この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力 及び安全保障条約第六条に基づく施設 及び区域 並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を実施するため、日本国に駐留するアメリカ合衆国の軍隊(以下「駐留軍」という。)の用に供する土地等の使用 又は収用に関し規定することを目的とする。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法
この法律において「土地等」とは、土地 若しくは建物 若しくはこれらに定着する物件 又は土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第五条に規定する権利をいい、建物にある設備 又は備品で当該建物の運営上これと一体的に使用されるべきものを含むものとする。
地方防衛局長は、この法律により土地等を使用し、又は収用しようとするときは、土地等の所有者(土地収用法第五条に規定する権利にあつては、権利者。以下同じ。)又は関係人の意見書 その他政令で定める書類を添付の上、使用認定申請書 又は収用認定申請書を防衛大臣に提出し、その認定を受けなければならない。
前項の使用認定申請書 及び収用認定申請書の様式は、防衛省令で定める。
防衛大臣は、申請に係る土地等の使用 又は収用が第三条に規定する要件に該当すると認めるときは、遅滞なく、土地等の使用 又は収用の認定をしなければならない。
防衛大臣は、土地等の使用 又は収用の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該地方防衛局長に文書で通知するとともに、当該地方防衛局長の名称、使用し、又は収用すべき土地等の所在 並びに次項の規定による土地等の調書 及び図面の縦覧場所を官報で告示しなければならない。
地方防衛局長は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、使用し、又は収用しようとする土地等の所在、種類 及び数量を、地方防衛局長が定める方法で公告し、かつ、土地等の所有者 及び関係人に通知するとともに、政令で定めるところにより、当該土地等の調書 及び図面を、土地等の使用 若しくは収用の認定が効力を失う日 又はすべての土地等について必要な権利を取得する日まで公衆の縦覧に供しなければならない。
防衛大臣は、土地等の使用 又は収用の認定を拒否したときは、遅滞なく、その旨を当該地方防衛局長に文書で通知しなければならない。
前条第一項の規定による告示があつた後、土地等を使用し、又は収用する必要がなくなつたときは、地方防衛局長は、遅滞なく、その旨を防衛大臣に報告しなければならない。
この場合において、その事由の発生が同条第二項の規定による通知の後であるときは、土地等の所有者 及び関係人にも、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
防衛大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、土地等の使用 又は収用の認定が将来に向つてその効力を失う旨を官報で告示しなければならない。
建物を使用する場合において、建物の使用が三年以上(使用期間の更新の結果三年以上となる場合を含む。)にわたるとき、又は建物の使用に因つて建物の形状を変更し従来用いた目的に供することを著しく困難にするときは、建物の所有者は、その建物の収用を請求することができる。
土地収用法第四十六条の三、第八十一条第二項 及び第三項 並びに第八十七条ただし書の規定は、前項の規定による建物の収用について準用する。
この場合において、
土地収用法第八十一条第二項中
「土地」とあるのは
「建物」と、
同条第三項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と
読み替えるものとする。
前項の規定により納付すべき金額については、政令で定めるところにより、七年以内の範囲内において延納を認めることができる。
前条第一項の規定により原状に回復しないで返還すること、同条第二項の規定による損失の補償 又は同条第三項の規定による利得の納付について不服のある者は、政令で定めるところにより、防衛大臣に対し異議を申し出ることができる。
防衛大臣は、前項の異議の申出に対し裁決をしようとするときは、あらかじめ、防衛施設中央審議会の意見を聴かなければならない。
地方防衛局長は、土地等を返還するときは、その土地等の所有者 及び関係人を立ち会わせた上、防衛省令で定める引渡調書を作成しなければならない。
前項の引渡調書には、左に掲げる事項を記載しなければならない。
土地収用法第三十六条第二項から第四項まで 及び第三十八条の規定は、前項の引渡調書の作成 及び効力について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「土地調書 及び物件調書」とあるのは
「引渡調書」と、
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「土地等の所有者」と、
「市町村長」とあるのは
「防衛大臣」と、
「当該市町村の職員」とあるのは
「防衛大臣が指名する者」と
読み替えるものとする。
第三条の規定による土地等の使用 又は収用に関しては、この法律に特別の定めのある場合を除くほか、
「土地等の使用 又は収用」を
