動物の愛護及び管理に関する法律

# 昭和四十八年法律第百五号 #
略称 : 動管法  動物愛護法 

第三章 動物の適正な取扱い

分類 法律
カテゴリ   環境保全
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月30日 18時22分


第一節 総則

1項

動物の所有者 又は占有者は、命あるものである動物の所有者 又は占有者として動物の愛護 及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康 及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体 若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。


この場合において、その飼養し、又は保管する動物について第七項の基準が定められたときは、動物の飼養 及び保管については、当該基準によるものとする。

2項

動物の所有者 又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。

3項

動物の所有者 又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

4項

動物の所有者は、その所有する動物の飼養 又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。

5項

動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、 繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

6項

動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。

7項

環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養 及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。

1項

動物の販売を業として行う者は、当該販売に係る動物の購入者に対し、当該動物の種類、習性、供用の目的等に応じて、その適正な飼養 又は保管の方法について、必要な説明をしなければならない。

2項

動物の販売を業として行う者は、購入者の購入しようとする動物の飼養 及び保管に係る知識 及び経験に照らして、当該購入者に理解されるために必要な方法 及び程度により、前項の説明を行うよう努めなければならない。

1項

地方公共団体は、動物の健康 及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養 及び保管について動物の所有者 又は占有者に対する指導をすること、 多数の動物の飼養 及び保管に係る届出をさせること その他の必要な措置を講ずることができる。

第二節 第一種動物取扱業者

1項

動物(哺乳類、鳥類 又は爬虫類に属するものに限り、畜産農業に係るもの及び試験研究用 又は生物学的製剤の製造の用 その他政令で定める用途に供するために飼養し、又は保管しているものを除く。以下 この節から 第四節までにおいて同じ。)の取扱業(動物の販売(その取次ぎ 又は代理を含む。次項 及び第二十一条の四において同じ。)、保管、貸出し、訓練、展示(動物との触れ合いの機会の提供を含む。第二十二条の五除き、以下同じ。)その他政令で定める取扱いを業として行うことをいう。以下 この節第三十七条の二第二項第一号 及び第四十六条第一号において「第一種動物取扱業」という。)を営もうとする者は、当該業を営もうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事(地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては、その長とする。以下 この節から 第五節まで第二十五条第七項除く)において同じ。)の登録を受けなければならない。

2項

前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては代表者の氏名

二 号
事業所の名称 及び所在地
三 号

事業所ごとに置かれる動物取扱責任者(第二十二条第一項に規定する者をいう。)の氏名

四 号

その営もうとする第一種動物取扱業の種別(販売、保管、貸出し、訓練、展示 又は前項の政令で定める取扱いの別をいう。以下 この号において同じ。) 並びにその種別に応じた業務の内容 及び実施の方法

五 号
主として取り扱う動物の種類 及び数
六 号

動物の飼養 又は保管のための施設(以下 この節から 第四節までにおいて「飼養施設」という。)を設置しているときは、次に掲げる事項

飼養施設の所在地
飼養施設の構造 及び規模
飼養施設の管理の方法
七 号

その他 環境省令で定める事項

3項

第一項の登録の申請をする者は、犬猫等販売業(犬猫等(犬 又は猫 その他環境省令で定める動物をいう。以下同じ。)の販売を業として行うことをいう。以下同じ。)を営もうとする場合には、前項各号に掲げる事項のほか、同項の申請書に次に掲げる事項を併せて記載しなければならない。

一 号

販売の用に供する犬猫等の繁殖を行うかどうかの別

二 号

販売の用に供する幼齢の犬猫等(繁殖を併せて行う場合にあつては、幼齢の犬猫等 及び繁殖の用に供し、又は供する目的で飼養する犬猫等。第十二条第一項において同じ。)の健康 及び安全を保持するための体制の整備、販売の用に供することが困難となつた犬猫等の取扱い その他 環境省令で定める事項に関する計画(以下「犬猫等健康安全計画」という。

1項

都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の申請があつたときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第二項第一号から 第三号まで 及び第五号に掲げる事項 並びに登録年月日 及び登録番号を第一種動物取扱業者登録簿に登録しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

