何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
昭和二十二年法律第五十四号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
第二節 手続
前項に規定する報告があつたときは、公正取引委員会は、事件について必要な調査をしなければならない。
第一項の規定による報告が、公正取引委員会規則で定めるところにより、書面で具体的な事実を摘示してされた場合において、当該報告に係る事件について、適当な措置をとり、又は措置をとらないこととしたときは、公正取引委員会は、速やかに、その旨を当該報告をした者に通知しなければならない。
公正取引委員会は、この法律の規定に違反する事実 又は独占的状態に該当する事実があると思料するときは、職権をもつて適当な措置をとることができる。
公正取引委員会は、独占的状態に該当する事実があると思料する場合において、前条第四項の措置をとることとしたときは、その旨を当該事業者の営む事業に係る主務大臣に通知しなければならない。
前項の通知があつた場合には、当該主務大臣は、公正取引委員会に対し、独占的状態の有無 及び第八条の四第一項ただし書に規定する競争を回復するに足りると認められる他の措置に関し意見を述べることができる。
公正取引委員会は、事件について必要な調査をするため、次に掲げる処分をすることができる。
事件関係人 又は参考人に出頭を命じて審尋し、又はこれらの者から意見 若しくは報告を徴すること。
鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
帳簿書類 その他の物件の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
事件関係人の営業所 その他必要な場所に立ち入り、業務 及び財産の状況、帳簿書類 その他の物件を検査すること。
公正取引委員会が相当と認めるときは、政令で定めるところにより、公正取引委員会の職員を審査官に指定し、前項の処分をさせることができる。
前項の規定により職員に立入検査をさせる場合においては、これに身分を示す証明書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。
第一項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
公正取引委員会は、事件について必要な調査をしたときは、その要旨を調書に記載し、かつ、特に前条第一項に規定する処分があつたときは、処分をした年月日 及びその結果を明らかにしておかなければならない。
公正取引委員会は、第三条、第六条、第八条、第九条第一項 若しくは第二項、第十条第一項、第十一条第一項、第十三条、第十四条、第十五条第一項、第十五条の二第一項、第十五条の三第一項、第十六条第一項、第十七条 又は第十九条の規定に違反する事実があると思料する場合において、その疑いの理由となつた行為について、公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認めるときは、当該行為をしている者に対し、次に掲げる事項を書面により通知することができる。
ただし、第五十条第一項(第六十二条第四項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による通知をした後は、この限りでない。
当該行為の概要
違反する疑いのある法令の条項
次条第一項の規定による認定の申請をすることができる旨
前条の規定による通知を受けた者は、疑いの理由となつた行為を排除するために必要な措置を自ら策定し、実施しようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、その実施しようとする措置(以下この条から第四十八条の五までにおいて「排除措置」という。)に関する計画(以下この条 及び第四十八条の五において「排除措置計画」という。)を作成し、これを当該通知の日から六十日以内に公正取引委員会に提出して、その認定を申請することができる。
排除措置計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
排除措置の内容
排除措置の実施期限
その他公正取引委員会規則で定める事項
公正取引委員会は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その排除措置計画が次の各号のいずれにも適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
排除措置が疑いの理由となつた行為を排除するために十分なものであること。
排除措置が確実に実施されると見込まれるものであること。
前項の認定は、文書によつて行い、認定書には、委員長 及び第六十五条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
第三項の認定は、その名宛人に認定書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
公正取引委員会は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その排除措置計画が第三項各号のいずれかに適合しないと認めるときは、決定でこれを却下しなければならない。
第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
この場合において、
第四項 及び第五項中
「認定書」とあるのは、
「決定書」と
読み替えるものとする。
第三項の認定を受けた者は、当該認定に係る排除措置計画を変更しようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、公正取引委員会の認定を受けなければならない。
第三項から第七項までの規定は、前項の規定による変更の認定について準用する。