「土地収用法第三条各号の一に掲げる事業」と、
「地方防衛局長」を
「起業者」と、
「土地等の使用 又は収用の認定」を
「国土交通大臣の行う事業の認定」と、
「土地等の使用 又は収用の認定の告示」を
「国土交通大臣の行う事業の認定の告示」とみなして、
土地収用法の規定(第一条から第三条まで、第五条から第七条まで、第八条第一項、第九条、第十五条の十四から第二十八条まで、第三十条、第三十条の二、第三章第二節、第三章の二、第三十六条第五項、第三十六条の二第四項、第四十二条第四項から第六項まで、第五章第一節、第八章第三節、第百二十五条第一項 並びに第二項第二号、第四号 及び第五号、第百三十九条から第百三十九条の三まで 並びに第百四十三条第五号の規定を除く。)を適用する。
前項の規定による土地収用法の適用については、
同法第十一条第一項、第三項 及び第四項、第十四条第一項、第十五条の二第二項、第十五条の三、第十五条の五第一項、第十五条の八、第十五条の十一、第二十八条の三、第八十九条第一項 及び第二項、第百二条の二第二項から第四項まで 並びに第百四十三条中
「都道府県知事」とあり、
同法第十二条第一項 及び第二項、第十四条第一項、第三十六条第四項、第三十六条の二第三項、第四十二条第二項 及び第三項、第四十五条第二項、第四十七条の四第二項、第百二条の二第一項、第百十八条第二項 及び第三項、第百二十八条 並びに第百四十三条中
「市町村長」とあり、
同法第十四条第一項 及び第三項中
「当該障害物の所在地を管轄する市町村長」とあり、
同法第十四条第一項中
「当該土地の所在地を管轄する都道府県知事」とあり、
同法第十五条第二項中
「市町村長 又は都道府県知事」とあり、
同法第十五条の二第一項 及び第十五条の七第一項中
「当該紛争に係る土地等が所在する都道府県の知事」とあり、
同法第三十六条の二第二項中
「収用し、又は使用しようとする一筆の土地が所在する市町村の長」とあり、
同法第四十二条第一項、第四十七条の四第一項 及び第百十八条第一項中
「当該市町村長」とあり、
同法第四十五条第一項中
「申請に係る土地が所在する市町村の長」とあり、
並びに同法第百二十九条 及び第百三十一条第二項中
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
同法第十一条第四項 及び第十二条第二項中
「公告」とあるのは
「官報で公告」と、
同法第十五条の二第二項中
「当該紛争」とあるのは
「あらかじめ当該申請に係る土地等が所在する都道府県の知事の意見を聴いた上で、当該紛争」と、
同法第十五条の三中
「収用委員会」とあるのは
「前条第二項に規定する都道府県の収用委員会」と、
「推薦するものについて」とあるのは
「推薦するものについて、あらかじめ当該都道府県の知事の意見を聴いた上で」と、
同法第十五条の八中
「収用委員会」とあるのは
「当該申請に係る土地等が所在する都道府県の収用委員会」と、
「推薦する者について」とあるのは
「推薦する者について、あらかじめ当該都道府県の知事の意見を聴いた上で」と、
同法第三十六条第四項中
「当該市町村の職員」とあるのは
「防衛大臣が指名する者」と、
同条第六項中
「起業者 又は起業者に対し第六十一条第一項第二号 又は第三号の規定に該当する関係にある者」とあるのは
「当該地方防衛局の職員、防衛省本省において内部部局の官房長 及び局長以上の職 若しくはこれに準ずる職にある職員、防衛省本省の官房 及び局で土地等の使用 若しくは収用に関する事務を所掌するものの職員 又はこれらの職員の配偶者、四親等内の親族、同居の親族、代理人、保佐人 若しくは補助人」と、
同法第三十六条の二第三項、第四十二条第二項 及び第百十八条第二項中
「公告し」とあるのは
「官報で公告し、政令で定めるところにより」と、
同法第四十五条第二項中
「二週間公告」とあるのは
「官報に掲載するほか、政令で定めるところにより二週間公告」と、
同条第三項中
「第四十二条第三項、第四項 及び第六項」とあるのは
「第四十二条第三項」と、
同法第四十七条の四第二項中
「第四十二条第二項から第六項まで 及び」とあるのは
「第四十二条第二項 及び第三項 並びに」と
する。
前二項に定めるもののほか、第一項の規定による土地収用法の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
地方防衛局長は、駐留軍の用に供するため所有者 若しくは関係人との合意 又はこの法律の規定により使用されている土地等で引き続き駐留軍の用に供するためその使用について第五条の規定による認定があつたもの(以下「認定土地等」という。)について、その使用期間の末日以前に前条の規定により適用される土地収用法第三十九条第一項の規定による裁決の申請 及び前条の規定により適用される同法第四十七条の二第三項の規定による明渡裁決の申立て(以下「裁決の申請等」という。)をした場合で、当該使用期間の末日以前に必要な権利を取得するための手続が完了しないときは、損失の補償のための担保を提供して、当該使用期間の末日の翌日から、当該認定土地等についての明渡裁決において定められる明渡しの期限までの間、引き続き、これを使用することができる。
ただし、次の各号に掲げる場合においては、その使用の期間は、当該各号に定める日までとする。
裁決の申請等について却下の裁決があつたとき
前条の規定により適用される土地収用法第百三十条第二項に規定する期間の末日(当該裁決について同日までに地方防衛局長から審査請求があつたときは、当該審査請求に対し却下 又は棄却の裁決があつた日)