1項

都道府県知事は、第十条第一項の登録を受けようとする者が次の各号いずれかに該当するとき、同条第二項の規定による登録の申請に係る同項第四号に掲げる事項が動物の健康 及び安全の保持 その他 動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき、同項の規定による登録の申請に係る同項第六号ロ 及びに掲げる事項が環境省令で定める飼養施設の構造、規模 及び管理に関する基準に適合していないと認めるとき、若しくは犬猫等販売業を営もうとする場合にあつては、犬猫等健康安全計画が幼齢の犬猫等の健康 及び安全の確保並びに犬猫等の終生飼養の確保を図るため適切なものとして環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき、又は申請書 若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

一 号

心身の故障によりその業務を適正に行うことができない者として環境省令で定める者

二 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

三 号

第十九条第一項の規定により登録を取り消され、その処分のあつた日から五年を経過しない者

四 号

第十条第一項の登録を受けた者(以下「第一種動物取扱業者」という。)で法人であるものが第十九条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその第一種動物取扱業者の役員であつた者でその処分のあつた日から五年を経過しないもの

五 号

第十九条第一項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

五の二 号

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者

六 号

この法律の規定、化製場等に関する法律昭和二十三年法律第百四十号第十条第二号同法第九条第五項において準用する同法第七条に係る部分に限る)若しくは第三号の規定、外国為替及び外国貿易法昭和二十四年法律第二百二十八号第六十九条の七第一項第四号動物に係るものに限る。以下 この号において同じ。)若しくは第五号動物に係るものに限る。以下 この号において同じ。)、第七十条第一項第三十六号同法第四十八条第三項 又は第五十二条の規定に基づく命令の規定による承認(動物の輸出 又は輸入に係るものに限る)に係る部分に限る。以下 この号において同じ。)若しくは第七十二条第一項第三号同法第六十九条の七第一項第四号 及び第五号に係る部分に限る)若しくは第五号同法第七十条第一項第三十六号に係る部分に限る)の規定、狂犬病予防法昭和二十五年法律第二百四十七号第二十七条第一号 若しくは第二号の規定、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)の規定、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)の規定 又は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から 五年を経過しない者

七 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者

七の二 号

第一種動物取扱業に関し不正 又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として環境省令で定める者

八 号

法人であつて、その役員 又は環境省令で定める使用人のうちに前各号いずれかに該当する者があるもの

九 号

個人であつて、その環境省令で定める使用人のうちに第一号から 第七号の二までのいずれかに該当する者があるもの

2項

都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

1項

第十条第一項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2項

第十条第二項 及び第三項 並びに前二条の規定は、前項の更新について準用する。

3項

第一項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後も その処分がされるまでの間は、なお その効力を有する。

4項

前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

1項

第一種動物取扱業者は、第十条第二項第四号 若しくは第三項第一号に掲げる事項の変更(環境省令で定める軽微なものを除く)をし、飼養施設を設置しようとし、又は犬猫等販売業を営もうとする場合には、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に届け出なければならない。

2項

第一種動物取扱業者は、前項の環境省令で定める軽微な変更があつた場合 又は第十条第二項各号第四号除く)若しくは第三項第二号に掲げる事項に変更(環境省令で定める軽微なものを除く)があつた場合には、前項の場合を除き、その日から三十日以内に、環境省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3項

第十条第一項の登録を受けて犬猫等販売業を営む者(以下「犬猫等販売業者」という。)は、犬猫等販売業を営むことをやめた場合には、第十六条第一項に規定する場合を除き、その日から三十日以内に、環境省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

4項

第十一条 及び第十二条の規定は、前三項の規定による届出があつた場合に準用する。

1項

都道府県知事は、第一種動物取扱業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

1項

第一種動物取扱業者が次の各号いずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

一 号

死亡した場合

その相続人

二 号

法人が合併により消滅した場合

その法人を代表する役員であつた者

三 号

法人が破産手続開始の決定により解散した場合

その破産管財人

四 号

法人が合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合

その清算人

五 号

その登録に係る第一種動物取扱業を廃止した場合

第一種動物取扱業者であつた個人 又は第一種動物取扱業者であつた法人を代表する役員

2項

第一種動物取扱業者が前項各号いずれかに該当するに至つたときは、第一種動物取扱業者の登録は、その効力を失う。

1項

都道府県知事は、第十三条第一項 若しくは前条第二項の規定により登録がその効力を失つたとき、又は第十九条第一項の規定により登録を取り消したときは、当該第一種動物取扱業者の登録を抹消しなければならない。