第七条第一項 及び第二項(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)、第七条の二第一項(第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。)、第七条の九第一項 及び第二項、第八条の二第一項 及び第三項、第十七条の二、第二十条第一項 並びに第二十条の二から第二十条の六までの規定は、公正取引委員会が前条第三項の認定(同条第八項の規定による変更の認定を含む。次条、第六十五条、第六十八条第一項 及び第七十六条第二項において同じ。)をした場合において、当該認定に係る疑いの理由となつた行為 及び排除措置に係る行為については、適用しない。
ただし、次条第一項の規定による決定があつた場合は、この限りでない。
公正取引委員会は、次の各号のいずれかに該当するときは、決定で、第四十八条の三第三項の認定を取り消さなければならない。
第四十八条の三第三項の認定を受けた排除措置計画に従つて排除措置が実施されていないと認めるとき。
第四十八条の三第三項の認定を受けた者が虚偽 又は不正の事実に基づいて当該認定を受けたことが判明したとき。
第四十八条の三第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
この場合において、
同条第四項 及び第五項中
「認定書」とあるのは、
「決定書」と
読み替えるものとする。
第一項の規定による第四十八条の三第三項の認定の取消しがあつた場合において、当該取消しが第七条第二項ただし書(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に規定する期間の満了する日の二年前の日以後にあつたときは、当該認定に係る疑いの理由となつた行為に対する第七条第二項(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)又は第八条の二第三項の規定による命令は、第七条第二項ただし書の規定にかかわらず、当該取消しの決定の日から二年間においても、することができる。
前項の規定は、第七条の二第一項(第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。)、第七条の九第一項 若しくは第二項 又は第二十条の二から第二十条の六までの規定による命令について準用する。
この場合において、
前項中
「第七条第二項ただし書(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において」とあるのは
「第七条の八第六項(第七条の九第三項 及び第八条の三において準用する場合 並びに第七条の九第四項 及び第二十条の七において読み替えて」と、
「、第七条第二項ただし書」とあるのは
「、第七条の八第六項」と
読み替えるものとする。
公正取引委員会は、第三条、第六条、第八条 又は第十九条の規定に違反する疑いの理由となつた行為が既になくなつている場合においても、公正かつ自由な競争の促進を図る上で特に必要があると認めるときは、第一号に掲げる者に対し、第二号に掲げる事項を書面により通知することができる。
ただし、第五十条第一項(第六十二条第四項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による通知をした後は、この限りでない。
次に掲げる者
疑いの理由となつた行為をした者
疑いの理由となつた行為をした者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後 存続し、又は合併により設立された法人
疑いの理由となつた行為をした者が法人である場合において、当該法人から分割により当該行為に係る事業の全部 又は一部を承継した法人
疑いの理由となつた行為をした者から当該行為に係る事業の全部 又は一部を譲り受けた者
次に掲げる事項
疑いの理由となつた行為の概要
違反する疑いのあつた法令の条項
次条第一項の規定による認定の申請をすることができる旨
前条の規定による通知を受けた者は、疑いの理由となつた行為が排除されたことを確保するために必要な措置を自ら策定し、実施しようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、その実施しようとする措置(以下この条から第四十八条の九までにおいて「排除確保措置」という。)に関する計画(以下この条 及び第四十八条の九において「排除確保措置計画」という。)を作成し、これを当該通知の日から六十日以内に公正取引委員会に提出して、その認定を申請することができる。
排除確保措置計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
排除確保措置の内容
排除確保措置の実施期限
その他公正取引委員会規則で定める事項
公正取引委員会は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その排除確保措置計画が次の各号のいずれにも 適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
排除確保措置が疑いの理由となつた行為が排除されたことを確保するために十分なものであること。
排除確保措置が確実に実施されると見込まれるものであること。
第四十八条の三第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による認定について準用する。
公正取引委員会は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その排除確保措置計画が第三項各号のいずれかに 適合しないと認めるときは、決定でこれを却下しなければならない。
第四十八条の三第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
この場合において、
同条第四項 及び第五項中
「認定書」とあるのは、
「決定書」と
読み替えるものとする。
第三項の認定を受けた者は、当該認定に係る排除確保措置計画を変更しようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、公正取引委員会の認定を受けなければならない。
