国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める不服申立てをすることができる。
国税通則法
第八章 不服審査及び訴訟
第一節 不服審査
⤏ 第一款 総則
税務署長、国税局長 又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く。)
次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て
その処分をした税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求
国税不服審判所長に対する審査請求
国税庁長官がした処分
国税庁長官に対する審査請求
国税庁、国税局、税務署 及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分
国税不服審判所長に対する審査請求
国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長 又は国税庁長官がその処分をしたものと それぞれみなして、国税局長がしたものと みなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものと みなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。
国税局の当該職員
その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長
国税庁の当該職員
国税庁長官
第一項第一号イ 又は前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他その請求が適法にされていないものを除く。次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
第一項第一号イ 又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号のいずれかに 該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
再調査の請求をした日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合
その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合
国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署 又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署 又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。
次に掲げる処分については、前条の規定は、適用しない。
この節 又は行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定による処分 その他前条の規定による不服申立て(第八十条第三項(行政不服審査法との関係)を除き、以下「不服申立て」という。)についてした処分
行政不服審査法第七条第一項第七号(適用除外)に掲げる処分
この節の規定による処分 その他不服申立てについてする処分に係る不作為については、行政不服審査法第三条(不作為についての審査請求)の規定は、適用しない。
不服申立て(第七十五条第三項 及び第四項(再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く。第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。
ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
第七十五条第三項の規定による審査請求は、第八十四条第十項(決定の手続等)の規定による再調査決定書の謄本の送達があつた日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。
ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
不服申立ては、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。
ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
第二十二条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、不服申立てに係る再調査の請求書又は審査請求書について準用する。
国税庁長官、国税不服審判所長、国税局長、税務署長 又は税関長は、不服申立てがその事務所に到達してから当該不服申立てについての決定 又は裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、その事務所における備付け その他の適当な方法により公にしておかなければならない。
国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく 処分についての審査請求(第七十五条第一項第二号 及び第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求を除く。第三款(審査請求)において同じ。)に対する裁決を行う機関とする。
国税不服審判所の長は、国税不服審判所長とし、国税庁長官が財務大臣の承認を受けて、任命する。
国税不服審判所の事務の一部を取り扱わせるため、所要の地に支部を置く。
前項の各支部に勤務する国税審判官のうち一人を首席国税審判官とする。
首席国税審判官は、当該支部の事務を総括する。
国税不服審判所の組織 及び運営に関し必要な事項は政令で、支部の名称 及び位置は財務省令で定める。
国税不服審判所に国税審判官 及び国税副審判官を置く。
国税審判官は、国税不服審判所長に対してされた審査請求に係る事件の調査 及び審理を行ない、国税副審判官は、国税審判官の命を受け、その事務を整理する。
国税副審判官のうち国税不服審判所長の指名する者は、国税審判官の職務を行なうことができる。
ただし、この法律において担当審判官の職務とされているものについては、この限りでない。
国税審判官の資格は、政令で定める。
国税に関する法律に基づく 処分に対する不服申立て(次項に規定する審査請求を除く。)については、この節 その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、行政不服審査法(第二章 及び第三章(不服申立てに係る手続)を除く。)の定めるところによる。
