この法律は、商品投資顧問業を営む者に対する許可制度の実施 その他の商品投資に係る事業に対する必要な規制を行うことにより、その事業を行う者の業務の適正な運営を確保し、もって商品投資に係る事業を公正かつ円滑にするとともに、投資者の保護を図ることを目的とする。
商品投資に係る事業の規制に関する法律
第一章 総則
この法律において「商品投資」とは、次に掲げるものをいう。
商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第一項に規定する商品(以下「特定商品」という。)又は同条第二項に規定する商品指数(第二十一条第一号 及び第二十八条第二号において「特定商品指数」という。)について、同法第二条第三項に規定する先物取引(同条第十三項に規定する外国商品市場取引を含む。)を行うこと。
特定商品 その他価格の変動が著しい物品(鉱業権、工業所有権 及び施設の利用に関する権利を含む。次号において同じ。)として政令で定めるもの(第二十一条第一号 及び第二十八条第二号において「特定品」という。)について、当事者の一方の意思表示により当事者間において当該商品の売買取引を成立させることができる権利(同号において「オプション」という。)を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して対価を支払うことを約する取引(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第二十一項に規定する市場デリバティブ取引(同項第三号(イに係る部分に限る。)に掲げるものに限る。)を除く。)を行うこと。
特定商品 その他価格の変動が著しい物品 又はその使用(鉱業権、工業所有権 及び施設の利用に関する権利にあっては、その行使。以下この号において同じ。)により得られる収益の予測が困難な物品として政令で定めるもの(第二十一条第一号 及び第二十八条第二号において「指定品」という。)を取得(生産を含む。)し、これを譲渡し、使用し、又は使用させること。
この法律において「商品投資顧問契約」とは、当事者の一方が、相手方から、商品投資に係る投資判断(投資の対象となるものの種類、数 及び価格 並びに売買の別、方法 及び時期についての判断(前項第一号に規定する先物取引(特定商品に係る商品先物取引法第二条第三項第一号に規定する取引を除く。)及び前項第二号に規定する取引にあっては、行うべき取引の内容 及び時期についての判断)をいう。以下同じ。)の全部 又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づき相手方のため商品投資を行うのに必要な権限を委任されることを内容とする契約をいう。
この法律において「商品投資顧問業」とは、商品投資顧問契約に基づいて商品投資を行う営業をいう。
この法律において「商品投資顧問業者」とは、次条の許可を受けて商品投資顧問業を営む者をいう。
この法律において「商品投資契約」とは、次に掲げる契約であって、商品投資に係る事業の公正 及び投資者の保護を確保することが必要なものとして政令で定めるものをいう。
当事者の一方が相手方の営業のために出資を行い、相手方がその出資された財産の全部 又は一部を商品投資により運用し、当該運用から生ずる利益の分配 及び当該出資の価額(当該出資が損失によって減少した場合にあっては、その残額)の返還(次項第一号において「利益の分配等」という。)を行うことを約する契約
各当事者が出資を行い、業務の執行を委任された者が共同の事業としてその出資された財産の全部 又は一部を商品投資により運用し、当該運用から生ずる収益の分配 及び当該出資の価額に応じて分割された残余財産の価額の返還(次項第一号において「収益の分配等」という。)を行うことを約する契約
外国の法令に基づく契約であって、前二号に掲げるものに類するもの
この法律において「商品投資受益権」とは、次に掲げる権利であって、商品投資に係る事業の公正 及び投資者の保護を確保することが必要なものとして政令で定めるものをいう。
商品投資契約に係る利益の分配等 又は収益の分配等を受ける権利
信託財産の全部 又は一部を商品投資により運用することを目的とする信託の収益の分配 及び元本の返還を受ける権利
外国の法令に準拠して設立された法人(次条 及び第三十九条において「外国法人」という。)に対する権利であって、前二号に掲げるものに類するもの
第二章 商品投資に係る事業の規制
第一節 商品投資顧問業の規制
⤏ 第一款 許可
商品投資顧問業は、主務大臣の許可を受けた株式会社(外国法人については、株式会社と同種類の法人で国内に営業所を有するものに限る。)でなければ、営むことができない。
主務大臣は、前条の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件は、商品投資に係る事業の公正 又は投資者の保護を確保するため必要な最小限度のものでなければならない。
第三条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した許可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
取締役 及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役 及び執行役)の氏名 及び住所 並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名 及び住所
会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名 又は名称 及び住所
前項の許可申請書には、主務省令で定める書類を添付しなければならない。
主務大臣は、前条の規定による許可の申請があったときは、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
許可申請者がその営もうとする業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、その者の当該業務の収支の見込みが良好なものであること。
許可申請者が、その人的構成に照らして、その営もうとする業務を公正かつ適確に遂行することができる知識 及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有するものであること。
主務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、許可申請者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第三条の許可をしなければならない。