当該認定土地等に係る第五条の規定による使用の認定が効力を失つたとき
当該認定が効力を失つた日
前項の規定による担保の提供は、地方防衛局長において、同項の規定による使用(以下「暫定使用」という。)の期間の六月ごとに、あらかじめ自己の見積もつた損失補償額(当該見積額が当該認定土地等の暫定使用前直近の使用に係る賃借料 若しくは使用料 又は補償金の六月分に相当する額を下回るときは、その額とする。)に相当する金銭を当該認定土地等の所在地の供託所に供託して行うものとする。
地方防衛局長は、前項の規定による供託をしたときは、防衛省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を収用委員会 及び当該認定土地等の所有者 又は関係人に通知しなければならない。
地方防衛局長は、認定土地等の所有者 又は関係人の請求があるときは、政令で定めるところにより、次条第一項の規定による損失の補償の内払として、第二項の規定による担保の全部 又は一部を取得させるものとする。
この場合において、土地 若しくは土地に関する所有権以外の権利 又は建物 若しくは建物に関する所有権以外の権利に対する損失の補償に係る担保については、暫定使用が行われた期間に応じて取得させるものとする。
地方防衛局長は、前項の規定により認定土地等の所有者 又は関係人が担保を取得したときは、防衛省令で定めるところにより、その旨を収用委員会に通知するものとする。
地方防衛局長は、次条第一項の規定による損失の補償を了したときは、政令で定めるところにより、第一項の規定により提供した担保を取り戻すことができる。
暫定使用によつて認定土地等の所有者 及び関係人が受ける損失(以下「暫定使用による損失」という。)については、土地収用法第六章第一節中土地の使用による損失の補償に関する規定(第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項、第七十八条、第七十九条、第八十条の二第二項 及び第八十一条の規定を除く。)に準じて補償しなければならない。
この場合において、損失の補償は、暫定使用の時期の価格(土地 若しくは土地に関する所有権以外の権利 又は建物 若しくは建物に関する所有権以外の権利に対する損失の補償については、その土地 及び近傍類地の地代 及び借賃等 又はその建物 及び近傍同種の建物の借賃等を考慮して算定した暫定使用の時期の価格)によつて算定しなければならない。
収用委員会は、認定土地等について明渡裁決をする場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限までの間に暫定使用の期間があるときは、当該明渡裁決において、併せて暫定使用による損失の補償を裁決しなければならない。
この場合において、当該明渡裁決において定める明渡しの期限は、当該認定土地等についての権利取得裁決において定める権利取得の時期としなければならない。
収用委員会は、前条第四項の規定により認定土地等の所有者 又は関係人が担保を取得したときは、前項の規定による裁決において、地方防衛局長が支払うべき補償金の残額 及びその権利者 又は地方防衛局長が返還を受けることができる額 及びその債務者を裁決しなければならない。
土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、第二項の規定による裁決中前項に規定する地方防衛局長が返還を受けることができる額に関する部分について、第十四条の規定により適用される同法第百三十三条第二項 及び第三項の規定による訴えの提起がなかつた場合に準用する。
前条第二項の規定による裁決がされる場合を除き、暫定使用の期間が終了したときは、暫定使用による損失の補償について、地方防衛局長と暫定使用による損失を受けた者とが協議しなければならない。
ただし、協議をすることができないときは、この限りでない。
前項本文の規定による協議が成立しないとき、又は同項ただし書に規定する場合に該当するときは、地方防衛局長 又は暫定使用による損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。
前条第三項 及び第四項の規定は、前項の裁決について準用する。
地方防衛局長は、第十四条の規定により適用される土地収用法第十一条第一項ただし書の規定により防衛大臣に通知をしたときは、その旨 並びに立ち入ろうとする土地等の区域 及び期間を当該土地等の所在地を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。
第十四条の規定により適用される土地収用法第十一条第三項の規定により他人の占有する土地等に立ち入ろうとする者は、第十四条の規定により適用される同法第十二条第一項の規定により防衛大臣に通知をしたときは、その旨 並びに立ち入ろうとする日時 及び場所を当該土地等の所在地を管轄する市町村長に通知しなければならない。
防衛大臣は、第十四条の規定により適用される土地収用法第十四条第一項の規定により障害物の伐除 又は土地の試掘等の許可を与えようとするときは、当該障害物 又は当該土地の所有者 及び占有者のほか、伐除の許可を与えようとするときは当該障害物の所在地を管轄する市町村長に、試掘等の許可を与えようとするときは当該土地の所在地を管轄する都道府県知事に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