第七十五条第一項第二号 又は第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求については、この節(次款 及び第三款(審査請求)を除く。)その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、行政不服審査法の定めるところによる。
酒税法第二章(酒類の製造免許 及び酒類の販売業免許等)の規定による処分に対する不服申立てについては、行政不服審査法の定めるところによるものとし、この節の規定は、適用しない。
⤏ 第二款 再調査の請求
再調査の請求は、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。
再調査の請求に係る処分の内容
再調査の請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合には、その受けた年月日)
再調査の請求の趣旨 及び理由
前項の書面(以下「再調査の請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、第七十七条第一項 又は第三項(不服申立期間)に規定する期間の経過後に再調査の請求をする場合においては、同条第一項ただし書 又は第三項ただし書に規定する正当な理由を記載しなければならない。
再調査の請求がされている税務署長 その他の行政機関の長(以下「再調査審理庁」という。)は、再調査の請求書が前二項 又は第百二十四条(書類提出者の氏名、住所 及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。
この場合において、不備が軽微なものであるときは、再調査審理庁は、職権で補正することができる。
再調査の請求人は、前項の補正を求められた場合には、その再調査の請求に係る税務署 その他の行政機関に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を当該行政機関の職員が録取した書面を確認することによつても、これをすることができる。
第三項の場合において再調査の請求人が同項の期間内に不備を補正しないとき、又は再調査の請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときは、再調査審理庁は、第八十四条第一項から第六項まで(決定の手続等)に定める審理手続を経ないで、第八十三条第一項(決定)の規定に基づき、決定で、当該再調査の請求を却下することができる。
第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)の規定による再調査の請求は、当該再調査の請求に係る処分をした税務署長を経由してすることもできる。
この場合において、再調査の請求人は、当該税務署長に再調査の請求書を提出してするものとする。
前項の場合には、同項の税務署長は、直ちに、再調査の請求書を当該税務署長の管轄区域を所轄する国税局長に送付しなければならない。
第一項の場合における再調査の請求期間の計算については、同項の税務署長に再調査の請求書が提出された時に再調査の請求がされたものとみなす。
再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合 その他不適法である場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。
再調査の請求が理由がない場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。
再調査の請求が理由がある場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求に係る処分の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
ただし、再調査の請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。
再調査審理庁は、再調査の請求人 又は参加人(第百九条第三項(参加人)に規定する参加人をいう。以下この款 及び次款において同じ。)から申立てがあつた場合には、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に口頭で再調査の請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。
ただし、当該申立人の所在 その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。
前項本文の規定による意見の陳述(以下この条において「口頭意見陳述」という。)は、再調査審理庁が期日 及び場所を指定し、再調査の請求人 及び参加人を招集してさせるものとする。
口頭意見陳述において、申立人は、再調査審理庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
再調査審理庁は、必要があると認める場合には、その行政機関の職員に口頭意見陳述を聴かせることができる。
口頭意見陳述において、再調査審理庁 又は前項の職員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合 その他相当でない場合には、これを制限することができる。
再調査の請求人 又は参加人は、証拠書類 又は証拠物を提出することができる。
この場合において、再調査審理庁が、証拠書類 又は証拠物を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
再調査の請求についての決定は、主文 及び理由を記載し、再調査審理庁が記名押印した再調査決定書によりしなければならない。
再調査の請求についての決定で当該再調査の請求に係る処分の全部 又は一部を維持する場合における前項に規定する理由においては、その維持される処分を正当とする理由が明らかにされていなければならない。
再調査審理庁は、第七項の再調査決定書(再調査の請求に係る処分の全部を取り消す決定に係るものを除く。)に、再調査の請求に係る処分につき国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる旨(却下の決定である場合にあつては、当該却下の決定が違法な場合に限り審査請求をすることができる旨)及び審査請求期間を記載して、これらを教示しなければならない。
再調査の請求についての決定は、再調査の請求人(当該再調査の請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における前条第三項の規定による決定にあつては、再調査の請求人 及び処分の相手方)に再調査決定書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。
