差止請求関係業務(不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務 並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
消費者契約法
第二節 適格消費者団体
⤏ 第一款 適格消費者団体の認定等
前項の認定を受けようとする者は、内閣総理大臣に認定の申請をしなければならない。
内閣総理大臣は、前項の申請をした者が次に掲げる要件の全てに適合しているときに限り、第一項の認定をすることができる。
特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人であること。
消費生活に関する情報の収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済のための活動 その他の不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的とし、現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていると認められること。
差止請求関係業務の実施に係る組織、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の差止請求関係業務を適正に遂行するための体制 及び業務規程が適切に整備されていること。
その理事に関し、次に掲げる要件に適合するものであること。
差止請求関係業務の執行を決定する機関として理事をもって構成する理事会が置かれており、かつ、定款で定めるその決定の方法が次に掲げる要件に適合していると認められること。
当該理事会の決議が理事の過半数 又はこれを上回る割合以上の多数決により行われるものとされていること。
第四十一条第一項の規定による差止請求、差止請求に係る訴えの提起 その他の差止請求関係業務の執行に係る重要な事項の決定が理事 その他の者に委任されていないこと。
理事の構成が次の(1)又は(2)のいずれかに該当するものでないこと。
この場合において、第二号に掲げる要件に適合する者は、次の(1)又は(2)に規定する事業者に該当しないものとみなす。
理事の数のうちに占める特定の事業者(当該事業者との間に発行済株式の総数の二分の一以上の株式の数を保有する関係 その他の内閣府令で定める特別の関係のある者を含む。)の関係者(当該事業者 及びその役員 又は職員である者 その他の内閣府令で定める者をいう。(2)において同じ。)の数の割合が三分の一を超えていること。
理事の数のうちに占める同一の業種(内閣府令で定める事業の区分をいう。)に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えていること。
差止請求の要否 及びその内容についての検討を行う部門において次のイ 及びロに掲げる者(以下「専門委員」と総称する。)が共にその専門的な知識経験に基づいて必要な助言を行い 又は意見を述べる体制が整備されていること その他差止請求関係業務を遂行するための人的体制に照らして、差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。
消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談(第四十条第一項において「消費生活相談」という。)その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者
弁護士、司法書士 その他の法律に関する専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者
差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。
差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務を行うことによって差止請求関係業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。
前項第三号の業務規程には、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。
この場合において、業務規程に定める差止請求関係業務の実施の方法には、同項第五号の検討を行う部門における専門委員からの助言 又は意見の聴取に関する措置 及び役員、職員 又は専門委員が差止請求に係る相手方と特別の利害関係を有する場合の措置 その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならない。
次の各号いずれかに該当する者は、第一項の認定を受けることができない。
この法律、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成二十五年法律第九十六号。以下「消費者裁判手続特例法」という。)その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされ、その取消し 又は認定の日から三年を経過しない法人
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号 及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人
暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある法人
政治団体(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第一項に規定する政治団体をいう。)
役員のうちに次のイからハまでのいずれかに該当する者のある法人
禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者裁判手続特例法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
適格消費者団体が第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされた場合において、その取消し 又は認定の日前六月以内に当該適格消費者団体の役員であった者でその取消し 又は認定の日から三年を経過しないもの
前条第二項の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
名称 及び住所 並びに代表者の氏名
