及び株式移転により設立する株式会社
株式会社の株式交付の無効の訴え
株式交付親会社
株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え
株式の発行をした株式会社
自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え
自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え
新株予約権の発行をした株式会社
株主総会等の決議が存在しないこと 又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え
当該株式会社
株主総会等の決議の取消しの訴え
当該株式会社
第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え
当該持分会社
第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え
当該持分会社 及び同号の社員
株式会社の解散の訴え
当該株式会社
持分会社の解散の訴え
当該持分会社
会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。
前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害 又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。
会社の組織に関する訴えであって、株主 又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主 又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役 若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役 若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。
前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者 又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式 若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。
被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対しても その効力を有する。
会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号 及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式 又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式 又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。
新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下 この節において同じ。)を返還することを請求することができる。
前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社 又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。
前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。
第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。
第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。
前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。
この場合において、質権は、その供託金について存在する。
自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同条第四項中
「株式」とあるのは、
「自己株式」と
読み替えるものとする。
新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下 この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。
第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「株主」とあるのは
「新株予約権者」と、
同条第四項中
「株式」とあるのは
「新株予約権」と、
同条第五項 及び第六項中
「登録株式質権者」とあるのは
「登録新株予約権質権者」と
読み替えるものとする。
次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。
会社の吸収合併
吸収合併後存続する会社
会社の新設合併
新設合併により設立する会社
会社の吸収分割
吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を当該会社から承継する会社
会社の新設分割
新設分割により設立する会社
前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。
ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。
第一項 及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分 及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。
各会社の第一項の債務の負担部分 又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額 その他一切の事情を考慮して、これを定める。
株式会社の株式交換 又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換 又は株式移転をする株式会社(以下 この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下 この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換 又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下 この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換 又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下 この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。
この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。
前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。
ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。
株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式 及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。
この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。
持分会社の設立の無効 又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効 又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。
この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。
会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意 又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。
第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え
株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下 この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。
前項の訴え(以下 この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。
取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主 又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者
取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役 又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役 又は執行役。以下 この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役 若しくは清算人
売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。
売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役 又は清算人であるときは、この限りでない。
被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対しても その効力を有する。
売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。
売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意 又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。
第二節 株式会社における責任追及等の訴え
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下 この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項 若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え 又は第二百十三条の二第一項 若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払 若しくは給付を求める訴え(以下 この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、
同項中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、
「株主」と
する。
株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主 又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項 及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。
ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下 この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下 この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限る。以下 この条において同じ。)の提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社 若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社 その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下 この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
当該株式会社の株式交換 又は株式移転
当該株式交換 又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併
当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、
同項中
「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、
「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」と
する。
旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社 若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
当該完全親会社の株式交換 又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
前項の規定は、同項第一号(この項 又は次項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。
第三項の規定は、同項第二号(前項 又はこの項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
第三項(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)中
「当該完全親会社」とあるのは、
「合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社」と
読み替えるものとする。
株式交換等完全子会社が第一項 又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下 この条において同じ。)の規定による請求(以下 この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に 責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主 又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項、第三項 及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。
株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文 又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下 この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、
これらの規定中
「総株主」とあるのは、
「総株主 及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」と
する。
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下 この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下 この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
特定責任追及の訴えが当該株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社 若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合
当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合
前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。
株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社 及び その完全子会社等(株式会社がその株式 又は持分の全部を有する法人をいう。以下 この条 及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該 他の株式会社(完全親会社を除く。)
前項第二号の場合において、同号の他の株式会社 及びその完全子会社等 又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式 又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。
第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等 及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項 及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項 及び同条第七項において同じ。)。
