農林水産大臣は、食品等の流通の合理化に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律
第二章 食品等の流通の合理化のための措置
第一節 食品等の流通の合理化に関する基本方針
食品等の流通の合理化を図る事業(以下「食品等流通合理化事業」という。)を実施しようとする者が講ずべき次に掲げる措置に関する事項
イから ニまでに掲げるもののほか、食品等の流通の合理化のために必要な措置
前号に掲げるもののほか、食品等の流通の合理化に関し必要な事項
農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議し、かつ、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くものとする。
農林水産大臣は、第一項の規定により基本方針を定め、又は第三項の規定によりこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
第二節 食品等流通合理化計画
食品等流通合理化事業を実施しようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、単独で又は共同して、その実施しようとする食品等流通合理化事業に関する計画(以下「食品等流通合理化計画」という。)を作成し、これを農林水産大臣に提出して、その認定を受けることができる。
食品等流通合理化計画においては、次に掲げる事項を記載しなければならない。
農林水産大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、当該食品等流通合理化計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
当該食品等流通合理化事業が確実に実施されると見込まれるものであること。
農林水産大臣は、第一項の認定の申請があったときは、遅滞なく、その内容を当該申請に係る食品等流通合理化計画の対象となる事業を所管する大臣(次項において「事業所管大臣」という。)に通知するものとする。
事業所管大臣は、前項の規定による通知を受けた場合において、必要があると認めるときは、農林水産大臣に対して意見を述べることができる。
食品等流通合理化計画につき前条第一項の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)は、当該認定に係る食品等流通合理化計画を変更しようとするときは、農林水産大臣の認定を受けなければならない。
農林水産大臣は、認定事業者が前条第一項の認定に係る食品等流通合理化計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に従って食品等流通合理化事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
前条第三項から 第五項までの規定は、第一項の規定による変更の認定について準用する。
第三節 支援措置
⤏ 第一款 株式会社日本政策金融公庫の行う食品等流通合理化事業促進業務
株式会社日本政策金融公庫(以下「公庫」という。)は、株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号。以下「公庫法」という。)第十一条に規定する業務のほか、認定事業者であって次の各号に掲げる者に該当するものに対し、食料の安定供給の確保 又は農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金であって認定計画に従って食品等流通合理化事業を実施するために必要なものであり、かつ、それぞれ当該各号に定めるもの(他の金融機関が融通することを困難とするものに限る。)のうち農林水産大臣 及び財務大臣の指定するものの貸付けの業務を行うことができる。
中小企業者(公庫法第二条第三号に規定する中小企業者をいう。次条第一項において同じ。) その償還期限が十年を超える資金
農林漁業者 又は その組織する法人(これらの者の出資 又は拠出に係る法人を含む。)であって農林水産省令・財務省令で定めるものこれらの者が資本市場から調達することが困難な資金
前項に規定する資金の貸付けの利率、償還期限 及び据置期間については、政令で定める範囲内で、公庫が定める。
第一項の規定により公庫が行う同項に規定する資金の貸付けについての公庫法第十一条第一項第六号、第十二条第一項、第三十一条第二項第一号ロ、第四十一条第二号、第五十三条、第五十八条、第五十九条第一項、第六十四条第一項第四号、第七十三条第三号 及び別表第二第九号の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる公庫法の規定中 同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第十一条第一項第六号 | 掲げる業務 | 掲げる業務 及び食品等の流通の合理化 及び取引の適正化に関する法律(平成三年法律第五十九号。以下「食品等流通法」という。)第七条第一項に規定する業務 |
第十二条第一項 | 掲げる業務 | 掲げる業務 及び食品等流通法第七条第一項に規定する業務 |
第三十一条第二項第一号ロ 及び第四十一条第二号 | 又は別表第二第二号に掲げる業務 | 若しくは別表第二第二号に掲げる業務 又は食品等流通法第七条第一項に規定する業務 |
同項第五号 | 食品等流通法第七条第一項に規定する業務 並びに第十一条第一項第五号 | |
第五十三条 | 同項第五号 | 食品等流通法第七条第一項に規定する業務 並びに第十一条第一項第五号 |
第五十八条 及び第五十九条第一項 | この法律 | この法律、食品等流通法 |
第六十四条第一項第四号 | 又は別表第二第二号に掲げる業務 | 若しくは別表第二第二号に掲げる業務 又は食品等流通法第七条第一項に規定する業務 |
同項第五号 | 食品等流通法第七条第一項に規定する業務 並びに第十一条第一項第五号 | |
第七十三条第三号 | 第十一条 | 第十一条 及び食品等流通法第七条第一項 |
別表第二第九号 | 又は別表第一第一号から 第十四号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務 | 若しくは別表第一第一号から 第十四号までの下欄に掲げる資金の貸付けの業務 又は食品等流通法第七条第一項に規定する業務 |