収用委員会は、駐留軍の用に供するため第五条の規定による認定があつた土地等のうち認定土地等を除くもの(以下「特定土地等」という。)に係る明渡裁決が遅延することによつて当該特定土地等の使用 又は収用に支障を及ぼすおそれがある場合において、地方防衛局長の申立てがあつたときは、第十四条の規定により適用される土地収用法第四十八条第一項各号 及び第四十九条第一項各号に掲げる事項のうち、損失の補償に関するものでまだ審理を尽くしていないものがある場合においても、まだ権利取得裁決がされていないときは権利取得裁決 及び明渡裁決を、すでに権利取得裁決がされているときは明渡裁決をすることができる。
前項の規定による申立ては、防衛省令で定める様式に従い、書面でしなければならない。
第一項の規定による申立てがあつたときは、収用委員会は、その旨を特定土地等の所有者 及び関係人に通知しなければならない。
第一項の規定による申立てがあつたときは、収用委員会は、その申立てがあつた日から五月以内(第十四条の規定により適用される土地収用法第四十二条第二項の規定による縦覧期間の満了の日の翌日以後に申立てがあつたときは、二月以内)に裁決をしなければならない。
収用委員会は、前項に規定する期間内に裁決をすることができなかつたときは、速やかに、その旨を防衛大臣に通知しなければならない。
前条第一項の裁決(以下「緊急裁決」という。)においては、第十四条の規定により適用される土地収用法第四十八条第一項各号 及び第四十九条第一項各号に掲げる事項のうち、損失の補償に関するものについては、裁決の時までに収用委員会の審理に現われた意見書、鑑定の結果 その他の資料に基づいて判断することができる程度において裁決すれば足りるものとする。
ただし、損失の補償をすべきものと認められるにかかわらず、補償の方法 又は金額について審理を尽くしていないものについては、概算見積りによる仮補償金(概算見積りによる第十四条の規定により適用される同法第九十条の三第一項第三号に掲げる加算金 及び第十四条の規定により適用される同法第九十条の四の規定による過怠金を含む。以下同じ。)を定めなければならない。
前項ただし書に規定するもののほか、なお審理を要すると認める事項については、裁決書の理由において、その旨を記載しなければならない。
収用委員会は、損失の補償に関する事項で緊急裁決の時までに審理を尽くさなかつたものについては、なお引き続き審理し、遅滞なく裁決しなければならない。
前項の規定による裁決(以下「補償裁決」という。)に関しては、この法律に特別の定めのあるものを除き、第十四条の規定により適用される土地収用法中権利取得裁決 又は明渡裁決に関する規定の適用があるものとする。
ただし、第十四条の規定により適用される同法第七章の規定は、補償裁決のうち、その裁決で認められた第九条第一項の規定による請求 又は第十四条の規定により適用される同法第七十六条第一項 若しくは第八十一条第一項の規定による請求に基づく収用に係る部分に関してのみ適用があるものとする。
収用委員会が第十九条第四項に規定する期間内に裁決をしない場合において、地方防衛局長の申立てがあつたときは、収用委員会は、第十四条の規定により適用される土地収用法第三十九条第一項の規定による申請に係る事件を防衛大臣に送らなければならない。
前項の規定による申立ては、防衛省令で定める様式に従い、書面でしなければならない。
第一項の規定は、収用委員会が同項の規定による申立てがあつた日から一月以内において裁決を行うべき期日を定め、これを地方防衛局長に通知した場合においては、収用委員会において当該事件について引き続き審理し、裁決をすることを妨げるものではない。
収用委員会は、第一項の規定により事件を防衛大臣に送るときは、防衛省令で定める書類を防衛大臣に送付しなければならない。
収用委員会は、第一項の規定により事件を防衛大臣に送つたときは、地方防衛局長、特定土地等の所有者 及び関係人にその旨を通知するとともに、防衛省令で定めるところにより公告しなければならない。
地方防衛局長は、第一項の規定による申立てをしたときは、第十九条第一項の規定による申立てに係る不作為についての審査請求をすることができない。
防衛大臣は、前条第一項の規定により事件が送られたときは、収用委員会に代わつて、自ら当該事件に係る裁決を行うものとする。
地方防衛局長は、前条第一項の規定にかかわらず事件が送られない場合において、同項の規定による申立ての日から一月を経過し、かつ、収用委員会が当該事件について裁決をしないときは、防衛大臣に対して、収用委員会に代わつて自ら当該事件に係る裁決を行うことを請求することができる。
防衛大臣は、前項の請求があつたときは、当該事件が送られたものとみなし、第一項の裁決を行うことができる。
防衛大臣は、第一項 又は前項に規定する裁決を行う場合において、当該裁決を行うため必要な手続 又は処分であつて収用委員会が審理を開始する前に行うこととされているものについても、収用委員会に代わつて、自ら行うことができる。
防衛大臣は、第二項の請求を受けたときは、収用委員会、特定土地等の所有者 及び関係人にその旨を通知するとともに、政令で定めるところにより官報で公告しなければならない。
収用委員会は、前項の通知を受けたときは、防衛省令で定めるところにより、関係書類を防衛大臣に送付しなければならない。
第一項 又は第三項の規定により防衛大臣が裁決を行う場合においては、防衛施設中央審議会の議を経なければならない。