差止請求関係業務を行おうとする事務所の所在地
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていることを証する書類
差止請求関係業務に関する業務計画書
差止請求関係業務を適正に遂行するための体制が整備されていることを証する書類
役員、職員 及び専門委員に関する次に掲げる書類
氏名、役職 及び職業を記載した書類
住所、略歴 その他内閣府令で定める事項を記載した書類
前条第三項第一号の法人の社員について、その数 及び個人 又は法人 その他の団体の別(社員が法人 その他の団体である場合にあっては、その構成員の数を含む。)を記載した書類
最近の事業年度における財産目録、貸借対照表 又は次のイ 若しくはロに掲げる法人の区分に応じ、当該イ 若しくはロに定める書類(第三十一条第一項において「財産目録等」という。)その他の経理的基礎を有することを証する書類
特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人
同法第二十七条第三号に規定する活動計算書
一般社団法人又は一般財団法人
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百二十三条第二項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する損益計算書(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第五条に規定する公益認定を受けている場合にあっては、内閣府令で定める書類)
前条第五項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
その他内閣府令で定める書類
内閣総理大臣は、前条の規定による認定の申請があった場合には、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨 並びに同条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項を公告するとともに、同条第二項各号(第六号ロ、第九号 及び第十一号を除く。)に掲げる書類を、公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
内閣総理大臣は、第十三条第一項の認定をしようとするときは、同条第三項第二号に規定する事由の有無について、経済産業大臣の意見を聴くものとする。
内閣総理大臣は、前条の規定による認定の申請をした者について第十三条第五項第三号、第四号 又は第六号ハに該当する疑いがあると認めるときは、警察庁長官の意見を聴くものとする。
内閣総理大臣は、第十三条第一項の認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該適格消費者団体の名称 及び住所、差止請求関係業務を行う事務所の所在地 並びに当該認定をした日を公示するとともに、当該適格消費者団体に対し、その旨を書面により通知するものとする。
適格消費者団体は、内閣府令で定めるところにより、適格消費者団体である旨について、差止請求関係業務を行う事務所において見やすいように掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
適格消費者団体でない者は、その名称中に適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字を用い、又はその業務に関し、適格消費者団体であると誤認されるおそれのある表示をしてはならない。
第十三条第一項の認定の有効期間は、当該認定の日から起算して六年とする。
前項の有効期間の満了後 引き続き差止請求関係業務を行おうとする適格消費者団体は、その有効期間の更新を受けなければならない。
前項の有効期間の更新を受けようとする適格消費者団体は、第一項の有効期間の満了の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「更新申請期間」という。)に、内閣総理大臣に有効期間の更新の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により更新申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、第一項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の認定は、同項の有効期間の満了後も その処分がされるまでの間は、なお効力を有する。
前項の場合において、第二項の有効期間の更新がされたときは、その認定の有効期間は、従前の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
第十三条(第一項 及び第五項第二号を除く。)、第十四条、第十五条 及び前条第一項の規定は、第二項の有効期間の更新について準用する。
ただし、第十四条第二項各号に掲げる書類については、既に内閣総理大臣に提出されている当該書類の内容に変更がないときは、その添付を省略することができる。
適格消費者団体は、第十四条第一項各号に掲げる事項 又は同条第二項各号(第二号 及び第十一号を除く。)に掲げる書類に記載した事項に変更があったときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
ただし、その変更が内閣府令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
適格消費者団体である法人が他の適格消費者団体である法人と合併をしたときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の規定により合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人と合併(適格消費者団体である法人が存続するものを除く。以下この条 及び第二十二条第二号において同じ。)をした場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その合併について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする適格消費者団体である法人 及び適格消費者団体でない法人は、共同して、その合併がその効力を生ずる日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その合併がその効力を生ずる日までにその申請に対する処分がされないときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その処分がされるまでの間は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。
