救急救命士法

平成三年法律第三十六号
分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月30日 15時29分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 免許

  • 第三章 試験

  • 第四章 業務等

  • 第五章 罰則

第一章 総則

1項
この法律は、救急救命士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及 及び向上に寄与することを目的とする。
1項

この法律で「救急救命処置」とは、その症状が著しく悪化するおそれがあり、若しくは その生命が危険な状態にある傷病者(以下 この項 並びに第四十四条第二項 及び第三項において「重度傷病者」という。)が病院 若しくは診療所に搬送されるまでの間 又は重度傷病者が病院 若しくは診療所に到着し当該病院 若しくは診療所に入院するまでの間(当該重度傷病者が入院しない場合は、病院 又は診療所に到着し当該病院 又は診療所に滞在している間。同条第二項 及び第三項において同じ。)に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復 その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又は その生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。

2項

この法律で「救急救命士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。

第二章 免許

1項

救急救命士になろうとする者は、救急救命士国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許(第三十四条第五号除き、以下「免許」という。)を受けなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

一 号
罰金以上の刑に処せられた者
二 号

前号に該当する者を除くほか、救急救命士の業務に関し犯罪 又は不正の行為があった者

三 号
心身の障害により救急救命士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 号
麻薬、大麻 又はあへんの中毒者
1項
厚生労働省に救急救命士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
1項
免許は、試験に合格した者の申請により、救急救命士名簿に登録することによって行う。
2項
厚生労働大臣は、免許を与えたときは、救急救命士免許証を交付する。
1項

厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第四条第三号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあったときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

1項

救急救命士は、救急救命士名簿に登録された免許に関する事項に変更があったときは、三十日以内に、当該事項の変更を厚生労働大臣に申請しなければならない。

1項

救急救命士が第四条各号いずれかに該当するに至ったときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて救急救命士の名称の使用の停止を命ずることができる。

2項

前項の規定により免許を取り消された者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後 の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができる。


この場合においては、第六条の規定を準用する。

1項

厚生労働大臣は、免許がその効力を失ったときは、救急救命士名簿に登録されたその免許に関する事項を消除しなければならない。

1項

救急救命士免許証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。

1項

厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、救急救命士名簿の登録の実施に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。

2項
指定登録機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
3項

厚生労働大臣は、他に第一項の規定による指定を受けた者がなく、かつ、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。

一 号
職員、設備、登録事務の実施の方法 その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 号

前号の登録事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的 及び技術的な基礎を有するものであること。

4項

厚生労働大臣は、第二項の申請が次のいずれかに該当するときは、指定登録機関の指定をしてはならない。

一 号

申請者が、一般社団法人 又は一般財団法人以外の者であること。

二 号

申請者が、その行う登録事務以外の業務により登録事務を公正に実施することができないおそれがあること。

三 号

申請者が、第二十三条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。

四 号

申請者の役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者

1項
指定登録機関の役員の選任 及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2項

厚生労働大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令 又は処分を含む。)若しくは第十五条第一項に規定する登録事務規程に違反する行為をしたとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

1項

指定登録機関は、毎事業年度、事業計画 及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第十二条第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定登録機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書 及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

1項

指定登録機関は、登録事務の開始前に、登録事務の実施に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項
登録事務規程で定めるべき事項は、厚生労働省令で定める。
3項

厚生労働大臣は、第一項の認可をした登録事務規程が登録事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

1項

指定登録機関が登録事務を行う場合における第五条第六条第二項第九条第二項において準用する場合を含む。)、第八条第十条 及び第十一条の規定の適用については、

第五条
厚生労働省」とあるのは
「指定登録機関」と、

第六条第二項
厚生労働大臣」とあるのは
「指定登録機関」と、

免許を与えたときは、救急救命士免許証」とあるのは
「前項の規定による登録をしたときは、当該登録に係る者に救急救命士免許証明書」と、

第八条 及び第十条
厚生労働大臣」とあるのは
「指定登録機関」と、

第十一条
救急救命士免許証」とあるのは
「救急救命士免許証明書」と、

」とあるのは
「指定登録機関」と

する。

2項

指定登録機関が登録事務を行う場合において、救急救命士名簿に免許に関する事項の登録を受けようとする者 又は救急救命士免許証明書の書換え交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。

3項

第一項の規定により読み替えて適用する第十一条 及び前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。

1項
指定登録機関の役員 若しくは職員 又は これらの職にあった者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2項

登録事務に従事する指定登録機関の役員 又は職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録事務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

1項
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
1項
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、厚生労働省令で定めるところにより、指定登録機関に対し、報告をさせることができる。
1項
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、指定登録機関の帳簿、書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2項