再調査審理庁は、再調査決定書の謄本を参加人に送付しなければならない。
再調査審理庁は、再調査の請求についての決定をしたときは、速やかに、第六項の規定により提出された証拠書類 又は証拠物をその提出人に返還しなければならない。
所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税 又は国際観光旅客税(国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべきものを除く。次条第一項において同じ。)に係る税務署長、国税局長 又は税関長(以下この条 及び次条において「税務署長等」という。)の処分(国税の徴収に関する処分 及び滞納処分(その例による処分を含む。)を除く。)又は第三十六条第一項(納税の告知)の規定による納税の告知のうち同項第一号(不納付加算税 及び第六十八条第三項 又は第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)(重加算税)の重加算税に係る部分に限る。)若しくは第二号に係るもの(以下この条 及び次条第一項において単に「処分」という。)があつた時以後にその納税地に異動があつた場合において、その処分の際における納税地を所轄する税務署長等と当該処分について第七十五条第一項第一号イ 又は第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による再調査の請求をする際における納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、その再調査の請求は、これらの規定にかかわらず、現在の納税地を所轄する税務署長等に対してしなければならない。
この場合においては、その処分は、現在の納税地を所轄する税務署長等がしたものとみなす。
前項の規定による再調査の請求をする者は、再調査の請求書にその処分に係る税務署、国税局 又は税関の名称を付記しなければならない。
第一項の場合において、再調査の請求書がその処分に係る税務署長等に提出されたときは、当該税務署長等は、その再調査の請求書を受理することができる。
この場合においては、その再調査の請求書は、現在の納税地を所轄する税務署長等に提出されたものとみなす。
前項の再調査の請求書を受理した税務署長等は、その再調査の請求書を現在の納税地を所轄する税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。
所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税又は国際観光旅客税に係る税務署長等の処分について再調査の請求がされている場合において、その処分に係る国税の納税地に異動があり、その再調査の請求がされている税務署長等と異動後の納税地を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、当該再調査の請求がされている税務署長等は、再調査の請求人の申立てにより、又は職権で、当該再調査の請求に係る事件を異動後の納税地を所轄する税務署長等に移送することができる。
前項の規定により再調査の請求に係る事件の移送があつたときは、その移送を受けた税務署長等に初めから再調査の請求がされたものとみなし、当該税務署長等がその再調査の請求についての決定をする。
第一項の規定により再調査の請求に係る事件を移送したときは、その移送をした税務署長等は、その再調査の請求に係る再調査の請求書 及び関係書類 その他の物件(以下「再調査の請求書等」という。)をその移送を受けた税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。
⤏ 第三款 審査請求
審査請求は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。
審査請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合にはその通知を受けた年月日とし、再調査の請求についての決定を経た後の処分について審査請求をする場合には再調査決定書の謄本の送達を受けた年月日とする。)
審査請求の趣旨 及び理由
前項の書面(以下この款において「審査請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
第七十五条第四項第一号(国税に関する処分についての不服申立て)の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合
再調査の請求をした年月日
第七十五条第四項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合
同号に規定する正当な理由
第七十七条第一項から第三項まで(不服申立期間)に規定する期間の経過後において審査請求をする場合
これらの各項のただし書に規定する正当な理由
第一項第三号に規定する趣旨は、処分の取消し 又は変更を求める範囲を明らかにするように記載するものとし、同号に規定する理由においては、処分に係る通知書 その他の書面により通知されている処分の理由に対する審査請求人の主張が明らかにされていなければならないものとする。
審査請求は、審査請求に係る処分(当該処分に係る再調査の請求についての決定を含む。)をした行政機関の長を経由してすることもできる。
この場合において、審査請求人は、当該行政機関の長に審査請求書を提出してするものとする。
前項の場合には、同項の行政機関の長は、直ちに、審査請求書を国税不服審判所長に送付しなければならない。
第一項の場合における審査請求期間の計算については、同項の行政機関の長に審査請求書が提出された時に審査請求がされたものとみなす。
税務署長、国税局長 又は税関長に対して再調査の請求がされた場合において、当該税務署長、国税局長 又は税関長がその再調査の請求を審査請求として取り扱うことを適当と認めてその旨を再調査の請求人に通知し、かつ、当該再調査の請求人がこれに同意したときは、その同意があつた日に、国税不服審判所長に対し、審査請求がされたものとみなす。
前項の通知に係る書面には、再調査の請求に係る処分の理由が当該処分に係る通知書 その他の書面により処分の相手方に通知されている場合を除き、その処分の理由を付記しなければならない。
第一項の規定に該当するときは、同項の再調査の請求がされている税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。
この場合においては、その送付された再調査の請求書は、審査請求書とみなす。