1項

第一種動物取扱業者は、環境省令で定めるところにより、その事業所ごとに、公衆の見やすい場所に、氏名 又は名称、登録番号 その他の環境省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

1項

都道府県知事は、第一種動物取扱業者が次の各号いずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

不正の手段により第一種動物取扱業者の登録を受けたとき。

二 号

その者が行う業務の内容 及び実施の方法が第十二条第一項に規定する動物の健康 及び安全の保持 その他 動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合しなくなつたとき。

三 号

飼養施設を設置している場合において、その者の飼養施設の構造、規模 及び管理の方法が第十二条第一項に規定する飼養施設の構造、規模 及び管理に関する基準に適合しなくなつたとき。

四 号

犬猫等販売業を営んでいる場合において、犬猫等健康安全計画が第十二条第一項に規定する幼齢の犬猫等の健康 及び安全の確保 並びに犬猫等の終生飼養の確保を図るため適切なものとして環境省令で定める基準に適合しなくなつたとき。

五 号

第十二条第一項第一号第二号第四号 又は第五号の二から 第九号までいずれかに該当することとなつたとき。

六 号

この法律 若しくは この法律に基づく命令 又は この法律に基づく処分に違反したとき。

2項

第十二条第二項の規定は、前項の規定による処分をした場合に準用する。

1項

第十条から 前条までに定めるもののほか、第一種動物取扱業者の登録に関し必要な事項については、環境省令で定める。

1項

第一種動物取扱業者は、動物の健康 及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。

2項

前項の基準は、動物の愛護 及び適正な飼養の観点を踏まえつつ、 動物の種類、習性、出生後経過した期間等を考慮して、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 号

飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造 及び規模 並びに当該設備の管理に関する事項

二 号

動物の飼養 又は保管に従事する従業者の員数に関する事項

三 号

動物の飼養 又は保管をする環境の管理に関する事項

四 号

動物の疾病等に係る措置に関する事項

五 号

動物の展示 又は輸送の方法に関する事項

六 号

動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定 その他の動物の繁殖の方法に関する事項

七 号

その他 動物の愛護 及び適正な飼養に関し必要な事項

3項

犬猫等販売業者に係る第一項の基準は、できる限り具体的なものでなければならない。

4項

都道府県 又は指定都市は、動物の健康 及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その自然的、社会的条件から判断して必要があると認めるときは、条例で、第一項の基準に代えて第一種動物取扱業者が遵守すべき基準を定めることができる。

1項

第一種動物取扱業者は、その取り扱う動物の健康状態を日常的に確認すること、必要に応じて獣医師による診療を受けさせること その他のその取り扱う動物の感染性の疾病の予防のために必要な措置を適切に実施するよう努めなければならない。

1項

第一種動物取扱業者は、第一種動物取扱業を廃止する場合 その他の業として動物を取り扱うことが困難になつた場合には、当該動物の譲渡しその他の適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

1項

第一種動物取扱業者のうち犬、猫 その他の環境省令で定める動物の販売を業として営む者は、当該動物を販売する場合には、あらかじめ、当該動物を購入しようとする者(第一種動物取扱業者を除く)に対し、その事業所において、当該販売に係る動物の現在の状態を直接見せるとともに、対面(対面によることが困難な場合として環境省令で定める場合には、対面に相当する方法として環境省令で定めるものを含む。)により書面 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を用いて当該動物の飼養 又は保管の方法、生年月日、当該動物に係る繁殖を行つた者の氏名 その他の適正な飼養 又は保管のために必要な情報として環境省令で定めるものを提供しなければならない。

1項

第一種動物取扱業者のうち動物の販売、貸出し、展示 その他政令で定める取扱いを業として営む者(次項において「動物販売業者等」という。)は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え、その所有し、又は占有する動物について、その所有し、若しくは占有した日、その販売 若しくは引渡しをした日 又は死亡した日 その他の環境省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

2項

動物販売業者等は、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める期間ごとに、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。

