職員団体等に対する法人格の付与に関する法律

# 昭和五十三年法律第八十号 #

第二章 職員団体等に対する法人格の付与

分類 法律
カテゴリ   国家公務員
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 05月15日 17時54分


第一節 法人格の取得等

1項

次の各号に掲げる職員団体は、法人となる旨を当該各号に定める機関(以下「登録機関」という。)に申し出ることにより法人となることができる。

一 号

国家公務員法第百八条の三の規定により登録された職員団体

人事院

二 号

裁判所職員臨時措置法において準用する国家公務員法第百八条の三の規定により登録された職員団体

最高裁判所

三 号

地方公務員法第五十三条の規定により登録された職員団体

当該登録を受けた地方公共団体の人事委員会 又は公平委員会

2項

職員団体等(前項各号に掲げる職員団体を除く次条から第十条までにおいて同じ。)で、規約について認証機関の認証を受けたものは、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて法人となる。

1項

規約について認証を受けようとする職員団体等は、命令(第九条第一号 又は第五号の職員団体等に係る事項については人事院規則とし、同条第二号 又は第六号の職員団体等に係る事項については最高裁判所規則とする。以下同じ。)で定めるところにより、申請書 及び規約を認証機関に提出しなければならない。

1項

認証機関は、前条の規定による申請があつた場合において、当該規約が次の各号に掲げる要件に該当するときは、次条の規定により認証を拒否する場合を除き、命令で定めるところにより、当該規約を認証し、当該職員団体等にその旨を通知しなければならない。

一 号
少なくとも次に掲げる事項が記載されていること。
名称
目的 及び業務
主たる事務所の所在地
構成員の範囲 及びその資格の得喪に関する事項
重要な財産の得喪 その他資産に関する事項
理事 その他の役員に関する事項
業務執行、会議 及び投票に関する事項
経費 及び会計に関する事項
規約の変更に関する事項
解散に関する事項
二 号

規約の変更、役員の選挙 及び解散が、すべての構成員が平等に参加する機会を有する直接かつ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続が定められていること。


ただし、連合団体でない職員団体等で全国的規模をもつもの 又は連合団体である職員団体等にあつては、すべての構成員が平等に参加する機会を有する地域 若しくは職域ごと 又は構成団体ごとの直接かつ秘密の投票による投票者の過半数で代議員を選挙し、この代議員の全員が平等に参加する機会を有する直接かつ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続が定められていることをもつて足りる。

三 号

会計報告は、構成員によつて委嘱された公認会計士(外国公認会計士を含む。)又は監査法人の監査証明とともに少なくとも毎年一回構成員に公表されることとされていること。

1項

認証機関は、規約に法令の規定に違反する事項が記載されているとき、又は当該職員団体等が、第八条の規定により認証を取り消され、その取消しの効力が生じた日から三年を経過しないものであるときは、認証を拒否しなければならない。

1項

職員団体等は、第五条の規定により認証を受けた規約の記載事項に変更があつたときは、命令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を認証機関に届け出なければならない。

1項

認証機関は、次の各号いずれかに該当する場合においては、命令で定めるところにより、第五条の規定による認証を取り消すことができる。

一 号

国家公務員職員団体 又は地方公務員職員団体が一般職の国家公務員、裁判所職員 又は非現業の一般職の地方公務員が組織する団体 又はその連合体でなくなつたとき(混合連合団体となつた場合を除く)。

二 号

混合連合団体の構成員の総員中一般職の国家公務員の数、裁判所職員の数 及び非現業の一般職の地方公務員の数の合計数が過半数を占めなくなつたとき。

三 号

規約に、構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とする旨を定めた規定が存しなくなつたとき(団体の活動として規約に定める目的を著しく逸脱する行為等を継続し、又は反覆することにより、構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的としていると認められなくなつたときを含む。)。