第三項から第六項までの規定は、前項の規定による変更の認定について準用する。
第七条第一項 及び第二項(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)、第七条の二第一項(第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。)、第七条の九第一項 及び第二項、第八条の二第一項 及び第三項、第二十条第一項 並びに第二十条の二から第二十条の六までの規定は、公正取引委員会が前条第三項の認定(同条第七項の規定による変更の認定を含む。次条、第六十五条、第六十八条第二項 及び第七十六条第二項において同じ。)をした場合において、当該認定に係る疑いの理由となつた行為 及び排除確保措置に係る行為については、適用しない。
ただし、次条第一項の規定による決定があつた場合は、この限りでない。
公正取引委員会は、次の各号のいずれかに該当するときは、決定で、第四十八条の七第三項の認定を取り消さなければならない。
第四十八条の七第三項の認定を受けた排除確保措置計画に従つて排除確保措置が実施されていないと認めるとき。
第四十八条の七第三項の認定を受けた者が虚偽 又は不正の事実に基づいて当該認定を受けたことが判明したとき。
第四十八条の三第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
この場合において、
同条第四項 及び第五項中
「認定書」とあるのは、
「決定書」と
読み替えるものとする。
第一項の規定による第四十八条の七第三項の認定の取消しがあつた場合において、当該取消しが第七条第二項ただし書(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に規定する期間の満了する日の二年前の日以後にあつたときは、当該認定に係る疑いの理由となつた行為に対する第七条第二項(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)又は第八条の二第三項の規定による命令は、第七条第二項ただし書の規定にかかわらず、当該取消しの決定の日から二年間においても、することができる。
前項の規定は、第七条の二第一項(第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。)、第七条の九第一項 若しくは第二項 又は第二十条の二から第二十条の六までの規定による命令について準用する。
この場合において、
前項中
「第七条第二項ただし書(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において」とあるのは
「第七条の八第六項(第七条の九第三項 及び第八条の三において準用する場合 並びに第七条の九第四項 及び第二十条の七において読み替えて」と、
「、第七条第二項ただし書」とあるのは
「、第七条の八第六項」と
読み替えるものとする。
公正取引委員会は、第七条第一項 若しくは第二項(第八条の二第二項 及び第二十条第二項において準用する場合を含む。)、第八条の二第一項 若しくは第三項、第十七条の二 又は第二十条第一項の規定による命令(以下「排除措置命令」という。)をしようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について、意見聴取を行わなければならない。
公正取引委員会は、前条の意見聴取を行うに当たつては、意見聴取を行うべき期日までに相当な期間をおいて、排除措置命令の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
予定される排除措置命令の内容
公正取引委員会の認定した事実 及びこれに対する法令の適用
意見聴取の期日 及び場所
意見聴取に関する事務を所掌する組織の名称 及び所在地
前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。
意見聴取の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠を提出し、又は意見聴取の期日への出頭に代えて陳述書 及び証拠を提出することができること。
意見聴取が終結する時までの間、第五十二条の規定による証拠の閲覧 又は謄写を求めることができること。
前条第一項の規定による通知を受けた者(以下この節において「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。
代理人は、各自、当事者のために、意見聴取に関する一切の行為をすることができる。
当事者は、第五十条第一項の規定による通知があつた時から意見聴取が終結する時までの間、公正取引委員会に対し、当該意見聴取に係る事件について公正取引委員会の認定した事実を立証する証拠の閲覧 又は謄写(謄写については、当該証拠のうち、当該当事者 若しくはその従業員が提出したもの 又は当該当事者 若しくはその従業員の供述を録取したものとして公正取引委員会規則で定めるものの謄写に限る。以下この条において同じ。)を求めることができる。
この場合において、公正取引委員会は、第三者の利益を害するおそれがあるとき その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 又は謄写を拒むことができない。
前項の規定は、当事者が、意見聴取の進行に応じて必要となつた証拠の閲覧 又は謄写を更に求めることを妨げない。
公正取引委員会は、前二項の閲覧 又は謄写について日時 及び場所を指定することができる。
意見聴取は、公正取引委員会が事件ごとに指定するその職員(以下「指定職員」という。)が主宰する。
公正取引委員会は、前項に規定する事件について審査官の職務を行つたことのある職員 その他の当該事件の調査に関する事務に従事したことのある職員を意見聴取を主宰する職員として指定することができない。