一 号

当該期間が開始した日に所有し、又は占有していた動物の種類ごとの数

二 号

当該期間中に新たに所有し、又は占有した動物の種類ごとの数

三 号

当該期間中に販売 若しくは引渡し又は死亡の事実が生じた動物の当該事実の区分ごと 及び種類ごとの数

四 号

当該期間が終了した日に所有し、又は占有していた動物の種類ごとの数

五 号

その他 環境省令で定める事項

1項

第一種動物取扱業者は、事業所ごとに、環境省令で定めるところにより、当該事業所に係る業務を適正に実施するため、十分な技術的能力 及び専門的な知識経験を有する者のうちから、動物取扱責任者を選任しなければならない。

2項

動物取扱責任者は、第十二条第一項第一号から 第七号の二までに該当する者以外の者でなければならない。

3項

第一種動物取扱業者は、環境省令で定めるところにより、動物取扱責任者に動物取扱責任者研修(都道府県知事が行う動物取扱責任者の業務に必要な知識 及び能力に関する研修をいう。次項において同じ。)を受けさせなければならない。

4項

都道府県知事は、動物取扱責任者研修の全部 又は一部について、適当と認める者に、その実施を委託することができる。

1項

犬猫等販売業者は、犬猫等健康安全計画の定めるところに従い、その業務を行わなければならない。

1項

犬猫等販売業者は、その飼養 又は保管をする犬猫等の健康 及び安全を確保するため、 獣医師等との適切な連携の確保を図らなければならない。

1項

犬猫等販売業者は、やむを得ない場合を除き、 販売の用に供することが困難となつた犬猫等についても、引き続き、当該犬猫等の終生飼養の確保を図らなければならない。

1項

犬猫等販売業者(販売の用に供する犬 又は猫の繁殖を行う者に限る)は、その繁殖を行つた犬 又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。

1項

都道府県知事は、犬猫等販売業者の所有する犬猫等に係る死亡の事実の発生の状況に照らして必要があると認めるときは、環境省令で定めるところにより、犬猫等販売業者に対して、期間を指定して、当該指定期間内にその所有する犬猫等に係る死亡の事実が発生した場合には獣医師による診療中に死亡したときを除き獣医師による検案を受け、 当該指定期間が満了した日から三十日以内に当該指定期間内に死亡の事実が発生した全ての犬猫等の検案書 又は死亡診断書を提出すべきことを命ずることができる。

1項

都道府県知事は、第一種動物取扱業者が第二十一条第一項 又は第四項の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その取り扱う動物の管理の方法等を改善すべきことを勧告することができる。

2項

都道府県知事は、第一種動物取扱業者が第二十一条の四 若しくは第二十二条第三項の規定を遵守していないと認めるとき、又は犬猫等販売業者が第二十二条の五の規定を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

3項

都道府県知事は、前二項の規定による勧告を受けた者が前二項の期限内にこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

4項

都道府県知事は、第一項 又は第二項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

5項

第一項第二項 及び前項の期限は、三月以内とする。


ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。

1項

都道府県知事は、第十条から 第十九条まで 及び第二十一条から 前条までの規定の施行に必要な限度において、第一種動物取扱業者に対し、飼養施設の状況、その取り扱う動物の管理の方法 その他 必要な事項に関し報告を求め、 又は その職員に、当該第一種動物取扱業者の事業所 その他 関係のある場所に立ち入り、飼養施設 その他の物件を検査させることができる。

2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

都道府県知事は、第一種動物取扱業者について、第十三条第一項 若しくは第十六条第二項の規定により登録がその効力を失つたとき又は第十九条第一項の規定により登録を取り消したときは、その者に対し、これらの事由が生じた日から二年間は、期限を定めて、動物の不適正な飼養 又は保管により動物の健康 及び安全が害されること 並びに周辺の生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため必要な勧告をすることができる。

2項

都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3項

都道府県知事は、前二項の規定の施行に必要な限度において、第十三条第一項 若しくは第十六条第二項の規定により登録がその効力を失い、又は第十九条第一項の規定により登録を取り消された者に対し、飼養施設の状況、その飼養 若しくは保管をする動物の管理の方法 その他 必要な事項に関し報告を求め、又は その職員に、当該者の飼養施設を設置する場所 その他関係のある場所に立ち入り、飼養施設 その他の物件を検査させることができる。