公庫は、公庫法第十一条の規定にかかわらず、認定事業者(中小企業者 及び海外におけるこれに準ずるものとして農林水産省令・経済産業省令・財務省令で定めるものに限る。)が認定計画に従って海外において食品等流通合理化事業を実施するために必要な長期の資金の借入れ(外国の銀行 その他の金融機関のうち農林水産省令・経済産業省令・財務省令で定めるものからの借入れに限る。)に係る債務の保証(債務を負担する行為であって債務の保証に準ずるものを含む。)を行うことができる。
前項に規定する債務の保証は、公庫法の適用については、公庫法第十一条第一項第二号の規定による公庫法別表第二第四号の下欄に掲げる業務とみなす。
⤏ 第二款 株式会社農林漁業成長産業化支援機構の行う食品等流通合理化事業支援業務
株式会社農林漁業成長産業化支援機構(以下「支援機構」という。)は、株式会社農林漁業成長産業化支援機構法(平成二十四年法律第八十三号。第十二条において「支援機構法」という。)第二十一条第一項第一号から 第十五号までに掲げる業務のほか、次に掲げる業務を営むことができる。
支援対象認定事業者(認定事業者のうち第十一条第一項の規定により支援の対象となったものをいう。以下この条において同じ。)に対する出資
支援対象食品等流通合理化事業支援団体(認定事業者に対し資金供給 その他の支援を行う団体(以下「食品等流通合理化事業支援団体」という。)のうち第十一条第一項の規定により支援の対象となったものをいう。次号 及び第八号において同じ。)に対する出資
支援対象食品等流通合理化事業支援団体に対する基金(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百三十一条に規定する基金をいう。)の拠出
支援対象認定事業者が発行する有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券 及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう。以下 この号において同じ。)及び支援対象認定事業者が保有する有価証券の取得
前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉 及び調査
食品等流通合理化事業 及び認定事業者に対し資金供給 その他の支援を行う事業活動(次条第一項において「食品等流通合理化事業等」という。)を推進するために必要な調査 及び情報の提供
前各号に掲げる業務に附帯する業務
農林水産大臣は、支援機構が食品等流通合理化事業等の支援(前条第一号から 第七号までに掲げる業務によりされるものに限る。以下「食品等流通合理化事業等支援」という。)の対象となる認定事業者 又は食品等流通合理化事業支援団体 及び当該食品等流通合理化事業等支援の内容を決定するに当たって従うべき基準(以下「食品等流通合理化事業等支援基準」という。)を定めるものとする。
農林水産大臣は、食品等流通合理化事業等支援基準を定めようとするときは、あらかじめ、食品等流通合理化事業等支援の対象となる活動に係る事業を所管する大臣(次条第三項 及び第四項において「事業所管大臣」という。)の意見を聴くものとする。
支援機構は、食品等流通合理化事業等支援をするかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣の認可を受けるものとする。
農林水産大臣は、前項の認可の申請があったときは、遅滞なく、その内容を事業所管大臣に通知するものとする。
事業所管大臣は、前項の規定による通知を受けた場合において、当該認定事業者 又は食品等流通合理化事業支援団体の属する事業分野の実態を考慮して必要があると認めるときは、農林水産大臣に対して意見を述べることができる。
第九条の規定により支援機構が営む同条各号に掲げる業務についての支援機構法第六条第一項第六号、第十五条第一項第一号 及び第二号 並びに第三項、第二十一条第一項第十六号、第二十四条、第二十五条第一項 及び第二項、第二十六条、第二十七条、第三十四条、第三十七条、第三十九条第一項、第二項 及び第五項、第四十条、第四十六条、第四十七条 並びに第四十八条第五号 及び第九号の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる支援機構法の規定中 同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とし、支援機構法第十五条第二項の規定は、適用しない。
第六条第一項第六号 | 業務 | 業務及び食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律(平成三年法律第五十九号。以下「食品等流通法」という。)第九条各号に掲げる業務 |
第十五条第一項第一号 | 第二十一条第一項第八号 | 第二十一条第一項第八号及び食品等流通法第九条第八号 |
第十五条第一項第二号 | 内容 | 内容並びに食品等流通合理化事業等支援(食品等流通法第十条第一項に規定する食品等流通合理化事業等支援をいう。以下この号及び第二十七条において同じ。)の対象となる認定事業者(食品等流通法第六条第一項に規定する認定事業者をいう。第二十四条第一項第二号及び第四十条において同じ。)又は食品等流通合理化事業支援団体(食品等流通法第九条第二号に規定する食品等流通合理化事業支援団体をいう。第四十条において同じ。)及び当該食品等流通合理化事業等支援の内容 |
第十五条第三項 | 支援対象事業活動支援団体 | 支援対象事業活動支援団体並びに食品等流通法第九条第一号に規定する支援対象認定事業者(以下「支援対象認定事業者」という。)及び同条第二号に規定する支援対象食品等流通合理化事業支援団体(以下「支援対象食品等流通合理化事業支援団体」という。) |
第二十一条第一項第十六号 | 前各号 | 前各号及び食品等流通法第九条各号 |
第二十四条第一項 | 前条第一項 | 前条第一項又は食品等流通法第十一条第一項 |
第二十四条第一項第一号 | とき | とき又は支援対象認定事業者が食品等流通合理化事業(食品等流通法第四条第二項第一号に規定する食品等流通合理化事業をいう。第二十七条及び第四十条において同じ。)を行わないとき |
第二十四条第一項第二号 | とき | とき又は支援対象食品等流通合理化事業支援団体が認定事業者に対し資金供給その他の支援を行わないとき |