第十三条(第一項を除く。)、第十四条、第十五条 及び第十六条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
適格消費者団体である法人は、適格消費者団体でない法人と合併をする場合において、第四項の申請をしないときは、その合併がその効力を生ずる日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
適格消費者団体である法人が他の適格消費者団体である法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をしたときは、その譲渡を受けた法人は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の規定によりその譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合には、その譲渡を受けた法人は、その譲渡について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする適格消費者団体である法人 及び適格消費者団体でない法人は、共同して、その譲渡の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その譲渡の日までにその申請に対する処分がされないときは、その譲渡を受けた法人は、その処分がされるまでの間は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。
第十三条(第一項を除く。)、第十四条、第十五条 及び第十六条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
適格消費者団体である法人は、適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をする場合において、第四項の申請をしないときは、その譲渡の日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
適格消費者団体が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
破産手続開始の決定により解散した場合
破産管財人
合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合
清算人
差止請求関係業務を廃止した場合
法人の代表者
内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
適格消費者団体について、次のいずれかに掲げる事由が生じたときは、第十三条第一項の認定は、その効力を失う。
第十三条第一項の認定の有効期間が経過したとき(第十七条第四項に規定する場合にあっては、更新拒否処分がされたとき)。
適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人と合併をした場合において、その合併が第十九条第三項の認可を経ずにその効力を生じたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その合併の不認可処分がされたとき)。
適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合において、その譲渡が第二十条第三項の認可を経ずにされたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その譲渡の不認可処分がされたとき)。
適格消費者団体が前条第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったとき。
⤏ 第二款 差止請求関係業務等
適格消費者団体は、不特定かつ多数の消費者の利益のために、差止請求権を適切に行使しなければならない。
適格消費者団体は、差止請求権を濫用してはならない。
適格消費者団体は、事案の性質に応じて他の適格消費者団体と共同して差止請求権を行使するほか、差止請求関係業務について相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。
適格消費者団体は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を他の適格消費者団体に通知するとともに、その旨 及びその内容 その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に報告しなければならない。
この場合において、当該適格消費者団体が、当該通知 及び報告に代えて、すべての適格消費者団体 及び内閣総理大臣が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置であって内閣府令で定めるものを講じたときは、当該通知 及び報告をしたものとみなす。
第四十一条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による差止請求をしたとき。
前号に掲げる場合のほか、裁判外において差止請求をしたとき。
差止請求に係る訴えの提起(和解の申立て、調停の申立て 又は仲裁合意を含む。)又は仮処分命令の申立てがあったとき。
差止請求に係る判決の言渡し(調停の成立、調停に代わる決定の告知 又は仲裁判断を含む。) 又は差止請求に係る仮処分命令の申立てについての決定の告知があったとき。
前号の判決に対する上訴の提起(調停に代わる決定に対する異議の申立て 又は仲裁判断の取消しの申立てを含む。)又は同号の決定に対する不服の申立てがあったとき。
第四号の判決(調停に代わる決定 又は仲裁判断を含む。) 又は同号の決定が確定したとき。
差止請求に係る裁判上の和解が成立したとき。
前二号に掲げる場合のほか、差止請求に係る訴訟(和解の申立てに係る手続、調停手続 又は仲裁手続を含む。) 又は差止請求に係る仮処分命令に関する手続が終了したとき。
差止請求に係る裁判外の和解が成立したとき その他差止請求に関する相手方との間の協議が調ったとき、又はこれが調わなかったとき。