防衛大臣は、第十九条第一項の規定による申立てがあつた事件に係る収用委員会の却下の裁決を審査請求に対する裁決により取り消す場合において、必要と認めるときは、併せて、収用委員会に対し使用 若しくは収用の裁決をすべきことを指示し、又は自ら使用 若しくは収用の裁決(緊急裁決を含む。)を行うことができる。
ただし、防衛大臣は、使用 又は収用の裁決の指示を行つたにもかかわらず収用委員会が却下の裁決をした場合でなければ、自ら使用 又は収用の裁決(緊急裁決を含む。)を行つてはならない。
前条第五項から第七項までの規定は、前項の規定により防衛大臣が自ら使用 又は収用の裁決(緊急裁決を含む。)を行う場合について準用する。
この場合において、
同条第五項中
「第二項の請求を受けたときは」とあるのは、
「次条第一項の規定により自ら使用 又は収用の裁決(緊急裁決を含む。)を行おうとするときは、あらかじめ」と
読み替えるものとする。
防衛大臣は、第二十三条第一項 若しくは第三項 又は前条第一項の規定により行う裁決(以下「代行裁決等」という。)の審理 又は調査に関する事務の一部をその指名する職員(以下「指名職員」という。)に行わせることができる。
土地収用法第六十二条から第六十五条の二までの規定 並びに同法第六十五条の規定に係る同法第百四十一条第一号 及び第百四十四条から第百四十六条までの規定は、代行裁決等の審理 又は調査について準用する。
この場合において、
同法第六十二条から第六十五条の二まで 及び第百四十一条第一号中
「収用委員会」とあるのは
「防衛大臣」と、
同法第六十三条から第六十五条までの規定中
「起業者、土地所有者」とあるのは
「地方防衛局長、特定土地等の所有者」と、
同法第六十三条第三項中
「事業の認定」とあるのは
「土地等の使用 又は収用の認定」と、
同法第六十四条中
「会長 又は指名委員」とあるのは
「防衛大臣 又は指名職員」と、
同法第六十五条第三項中
「第六十条の二」とあるのは
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法第二十五条第一項」と、
同法第六十五条の二第一項、第二項 及び第七項中
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と
読み替えるものとする。
代行裁決等は、文書によつて行う。
裁決書には、その理由 及び成立の日を付記しなければならない。
裁決書の正本は、これを地方防衛局長、特定土地等の所有者 及び関係人に送達しなければならない。
公共用地の取得に関する特別措置法(昭和三十六年法律第百五十号)第二十二条から第二十四条までの規定は第十九条第一項の申立てがあつた場合について、同法第二十五条から第二十九条までの規定は緊急裁決をする場合について、同法第三十一条から第三十八条までの規定は補償裁決をする場合について、同法第三十八条の五の規定は代行裁決等について、同法第四十六条の規定は現物給付について、同法第四十七条の規定は生活再建等のための措置について、それぞれ準用する。
この場合において、
同法第二十二条中
「第二十条」とあるのは
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(以下「駐留軍用地特措法」という。)第十九条」と、
同法第二十三条第一項中
「第二十条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十九条」と、
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
同条第二項中
「前項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する前項」と、
同法第二十四条中
「前二条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する前二条」と、
「第二十条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十九条」と、
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
同法第二十五条中
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
同法第二十六条第一項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
同条第二項中
「同条第五項 及び第六項中」とあるのは
「同条第五項 及び第六項中「起業者」とあるのは「地方防衛局長」と、」と、
「同条第五項中」とあるのは
「同条第五項中「土地所有者」とあるのは「特定土地等の所有者」と、」と、「読み替えるものとする」とあるのは「、同条第七項中「国土交通省令」とあるのは「防衛省令」と読み替えるものとする」と、
同法第二十七条中
「第二十一条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十条」と、
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「同法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
同法第二十八条中
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「公共用地の取得に関する特別措置法」とあるのは