更正決定等(源泉徴収等による国税に係る納税の告知を含む。以下この条、第百四条(併合審理等)及び第百十五条第一項第二号(不服申立ての前置等)において同じ。)について審査請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等(その国税に係る附帯税の額を含む。以下この条、第百四条 及び第百十五条第一項第二号において同じ。)についてされた他の更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し再調査の請求がされたときは、当該再調査の請求がされた税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。
更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し 再調査の請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正決定等について審査請求がされたときは、当該再調査の請求がされている税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。
前二項の規定により再調査の請求書等が国税不服審判所長に送付された場合には、その送付がされた日に、国税不服審判所長に対し、当該再調査の請求に係る処分についての審査請求がされたものとみなす。
前条第二項の規定は第一項 又は第二項の通知に係る書面について、同条第三項後段の規定は前項の場合について準用する。
国税不服審判所長は、審査請求書が第八十七条(審査請求書の記載事項等)又は第百二十四条(書類提出者の氏名、住所 及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。
この場合において、不備が軽微なものであるときは、国税不服審判所長は、職権で補正することができる。
審査請求人は、前項の補正を求められた場合には、国税不服審判所に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を国税不服審判所の職員が録取した書面を確認することによつても、これをすることができる。
前条第一項の場合において、審査請求人が同項の期間内に不備を補正しないときは、国税不服審判所長は、次条から第九十七条の四まで(担当審判官等の審理手続)に定める審理手続を経ないで、第九十八条第一項(裁決)の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。
審査請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。
審査請求人、参加人 及び次条第一項に規定する原処分庁(以下「審理関係人」という。)並びに担当審判官は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求書を受理したときは、その審査請求を第九十二条(審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により却下する場合を除き、相当の期間を定めて、審査請求の目的となつた処分に係る行政機関の長(第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)に規定する処分にあつては、当該国税局長。以下「原処分庁」という。)から、答弁書を提出させるものとする。
この場合において、国税不服審判所長は、その受理した審査請求書を原処分庁に送付するものとする。
前項の答弁書には、審査請求の趣旨 及び理由に対応して、原処分庁の主張を記載しなければならない。
国税不服審判所長は、原処分庁から答弁書が提出されたときは、これを審査請求人 及び参加人に送付しなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求に係る事件の調査 及び審理を行わせるため、担当審判官一名 及び参加審判官二名以上を指定する。
国税不服審判所長が前項の規定により指定する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
審査請求に係る処分又は当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者
審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
前二号に掲げる者であつた者
審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人 又は補助監督人
第百九条第一項(参加人)に規定する利害関係人
審査請求人は、第九十三条第三項(答弁書の送付)の規定により送付された答弁書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下この条 及び第九十七条の四第二項第一号ロ(審理手続の終結)において「反論書」という。)を提出することができる。
この場合において、担当審判官が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(以下この条 及び第九十七条の四第二項第一号ハにおいて「参加人意見書」という。)を提出することができる。
この場合において、担当審判官が、参加人意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
担当審判官は、審査請求人から反論書の提出があつたときはこれを参加人 及び原処分庁に、参加人から参加人意見書の提出があつたときはこれを審査請求人 及び原処分庁に、それぞれ送付しなければならない。
審査請求人 又は参加人の申立てがあつた場合には、担当審判官は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。
前項の規定による意見の陳述(次項 及び第九十七条の四第二項第二号(審理手続の終結)において「口頭意見陳述」という。)に際し、前項の申立てをした者は、担当審判官の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、原処分庁に対して、質問を発することができる。
第八十四条第一項ただし書、第二項、第三項 及び第五項(決定の手続等)の規定は、第一項の口頭意見陳述について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、
「再調査の請求人 及び参加人」とあるのは
「全ての審理関係人」と、
同条第三項中
「再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、
同条第五項中
「再調査審理庁 又は前項の職員」とあるのは
「担当審判官」と、
それぞれ読み替えるものとする。
参加審判官は、担当審判官の命を受け、第二項の許可 及び前項において読み替えて準用する第八十四条第五項の行為をすることができる。
審査請求人 又は参加人は、証拠書類 又は証拠物を提出することができる。