最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。
公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、
同項中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、
「株式会社」と
する。
株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。
株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主 又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項 及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。
ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、
これらの規定中
「総株主」とあるのは、
「総株主 及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」と
する。
第八百四十七条第三項 若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項 若しくは第八項又は前条第七項 若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下 この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
責任追及等の訴えは、株式会社 又は株式交換等完全子会社(以下 この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
株主等 又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。
ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。
ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合 又は同条第三項第一号(同条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。 )若しくは第二号(同条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。 )に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為 又は同条第三項第一号の株式交換 若しくは株式移転 若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。 )であって、当該完全親会社の株式交換 若しくは株式移転 又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。)> 適格旧株主
最終完全親会社等
当該最終完全親会社等の株主
株式会社等、株式交換等完全親会社 又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社 又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員 及び監査委員を除く。)、執行役 及び清算人 並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
監査役設置会社
監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
監査等委員会設置会社
各監査等委員
指名委員会等設置会社
各監査委員
株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。
株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。
株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え 又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告 又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。
株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え 又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告 又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。
第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定 及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、
これらの規定中
「のほか」とあるのは、
「に代えて」と
する。
公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、
第五項中
「公告し、又は株主に通知し」とあるのは
「株主に通知し」と、
第六項 及び第七項中
「公告 又は通知」とあるのは
「通知」と
する。
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。
株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合
適格旧株主
最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合
当該最終完全親会社等の株主
前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、
同項中
「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、
「当該各号に定める者に通知し」と
する。
株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員 及び監査委員を除く。)、執行役 及び清算人 並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
監査役設置会社
監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
監査等委員会設置会社
各監査等委員
指名委員会等設置会社
各監査委員
民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。
ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。
前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。
株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。
第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。
責任追及等の訴えを提起した株主 又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。
その者が当該株式会社の株式交換 又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。
その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。
前項の規定は、同項第一号(この項 又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
同項(この項 又は次項において準用する場合を含む。)中
「当該株式会社」とあるのは、
「当該完全親会社」と
読み替えるものとする。
第一項の規定は、同項第二号(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
同項(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)中
「当該株式会社」とあるのは、
「合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社」と
読み替えるものとする。
責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき 又は弁護士、弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内 又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。
責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。
責任追及等の訴えが提起された場合において、原告 及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。
株主 又は株式会社等
責任追及等の訴え
適格旧株主
責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限る。)
最終完全親会社等の株主
特定責任追及の訴え
前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。
第三節 株式会社の役員の解任の訴え
役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下 この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき 又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主
発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、
これらの規定中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期)前から引き続き有する」とあるのは、
「有する」と
する。
第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「株主総会」とあるのは、
「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む)」と
する。
第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「株主総会」とあるのは、
「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と
する。
前条第一項の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社 及び前条第一項の役員を被告とする。
株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第四節 特別清算に関する訴え
第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。
役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下 この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下 この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。
第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。
第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
第五節 持分会社の社員の除名の訴え等
持分会社の社員(以下 この条 及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。
第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。
業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。
持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。
前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。
持分会社の業務を執行する社員(以下 この条 及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利 又は代表権の消滅を請求することができる。
前条各号に掲げる事由があるとき。
持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。
次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。
第八百五十九条の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。)
対象社員
前条の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権 又は代表権の消滅の訴え」という。)
対象業務執行社員
持分会社の社員の除名の訴え 及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え
清算持分会社(合名会社 及び合資会社に限る。以下 この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。
ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。
第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分
清算持分会社の債権者
第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分
清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者
民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同法第四百二十四条第一項ただし書中
「その行為によって」とあるのは
「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、
同法第四百二十四条の五第一号中
「債務者」とあるのは
「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社 及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、
同条第二号 並びに同法第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中
「債務者」とあるのは
「清算持分会社」と
読み替えるものとする。
前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方 又は転得者を被告とする。
第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え
社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解 その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。
前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。
同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。
第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者 又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。
ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。
民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項 及び前項本文の場合について準用する。
この場合において、
同法第四百二十四条第一項ただし書中
「その行為によって」とあるのは
「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、
「債権者を害すること」とあるのは
「その行為が著しく不公正であること」と、
同法第四百二十四条の五各号中
「債権者を害すること」とあるのは
「著しく不公正であること」と、
同法第四百二十五条中
「債権者」とあるのは
「社債権者」と
読み替えるものとする。
前条第一項 又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方 又は転得者を被告とする。
第八百六十五条第一項 又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。