4項

前条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

第三節 第二種動物取扱業者

1項

飼養施設(環境省令で定めるものに限る。以下 この節において同じ。)を設置して動物の取扱業(動物の譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示 その他 第十条第一項の政令で定める取扱いに類する取扱いとして環境省令で定めるもの(以下この条において「その他の取扱い」という。)を業として行うことをいう。以下 この条 及び第三十七条の二第二項第一号において「第二種動物取扱業」という。)を行おうとする者(第十条第一項の登録を受けるべき者 及び その取り扱おうとする動物の数が環境省令で定める数に満たない者を除く)は、第三十五条の規定に基づき同条第一項に規定する都道府県等が犬 又は猫の取扱いを行う場合 その他環境省令で定める場合を除き、飼養施設を設置する場所ごとに、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める書類を添えて、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては代表者の氏名

二 号
飼養施設の所在地
三 号

その行おうとする第二種動物取扱業の種別(譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示 又はその他の取扱いの別をいう。以下 この号において同じ。) 並びにその種別に応じた事業の内容 及び実施の方法

四 号

主として取り扱う動物の種類 及び数

五 号
飼養施設の構造 及び規模
六 号
飼養施設の管理の方法
七 号

その他環境省令で定める事項

1項

前条の規定による届出をした者(以下「第二種動物取扱業者」という。)は、同条第三号から 第七号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。


ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

2項

第二種動物取扱業者は、前条第一号 若しくは第二号に掲げる事項に変更があつたとき、又は届出に係る飼養施設の使用を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

第十六条第一項第五号に係る部分を除く)、第二十条第二十一条第三項除く)、第二十三条第二項除く)及び第二十四条の規定は、第二種動物取扱業者について準用する。


この場合において、

第二十条
第十条から 前条まで」とあるのは
第二十四条の二の二第二十四条の三 及び第二十四条の四第一項において準用する第十六条第一項第五号に係る部分を除く)」と、

登録」とあるのは
「届出」と、

第二十三条第一項
第二十一条第一項 又は第四項」とあるのは
第二十四条の四第一項において準用する第二十一条第一項 又は第四項」と、

同条第三項
前二項」とあるのは
第一項」と、

同条第四項
第一項 又は第二項」とあるのは
第一項」と、

同条第五項
第一項、第二項 及び前項」とあるのは
第一項 及び前項」と、

第二十四条第一項
第十条から 第十九条まで及び第二十一条から 前条まで」とあるのは
第二十四条の二の二第二十四条の三 並びに第二十四条の四第一項において準用する第十六条第一項第五号に係る部分を除く)、第二十一条第三項除く)及び第二十三条第二項除く)」と、

事業所」とあるのは
「飼養施設を設置する場所」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

前項に規定するもののほか、犬猫等の譲渡しを業として行う第二種動物取扱業者については、第二十一条の五第一項の規定を準用する。


この場合において、

同項
所有し、又は占有する」とあるのは
「所有する」と、

所有し、若しくは占有した」とあるのは
「所有した」と、

販売 若しくは引渡し」とあるのは
「譲渡し」と

読み替えるものとする。

第四節 周辺の生活環境の保全等に係る措置

1項

都道府県知事は、動物の飼養、保管 又は給餌 若しくは給水に起因した騒音 又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、 多数の昆虫の発生等によつて周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、必要な指導 又は助言をすることができる。

2項

都道府県知事は、前項の環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

3項

都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置をとらなかつた場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

4項

都道府県知事は、動物の飼養 又は保管が適正でないことに起因して動物が衰弱する等の虐待を受けるおそれがある事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、当該事態を改善するために必要な措置をとるべきことを命じ、又は勧告することができる。

5項

都道府県知事は、前三項の規定の施行に必要な限度において、動物の飼養 又は保管をしている者に対し、飼養 若しくは保管の状況 その他必要な事項に関し報告を求め、 又は その職員に、当該動物の飼養 若しくは保管をしている者の動物の飼養 若しくは保管に関係のある場所に立ち入り、飼養施設 その他の物件を検査させることができる。

