総務大臣は、本邦に居住している者として政令で定める者について、人 及び世帯に関する全数調査を行い、これに基づく統計(以下この条において「国勢統計」という。)を作成しなければならない。
統計法
第二章 公的統計の作成
第一節 基幹統計
総務大臣は、前項に規定する全数調査(以下「国勢調査」という。)を十年ごとに行い、国勢統計を作成しなければならない。
ただし、当該国勢調査を行った年から五年目に当たる年には簡易な方法による国勢調査を行い、国勢統計を作成するものとする。
総務大臣は、前項に定めるもののほか、必要があると認めるときは、臨時の国勢調査を行い、国勢統計を作成することができる。
内閣総理大臣は、国際連合の定める国民経済計算の体系に関する基準に準拠し、国民経済計算の作成基準(以下この条において単に「作成基準」という。)を定め、これに基づき、毎年少なくとも一回、国民経済計算を作成しなければならない。
内閣総理大臣は、作成基準を定めようとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
内閣総理大臣は、作成基準を定めたときは、これを公示しなければならない。
これを変更したときも、同様とする。
総務大臣は、第二条第四項第三号の規定による指定(以下この条において単に「指定」という。)をしようとするときは、あらかじめ、当該行政機関の長に協議するとともに、統計委員会の意見を聴かなければならない。
総務大臣は、指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
前二項の規定は、指定の変更 又は解除について準用する。
行政機関の長は、基幹統計を作成したときは、速やかに、当該基幹統計 及び基幹統計に関し政令で定める事項をインターネットの利用 その他の適切な方法により公表しなければならない。
行政機関の長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該基幹統計の公表期日 及び公表方法を定め、インターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。
行政機関の長は、国民が基幹統計に関する情報を常に容易に入手することができるよう、当該情報の長期的かつ体系的な保存 その他の適切な措置を講ずるものとする。
第二節 統計調査
⤏ 第一款 基幹統計調査
行政機関の長は、基幹統計調査を行おうとするときは、あらかじめ、総務大臣の承認を受けなければならない。
前項の承認を受けようとする行政機関の長は、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。
調査の名称 及び目的
調査対象の範囲
報告を求める事項 及びその基準となる期日 又は期間
報告を求める個人 又は法人 その他の団体
報告を求めるために用いる方法
報告を求める期間
集計事項
調査結果の公表の方法 及び期日
使用する統計基準 その他総務省令で定める事項
前項の申請書には、調査票 その他総務省令で定める書類を添付しなければならない。
総務大臣は、第一項の承認の申請があったときは、統計委員会の意見を聴かなければならない。
ただし、統計委員会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。
総務大臣は、前条第一項の承認の申請に係る基幹統計調査が次に掲げる要件のすべてに適合していると認めるときは、同項の承認をしなければならない。
前条第二項第二号から第六号までに掲げる事項が当該基幹統計の作成の目的に照らして必要かつ十分なものであること。
統計技術的に合理的かつ妥当なものであること。
他の基幹統計調査との間の重複が合理的と認められる範囲を超えていないものであること。
行政機関の長は、第九条第一項の承認を受けた基幹統計調査を変更し、又は中止しようとするときは、あらかじめ、総務大臣の承認を受けなければならない。
第九条第四項の規定は前項に規定する基幹統計調査の変更及び中止の承認について、前条の規定は同項に規定する基幹統計調査の変更の承認について準用する。
総務大臣は、第九条第一項の承認に基づいて行われている基幹統計調査が第十条各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該行政機関の長に対し、当該基幹統計調査の変更 又は中止を求めることができる。
総務大臣は、前項の規定による変更 又は中止の求めをしようとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。
行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人 又は法人 その他の団体に対し報告を求めることができる。
前項の規定により報告を求められた個人 又は法人 その他の団体は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。
第一項の規定により報告を求められた個人が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。
行政機関の長は、その行う基幹統計調査の実施のため必要があるときは、統計調査員を置くことができる。
行政機関の長は、その行う基幹統計調査の正確な報告を求めるため必要があると認めるときは、当該基幹統計調査の報告を求められた個人 又は法人 その他の団体に対し、その報告に関し資料の提出を求め、又はその統計調査員 その他の職員に、必要な場所に立ち入り、帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入検査をする統計調査員 その他の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
基幹統計調査に関する事務の一部は、政令で定めるところにより、地方公共団体の長 又は教育委員会が行うこととすることができる。
何人も、国勢調査 その他の基幹統計調査の報告の求めであると人を誤認させるような表示 又は説明をすることにより、当該求めに対する報告として、個人 又は法人 その他の団体の情報を取得してはならない。
⤏ 第二款 一般統計調査
行政機関の長は、一般統計調査を行おうとするときは、あらかじめ、総務大臣の承認を受けなければならない。
第九条第二項 及び第三項の規定は、前項の承認について準用する。
総務大臣は、前条第一項の承認の申請に係る一般統計調査が次に掲げる要件のすべてに適合していると認めるときは、同項の承認をしなければならない。
統計技術的に合理的かつ 妥当なものであること。
行政機関が行う他の統計調査との間の重複が合理的と認められる範囲を超えていないものであること。
行政機関の長は、第十九条第一項の承認を受けた一般統計調査を変更しようとするときは、あらかじめ、総務大臣の承認を受けなければならない。
ただし、総務省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
