控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決 又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。
ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決 又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。
ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
第十一条第二項 及び第三項の規定は、前項の合意について準用する。
訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立して控訴をすることができない。
終局判決前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。
ただし、不服を申し立てることができない裁判 及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。
控訴をする権利は、放棄することができる。
控訴は、判決書 又は第二百五十四条第二項の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に提起しなければならない。
ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。
控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。
控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
第一審判決の表示 及びその判決に対して控訴をする旨
控訴が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、第一審裁判所は、決定で、控訴を却下しなければならない。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第百三十七条の規定は、控訴状が第二百八十六条第二項の規定に違反する場合 及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を納付しない場合について準用する。
控訴状は、被控訴人に送達しなければならない。
第百三十七条の規定は、控訴状の送達をすることができない場合(控訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。
控訴裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて控訴人に命じた場合において、その予納がないときは、決定で、控訴を却下することができる。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
第二百六十一条第三項、第二百六十二条第一項 及び第二百六十三条の規定は、控訴の取下げについて準用する。
被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。
附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。
ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。
附帯控訴については、控訴に関する規定による。
ただし、附帯控訴の提起は、附帯控訴状を控訴裁判所に提出してすることができる。
控訴裁判所は、第一審判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
仮執行に関す控訴審の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
ただし、前条の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
口頭弁論は、当事者が第一審判決の変更を求める限度においてのみ、これをする。
当事者は、第一審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。
前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。
ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。
第一審においてした訴訟行為は、控訴審においてもその効力を有する。
第百六十七条の規定は、第一審において準備的口頭弁論を終了し、又は弁論準備手続を終結した事件につき控訴審で攻撃 又は防御の方法を提出した当事者について、
第百七十八条の規定は、第一審において書面による準備手続を終結した事件につき同条の陳述 又は確認がされた場合において控訴審で攻撃 又は防御の方法を提出した当事者について準用する。
控訴審においては、当事者は、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することができない。
ただし、専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)については、この限りでない。
前項の第一審裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。
控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。
相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。
前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。
裁判長は、当事者の意見を聴いて、攻撃 若しくは防御の方法の提出、請求 若しくは請求の原因の変更、反訴の提起 又は選定者に係る請求の追加をすべき期間を定めることができる。
前項の規定により定められた期間の経過後に同項に規定する訴訟行為をする当事者は、裁判所に対し、その期間内にこれをすることができなかった理由を説明しなければならない。
控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。
第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。
控訴裁判所は、前条第一項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の十倍以下の金銭の納付を命ずることができる。
前項の規定による裁判は、判決の主文に掲げなければならない。
第一項の規定による裁判は、本案判決を変更する判決の言渡しにより、その効力を失う。
上告裁判所は、上告を棄却する場合においても、第一項の規定による裁判を変更することができる。
第百八十九条の規定は、第一項の規定による裁判について準用する。
第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。
控訴裁判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。
第一審の判決の手続が法律に違反したときは、控訴裁判所は、第一審判決を取り消さなければならない。
控訴裁判所は、訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。
ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。
前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。
第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻したときは、その訴訟手続は、これによって取り消されたものとみなす。
控訴裁判所は、事件が管轄違いであることを理由として第一審判決を取り消すときは、判決で、事件を管轄裁判所に移送しなければならない。
控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第二百五十九条第二項の請求を除く。)に関する判決については、申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。
ただし、控訴裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。
第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理 及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。
ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。
上告は、高等裁判所が第二審 又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあること その他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。
ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
法定代理権、訴訟代理権 又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。
前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告 及び上告審の訴訟手続について準用する。
上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。
前条において準用する第二百八十八条 及び第二百八十九条第二項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。
上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。
上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。
次の各号に該当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で上告を却下しなければならない。
上告が不適法でその不備を補正することができないとき。
前条第一項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第二項の規定に違反しているとき。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前条第一項各号に掲げる場合には、上告裁判所は、決定で、上告を却下することができる。
上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに第三百十二条第一項 及び第二項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。
上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院 又は上告裁判所 若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件 その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。
前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、第三百十二条第一項 及び第二項に規定する事由を理由とすることができない。
第一項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。
第一項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。
この場合においては、第三百二十条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中 前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。
第三百十三条から第三百十五条まで 及び第三百十六条第一項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。
上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書 その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。
上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。
原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。
第三百十一条第二項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。
前二条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。
第三百十二条第一項 又は第二項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。
高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。
上告裁判所である最高裁判所は、第三百十二条第一項 又は第二項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。
前二項の規定により差戻し 又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。
この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上 及び法律上の判断は、差戻し 又は移送を受けた裁判所を拘束する。
原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。
次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。
確定した事実について憲法 その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあること その他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。
前項の上告 及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審 又は第一審の終局判決に対する上告 及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
この場合において、
第三百二十一条第一項中
「原判決」とあるのは、
「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第三百十一条第二項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と
読み替えるものとする。
口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定 又は命令に対しては、抗告をすることができる。
決定 又は命令により裁判をすることができない事項について決定 又は命令がされたときは、これに対して抗告をすることができる。
受命裁判官 又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、受訴裁判所に異議の申立てをすることができる。
ただし、その裁判が受訴裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
抗告は、前項の申立てについての裁判に対してすることができる。
最高裁判所 又は高等裁判所が受訴裁判所である場合における第一項の規定の適用については、
同項ただし書中
「受訴裁判所」とあるのは、
「地方裁判所」と
する。
抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあること その他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる。
抗告 及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第一章の規定を準用する。
ただし、前条の抗告 及びこれに関する訴訟手続には、前章の規定中 第二審 又は第一審の終局判決に対する上告 及び その上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。
即時抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
原裁判をした裁判所 又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。
抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。
抗告裁判所 又は原裁判をした裁判所 若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止 その他必要な処分を命ずることができる。
抗告裁判所は、抗告について口頭弁論をしない場合には、抗告人 その他の利害関係人を審尋することができる。
地方裁判所 及び簡易裁判所の決定 及び命令で不服を申し立てることができないもの 並びに高等裁判所の決定 及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあること その他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。
第一項の抗告 及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第三百二十七条第一項の上告 及び その上告審の訴訟手続に関する規定 並びに第三百三十四条第二項の規定を準用する。
高等裁判所の決定 及び命令(第三百三十条の抗告 及び次項の申立てについての決定 及び命令を除く。)に対しては、前条第一項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院 又は上告裁判所 若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合 その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。
前項の申立てにおいては、前条第一項に規定する事由を理由とすることはできない。
第二項の規定による許可があった場合には、第一項の抗告があったものとみなす。
最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。
第三百十三条、第三百十五条 及び前条第二項の規定は第二項の申立てについて、第三百十八条第三項の規定は第二項の規定による許可をする場合について、同条第四項後段 及び前条第三項の規定は第二項の規定による許可があった場合について準用する。