前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項
指定登録機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、登録事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
1項

厚生労働大臣は、指定登録機関が第十二条第四項各号第三号除く)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。

2項

厚生労働大臣は、指定登録機関が次の各号いずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第十二条第三項各号の要件を満たさなくなったと認められるとき。

二 号

第十三条第二項第十五条第三項 又は第十九条の規定による命令に違反したとき。

三 号

第十四条 又は前条の規定に違反したとき。

四 号

第十五条第一項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行ったとき。

五 号

次条第一項の条件に違反したとき。

1項

第十二条第一項第十三条第一項第十四条第一項第十五条第一項 又は第二十二条の規定による指定、認可 又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2項

前項の条件は、当該指定、認可 又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可 又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。

1項

指定登録機関が行う登録事務に係る処分 又は その不作為について不服がある者は、厚生労働大臣に対し、審査請求をすることができる。


この場合において、厚生労働大臣は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十五条第二項 及び第三項第四十六条第一項 及び第二項第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定登録機関の上級行政庁とみなす。

1項
厚生労働大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、登録事務を行わないものとする。
2項

厚生労働大臣は、指定登録機関が第二十二条の規定による許可を受けて登録事務の全部 若しくは一部を休止したとき、第二十三条第二項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災 その他の事由により登録事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、登録事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。

1項

厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号

第十二条第一項の規定による指定をしたとき。

二 号

第二十二条の規定による許可をしたとき。

三 号

第二十三条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。

四 号

前条第二項の規定により登録事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた登録事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。

1項

この章に規定するもののほか、免許の申請、救急救命士名簿の登録、訂正 及び消除、救急救命士免許証 又は救急救命士免許証明書の交付、書換え交付 及び再交付、第二十七条第二項の規定により厚生労働大臣が登録事務の全部 又は一部を行う場合における登録事務の引継ぎ その他免許 及び指定登録機関に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第三章 試験

1項
試験は、救急救命士として必要な知識 及び技能について行う。
1項

試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行う。

1項

試験の問題の作成 及び採点を行わせるため、厚生労働省に救急救命士試験委員(次項 及び次条において「試験委員」という。)を置く。

2項
試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。
1項

試験委員は、試験の問題の作成 及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。

1項

試験は、次の各号いずれかに該当する者でなければ、受けることができない

一 号

学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学大臣が指定した学校 又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、二年以上救急救命士として必要な知識 及び技能を修得したもの

二 号

学校教育法に基づく大学 若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学 又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設 若しくは養成所において一年高等専門学校にあっては、四年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校 又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、一年以上救急救命士として必要な知識 及び技能を修得したもの

三 号

学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)又は旧大学令に基づく大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業した者

四 号

消防法昭和二十三年法律第百八十六号第二条第九項に規定する救急業務(以下 この号において「救急業務」という。)に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了し、及び厚生労働省令で定める期間以上救急業務に従事した者(学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができるもの(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)に限る)であって、文部科学大臣が指定した学校 又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、一年当該学校 又は救急救命士養成所のうち厚生労働省令で定めるものにあっては、六月)以上救急救命士として必要な知識 及び技能を修得したもの

五 号

外国の救急救命処置に関する学校 若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識 及び技能を有すると認定したもの

1項
厚生労働大臣は、試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又は その試験を無効とすることができる。
2項

厚生労働大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。

1項

試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。

2項

前項の受験手数料は、これを納付した者が試験を受けない場合においても、返還しない。

1項

厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。

2項
指定試験機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
1項

指定試験機関は、試験の問題の作成 及び採点を救急救命士試験委員(次項 及び第三項 並びに次条 並びに第四十一条において読み替えて準用する第十三条第二項 及び第十七条において「試験委員」という。)に行わせなければならない。

2項

指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。

3項

指定試験機関は、試験委員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。


試験委員に変更があったときも、同様とする。

1項

試験委員は、試験の問題の作成 及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。

1項
指定試験機関が試験事務を行う場合において、指定試験機関は、試験に関して不正の行為があったときは、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させることができる。
2項