資本金の額が投資者の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める金額以上の株式会社でない者
第三十二条第一項の規定により第三条の許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない会社 又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種の許可(当該許可に類する登録 その他の行政処分を含む。以下「許可等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない会社
この法律、金融商品取引法、商品先物取引法、投資信託 及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)、預託等取引に関する法律(昭和六十一年法律第六十二号)若しくは信託業法(平成十六年法律第百五十四号)又はこれらに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない会社
取締役、会計参与、監査役 若しくは執行役 又は政令で定める使用人のうちに次のいずれかに該当する者のある会社
心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
前号に規定する法律 若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条 若しくは第二百四十七条の罪 若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
商品投資顧問業者が第三十二条第一項の規定により第三条の許可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該商品投資顧問業者の取締役、会計参与、監査役 若しくは執行役 又は政令で定める使用人であった者で当該取消しの日から三年を経過しないもの
この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種の許可等を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該許可等を取り消された法人の当該取消しの日前三十日以内に役員 又は政令で定める使用人であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
業務の種類 及び方法が投資者の保護のため必要なものとして主務省令で定める基準に適合しない会社
第三条の許可の有効期間は、許可の日から起算して六年とする。
第三条の許可の有効期間(この項の規定による有効期間の更新を受けた場合における当該有効期間の更新に係る同条の許可の有効期間を含む。以下同じ。)の満了の後 引き続き当該許可に係る商品投資顧問業を営もうとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣の行う有効期間の更新を受けなければならない。
第四条から第六条までの規定は、第三条の許可の有効期間の更新について準用する。
第三条の許可の有効期間の満了の日までに有効期間の更新の申請があった場合において、その申請について有効期間の更新の承認 又は拒否の通知があるまでの間は、当該申請に係る同条の許可は、当該許可の有効期間の満了後も、なお その効力を有する。
前項の場合において、有効期間の更新が承認されたときは、当該有効期間の更新に係る第三条の許可の有効期間は、従前のその許可の有効期間の満了する日の翌日から起算するものとする。
商品投資顧問業者は、第五条第一項第六号に掲げる事項を変更しようとするとき、又はその資本金の額を減少しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
商品投資顧問業者は、第五条第一項第一号から第四号まで、第七号 若しくは第八号に掲げる事項に変更があったとき、又はその資本金の額を増加したときは、その日から二週間以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
商品投資顧問業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
合併により消滅したとき
その会社の代表取締役 又は代表執行役であった者
破産手続開始の決定により解散したとき
その破産管財人
合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき
その清算人
商品投資顧問業を廃止したとき
商品投資顧問業者であった会社の代表取締役 又は代表執行役
商品投資顧問業者が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、当該商品投資顧問業者の第三条の許可は、その効力を失う。
第八条第一項の有効期間の更新を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
⤏ 第二款 業務
商品投資顧問業者は、主務省令で定める様式の標識について、営業所ごとに公衆の見やすい場所に掲示するとともに、主務省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く。次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
商品投資顧問業者以外の者は、前項の標識 又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。
商品投資顧問業者は、自己の名義をもって、他人に商品投資顧問業を営ませてはならない。
商品投資顧問業者は、その行う商品投資顧問業の内容について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、第二十五条に規定する事項を表示しなければならない。
商品投資顧問業者は、その行う商品投資顧問業に関して広告をするときは、商品投資顧問契約を締結している顧客から一任されて行った投資の実績 その他主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約の締結 又は更新について勧誘をするに際し、商品投資顧問契約に関する事項であって、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約の解除を妨げるため、商品投資顧問契約に関する事項であって、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
商品投資顧問業者 又はその代理人、使用人 その他の従業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