指定職員は、最初の意見聴取の期日の冒頭において、当該意見聴取に係る事件について第四十七条第二項の規定により指定された審査官 その他の当該事件の調査に関する事務に従事した職員(次項 及び第三項 並びに第五十六条第一項において「審査官等」という。)に、予定される排除措置命令の内容、公正取引委員会の認定した事実 及び第五十二条第一項に規定する証拠のうち主要なもの 並びに公正取引委員会の認定した事実に対する法令の適用を意見聴取の期日に出頭した当事者に対し説明させなければならない。
当事者は、意見聴取の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠を提出し、並びに指定職員の許可を得て審査官等に対し質問を発することができる。
指定職員は、意見聴取の期日において必要があると認めるときは、当事者に対し質問を発し、意見の陳述 若しくは証拠の提出を促し、又は審査官等に対し説明を求めることができる。
意見聴取の期日における意見聴取は、公開しない。
当事者は、意見聴取の期日への出頭に代えて、指定職員に対し、意見聴取の期日までに陳述書 及び証拠を提出することができる。
指定職員は、意見聴取の期日における当事者による意見陳述、証拠提出 及び質問 並びに審査官等による説明(第五十八条第一項 及び第二項において「当事者による意見陳述等」という。)の結果、なお意見聴取を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。
前項の場合においては、当事者に対し、あらかじめ、次回の意見聴取の期日 及び場所を書面により通知しなければならない。
ただし、意見聴取の期日に出頭した当事者に対しては、当該意見聴取の期日においてこれを告知すれば足りる。
指定職員は、当事者が正当な理由なく意見聴取の期日に出頭せず、かつ、第五十五条に規定する陳述書 又は証拠を提出しない場合には、当該当事者に対し改めて意見を述べ、及び証拠を提出する機会を与えることなく、意見聴取を終結することができる。
指定職員は、前項に規定する場合のほか、当事者が意見聴取の期日に出頭せず、かつ、第五十五条に規定する陳述書 又は証拠を提出しない場合において、当該当事者の意見聴取の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、当該当事者に対し、期限を定めて陳述書 及び証拠の提出を求め、当該期限が到来したときに意見聴取を終結することができる。
指定職員は、意見聴取の期日における当事者による意見陳述等の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、第五十条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項に対する当事者の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。
前項に規定する調書は、意見聴取の期日における当事者による意見陳述等が行われた場合には各期日ごとに、当該当事者による意見陳述等が行われなかつた場合には意見聴取の終結後速やかに作成しなければならない。
第一項に規定する調書には、提出された証拠(第五十五条の規定により陳述書 及び証拠が提出されたときは、提出された陳述書 及び証拠)を添付しなければならない。
指定職員は、意見聴取の終結 後速やかに、当該意見聴取に係る事件の論点を整理し、当該整理された論点を記載した報告書を作成し、第一項に規定する調書とともに公正取引委員会に提出しなければならない。
当事者は、第一項に規定する調書 及び前項に規定する報告書の閲覧を求めることができる。
公正取引委員会は、意見聴取の終結後に生じた事情に鑑み 必要があると認めるときは、指定職員に対し、前条第四項の規定により提出された報告書を返戻して意見聴取の再開を命ずることができる。
第五十六条第二項本文の規定は、前項の場合について準用する。
公正取引委員会は、排除措置命令に係る議決をするときは、第五十八条第一項に規定する調書 及び同条第四項に規定する報告書の内容を十分に参酌してしなければならない。
排除措置命令は、文書によつて行い、排除措置命令書には、違反行為を排除し、又は違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置並びに公正取引委員会の認定した事実 及びこれに対する法令の適用を示し、委員長 及び第六十五条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
排除措置命令は、その名あて人に排除措置命令書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
第七条の二第一項(第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。)、第七条の九第一項 若しくは第二項 又は第二十条の二から第二十条の六までの規定による命令(以下「納付命令」という。)は、文書によつて行い、課徴金納付命令書には、納付すべき課徴金の額、課徴金の計算の基礎 及び課徴金に係る違反行為 並びに納期限を記載し、委員長 及び第六十五条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
納付命令は、その名宛人に課徴金納付命令書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
第一項の課徴金の納期限は、課徴金納付命令書の謄本を発する日から七月を経過した日とする。
第四十九条から第六十条までの規定は、納付命令について準用する。
この場合において、
第五十条第一項第一号中
「予定される排除措置命令の内容」とあるのは
「納付を命じようとする課徴金の額」と、
同項第二号中
「公正取引委員会の認定した事実 及びこれに対する法令の適用」とあり、及び第五十二条第一項中
「公正取引委員会の認定した事実」とあるのは
「課徴金の計算の基礎 及び課徴金に係る違反行為」と、
第五十四条第一項中
「予定される排除措置命令の内容、公正取引委員会の認定した事実 及び第五十二条第一項に規定する証拠のうち主要なもの並びに公正取引委員会の認定した事実に対する法令の適用」とあるのは