原処分庁は、当該処分の理由となる事実を証する書類 その他の物件を提出することができる。
前二項の場合において、担当審判官が、証拠書類 若しくは証拠物 又は書類その他の物件を提出すべき 相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
担当審判官は、審理を行うため必要があるときは、審理関係人の申立てにより、又は職権で、次に掲げる行為をすることができる。
審査請求人若しくは原処分庁(第四項において「審査請求人等」という。)又は関係人 その他の参考人に質問すること。
前号に規定する者の帳簿書類 その他の物件につき、その所有者、所持者 若しくは保管者に対し、相当の期間を定めて、当該物件の提出を求め、又はこれらの者が提出した物件を留め置くこと。
第一号に規定する者の帳簿書類その他の物件を検査すること。
国税審判官、国税副審判官その他の国税不服審判所の職員は、担当審判官の嘱託により、又はその命を受け、前項第一号 又は第三号に掲げる行為をすることができる。
国税審判官、国税副審判官 その他の国税不服審判所の職員は、第一項第一号 及び第三号に掲げる行為をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求人等(審査請求人と特殊な関係がある者で政令で定めるものを含む。)が、正当な理由がなく、第一項第一号から第三号まで 又は第二項の規定による質問、提出要求 又は検査に応じないため審査請求人等の主張の全部 又は一部についてその基礎を明らかにすることが著しく困難になつた場合には、その部分に係る審査請求人等の主張を採用しないことができる。
第一項 又は第二項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと 解してはならない。
担当審判官は、審査請求に係る事件について、審理すべき事項が多数であり又は錯綜しているなど 事件が複雑であることその他の事情により、迅速かつ公正な審理を行うため、第九十五条の二から前条第一項まで(口頭意見陳述等)に定める審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日 及び場所を指定して、審理関係人を招集し、あらかじめ、これらの審理手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができる。
担当審判官は、審理関係人が遠隔の地に居住している場合 その他相当と認める場合には、政令で定めるところにより、担当審判官 及び審理関係人が音声の送受信により通話をすることができる方法によつて、前項に規定する意見の聴取を行うことができる。
担当審判官は、前二項の規定による意見の聴取を行つたときは、遅滞なく、第九十五条の二から前条第一項までに定める審理手続の期日 及び場所 並びに第九十七条の四第一項(審理手続の終結)の規定による審理手続の終結の予定時期を決定し、これらを審理関係人に通知するものとする。
当該予定時期を変更したときも、同様とする。
審理関係人は、次条第一項 又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間、担当審判官に対し、第九十六条第一項 若しくは第二項(証拠書類等の提出)又は第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)の規定により提出された書類 その他の物件の閲覧(電磁的記録にあつては、記録された事項を財務省令で定めるところにより表示したものの閲覧)又は当該書類の写し 若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。
この場合において、担当審判官は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 又は交付を拒むことができない。
担当審判官は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧 又は交付に係る書類 その他の物件の提出人の意見を聴かなければならない。
ただし、担当審判官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
担当審判官は、第一項の規定による閲覧について、日時 及び場所を指定することができる。
第一項の規定による交付を受ける審査請求人 又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
担当審判官は、経済的困難 その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。
担当審判官は、必要な審理を終えたと 認めるときは、審理手続を終結するものとする。
前項に定めるもののほか、担当審判官は、次の各号のいずれかに 該当するときは、審理手続を終結することができる。
次のイからホまでに掲げる規定の相当の期間内に、当該イからホまでに定める物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかつたとき。
第九十三条第一項前段(答弁書の提出等)
答弁書
第九十五条第一項後段(反論書等の提出)
反論書
第九十五条第二項後段
参加人意見書
第九十六条第三項(証拠書類等の提出)
証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件
第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)
帳簿書類 その他の物件
第九十五条の二第一項(口頭意見陳述)に規定する申立てをした審査請求人 又は参加人が、正当な理由がなく、口頭意見陳述に出頭しないとき。
担当審判官が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、審理関係人に対し、審理手続を終結した旨を通知するものとする。
審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合 その他不適法である場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求を却下する。
審査請求が理由がない場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
審査請求が理由がある場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求に係る処分の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
ただし、審査請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。