6項

第二十四条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

7項

都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市の長を除く)に対し、第二項から 第五項までの規定による勧告、命令、報告の徴収 又は立入検査に関し、必要な協力を求めることができる。

第五節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置

1項

人の生命、身体 又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物(その動物が交雑することにより生じた動物を含む。以下「特定動物」という。)は、飼養 又は保管をしてはならない。


ただし次条第一項の許可(第二十八条第一項の規定による変更の許可があつたときは、その変更後のもの)を受けてその許可に係る飼養 又は保管をする場合、診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二項に規定する診療施設をいう。)において獣医師が診療のために特定動物の飼養 又は保管をする場合 その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。

1項

動物園 その他これに類する施設における展示 その他の環境省令で定める目的で特定動物の飼養 又は保管を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、特定動物の種類ごとに、特定動物の飼養 又は保管のための施設(以下 この節において「特定飼養施設」という。)の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

2項

前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては代表者の氏名

二 号
特定動物の種類 及び数
三 号
飼養 又は保管の目的
四 号
特定飼養施設の所在地
五 号
特定飼養施設の構造 及び規模
六 号
特定動物の飼養 又は保管の方法
七 号

特定動物の飼養 又は保管が困難になつた場合における措置に関する事項

八 号

その他 環境省令で定める事項

1項

都道府県知事は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

一 号

飼養 又は保管の目的が前条第一項に規定する目的に適合するものであること。

二 号

その申請に係る前条第二項第五号から 第七号までに掲げる事項が、特定動物の性質に応じて環境省令で定める特定飼養施設の構造 及び規模、特定動物の飼養 又は保管の方法 並びに特定動物の飼養 又は保管が困難になつた場合における措置に関する基準に適合するものであること。

三 号

申請者が次のいずれにも該当しないこと。

この法律 又は この法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

第二十九条の規定により許可を取り消され、その処分のあつた日から二年を経過しない者

法人であつて、その役員のうちに 又はいずれかに該当する者があるもの

2項

都道府県知事は、前条第一項の許可をする場合において、特定動物による人の生命、身体 又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、その許可に条件を付することができる。

1項

第二十六条第一項の許可(この項の規定による許可を含む。)を受けた者(以下「特定動物飼養者」という。)は、同条第二項第二号から 第七号までに掲げる事項を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

2項

前条の規定は、前項の許可について準用する。

3項

特定動物飼養者は、第一項ただし書の環境省令で定める軽微な変更があつたとき、又は第二十六条第二項第一号に掲げる事項 その他環境省令で定める事項に変更があつたときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

都道府県知事は、特定動物飼養者が次の各号いずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。

一 号

不正の手段により特定動物飼養者の許可を受けたとき。

一の二 号

飼養 又は保管の目的が第二十六条第一項に規定する目的に適合するものでなくなつたとき。

二 号

その者の特定飼養施設の構造 及び規模 並びに特定動物の飼養 又は保管の方法が第二十七条第一項第二号に規定する基準に適合しなくなつたとき。

三 号

第二十七条第一項第三号ハに該当することとなつたとき。

四 号

この法律 若しくは この法律に基づく命令 又は この法律に基づく処分に違反したとき。

1項

第二十六条から 前条までに定めるもののほか、特定動物の飼養 又は保管の許可に関し必要な事項については、環境省令で定める。

1項

特定動物飼養者は、その許可に係る飼養 又は保管をするには、当該特定動物に係る特定飼養施設の点検を定期的に行うこと、 当該特定動物についてその許可を受けていることを明らかにすること その他の環境省令で定める方法によらなければならない。

1項

都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第二十七条第二項第二十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した場合において、特定動物による人の生命、身体 又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、当該特定動物に係る飼養 又は保管の方法の改善 その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

都道府県知事は、第二十六条から 第二十九条まで 及び前二条の規定の施行に必要な限度において、特定動物飼養者に対し、特定飼養施設の状況、特定動物の飼養 又は保管の方法 その他 必要な事項に関し報告を求め、 又は その職員に、当該特定動物飼養者の特定飼養施設を設置する場所 その他関係のある場所に立ち入り、特定飼養施設 その他の物件を検査させることができる。

2項

第二十四条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。