「納付を命じようとする課徴金の額、課徴金の計算の基礎 及び課徴金に係る違反行為 並びに第六十二条第四項の規定により読み替えて準用する第五十二条第一項に規定する証拠のうち主要なもの」と
読み替えるものとする。
第七条の二第一項(同条第二項において読み替えて準用する場合を含む。次項において同じ。)又は第四項の規定により公正取引委員会が納付命令を行つた後、同一事件について、当該納付命令を受けた者に対し、罰金の刑に処する確定裁判があつたときは、公正取引委員会は、決定で、当該納付命令に係る課徴金の額を、その額から当該裁判において命じられた罰金額の二分の一に相当する金額を控除した額に変更しなければならない。
ただし、当該納付命令に係る課徴金の額が当該罰金額の二分の一に相当する金額を超えないとき、又は当該変更後の額が百万円未満となるときは、この限りでない。
前項ただし書の場合においては、公正取引委員会は、決定で、当該第七条の二第一項 又は第四項の規定による納付命令を取り消さなければならない。
前二項の規定による決定は、文書によつて行い、決定書には、公正取引委員会の認定した事実 及びこれに対する法令の適用を記載し、委員長 及び第六十五条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
第一項 及び第二項の規定による決定は、その名宛人に決定書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
公正取引委員会は、第一項 及び第二項の場合において、変更 又は取消し前の納付命令に基づき既に納付された金額(第六十九条第二項に規定する延滞金を除く。)で、還付すべきものがあるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。
第八条の四第一項の規定による命令(以下「競争回復措置命令」という。)は、文書によつて行い、
競争回復措置命令書には、独占的状態に係る商品 又は役務について競争を回復させるために必要な措置 並びに公正取引委員会の認定した事実 及びこれに対する法令の適用を示し、委員長 及び次条第一項の規定による合議に出席した委員がこれに記名押印しなければならない。
競争回復措置命令は、その名宛人に競争回復措置命令書の謄本を送達することによつて、その効力を生ずる。
競争回復措置命令は、確定しなければ執行することができない。
第四十九条から第六十条までの規定は、競争回復措置命令について準用する。
公正取引委員会は、前項において準用する第五十条第一項の規定による通知をしようとするときは、当該事業者の営む事業に係る主務大臣に協議し、かつ、公聴会を開いて一般の意見を求めなければならない。
排除措置命令、納付命令、競争回復措置命令、第四十八条の三第三項の認定 及び第四十八条の七第三項の認定並びにこの節の規定による決定(第七十条第二項に規定する支払決定を除く。以下同じ。)は、委員長 及び委員の合議によらなければならない。
第三十四条第一項、第二項 及び第四項の規定は、前項の合議について準用する。
競争回復措置命令をするには、前項において準用する第三十四条第二項の規定にかかわらず、三人以上の意見が一致しなければならない。
公正取引委員会の合議は、公開しない。
関係のある公務所 又は公共的な団体は、公共の利益を保護するため、公正取引委員会に対して意見を述べることができる。
公正取引委員会は、第四十八条の三第三項の認定をした後においても、特に必要があるときは、第四十七条の規定により、第四十八条の五第一項各号のいずれかに該当しているかどうかを確かめるために必要な処分をし、又はその職員をして処分をさせることができる。
公正取引委員会は、第四十八条の七第三項の認定をした後においても、特に必要があるときは、第四十七条の規定により、第四十八条の九第一項各号のいずれかに該当しているかどうかを確かめるために必要な処分をし、又はその職員をして処分をさせることができる。
公正取引委員会は、排除措置命令をした後 又は競争回復措置命令が確定した後においても、特に必要があるときは、第四十七条の規定により、これらの命令において命じた措置が講じられているかどうかを確かめるために必要な処分をし、又はその職員をして処分をさせることができる。
公正取引委員会は、課徴金をその納期限までに納付しない者があるときは、督促状により期限を指定してその納付を督促しなければならない。
公正取引委員会は、前項の規定による督促をしたときは、その督促に係る課徴金の額につき年十四・五パーセントを超えない範囲内において政令で定める割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。
ただし、延滞金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
前項の規定により計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
公正取引委員会は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、国税滞納処分の例により、その督促に係る課徴金及び第二項に規定する延滞金を徴収することができる。
前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。
公正取引委員会は、第七条の八第四項(第七条の九第三項 若しくは第四項 又は第二十条の七において読み替えて準用する場合を含む。)の規定により第七条の二第一項、第七条の九第一項 若しくは第二項 又は第二十条の二から第二十条の六までの規定による課徴金の納付を命じた場合において、これらの規定による納付命令に基づき既に納付された金額で、還付すべきものがあるとき(第六十三条第五項に規定する場合を除く。)は、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。