第二十四条第一項第三号及び第二項並びに第二十五条第一項及び第二項 | 又は支援対象事業活動支援団体 | 若しくは支援対象事業活動支援団体又は支援対象認定事業者若しくは支援対象食品等流通合理化事業支援団体 |
第二十六条 | 支援対象事業活動支援団体 | 支援対象事業活動支援団体並びに支援対象認定事業者及び支援対象食品等流通合理化事業支援団体 |
第二十七条 | 寄与する事業 | 寄与する事業及び食品等流通合理化事業等支援その他の食品等流通合理化事業の円滑かつ確実な実施に寄与する事業 |
第三十四条 | この法律 | この法律又は食品等流通法 |
第三十七条 | 業務 | 業務及び食品等流通法第九条各号に掲げる業務 |
第三十九条第一項 | この法律 | この法律又は食品等流通法 |
第三十九条第二項 | この法律 | この法律又は食品等流通法 |
支援対象事業活動支援団体 | 支援対象事業活動支援団体若しくは支援対象食品等流通合理化事業支援団体 | |
第三十九条第五項 | 支援対象事業活動支援団体 | 支援対象事業活動支援団体又は支援対象食品等流通合理化事業支援団体 |
第四十条 | 、対象事業活動 | 、対象事業活動及び食品等流通合理化事業 |
対象事業活動支援団体 | 対象事業活動支援団体並びに認定事業者及び食品等流通合理化事業支援団体 | |
第四十六条 | 第三十九条第一項 | 食品等流通法第十二条の規定により読み替えて適用する第三十九条第一項 |
第四十七条 | 第三十九条第二項 | 食品等流通法第十二条の規定により読み替えて適用する第三十九条第二項 |
第四十八条第五号 | 第二十五条第一項 | 食品等流通法第十二条の規定により読み替えて適用する第二十五条第一項 |
第四十八条第九号 | 第三十四条第二項 | 食品等流通法第十二条の規定により読み替えて適用する第三十四条第二項 |
⤏ 第三款 雑則
第四節 食品等流通合理化促進機構
農林水産大臣は、食品等の流通の合理化を促進することを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であって、次条各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、食品等流通合理化促進機構(以下「促進機構」という。)として指定することができる。
農林水産大臣は、前項の規定による指定(第二十五条において「指定」という。)をしたときは、当該促進機構の名称、住所 及び事務所の所在地を官報で公示するものとする。
促進機構は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
農林水産大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示するものとする。
認定計画に係る食品等流通合理化事業(次号において「認定食品等流通合理化事業」という。)に必要な資金の借入れに係る債務を保証すること。
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
促進機構は、農林水産大臣の認可を受けて、前条第一号に掲げる業務(債務の保証の決定を除く。)の一部を金融機関に委託することができる。
金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
促進機構は、第十七条第一号に掲げる業務(以下「債務保証業務」という。)を行うときは、債務保証業務の開始前に、債務保証業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
農林水産大臣は、前項の認可をした業務規程が債務保証業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
促進機構は、毎事業年度、農林水産省令で定めるところにより、事業計画 及び収支予算を作成し、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
促進機構は、債務保証業務を行う場合には、債務保証業務に係る経理と その他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
前二条に定めるもののほか、促進機構が債務保証業務を行う場合における促進機構の財務 及び会計に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
農林水産大臣は、第十七条各号に掲げる業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、促進機構に対し、当該業務 若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は当該職員に、促進機構の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
農林水産大臣は、第十七条各号に掲げる業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、促進機構に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
農林水産大臣は、促進機構が次の各号のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことができる。
第十七条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
この節の規定 又は当該規定に基づく命令 若しくは処分に違反したとき。
第十九条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで債務保証業務を行ったとき。
農林水産大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を官報で公示するものとする。
農林水産大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議するものとする。
第十八条第一項、第十九条第一項 又は第二十条第一項の認可をしようとするとき。
第二十条第二項の承認をしようとするとき。
第二十二条の農林水産省令を定めようとするとき。