第一章 総則
第二章 果樹農業振興基本方針等
農林水産大臣は、政令で定めるところにより、果樹農業の振興を図るための基本方針(以下「果樹農業振興基本方針」という。)を定めなければならない。
果樹農業振興基本方針には、主要な種類の果樹として政令で定めるもの(以下「果樹」という。)につき、次に掲げる事項を定めるものとする。
農林水産大臣は、果樹農業振興基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前条第三項 及び第四項の規定は、果樹農業振興基本方針の変更について準用する。
都道府県知事は、果樹農業振興基本方針に即して、政令で定めるところにより、当該都道府県における果樹農業の振興を図るための計画(以下「果樹農業振興計画」という。)を定めることができる。
果樹農業振興計画には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
都道府県知事は、第二項の主要な種類の果樹のうちに、その果実につき、生産の安定的な拡大 又は合理化を図り及び流通の合理化を推進することが特に必要であり、かつ、そのためには広域の濃密生産団地を計画的に形成することが適当であると認められるものがあるときは、果樹農業振興計画において、当該種類の果樹についてのその広域の濃密生産団地の形成に関する方針を明らかにするとともに、その方針に即して同項各号 及び前項各号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
都道府県知事は、果樹農業振興計画を定めたときは、遅滞なく、これを農林水産大臣に提出するとともに、その概要を公表しなければならない。
前条第五項 及び第六項の規定は、果樹農業振興計画の変更について準用する。
第三章 果樹園経営計画
第二条の三第六項の規定による提出があつた果樹農業振興計画に係る都道府県の区域内において果樹を栽培しているか、又は栽培しようとする農業者は、政令で定めるところにより、果樹園経営計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、その果樹園経営計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
前項の果樹園経営計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
前号の改善目標を達成するため採るべき措置に関する計画
都道府県知事は、前条第一項の認定を受けたい旨の請求があつた場合において、その果樹園経営計画に係る事項が次の各号の要件のすべてをみたすときは、当該果樹園経営計画が適当である旨の認定をするものとする。
前条第二項第二号の改善目標が農林水産大臣の定める基準に適合すること。
前条第二項第三号の措置に関する計画が合理的な果樹園経営の基盤の確立を図るために必要かつ適当なものであること。
前二号に規定するもののほか、当該果樹園経営計画が果樹農業振興計画の内容に照らし適当と認められるものであること。
株式会社日本政策金融公庫 又は沖縄振興開発金融公庫は、果樹園経営計画につき前条の認定を受けた者に対し、その申請に基づき、株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)又は沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)の定めるところにより、当該認定に係る果樹園経営計画を実施するために必要な資金の貸付けを行うものとする。
第四章 果実の生産及び出荷の安定に関する措置
農林水産大臣は、特定果実(その需給が著しく均衡を失し、又は失するおそれがあり、かつ、その状態を改善するために一年を超える相当の期間を必要とすると見込まれる果樹の果実であつて政令で定めるものをいう。以下同じ。)について、かつ、その需要の動向 及び生産の状況からみて需給が著しく均衡を失すると見込まれる年について、特定果実の生産 又は出荷を行う者 及びこれらの者の組織する団体(以下「特定果実生産者等」という。)、次条の規定により指定を受けた法人 並びに同条第二号に規定する法人に対する特定果実の安定的な生産 及び出荷を図るための指針(以下「生産出荷安定指針」という。)を定めるものとする。
前号の目標を達成するために必要な措置に関する基本的な事項
農林水産大臣は、生産出荷安定指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前二項の規定は、生産出荷安定指針の変更について準用する。
特定果実の安定的な生産 及び出荷の促進 並びに特定果実に係る果実製品(果実を加工し 又はこれを原料として製造した製品をいう。以下同じ。)の保管に関する事業を行うこと。
一般社団法人 又は一般財団法人であつて、特定果実の安定的な生産 及び出荷を促進すること、果実製品の原料として使用する果実を安定的に供給する生産者に対し当該果実の価格が著しく低落した場合に生産者補給金を交付すること その他果実の生産 及び出荷の安定に関する業務を都道府県の区域内において行うもの(以下「都道府県法人」という。)に対し、助言、指導 その他の援助を行うこと。
前条の規定による指定を受けた法人(以下「指定法人」という。)は、同条第一号に掲げる業務を実施しようとするときは、対象とする特定果実の種類、実施時期、実施方法 その他農林水産省令で定める事項を記載した業務実施規程を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
農林水産大臣は、前項の承認の申請に係る業務実施規程が生産出荷安定指針に適合すると認めるときでなければ、同項の承認をしてはならない。
指定法人は、毎事業年度開始前に(第四条の四の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、同条各号に掲げる業務に係る事業計画 及び収支予算を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
指定法人は、毎事業年度経過後三月以内に、第四条の四各号に掲げる業務に係る事業報告書 及び収支決算書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。
農林水産大臣は、第四条の四各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定法人に対し、その業務に関し必要な報告をさせることができる。
農林水産大臣は、指定法人が第四条の四各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、指定法人に対し、その業務の方法の改善に関し必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
農林水産大臣は、指定法人が前項の規定による命令に違反したときは、第四条の四の規定による指定を取り消すことができる。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第四条の三第四項の規定により生産出荷安定指針が公表されている場合において、特定果実生産者等による特定果実の生産 又は出荷が、指定法人が行う第四条の四第一号に掲げる業務 又は都道府県法人が行う特定果実の安定的な生産 及び出荷の促進に関する業務の円滑な実施に著しく支障を及ぼしていると認めるときは、当該特定果実生産者等に対し、当該業務の実施に協力するよう必要な勧告をすることができる。
政府は、外国産の果実 又は果実製品の輸入によつて国内産の特定果実 又は特定果実に係る果実製品の価格が著しく低落し 又は低落するおそれがあり、その結果、特定果実の生産 又は出荷に重大な支障を与え 又は与えるおそれがある場合において、特定果実 又は特定果実に係る果実製品につき、第四条の三から前条までに規定する措置によつてはその事態を克服することが困難であると認められるときは、当該外国産の果実 又は果実製品の輸入に関し必要な措置を講ずる等当該事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。
第五章 雑則
国 及び都道府県は、前条に規定する措置のほか、果樹園経営計画の作成 及びその達成のために必要な助言 及び指導、優良苗木の供給の円滑化のための援助、指定法人 及び都道府県法人の業務の円滑な実施のために必要な助言、指導 その他の援助 その他果樹農業の振興のために必要な援助を行うように努めるものとする。
国 及び都道府県は、果樹農業の振興に関する施策を実施するに当たつては、国にあつては果樹農業振興基本方針、都道府県にあつては果樹農業振興計画に即してしなければならない。
第六章 罰則
第八条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、一万円以下の過料に処する。