国税不服審判所長は、裁決をする場合(第九十二条(審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により当該審査請求を却下する場合を除く。)には、担当審判官 及び参加審判官の議決に基づいてこれをしなければならない。
国税不服審判所長は、国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決をするとき、又は他の国税に係る処分を行う際における法令の解釈の重要な先例となると 認められる裁決をするときは、あらかじめその意見を国税庁長官に通知しなければならない。
国税庁長官は、前項の通知があつた場合において、国税不服審判所長の意見が審査請求人の主張を認容するものであり、かつ、国税庁長官が当該意見を相当と認める場合を除き、国税不服審判所長と共同して当該意見について国税審議会に諮問しなければならない。
国税不服審判所長は、前項の規定により国税庁長官と共同して国税審議会に諮問した場合には、当該国税審議会の議決に基づいて裁決をしなければならない。
裁決は、次に掲げる事項を記載し、国税不服審判所長が記名押印した裁決書によりしなければならない。
第八十四条第八項(決定の手続等)の規定は、前項の裁決について準用する。
裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第九十八条第三項(裁決)の規定による裁決にあつては、審査請求人 及び処分の相手方)に裁決書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。
国税不服審判所長は、裁決書の謄本を参加人 及び原処分庁(第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)に規定する処分に係る審査請求にあつては、当該処分に係る税務署長を含む。)に送付しなければならない。
裁決は、関係行政庁を拘束する。
申請 若しくは請求に基づいてした処分が手続の違法 若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請 若しくは請求を却下し若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、裁決の趣旨に従い、改めて申請 又は請求に対する処分をしなければならない。
国税に関する法律に基づいて公示された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。
国税に関する法律に基づいて処分の相手方以外の第百九条第一項(参加人)に規定する利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、その通知を受けた者(審査請求人 及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。
国税不服審判所長は、裁決をしたときは、速やかに、第九十六条第一項 又は第二項(証拠書類等の提出)の規定により提出された証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件 及び第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)の規定による提出要求に応じて提出された帳簿書類 その他の物件をその提出人に返還しなければならない。
⤏ 第四款 雑則
再調査審理庁 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官(以下「国税不服審判所長等」という。)は、必要があると認める場合には、数個の不服申立てに係る審理手続を併合し、又は併合された数個の不服申立てに係る審理手続を分離することができる。
更正決定等について不服申立てがされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正決定等があるときは、国税不服審判所長等は、前項の規定によるもののほか、当該他の更正決定等について併せて審理することができる。
ただし、当該他の更正決定等について不服申立ての決定 又は裁決がされているときは、この限りでない。
前項の規定の適用がある場合には、国税不服審判所長等は、当該不服申立てについての決定 又は裁決において当該他の更正決定等の全部 又は一部を取り消すことができる。
前二項の規定は、更正の請求に対する処分について不服申立てがされている場合において、当該更正の請求に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正 又は決定があるときについて準用する。
国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立ては、その目的となつた処分の効力、処分の執行 又は手続の続行を妨げない。
ただし、その国税の徴収のため差し押さえた財産(国税徴収法第八十九条の二第四項(参加差押えをした税務署長による換価)に規定する特定参加差押不動産を含む。)の滞納処分(その例による処分を含む。以下この条において同じ。)による換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるとき、又は不服申立人(不服申立人が処分の相手方でないときは、不服申立人 及び処分の相手方)から別段の申出があるときを除き、その不服申立てについての決定 又は裁決があるまで、することができない。
再調査審理庁 又は国税庁長官は、必要があると認める場合には、再調査の請求人 又は第七十五条第一項第二号 若しくは第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求をした者(次項において「再調査の請求人等」という。)の申立てにより、又は職権で、不服申立ての目的となつた処分に係る国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止し、又はこれらを命ずることができる。
再調査審理庁 又は国税庁長官は、再調査の請求人等が、担保を提供して、不服申立ての目的となつた処分に係る国税につき、滞納処分による差押えをしないこと 又は既にされている滞納処分による差押えを解除することを求めた場合において、相当と認めるときは、その差押えをせず、若しくはその差押えを解除し、又はこれらを命ずることができる。
国税不服審判所長は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、又は職権で、審査請求の目的となつた処分に係る国税につき、第四十三条(国税の徴収の所轄庁)及び第四十四条(更生手続等が開始した場合の徴収の所轄庁の特例)の規定により徴収の権限を有する国税局長、税務署長 又は税関長(以下この条において「徴収の所轄庁」という。)の意見を聴いた上、当該国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、又は滞納処分の続行を停止することを徴収の所轄庁に求めることができる。