四 号
その他当該職員団体等が職員団体等でなくなつたとき。
五 号

規約が第五条各号に掲げる要件に該当しないものとなつたとき、又は規約に法令の規定に違反する事項が記載されるに至つたとき。

六 号

当該職員団体等について規約の規定中第五条第二号 又は第三号に規定する手続等に係る部分に適合しない事実があつたとき。

2項

前項の規定による認証の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該職員団体等から請求があつたときは、公開により行わなければならない。

3項

第一項の規定による認証の取消しは、当該処分の取消しの訴えを提起することができる期間内 及び当該処分の取消しの訴えの提起があつたときは当該訴訟が裁判所に係属する間は、その効力を生じない。

1項

この法律における認証機関は、次の各号に掲げる職員団体等の区分に応じ、当該各号に掲げる機関とする。

一 号

一般職の国家公務員が組織する国家公務員職員団体

人事院

二 号

裁判所職員が組織する国家公務員職員団体

最高裁判所

三 号

の地方公共団体に属する非現業の一般職の地方公務員が組織する地方公務員職員団体

当該地方公共団体の人事委員会 又は公平委員会

四 号

前号の地方公務員職員団体以外の地方公務員職員団体

政令で定める人事委員会 又は公平委員会

五 号

一般職の国家公務員の数と裁判所職員の数の合計数が非現業の一般職の地方公務員の数以上である混合連合団体で、一般職の国家公務員の数が裁判所職員の数以上であるもの 及び全国的な組織を有する混合連合団体で、これを直接 又は間接に構成する団体に国家公務員職員団体を含むもの(次号の混合連合団体を除く

人事院

六 号

一般職の国家公務員の数と裁判所職員の数の合計数が非現業の一般職の地方公務員の数以上である混合連合団体で、裁判所職員の数が一般職の国家公務員の数を超えるもの 及び全国的な組織を有する混合連合団体で、これを直接 又は間接に構成する団体に裁判所職員が組織する国家公務員職員団体を含むもの(これを直接 又は間接に構成する団体に国家公務員職員団体を含み、かつ、一般職の国家公務員の数が裁判所職員の数以上であるものを除く

最高裁判所

七 号

前二号の混合連合団体以外の混合連合団体

政令で定める人事委員会 又は公平委員会

1項
認証機関は、職員団体等に対し、当該職員団体等に係るこの法律の規定に基づく事務に関し必要な限度において、報告 又は資料の提出を求めることができる。
2項
認証機関は、この法律の規定に基づく事務に関し必要があると認めるときは、国 又は地方公共団体の関係機関に対し、事実の証明、資料の提供 その他必要な協力を求めることができる。
1項

法人である職員団体等は、設立の時 及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。


ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時 及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。

2項
法人である職員団体等は、構成員名簿を備え置き、構成員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。
1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号第四条 及び第七十八条の規定は、法人である職員団体等について準用する。

第二節 機関

1項

法人である職員団体等には、一人 又は二人以上の理事を置かなければならない。

2項

理事が二人以上ある場合において、規約に別段の定めがないときは、法人である職員団体等の事務は、理事の過半数で決する。

1項

理事は、法人である職員団体等のすべての事務について、法人である職員団体等を代表する。


ただし、規約の規定に反することはできず、また、総会の決議に従わなければならない。

1項

理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

1項
理事は、規約 又は総会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
1項

法人である職員団体等と理事との利益が相反する事項については、理事は、代理権を有しない。


この場合においては、裁判所は、利害関係人 又は検察官の請求により、特別代理人を選任しなければならない。

1項

法人である職員団体等には、規約 又は総会の決議で、一人 又は二人以上の監事を置くことができる。

1項
監事の職務は、次のとおりとする。
一 号
法人である職員団体等の財産の状況を監査すること。
二 号
理事の業務の執行の状況を監査すること。
三 号
財産の状況 又は業務の執行について、法令 若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会に報告をすること。
四 号