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法第二十六条において準用する公共用地の取得に関する特別措置法」と、
同法第二十九条第一項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「第二十三条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第二十三条」と、
同条第二項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「第二十三条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第二十三条」と、
「国土交通省令」とあるのは
「防衛省令」と、
同条第三項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
同法第三十一条中
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第九条第一項の規定による請求 又は駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「同法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
同法第三十二条中
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
「土地収用法」とあり、及び「同法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「国土交通省令」とあるのは
「防衛省令」と、
同法第三十三条第一項中
「土地収用法」とあり、
及び「同法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
同条第二項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
同条第三項中
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
「第一項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第一項」と、
同法第三十四条第一項中
「第三十条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十一条」と、
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
同条第二項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
同法第三十五条中
「第三十三条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第三十三条」と、
同法第三十六条中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
「第三十三条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第三十三条」と、
同法第三十七条第一項中
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
「第三十三条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第三十三条」と、
「第三十四条」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第三十四条」と、
同法第三十八条第一項中
「特定公共事業の用に供する」とあるのは
「特定土地等である」と、
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
同条第二項中
「特定公共事業の用に供する」とあるのは
「特定土地等である」と、
同条第三項中
「前二項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する前二項」と、
「土地収用法」とあるのは
「駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法」と、
同法第三十八条の五第一項中
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
「第三十八条の三第一項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十三条第一項 及び第二項 並びに第二十四条第一項」と、
同条第二項中
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
「国土交通省令」とあるのは
「防衛省令」と、
同条第三項中
「第三十八条の二」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十二条」と、
「第一項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第一項」と、
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
同条第四項中
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