顧客に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供して、商品投資顧問契約の締結 又は更新を勧誘すること。
顧客に対し、損失の全部 若しくは一部を負担することを約し、又は利益を保証して、商品投資顧問契約の締結 又は更新を勧誘すること。
前二号に掲げるもののほか、商品投資顧問業に関する行為であって、投資者の保護に欠けるものとして主務省令で定めるもの
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約を締結しようとするときは、顧客に対し、当該商品投資顧問契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、商品投資顧問契約の内容 及びその履行に関する事項であって主務省令で定めるものについて当該商品投資顧問契約に係る概要を記載した書面を交付しなければならない。
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約を締結したときは、顧客に対し、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、当該商品投資顧問契約の内容 及びその履行に関する次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
投資判断の一任の範囲 及び投資の実行に関する事項
損害賠償額の予定(違約金を含む。)に関する定めがあるときは、その内容
前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約を締結している顧客に対し、主務省令で定めるところにより、当該商品投資顧問契約に係る当該顧客の資産の現状について説明した報告書を交付しなければならない。
商品投資顧問業者は、商品投資顧問契約を締結している顧客に対し、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにする書面を交付しなければならない。
当該商品投資顧問業者が自己の計算で行った商品投資に係る取引のうち当該顧客から一任されて投資を行ったものと同一の特定商品、特定商品指数、特定品 又は指定品について取引を行った事実の有無
前号の場合において、取引を行った事実があるときは、その売買の別(第二条第一項第一号に規定する先物取引(特定商品に係る商品先物取引法第二条第三項第一号に規定する取引を除く。)又は第二条第一項第二号に規定する取引にあっては、主務省令で定める事項)
前二号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
商品投資顧問業者は、第十八条、第十九条 若しくは前条の規定による書面の交付 又は第二十条の規定による報告書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該顧客の承諾を得て、当該書面 又は報告書に記載すべき事項に係る情報を電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって主務省令で定めるものにより提供することができる。
この場合において、当該商品投資顧問業者は、当該書面 又は報告書を交付したものとみなす。
商品投資顧問業者は、主務省令で定めるところにより、当該商品投資顧問業者の業務 及び財産の状況を記載した書類を、営業所ごとに備え置き、顧客の求めに応じ、閲覧させなければならない。
商品投資顧問契約を締結している顧客は、当該商品投資顧問契約に係る商品投資顧問業者に対し、主務省令で定めるところにより、当該商品投資顧問契約に係る当該顧客の財産に関する帳簿書類の閲覧 又は謄写を請求することができる。
前項の場合において、商品投資顧問業者は、その請求が次の各号のいずれかに該当すると認められる相当の理由があるときを除くほか、その請求を拒むことができない。
自己の権利の確保 又はその行使に関する調査を目的とするものでないこと。
当該商品投資顧問業者の業務の運営を害することを目的としていること。
商品投資顧問業者は、いかなる名目によるかを問わず、その行う商品投資顧問業に関して、顧客から金銭 若しくは有価証券の預託を受け、又は当該商品投資顧問業者と密接な関係を有する者として政令で定める者に顧客の金銭 若しくは有価証券を預託させてはならない。
ただし、商品先物取引法第二条第二十三項に規定する商品先物取引業者である商品投資顧問業者が、その行う商品先物取引業(同法第二条第二十二項に規定する商品先物取引業をいう。第二十八条の二において同じ。)の顧客を相手方とするときは、この限りでない。
商品投資顧問業者は、その行う商品投資顧問業に関して、顧客に対し金銭 若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭 若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ 若しくは代理をしてはならない。
商品投資顧問業者は、法令の規定 及び商品投資顧問契約の本旨に従い、顧客のため忠実に商品投資顧問業を行わなければならない。
商品投資顧問業者は、その行う商品投資顧問業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。
顧客を相手方として商品投資に係る取引を行うこと。
特定の商品等(特定商品、特定商品指数、特定品に係るオプション 又は指定品をいう。)に関し、商品投資顧問業者が顧客から一任されて行った商品投資に基づく価格、数値 又は対価の額の変動を利用して自己 又は当該顧客以外の第三者の利益を図る目的をもって、正当な根拠を有しない投資判断に基づく商品投資を行うこと。
前二号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、又は商品投資に係る事業の公正を害するものとして主務省令で定める行為
商品投資顧問業者は、商品先物取引業を行う場合においては、商品投資顧問契約を締結した顧客に対して、次に掲げる行為をしてはならない。
商品先物取引業による利益を図るため、その行う商品投資顧問業に関して取引の方針、取引の額 又は市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした商品投資を行うこと。
前号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、又は商品投資に係る事業の公正を害するものとして主務省令で定める行為
⤏ 第三款 監督
商品投資顧問業者は、主務省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