前号の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。

1項

法人である職員団体等の理事は、少なくとも毎年一回、構成員の通常総会を開かなければならない。

1項
法人である職員団体等の理事は、必要があると認めるときは、いつでも臨時総会を招集することができる。
2項

総構成員の五分の一以上から会議の目的である事項を示して請求があつたときは、理事は、臨時総会を招集しなければならない。


ただし、総構成員の五分の一の割合については、規約でこれと異なる割合を定めることができる。

1項

総会の招集の通知は、総会の日より少なくとも五日前に、その会議の目的である事項を示し、規約で定めた方法に従つてしなければならない。

1項

法人である職員団体等の事務は、規約で理事 その他の役員に委任したものを除き、すべて総会の決議によつて行う。

1項

総会においては、第二十二条の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。


ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

1項
各構成員の表決権は、平等とする。
2項
総会に出席しない構成員は、書面で、又は代理人によつて表決をすることができる。
3項

前二項の規定は、規約に別段の定めがある場合には、適用しない

1項
法人である職員団体等と特定の構成員との関係について議決をする場合には、その構成員は、表決権を有しない。

第三節 解散及び清算

1項

法人である職員団体等は、次に掲げる事由によつて解散する。

一 号
規約で定めた解散事由の発生
二 号
破産手続開始の決定
三 号

法人である登録職員団体にあつては、国家公務員法第百八条の三第六項裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)又は地方公務員法第五十三条第六項の規定による登録の取消し

四 号

法人である認証職員団体等にあつては、第八条第一項の規定による認証の取消し

五 号
総会の決議
六 号
構成員が欠けたこと。
1項

法人である職員団体等がその債務につきその財産をもつて完済することができなくなつた場合には、裁判所は、理事 若しくは債権者の申立てにより 又は職権で、破産手続開始の決定をする。

2項

前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

1項
解散した法人である職員団体等は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
1項

法人である職員団体等が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。


ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は総会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。

1項

前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を選任することができる。

1項

重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を解任することができる。

1項
清算人の職務は、次のとおりとする。
一 号
現務の結了
二 号

債権の取立て 及び債務の弁済

三 号
残余財産の引渡し
2項

清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

1項

清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。


この場合において、その期間は、二月を下ることができない

2項

前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。


ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない

3項

清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4項

第一項の公告は、官報に掲載してする。

1項

前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、法人である職員団体等の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

1項

清算中に法人である職員団体等の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。

2項
清算人は、清算中の法人である職員団体等が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3項

前項に規定する場合において、清算中の法人である職員団体等が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

4項

第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。

1項
解散した法人である職員団体等の財産は、規約で指定した者に帰属する。
2項
規約で権利の帰属すべき者を指定せず、又はその者を指定する方法を定めなかつたときは、理事は、総会の決議を経て、当該法人である職員団体等の目的に類似する目的のために、その財産を処分することができる。
3項

前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

1項
法人である職員団体等の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。
2項

裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

1項

清算が結了したときは、清算人は、その旨を登録認証機関(法人である登録職員団体にあつては登録機関、法人である認証職員団体等にあつては認証機関をいう。第五十条において同じ。)に届け出なければならない。

1項

次に掲げる事件は、法人である職員団体等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

一 号
特別代理人の選任に関する事件
二 号
法人である職員団体等の解散 及び清算の監督に関する事件
三 号
清算人に関する事件
1項

清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない

1項

裁判所は、第三十一条の規定により清算人を選任した場合には、法人である職員団体等が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。


この場合においては、裁判所は、当該清算人(監事を置く法人である職員団体等にあつては、当該清算人 及び監事)の陳述を聴かなければならない。

1項
裁判所は、法人である職員団体等の解散 及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2項

第四十一条 及び第四十二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。


この場合において、

同条
清算人(監事を置く法人である職員団体等にあつては、当該清算人 及び監事)」とあるのは、
「法人である職員団体等 及び検査役」と

読み替えるものとする。