公正取引委員会は、前項の金額を還付する場合には、当該金額の納付があつた日の翌日から起算して一月を経過する日の翌日からその還付のための支払決定をした日までの期間の日数に応じ、その金額に年七・二五パーセントを超えない範囲内において政令で定める割合を乗じて計算した金額をその還付すべき金額に加算しなければならない。
前条第二項ただし書 及び第三項の規定は、前項の規定により加算する金額について準用する。
公正取引委員会は、第十一条第一項 又は第二項の認可の申請があつた場合において、当該申請を理由がないと認めるときは、決定でこれを却下しなければならない。
第四十五条第二項の規定は、前項の認可の申請があつた場合について準用する。
第六十三条第三項 及び第四項の規定は、第一項の規定による決定について準用する。
公正取引委員会は、第十一条第一項 又は第二項の認可をした場合において、その認可の要件である事実が消滅し、又は変更したと認めるときは、決定でこれを取り消し、又は変更することができる。
第四十九条から第六十条まで並びに第六十三条第三項 及び第四項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
公正取引委員会は、経済事情の変化 その他の事由により、排除措置命令 又は競争回復措置命令を維持することが不適当であると認めるときは、決定でこれを取り消し、又は変更することができる。
ただし、排除措置命令 又は競争回復措置命令の名宛人の利益を害することとなる場合は、この限りでない。
第六十三条第三項 及び第四項の規定は、前項の規定による決定について準用する。
裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、公正取引委員会の申立てにより、第三条、第六条、第八条、第九条第一項 若しくは第二項、第十条第一項、第十一条第一項、第十三条、第十四条、第十五条第一項、第十五条の二第一項、第十五条の三第一項、第十六条第一項、第十七条 又は第十九条の規定に違反する疑いのある行為をしている者に対し、当該行為、議決権の行使 若しくは会社の役員の業務の執行を一時停止すべきことを命じ、又はその命令を取り消し、若しくは変更することができる。
前項の規定による裁判は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)により行う。
前条第一項の規定による裁判については、裁判所の定める保証金 又は有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。次項において同じ。)を供託して、その執行を免れることができる。
前項の規定により供託をした場合において、前条第一項の規定による裁判が確定したときは、裁判所は、公正取引委員会の申立てにより、供託に係る保証金又は有価証券の全部 又は一部を没取することができる。
前条第二項の規定は、前二項の規定による裁判について準用する。
送達すべき書類は、この法律に規定するもののほか、公正取引委員会規則で定める。
書類の送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条、第百一条、第百三条、第百五条、第百六条、第百八条 及び第百九条の規定を準用する。
この場合において、
同法第九十九条第一項中
「執行官」とあるのは
「公正取引委員会の職員」と、
同法第百八条中
「裁判長」とあり、
及び同法第百九条中
「裁判所」とあるのは
「公正取引委員会」と
読み替えるものとする。
公正取引委員会は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
外国においてすべき送達について、前条において読み替えて準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによつても送達をすることができないと認めるべき場合
前条において読み替えて準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
公示送達は、送達すべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を公正取引委員会の掲示場に掲示することにより行う。
公示送達は、前項の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによつて、その効力を生ずる。
外国においてすべき送達についてした公示送達にあつては、前項の期間は、六週間とする。
公正取引委員会の職員が、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第九号に規定する処分通知等であつてこの法律 又は公正取引委員会規則の規定により書類の送達により行うこととしているものに関する事務を、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行つたときは、第七十条の七において読み替えて準用する民事訴訟法第百九条の規定による送達に関する事項を記載した書面の作成 及び提出に代えて、当該事項を当該電子情報処理組織を使用して公正取引委員会の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイルに記録しなければならない。
この法律に定めるものを除くほか、公正取引委員会の調査に関する手続 その他事件の処理及び第七十条の五第一項の供託に関し 必要な事項は、政令で定める。
公正取引委員会がする排除措置命令、納付命令、競争回復措置命令 及び第七十条の二第一項に規定する認可の申請に係る処分 並びにこの節の規定による認定、決定 その他の処分(第四十七条第二項の規定によつて審査官がする処分 及びこの節の規定によつて指定職員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
公正取引委員会の排除措置命令、納付命令 及び競争回復措置命令 並びにこの節の規定による認定、決定 その他の処分(第四十七条第二項の規定による審査官の処分 及びこの節の規定による指定職員の処分を含む。)又はその不作為については、審査請求をすることができない。