差止請求に関し、請求の放棄、和解、上訴の取下げ その他の内閣府令で定める手続に係る行為であって、それにより確定判決 及びこれと同一の効力を有するものが存することとなるものをしようとするとき。
その他差止請求に関し内閣府令で定める手続に係る行為がされたとき。
内閣総理大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、すべての適格消費者団体 並びに内閣総理大臣 及び経済産業大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することできる状態に置く措置 その他の内閣府令で定める方法により、他の適格消費者団体 及び経済産業大臣に当該報告の日時 及び概要 その他内閣府令で定める事項を伝達するものとする。
適格消費者団体について、第十二条の二第一項第二号本文の確定判決等で強制執行をすることができるものが存する場合には、当該適格消費者団体は、当該確定判決等に係る差止請求権を放棄することができない。
適格消費者団体は、差止請求権の行使(差止請求権不存在等確認請求に係る訴訟を含む。第二十八条において同じ。)に関し、消費者から収集した消費者の被害に関する情報をその相手方 その他の第三者が当該被害に係る消費者を識別することができる方法で利用するに当たっては、あらかじめ、当該消費者の同意を得なければならない。
適格消費者団体の役員、職員 若しくは専門委員 又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、差止請求関係業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
適格消費者団体の差止請求関係業務に従事する者は、その差止請求関係業務を行うに当たり、相手方の請求があったときは、当該適格消費者団体の名称、自己の氏名 及び適格消費者団体における役職 又は地位 その他内閣府令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない。
適格消費者団体は、消費者の被害の防止 及び救済に資するため、消費者に対し、差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの 及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)又は裁判外の和解の内容 その他必要な情報を提供するよう努めなければならない。
適格消費者団体は、次に掲げる場合を除き、その差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を受けてはならない。
差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。以下この項において同じ。) 又は民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十三条第一項の決定により訴訟費用(和解の費用、調停手続の費用 及び仲裁手続の費用を含む。)を負担することとされた相手方から当該訴訟費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
差止請求に係る判決に基づいて民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百七十二条第一項の規定により命じられた金銭の支払として財産上の利益を受けるとき。
差止請求に係る判決に基づく強制執行の執行費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
差止請求に係る相手方の債務の履行を確保するために約定された違約金の支払として財産上の利益を受けるとき。
適格消費者団体の役員、職員 又は専門委員は、適格消費者団体の差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を受けてはならない。
適格消費者団体 又はその役員、職員 若しくは専門委員は、適格消費者団体の差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を第三者に受けさせてはならない。
前三項に規定する差止請求に係る相手方からその差止請求権の行使に関して受け 又は受けさせてはならない財産上の利益には、その相手方がその差止請求権の行使に関してした不法行為によって生じた損害の賠償として受け 又は受けさせる財産上の利益は含まれない。
適格消費者団体は、第一項各号に規定する財産上の利益を受けたときは、これに相当する金額を積み立て、これを差止請求関係業務に要する費用に充てなければならない。
適格消費者団体は、その定款において、差止請求関係業務を廃止し、又は第十三条第一項の認定の失効(差止請求関係業務の廃止によるものを除く。)若しくは取消しにより差止請求関係業務を終了した場合において、積立金(前項の規定により積み立てられた金額をいう。)に残余があるときは、その残余に相当する金額を、他の適格消費者団体(第三十五条の規定により差止請求権を承継した適格消費者団体がある場合にあっては、当該適格消費者団体)があるときは当該他の適格消費者団体に、これがないときは第十三条第三項第二号に掲げる要件に適合する消費者団体であって内閣総理大臣が指定するもの又は国に帰属させる旨を定めておかなければならない。
適格消費者団体は、その行う差止請求関係業務に支障がない限り、定款の定めるところにより、差止請求関係業務以外の業務を行うことができる。
適格消費者団体は、次に掲げる業務に係る経理をそれぞれ区分して整理しなければならない。
不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)
前二号に掲げる業務以外の業務
⤏ 第三款 監督
適格消費者団体は、内閣府令で定めるところにより、その業務 及び経理に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
適格消費者団体は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の財産目録等 及び事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項第五号 及び第五十三条第六号において「財務諸表等」という。)を作成しなければならない。
役職員等名簿(役員、職員 及び専門委員の氏名、役職 及び職業 その他内閣府令で定める事項を記載した名簿をいう。)