主務大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、商品投資顧問業者 又はこれと取引する者に対し報告をさせ、又はその職員に、商品投資顧問業者の営業所に立ち入り、帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
主務大臣は、商品投資顧問業者の業務の運営に関し、商品投資に係る事業の公正 又は投資者の利益を害する事実があると認めるときは、商品投資に係る事業の公正 又は投資者の保護を確保するため必要な限度において、当該商品投資顧問業者に対し、業務の種類 及び方法の変更、財産の供託 その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
主務大臣は、商品投資顧問業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条の許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
第六条第二項第一号から第四号まで(同項第二号については、この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当することとなったとき。
不正の手段により第三条の許可 又は第八条第一項の有効期間の更新を受けたとき。
この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分 又は第四条第一項に規定する許可に付した条件に違反したとき。
商品投資顧問業に関し、不正 又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき。
主務大臣は、前項の規定による処分をしたときは、その旨を公表しなければならない。
第二節 その他の商品投資に係る事業の規制
商品投資契約の締結 又はその代理 若しくは媒介(以下この項 及び第三十五条において「締結等」という。)を業として行う者は、商品投資顧問業者 その他これに類する者として政令で定めるもの(次項において「商品投資顧問業者等」という。)に対して商品投資に係る投資判断を一任する商品投資契約でなければ、その締結等をしてはならない。
ただし、金融商品取引法第二十九条の登録を受けて投資運用業(同法第二十八条第四項に規定する投資運用業をいう。)を行う者(以下この条 及び第四十条第二項において単に「投資運用業を行う者」という。)が投資信託及び投資法人に関する法律第三条第二号に規定する投資信託財産 又は同法第二条第十三項に規定する登録投資法人の資産(次項ただし書 及び第四十条第二項において「投資信託財産等」という。)を商品投資により運用することを内容とする商品投資契約 及び投資運用業を行う者の運用財産(金融商品取引法第三十五条第一項第十五号に規定する運用財産をいう。次項ただし書、次条 及び第四十条第二項において同じ。)の運用上生じた余裕金 その他これに類するものとして政令で定める資金を商品投資により運用することを内容とする商品投資契約については、この限りでない。
商品投資受益権の販売 又はその代理 若しくは媒介(以下この項 及び第三十五条において「販売等」という。)を業として行う者は、商品投資顧問業者等に対して商品投資に係る投資判断を一任する契約に係る商品投資受益権でなければ、その販売等をしてはならない。
ただし、信託会社(信託業法第三条 又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限る。第四十条第二項において同じ。)又は信託業務を兼営する金融機関が委託者 又は委託者から指図の権限の委託を受けた者からの指図を受けないで行う商品投資に係る商品投資受益権 並びに投資運用業を行う者が投資信託財産等を商品投資により運用することを内容とする契約に係る商品投資受益権 及び投資運用業を行う者の運用財産の運用上生じた余裕金 その他これに類するものとして政令で定める資金を商品投資により運用することを内容とする契約に係る商品投資受益権については、この限りでない。
商品投資契約に基づいて出資された財産を管理する者(商品投資契約の締結を業として行う者に限る。)は、主務省令で定めるところにより、当該財産(運用財産に該当するものを除く。)を、自己の固有財産 及び他の商品投資契約に基づいて出資された財産と分別して管理しなければならない。
主務大臣は、商品投資契約の締結等を業として行う者が第三十三条第一項 若しくは前条の規定に違反し、又は商品投資受益権の販売等を業として行う者が第三十三条第二項の規定に違反した場合において、商品投資に係る事業の公正 又は投資者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、当該商品投資契約の締結等 又は商品投資受益権の販売等を業として行う者(以下この節 及び第四十三条において「商品投資販売業者」という。)に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
主務大臣は、商品投資販売業者が第三十三条 若しくは第三十四条の規定に違反した場合において商品投資に係る事業の公正 若しくは投資者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は商品投資販売業者が前条の規定による指示に従わないときは、当該商品投資販売業者に対し、六月以内の期間を定めてその業務の全部 又は一部の停止を命ずることができる。
主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
第三十条の規定は、商品投資販売業者について準用する。
第三章 雑則
第十一条第二項の規定により第三条の許可が効力を失ったとき、又は第三十二条第一項の規定により第三条の許可が取り消されたときは、当該許可に係る商品投資顧問業者であった者 又はその一般承継人は、当該商品投資顧問業者が締結した商品投資顧問契約に基づく業務を結了する目的の範囲内においては、なお商品投資顧問業者とみなす。
商品投資顧問業者が外国法人である場合において、当該商品投資顧問業者に対するこの法律の規定の適用に当たっての技術的読替え その他この法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第十六条から第二十二条まで、第二十六条 及び第二十八条(第一号に係る部分に限る。)の規定は、商品投資顧問契約であって、商品投資顧問業者が当該商品投資顧問契約の締結をする者(第十八条から第二十二条までの規定については、資本金の額が主務省令で定める金額以上の株式会社 その他主務省令で定める者に限る。)が営業のために又は営業として締結し、又は締結しようとするものについては、適用しない。