「第一項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第一項」と、
同法第四十六条中
「特定公共事業に必要な土地等」とあるのは
「特定土地等」と、
「特定公共事業を施行する者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
第四十七条第一項中
「特定公共事業に必要な土地等」とあるのは
「特定土地等」と、
同条第三項中
「第一項」とあるのは
「駐留軍用地特措法第二十六条において準用する第一項」と、
同条第三項 及び第四項中
「特定公共事業を施行する者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
同条第四項中
「特定公共事業に必要な土地等」とあるのは
「特定土地等」と
読み替えるものとする。
防衛大臣が代行裁決等を行う場合における第二十条、前条において準用する公共用地の取得に関する特別措置法第二十三条から第二十六条まで 及び第二十九条の規定 並びに第十四条の規定により適用される土地収用法第六章第一節、第九十五条、第九十六条 及び第百三十六条第三項の規定の適用については、
これらの規定中
「収用委員会」とあるのは、
「防衛大臣」と
する。
第二十三条第四項の規定により防衛大臣が代行裁決等を行うため必要な手続 又は処分であつて収用委員会が審理を開始する前に行うこととされているものを自ら行う場合における手続 又は処分においては、防衛大臣を収用委員会と、土地等の使用 又は収用の認定を事業の認定とみなして、土地収用法第四十一条、第四十二条第一項、第四十三条、第四十四条、第四十五条第一項 及び第二項、第四十五条の二、第四十六条、第四十七条の三第五項 並びに第四十七条の四第一項の規定を適用する。
この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
前条において準用する公共用地の取得に関する特別措置法第三十八条の五第一項の規定により送られた事件につき、収用委員会が第二十一条の規定により補償裁決を行う場合においては、地方防衛局長、特定土地等の所有者 又は関係人がこの法律の規定により当該事件に関して防衛大臣に対してした手続 その他の行為は、収用委員会に対してしたものとみなす。
この法律の規定により収用委員会がする緊急裁決 及び補償裁決に係る処分 並びに防衛大臣がする代行裁決等に係る処分(第二十五条第二項において読み替えて準用する土地収用法第六十四条の規定により防衛大臣 又は指名職員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
土地収用法第百三十条第二項、第百三十一条第二項、第百三十一条の二 及び第百三十二条第二項の規定は防衛大臣が行う代行裁決等に関する審査請求について、同法第百三十三条 及び第百三十四条の規定は防衛大臣が行う代行裁決等に関する訴えの提起について準用する。
この場合において、
同法第百三十一条第二項中
「国土交通大臣」とあるのは
「防衛大臣」と、
同法第百三十三条第三項中
「起業者」とあるのは
「地方防衛局長」と、
「土地所有者」とあるのは
「特定土地等の所有者」と、
同法第百三十四条中
「事業の進行 及び土地の収用 又は使用」とあるのは
「特定土地等の使用 又は収用」と
読み替えるものとする。
緊急裁決のうち、仮補償金 及び第二十条第二項の規定により裁決書に記載された事項については、損失の補償に関する訴えを提起することができない。
第十二条第二項 及び第二十三条第七項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。)並びに連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律(昭和三十六年法律第二百十五号)第十七条の規定によりその権限に属させられた事項を審議させるため、防衛省に防衛施設中央審議会(以下「審議会」という。)を置く。
審議会は、委員七名以内で組織する。
委員の任期は、三年とする。
委員については、再任を妨げない。
ただし、十年を超えて委員の職を継続することはできない。
第九条第二項において準用する土地収用法第八十一条第三項の規定、第十四条の規定により適用される土地収用法第九十四条第四項において準用する同法第十九条、同法第九十四条第五項、同条第六項において準用する同法第五十条第一項、第二項 及び第四項、第六十五条第一項、第六十五条の二第七項 並びに第六十六条第三項 並びに同法第九十四条第七項、第八項 及び第十一項の規定、第十六条第二項 及び第三項(第十七条第三項において準用する場合を含む。)並びに第四項(第十七条第三項において準用する場合を含む。)において準用する土地収用法第九十四条第十一項の規定、第十九条第一項、第三項 及び第五項、第二十条第一項、第二十一条第一項、第二十二条 並びに第二十三条第六項の規定 並びに第二十六条において準用する公共用地の取得に関する特別措置法第二十三条第二項、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項、同条第二項において準用する土地収用法第八十三条第四項から第六項まで、第二十九条第二項、第三十四条 及び第三十七条第二項において準用する同法第九十四条第十一項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。