前項に定めるもののほか、指定試験機関が試験事務を行う場合における第三十五条 及び第三十六条第一項の規定の適用については、

第三十五条第一項
その受験を停止させ、又は その試験」とあるのは
「その試験」と、

同条第二項
前項」とあるのは
前項 又は第四十条第一項」と、

第三十六条第一項
」とあるのは
「指定試験機関」と

する。

3項

前項の規定により読み替えて適用する第三十六条第一項の規定により指定試験機関に納められた受験手数料は、指定試験機関の収入とする。

1項

第十二条第三項 及び第四項第十三条から 第十五条まで第十七条から 第二十四条まで 並びに第二十六条から 第二十八条までの規定は、指定試験機関について準用する。


この場合において、

これらの規定中
登録事務」とあるのは
「試験事務」と、

登録事務規程」とあるのは
「試験事務規程」と、

第十二条第三項
第一項」とあるのは
第三十七条第一項」と、

前項」とあるのは
第三十七条第二項」と、

同条第四項各号列記以外の部分中
第二項」とあるのは
第三十七条第二項」と、

第十三条第二項
役員」とあるのは
「役員(試験委員を含む。)」と、

第十四条第一項
第十二条第一項」とあるのは
第三十七条第一項」と、

第十七条
役員」とあるのは
「役員(試験委員を含む。)」と、

第二十三条第二項第三号
又は前条」とあるのは
「、前条 又は第三十八条」と、

第二十四条第一項 及び第二十八条第一号
第十二条第一項」とあるのは
第三十七条第一項」と

読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

この章に規定するもののほか、試験科目、受験手続、試験事務の引継ぎ その他試験 及び指定試験機関に関し必要な事項は厚生労働省令で、第三十四条第一号第二号 及び第四号の規定による学校 又は救急救命士養成所の指定に関し必要な事項は文部科学省令、厚生労働省令で定める。

第四章 業務等

1項

救急救命士は、保健師助産師看護師法昭和二十三年法律第二百三号第三十一条第一項 及び第三十二条の規定にかかわらず診療の補助として救急救命処置を行うことを業とすることができる。

2項

前項の規定は、第九条第一項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない

1項
救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。
2項

救急救命士は、救急用自動車 その他の重度傷病者を搬送するためのものであって厚生労働省令で定めるもの(以下 この項 及び第五十三条第二号において「救急用自動車等」という。以外の場所においてその業務を行ってはならない。


ただし、病院 若しくは診療所への搬送のため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるまでの間 又は重度傷病者が病院 若しくは診療所に到着し当該病院 若しくは診療所に入院するまでの間において救急救命処置を行うことが必要と認められる場合は、この限りでない。

3項

病院 又は診療所に勤務する救急救命士は、重度傷病者が当該病院 又は診療所に到着し当該病院 又は診療所に入院するまでの間において救急救命処置を行おうとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該病院 又は診療所の管理者が実施する医師 その他の医療従事者との緊密な連携の促進に関する事項 その他の重度傷病者が当該病院 又は診療所に到着し当該病院 又は診療所に入院するまでの間において救急救命士が救急救命処置を行うために必要な事項として厚生労働省令で定める事項に関する研修を受けなければならない。

1項
救急救命士は、その業務を行うに当たっては、医師 その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。
1項

救急救命士は、救急救命処置を行ったときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を救急救命処置録に記載しなければならない。

2項

前項の救急救命処置録であって、厚生労働省令で定める機関に勤務する救急救命士のした救急救命処置に関するものは その機関につき厚生労働大臣が指定する者において、その他の救急救命処置に関するものは その救急救命士において、その記載の日から五年間、これを保存しなければならない。

1項

救急救命士は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。


救急救命士でなくなった後においても、同様とする。

1項
救急救命士でない者は、救急救命士 又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
1項
この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2項

前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

1項

この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第五章 罰則

1項

第十七条第一項第四十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、登録事務 又は試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

第二十三条第二項第四十一条において準用する場合を含む。)の規定による登録事務 又は試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関 又は指定試験機関の役員 又は職員は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

第三十三条 又は第三十九条の規定に違反して、不正の採点をした者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、六月以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第四十四条第一項の規定に違反して、同項の規定に基づく厚生労働省令の規定で定める救急救命処置を行った者

二 号

第四十四条第二項の規定に違反して、救急用自動車等以外の場所で業務を行った者

1項

第四十七条の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、五十万円以下の罰金に処する。

2項

前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第九条第一項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、救急救命士の名称を使用したもの

二 号

第四十六条第一項の規定に違反して、救急救命処置録に記載せず、又は救急救命処置録に虚偽の記載をした者

三 号

第四十六条第二項の規定に違反して、救急救命処置録を保存しなかった者

四 号

第四十八条の規定に違反して、救急救命士 又はこれに紛らわしい名称を使用した者

1項

次の各号いずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関 又は指定試験機関の役員 又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第十八条第四十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

二 号

第二十条第四十一条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

三 号

第二十一条第一項第四十一条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

四 号

第二十二条第四十一条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで登録事務 又は試験事務の全部を廃止したとき。