適格消費者団体の社員について、その数 及び個人 又は法人 その他の団体の別(社員が法人 その他の団体である場合にあっては、その構成員の数を含む。)を記載した書類
収入の明細 その他の資金に関する事項、寄附金に関する事項 その他の経理に関する内閣府令で定める事項を記載した書類
差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
何人も、適格消費者団体の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該適格消費者団体の定めた費用を支払わなければならない。
前項各号に掲げる書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
前項各号に掲げる書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって閣府令で定めるものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求
適格消費者団体は、毎事業年度終了後三月以内に、第二項第三号から第六号までに掲げる書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
内閣総理大臣は、この法律の実施に必要な限度において、適格消費者団体に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、適格消費者団体の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
内閣総理大臣は、適格消費者団体が、第十三条第三項第二号から第七号までに掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該適格消費者団体に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、前項に定めるもののほか、適格消費者団体が第十三条第五項第三号から第六号までのいずれかに該当するに至ったと認めるとき、適格消費者団体 又はその役員、職員 若しくは専門委員が差止請求関係業務の遂行に関しこの法律の規定に違反したと認めるとき、その他適格消費者団体の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該適格消費者団体に対し、人的体制の改善、違反の停止、業務規程の変更 その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、適格消費者団体について、次の各号のいずれかに掲げる事由があるときは、第十三条第一項の認定を取り消すことができる。
偽りその他不正の手段により第十三条第一項の認定、第十七条第二項の有効期間の更新 又は第十九条第三項 若しくは第二十条第三項の認可を受けたとき。
第十三条第三項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったとき。
第十三条第五項各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
第十二条の二第一項第二号本文の確定判決等に係る訴訟等の手続に関し、当該訴訟等の当事者である適格消費者団体が、差止請求に係る相手方と通謀して請求の放棄 又は不特定かつ多数の消費者の利益を害する内容の和解をしたとき、その他不特定かつ多数の消費者の利益に著しく反する訴訟等の追行を行ったと認められるとき。
第十二条の二第一項第二号本文の確定判決等に係る強制執行に必要な手続に関し、当該確定判決等に係る訴訟等の当事者である適格消費者団体がその手続を怠ったことが不特定かつ多数の消費者の利益に著しく反するものと認められるとき。
前各号に掲げるもののほか、この法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき。
当該適格消費者団体の役員、職員 又は専門委員が第二十八条第二項 又は第三項の規定に違反したとき。
適格消費者団体が、第二十三条第四項の規定に違反して同項の通知 又は報告をしないで、差止請求に関し、同項第十号に規定する行為をしたときは、内閣総理大臣は、当該適格消費者団体について前項第四号に掲げる事由があるものとみなすことができる。
第十二条の二第一項第二号本文に掲げる場合であって、当該他の適格消費者団体に係る第十三条第一項の認定が、第二十二条各号に掲げる事由により既に失効し、又は第一項各号に掲げる事由(当該確定判決等に係る訴訟等の手続に関する同項第四号に掲げる事由を除く。)若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により既に取り消されている場合においては、内閣総理大臣は、当該他の適格消費者団体につき当該確定判決等に係る訴訟等の手続に関し第一項第四号に掲げる事由があったと認められるとき(前項の規定により同号に掲げる事由があるものとみなすことができる場合を含む。)は、当該他の適格消費者団体であった法人について、その旨の認定をすることができる。
前項に規定する場合における当該他の適格消費者団体であった法人は、清算が結了した後においても、同項の規定の適用については、なお存続するものとみなす。
内閣総理大臣は、第一項各号に掲げる事由により第十三条第一項の認定を取り消し、又は第三項の規定により第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその取消し 又は認定をした日を公示するとともに、当該適格消費者団体 又は当該他の適格消費者団体であった法人に対し、その旨を書面により通知するものとする。
適格消費者団体について、第十二条の二第一項第二号本文の確定判決等で強制執行をすることができるものが存する場合において、第十三条第一項の認定が、第二十二条各号に掲げる事由により失効し、若しくは前条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により取り消されるとき、又はこれらの事由により既に失効し、若しくは既に取り消されているときは、内閣総理大臣は、当該適格消費者団体の有する当該差止請求権を承継すべき適格消費者団体として他の適格消費者団体を指定するものとする。
前項の規定による指定がされたときは、同項の差止請求権は、その指定の時において(その認定の失効 又は取消しの後にその指定がされた場合にあっては、その認定の失効 又は取消しの時にさかのぼって) その指定を受けた適格消費者団体が承継する。