前条の規定は、前項に規定する一般統計調査の変更の承認について準用する。
行政機関の長は、第十九条第一項の承認を受けた一般統計調査を中止しようとするときは、あらかじめ、総務大臣にその旨を通知しなければならない。
総務大臣は、第十九条第一項の承認に基づいて行われている一般統計調査が第二十条各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該行政機関の長に対し、報告を求める事項の変更 その他当該要件に適合するために必要な措置をとるべきことを求めることができる。
総務大臣は、前項の行政機関の長が同項の規定による求めに応じなかったときは、当該一般統計調査の中止を求めることができる。
行政機関の長は、一般統計調査の結果を作成したときは、速やかに、当該一般統計調査の結果 及び一般統計調査に関し政令で定める事項をインターネットの利用 その他の適切な方法により公表しなければならない。
ただし、特別の事情があるときは、その全部 又は一部を公表しないことができる。
第八条第三項の規定は、一般統計調査の結果に関する情報について準用する。
⤏ 第三款 指定地方公共団体又は指定独立行政法人等が行う統計調査
地方公共団体(地方公共団体の規模を勘案して政令で定めるものに限る。以下「指定地方公共団体」という。)の長 その他の執行機関は、統計調査を行おうとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を総務大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
調査の名称 及び目的
調査対象の範囲
報告を求める事項 及びその基準となる期日 又は期間
報告を求める個人 又は法人 その他の団体
報告を求めるために用いる方法
報告を求める期間
総務大臣は、前項の規定による届出のあった統計調査が基幹統計調査の実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該指定地方公共団体の長 その他の執行機関に対し、当該届出のあった統計調査の変更 又は中止を求めることができる。
独立行政法人等(その業務の内容 その他の事情を勘案して大規模な統計調査を行うことが想定されるものとして政令で定めるものに限る。以下「指定独立行政法人等」という。)は、統計調査を行おうとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、前条第一項各号に掲げる事項を総務大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
第三節 雑則
行政機関の長は、統計調査以外の方法により基幹統計を作成する場合には、その作成の方法について、あらかじめ、総務大臣に通知しなければならない。
当該作成の方法を変更しようとするとき(政令で定める軽微な変更をしようとするときを除く。)も、同様とする。
総務大臣は、前項の規定による通知があった基幹統計の作成の方法を改善する必要があると認めるときは、当該行政機関の長に意見を述べることができる。
総務大臣は、前項の規定により意見を述べようとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。
総務大臣は、行政機関等による正確かつ効率的な統計の作成 及び統計調査 その他の統計を作成するための調査における被調査者(当該調査の報告を求められる個人 又は法人 その他の団体をいう。第二十九条第一項において同じ。)の負担の軽減に資することを目的として、基幹統計調査 又は一般統計調査に係る調査票情報の利用、法人 その他の団体に対する照会 その他の方法により、事業所母集団データベースを整備するものとする。
行政機関の長、地方公共団体の長 その他の執行機関 又は独立行政法人等は、次に掲げる目的のため、総務大臣から事業所母集団データベースに記録されている情報の提供を受けることができる。
その行う事業所に関する統計調査 その他の事業所に関する統計を作成するための調査の対象の抽出
その行う事業所に関する統計の作成
総務大臣は、政令で定めるところにより、統計基準を定めなければならない。
総務大臣は、前項の統計基準を定めようとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。
これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
総務大臣は、第一項の統計基準を定めたときは、これを公示しなければならない。
これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。
行政機関の長は、他の行政機関が保有する行政記録情報を用いることにより正確かつ効率的な統計の作成 又は統計調査 その他の統計を作成するための調査における被調査者の負担の軽減に相当程度寄与すると認めるときは、当該行政記録情報を保有する行政機関の長に対し、その提供を求めることができる。
この場合において、行政記録情報の提供を求める行政機関の長は、当該行政記録情報を保有する行政機関の長に対し、利用目的 その他の政令で定める事項を明示しなければならない。
行政機関の長は、前項に定めるもののほか、基幹統計調査を円滑に行うためその他基幹統計を作成するため必要があると認めるときは、他の行政機関の長に対し、必要な資料の提供、調査、報告 その他の協力を求めることができる。
行政機関の長は、前項の規定による求めを行った場合において、他の行政機関の長の協力が得られなかったときは、総務大臣に対し、その旨を通知するものとする。
行政機関の長は、前条第一項 及び第二項に定めるもののほか、基幹統計調査を円滑に行うためその他基幹統計を作成するため必要があると認めるときは、地方公共団体の長 その他の執行機関、独立行政法人等 その他の関係者 又はその他の個人 若しくは法人 その他の団体(次項において「被要請者」という。)に対し、必要な資料の提供、調査、報告 その他の協力を求めることができる。
行政機関の長は、前項の規定による求めを行った場合において、被要請者の協力を得られなかったときは、総務大臣に対し、その旨を通知するものとする。
総務大臣は、第二十九条第三項 又は前条第二項の規定による通知があった場合において、基幹統計調査を円滑に行うためその他基幹統計を作成するため必要があると認めるときは、当該基幹統計を作成する行政機関以外の行政機関の長、地方公共団体の長 その他の執行機関、独立行政法人等 その他の関係者 又はその他の個人 若しくは法人 その他の団体に対し、当該基幹統計を作成する行政機関の長への必要な資料の提供、調査、報告 その他の協力を行うよう求めることができる。
総務大臣は、前項の規定による求めを行おうとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。