国税不服審判所長は、審査請求人が、徴収の所轄庁に担保を提供して、審査請求の目的となつた処分に係る国税につき、滞納処分による差押えをしないこと又は既にされている滞納処分による差押えを解除することを求めた場合において、相当と認めるときは、徴収の所轄庁に対し、その差押えをしないこと 又はその差押えを解除することを求めることができる。
徴収の所轄庁は、国税不服審判所長から第四項の規定により徴収の猶予 若しくは滞納処分の続行の停止を求められ、又は前項の規定により差押えをしないこと 若しくはその差押えを解除することを求められたときは、審査請求の目的となつた処分に係る国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止し、又はその差押えをせず、若しくはその差押えを解除しなければならない。
第四十九条第一項第一号 及び第三号、第二項 並びに第三項(納税の猶予の取消し)の規定は、第二項、第三項 又は前項の規定に基づく処分の取消しについて準用する。
この場合において、同項の規定による処分の取消しについて同条第一項の規定を準用するときは、
同項中
「税務署長等は」とあるのは、
「徴収の所轄庁は、国税不服審判所長の同意を得て」と
読み替えるものとする。
第七十五条第一項第二号 又は第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定による審査請求に係る審理員(行政不服審査法第十一条第二項(総代)に規定する審理員をいう。第百八条第五項(総代)において同じ。)は、必要があると認める場合には、国税庁長官に対し、第二項の規定に基づき徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止すること又は第三項の規定に基づき差押えをせず、若しくはその差押えを解除することを徴収の所轄庁に命ずべき旨の意見書を提出することができる。
不服申立人が死亡したときは、相続人(民法第九百五十一条(相続財産法人の成立)の規定の適用がある場合には、同条の法人)は、不服申立人の地位を承継する。
不服申立人について合併 又は分割(不服申立ての目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)があつたときは、合併後存続する法人 若しくは合併により設立した法人 又は分割により当該権利を承継した法人は、不服申立人の地位を承継する。
不服申立人である人格のない社団等の財産に属する権利義務を包括して承継した法人についても、また同様とする。
前二項の場合において、不服申立人の地位を承継した者は、書面でその旨を国税不服審判所長等に届け出なければならない。
この場合においては、届出書には、死亡 若しくは分割による権利の承継 又は合併の事実を証する書面を添附しなければならない。
不服申立ての目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、国税不服審判所長等の許可を得て、不服申立人の地位を承継することができる。
不服申立人は、弁護士、税理士 その他適当と認める者を代理人に選任することができる。
前項の代理人は、各自、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。
ただし、不服申立ての取下げ 及び代理人の選任は、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。
代理人の権限の行使に関し 必要な事項は、政令で定める。
多数人が共同して不服申立てをするときは、三人を超えない総代を互選することができる。
共同不服申立人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、国税不服審判所長等は、総代の互選を命ずることができる。
総代は、各自、他の共同不服申立人のために、不服申立ての取下げを除き、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。
総代が選任されたときは、共同不服申立人は、総代を通じてのみ前項の行為をすることができる。
共同不服申立人に対する国税不服審判所長等(担当審判官 及び第七十五条第一項第二号 又は第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求に係る審理員を含む。)の通知 その他の行為は、二人以上の総代が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。
共同不服申立人は、必要があると認める場合には、総代を解任することができる。
総代の権限の行使に関し 必要な事項は、政令で定める。
利害関係人(不服申立人以外の者であつて不服申立てに係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。次項において同じ。)は、国税不服審判所長等の許可を得て、当該不服申立てに参加することができる。
国税不服審判所長等は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該不服申立てに参加することを求めることができる。
第百七条(代理人)の規定は、参加人(前二項の規定により当該不服申立てに参加する者をいう。)の不服申立てへの参加について準用する。
不服申立人は、不服申立てについての決定 又は裁決があるまでは、いつでも、書面により当該不服申立てを取り下げることができる。
第七十五条第四項(再調査の請求についての決定を経ない審査請求)の規定による審査請求がされたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める不服申立ては、取り下げられたものとみなす。
再調査審理庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分の全部を取り消す旨の再調査決定書の謄本を発している場合
当該審査請求
再調査審理庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分の一部を取り消す旨の再調査決定書の謄本を発している場合
その部分についての審査請求
その他の場合
その決定を経ないで当該審査請求がされた再調査の請求
再調査審理庁は、再調査の請求がされた日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求めた場合にあつては、当該不備が補正された日)の翌日から起算して三月を経過しても 当該再調査の請求が係属しているときは、遅滞なく、当該処分について直ちに国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる旨を書面でその再調査の請求人に教示しなければならない。