前項の場合において、同項の規定により当該差止請求権を承継した適格消費者団体が当該差止請求権に基づく差止請求をするときは、第十二条の二第一項第二号本文の規定は、当該差止請求については、適用しない。
内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、第一項、第六項 又は第七項の規定による指定を受けた適格消費者団体(以下この項から第七項までにおいて「指定適格消費者団体」という。)に係る指定を取り消さなければならない。
指定適格消費者団体について、第十三条第一項の認定が、第二十二条各号に掲げる事由により失効し、若しくは既に失効し、又は前条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により取り消されるとき。
指定適格消費者団体が承継した差止請求権をその指定前に有していた者(以下この条において「従前の適格消費者団体」という。)のうち当該確定判決等の当事者であったものについて、第十三条第一項の認定の取消処分、同項の認定の有効期間の更新拒否処分 若しくは合併 若しくは事業の全部の譲渡の不認可処分(以下この条において「認定取消処分等」という。)が取り消され、又は認定取消処分等の取消し若しくはその無効 若しくは不存在の確認の判決(次項第二号において「取消判決等」という。)が確定したとき。
内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、指定適格消費者団体に係る指定を取り消すことができる。
指定適格消費者団体が承継した差止請求権に係る強制執行に必要な手続に関し、当該指定適格消費者団体がその手続を怠ったことが不特定かつ多数の消費者の利益に著しく反するものと認められるとき。
従前の適格消費者団体のうち指定適格消費者団体であったもの(当該確定判決等の当事者であったものを除く。)について、前項第一号の規定による指定の取消しの事由となった認定取消処分等が取り消され、若しくはその認定取消処分等の取消判決等が確定したとき、又は前号の規定による指定の取消処分が取り消され、若しくはその取消処分の取消判決等が確定したとき。
内閣総理大臣は、第四項第一号 又は前項第一号に掲げる事由により指定適格消費者団体に係る指定を取り消し、又は既に取り消しているときは、当該指定適格消費者団体の承継していた差止請求権を承継すべき適格消費者団体として他の適格消費者団体を新たに指定するものとする。
内閣総理大臣は、第四項第二号 又は第五項第二号に掲げる事由により指定適格消費者団体に係る指定を取り消すときは、当該指定適格消費者団体の承継していた差止請求権を承継すべき適格消費者団体として当該従前の適格消費者団体を新たに指定するものとする。
前二項の規定による新たな指定がされたときは、前二項の差止請求権は、その新たな指定の時において(従前の指定の取消し後に新たな指定がされた場合にあっては、従前の指定の取消しの時(従前の適格消費者団体に係る第十三条第一項の認定の失効後に従前の指定の取消し 及び新たな指定がされた場合にあっては、その認定の失効の時)にさかのぼって)その新たな指定を受けた適格消費者団体が承継する。
第三項の規定は、前項の場合において、同項の規定により当該差止請求権を承継した適格消費者団体が当該差止請求権に基づく差止請求をするときについて準用する。
内閣総理大臣は、第一項、第六項 又は第七項の規定による指定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその指定の日を公示するとともに、その指定を受けた適格消費者団体に対し、その旨を書面により通知するものとする。
第四項 又は第五項の規定により当該指定を取り消したときも、同様とする。
⤏ 第四款 補則
適格消費者団体は、これを政党 又は政治的目的のために利用してはならない。
内閣総理大臣は、この法律の実施のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体 その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
次の各号に掲げる者は、適格消費者団体についてそれぞれ当該各号に定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、内閣総理大臣が当該適格消費者団体に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、内閣総理大臣に対し、その旨の意見を述べることができる。
経済産業大臣
第十三条第三項第二号に掲げる要件に適合しない事由 又は第三十四条第一項第四号に掲げる事由
警察庁長官
第十三条第五項第三号、第四号 又は第六号ハに該当する事由
内閣総理大臣は、消費者の被害の防止 及び救済に資するため、適格消費者団体から第二十三条第四項第四号から第九号まで 及び第十一号の規定による報告を受けたときは、インターネットの利用 その他適切な方法により、速やかに、差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)又は裁判外の和解の概要、当該適格消費者団体の名称 及び当該差止請求に係る相手方の氏名 又は名称 その他内閣府令で定める事項を公表するものとする。
前項に規定する事項のほか、内閣総理大臣は、差止請求関係業務に関する情報を広く国民に提供するため、インターネットの利用 その他適切な方法により、適格消費者団体の名称 及び住所 並びに差止請求関係業務を行う事務所の所在地 その他内 閣府令で定める必要な情報を公表することができる。
内閣総理大臣は、独立行政法人国民生活センターに、前二項の情報の公表に関する業務を行わせることができる。
独立行政法人国民生活センター 及び地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、適格消費者団体の求めに応じ、当該適格消費者団体が差止請求権を適切に行使するために必要な限度において、当該適格消費者団体に対し、消費生活相談 及び消費者紛争(独立行政法人国民生活センター法(平成十四年法律第百二十三号)第一条の二第一項に規定する消費者紛争をいう。)に関する情報で内閣府令で定めるものを提供することができる。
前項の規定により情報の提供を受けた適格消費者団体は、当該情報を当該差止請求権の適切な行使の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。