前章第一節の規定は、信託会社 及び信託業務を兼営する金融機関 並びに投資運用業を行う者(投資信託財産等を商品投資により運用する場合 及びその運用財産の運用上生じた余裕金 その他これに類するものとして政令で定める資金を商品投資により運用する場合に限る。)については、適用しない。
前章第一節における主務大臣は、政令で定めるところにより、農林水産大臣 又は経済産業大臣とし、同章第二節における主務大臣は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣、農林水産大臣 又は経済産業大臣とする。
この法律における主務省令は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣、農林水産大臣 又は経済産業大臣の発する命令とする。
内閣総理大臣は、前章第二節の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
前項の規定により金融庁長官に委任された権限 並びにこの法律による農林水産大臣 及び経済産業大臣の権限については、政令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長(当該金融庁長官に委任された権限にあっては、財務局長 又は財務支局長)に委任することができる。
財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度 及び金融危機管理に関し、商品投資販売業者に係る制度の企画 又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出 及び説明を求めることができる。
この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、主務省令で定める。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に係る経過措置を含む。)を定めることができる。
第四章 罰則
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役 若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三条の許可を受けないで商品投資顧問業を営んだ者
第十四条の規定に違反して、他人に商品投資顧問業を営ませた者
第二十八条第二号の規定に違反して、正当な根拠を有しない投資判断に基づく商品投資を行った者
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第四条第一項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により付した条件に違反した者
第九条の規定に違反して、第五条第一項第六号に掲げる事項を変更し、又は資本金の額を減少した者
第十六条第一項の規定に違反して、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた者
第十六条第二項の規定に違反して、不実のことを告げた者
第二十五条の規定に違反して、顧客から金銭 若しくは有価証券の預託を受け、又は顧客の金銭 若しくは有価証券を預託させた者
第二十六条の規定に違反して、顧客に対し金銭 若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭 若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ 若しくは代理をした者
第二十八条第一号の規定に違反して、顧客を相手方として商品投資に係る取引を行った者
第三十二条第一項 又は第三十六条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役 若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第五条(第八条第二項において準用する場合を含む。)の許可申請書 又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者
第十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する事項を表示しなかった者
第十五条第二項の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をした者
第十八条、第十九条 又は第二十一条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する概要 若しくは事項を記載しない書面 若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
第二十条の規定に違反して、報告書を交付せず、又は同条に規定する事項を記載しない報告書 若しくは虚偽の記載のある報告書を交付した者
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第十条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第十三条第一項の規定に違反して、主務省令で定める様式の標識を掲示せず、又は公衆の閲覧に供しなかった者
第十三条第二項の規定に違反して、同条第一項の標識 又はこれに類似する標識を掲示し、又は公衆の閲覧に供した者
第二十三条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは顧客の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは顧客に閲覧させた者
第二十四条第二項の規定に違反して、相当の理由がないのに、帳簿書類の閲覧 又は謄写の請求を拒んだ者
第二十九条の規定による帳簿書類の作成 若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
第三十条第一項(第三十七条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第三十一条の規定による命令に違反した者
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、第四十六条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第十一条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、百万円以下の過料に処する。