第八十九条第二項(処分の理由の付記)の規定は、前項の教示に係る書面について準用する。
国税に関する法律に基づく 処分をした行政機関が、不服申立てをすべき 行政機関を教示する際に、誤つて当該行政機関でない行政機関を教示した場合において、その教示された行政機関に対し 教示された不服申立てがされたときは、当該行政機関は、速やかに、再調査の請求書 又は審査請求書を再調査の請求をすべき行政機関 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に送付し、かつ、その旨を不服申立人に通知しなければならない。
国税に関する法律に基づく処分(再調査の請求をすることができる処分に限る。次項において同じ。)をした行政機関が、誤つて再調査の請求をすることができる旨を教示しなかつた場合において、国税不服審判所長に審査請求がされた場合であつて、審査請求人から申立てがあつたときは、国税不服審判所長は、速やかに、審査請求書を再調査の請求をすべき行政機関に送付しなければならない。
ただし、第九十三条第三項(答弁書の提出等)の規定により審査請求人に答弁書を送付した後においては、この限りでない。
国税に関する法律に基づく処分をした行政機関が、誤つて審査請求をすることができる旨を教示しなかつた場合において、税務署長、国税局長 又は税関長に対して再調査の請求がされた場合であつて、再調査の請求人から申立てがあつたときは、当該税務署長、国税局長 又は税関長は、速やかに、再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付しなければならない。
前二項の規定により審査請求書 又は再調査の請求書等の送付を受けた行政機関 又は国税不服審判所長は、速やかに、その旨を不服申立人 及び参加人に通知しなければならない。
第一項から第三項までの規定により再調査の請求書 又は審査請求書が再調査の請求をすべき行政機関 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に送付されたときは、初めから再調査の請求をすべき行政機関に再調査の請求がされ、又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に審査請求がされたものとみなす。
この法律に基づく 国税不服審判所長の権限は、政令で定めるところにより、その一部を首席国税審判官に委任することができる。
第七十五条第一項第二号 又は第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求をする場合における行政不服審査法第十九条第二項(審査請求書の提出)の規定の適用については、
同項第一号中 「及び住所 又は居所」とあるのは、「、住所 又は居所 及び国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第七十四条の七の二第三項第四号ハに規定する番号(当該番号を有しない者にあっては、その氏名 又は名称 及び住所 又は居所)」と
する。
第七十五条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定による審査請求は、当該審査請求に係る処分をした税務署長を経由してすることもできる。
この場合において、審査請求人は、当該税務署長に審査請求書を提出してするものとする。
前項の場合には、同項の税務署長は、直ちに、審査請求書を国税庁長官に送付しなければならない。
第二項の場合における審査請求期間の計算については、同項の税務署長に審査請求書が提出された時に審査請求がされたものとみなす。
国税庁長官は、第七十五条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定による審査請求についての裁決をした場合には、裁決書の謄本を、審査請求人のほか、参加人 及び当該審査請求に係る処分をした税務署長に送付しなければならない。
第二節 訴訟
国税に関する法律に基づく 処分に関する訴訟については、この節 及び他の国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)その他の一般の行政事件訴訟に関する法律の定めるところによる。
国税に関する法律に基づく処分(第八十条第三項(行政不服審査法との関係)に規定する処分を除く。以下この節において同じ。)で不服申立てをすることができるものの取消しを求める訴えは、審査請求についての裁決を経た後でなければ、提起することができない。
ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
国税不服審判所長 又は国税庁長官に対して審査請求がされた日の翌日から起算して三月を経過しても裁決がないとき。
更正決定等の取消しを求める訴えを提起した者が、その訴訟の係属している間に当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正決定等の取消しを求めようとするとき。
審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき、その他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
国税に関する法律に基づく処分についてされた再調査の請求 又は審査請求について決定 又は裁決をした者は、その決定 又は裁決をした時にその処分についての訴訟が係属している場合には、その再調査決定書 又は裁決書の謄本をその訴訟が係属している裁判所に送付するものとする。
国税に関する法律に基づく処分(更正決定等 及び納税の告知に限る。以下この項において「課税処分」という。)に係る行政事件訴訟法第三条第二項(処分の取消しの訴え)に規定する処分の取消しの訴えにおいては、その訴えを提起した者が必要経費 又は損金の額の存在 その他これに類する自己に有利な事実につき課税処分の基礎とされた事実と異なる旨を主張しようとするときは、相手方当事者である国が当該課税処分の基礎となつた事実を主張した日以後遅滞なく その異なる事実を具体的に主張し、併せてその事実を証明すべき証拠の申出をしなければならない。
ただし、当該訴えを提起した者が、その責めに帰することができない理由によりその主張 又は証拠の申出を遅滞なくすることができなかつたことを証明したときは、この限りでない。
前項の訴えを提起した者が同項の規定に違反して行つた主張 又は証拠の申出は、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百五十七条第一項(時機に後れた攻撃防御方法の却下)の規定の適用に関しては、同項に規定する時機に後れて提出した攻撃 又は防御の方法とみなす。