航空運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
航空法
第七章 航空運送事業等
前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
航空機の運航 及びこれを行うために必要な整備に関する事項、国際航空運送事業を経営するかどうかの別 その他国土交通省令で定める事項に関する事業計画
第一項の許可の申請をする者は、国際航空運送事業を経営しようとする場合にあつては、前項第二号に掲げる事項のほか、事業計画に国土交通省令で定める国際航空運送事業に関する事項を併せて*記載しなければならない。
第二項の申請書には、資金計画 その他の国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
国土交通大臣は、前条の許可の申請があつたときは、その申請が次の各号に適合するかどうかを審査しなければならない。
当該事業の計画が輸送の安全を確保するため適切なものであること。
前号に掲げるもののほか、当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
申請者が当該事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
国際航空運送事業に係るものにあつては、当該事業に係る航行について外国との間に航空に関する協定 その他の国際約束がある場合における当該国際約束の内容に適合する計画を有するものであること。
申請者が次に掲げる者に該当するものでないこと。
第四条第一項各号に掲げる者
この法律の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
法人であつて、その役員がロ 又はハのいずれかに該当するもの
会社であつて、その持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第九条第四項第一号に規定する持株会社をいう。)その他の当該会社の経営を実質的に支配していると認められる会社として国土交通省令で定めるもの(以下「持株会社等」という。)が第四条第一項第四号に該当するもの
国土交通大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、航空運送事業の許可をしなければならない。
第百条第一項の許可を受けた者(以下「本邦航空運送事業者」という。)は、当該許可に係る事業の用に供する航空機の運航管理の施設、航空機の整備の施設 その他の国土交通省令で定める航空機の運航の安全の確保のために必要な施設(以下「運航管理施設等」という。)について国土交通大臣の検査を受け、これに合格しなければ、当該運航管理施設等によりその事業の用に供する航空機を運航し、又は整備してはならない。
運航管理施設等について国土交通省令で定める重要な変更をしたときも同様である。
国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該施設によつて本邦航空運送事業者がこの法律に従い当該事業を安全かつ適確に遂行することができると認めるときは、これを合格としなければならない。
本邦航空運送事業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。
本邦航空運送事業者(その事業の規模が国土交通省令で定める規模未満であるものを除く。以下この条において同じ。)は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
安全管理規程は、輸送の安全を確保するために本邦航空運送事業者が遵守すべき次に掲げる事項に関し、国土交通省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項
安全統括管理者(本邦航空運送事業者が、前三号に掲げる事項に関する業務を統括管理させるため、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあり、かつ、航空運送事業に関する一定の実務の経験 その他の国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任する者をいう。以下同じ。)の選任に関する事項
国土交通大臣は、安全管理規程が前項の規定に適合しないと認めるときは、当該本邦航空運送事業者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
本邦航空運送事業者は、安全統括管理者を選任しなければならない。
本邦航空運送事業者は、安全統括管理者を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
本邦航空運送事業者は、輸送の安全の確保に関し、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならない。
国土交通大臣は、安全統括管理者がその職務を怠つた場合であつて、当該安全統括管理者が引き続き その職務を行うことが輸送の安全の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、本邦航空運送事業者に対し、当該安全統括管理者を解任すべきことを命ずることができる。
本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定める航空機の運航 及び整備に関する事項について運航規程 及び整備規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
その変更(次に掲げるものを除く。)をしようとするときも、同様とする。
航空機の運航の安全に影響を及ぼすおそれの少ないものとして国土交通省令で定める変更(次号に掲げるものを除く。)
国土交通大臣は、前項の運航規程 又は整備規程が国土交通省令で定める技術上の基準に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
本邦航空運送事業者は、第一項第一号に掲げる変更をするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
本邦航空運送事業者は、第一項第二号に掲げる変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
本邦航空運送事業者は、旅客 及び貨物(国際航空運送事業に係る郵便物を除く。第三項において同じ。)の運賃 及び料金を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも同様である。
国土交通大臣は、前項の運賃 又は料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該本邦航空運送事業者に対し、期限を定めてその運賃 又は料金を変更すべきことを命ずることができる。
特定の旅客 又は荷主に対し、不当な差別的取扱いをするものであるとき。
社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、旅客 又は荷主が当該事業を利用することを著しく困難にするおそれがあるものであるとき。
他の航空運送事業者との間に、不当な競争を引き起こすこととなるおそれがあるものであるとき。
国際航空運送事業を経営しようとする本邦航空運送事業者は、第一項の規定にかかわらず、当該事業に係る旅客 及び貨物の運賃 及び料金を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも同様である。
国土交通大臣は、前項の運賃 又は料金が、第二項各号のいずれにも該当せず、かつ、当該国際航空運送事業に係る航行について外国との間に航空に関する協定 その他の国際約束がある場合における当該国際約束の内容に適合するものであるときは、前項の認可をしなければならない。
本邦航空運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも同様である。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、左の基準によつてこれをしなければならない。
公衆の正当な利益を害するおそれがないものであること。
少くとも運賃 及び料金の収受 並びに運送に関する事業者の責任に関する事項が定められていること。
本邦航空運送事業者は、運賃 及び料金 並びに運送約款について、営業所 その他の事業所において公衆に見やすいように掲示するとともに、国土交通省令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。
国内定期航空運送事業を経営しようとする本邦航空運送事業者は、運航計画(路線ごとの使用空港等、運航回数、発着日時 その他の国土交通省令で定める事項を記載した計画をいう。以下同じ。)を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。
前項の規定による運航計画の届出をした本邦航空運送事業者は、当該運航計画を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
前項の本邦航空運送事業者は、路線の廃止に係る運航計画の変更をしようとするときは、同項の規定にかかわらず、その六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、その二月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第二項の本邦航空運送事業者は、国内定期航空運送事業を廃止しようとするときは、その六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、その二月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
混雑空港(当該空港の使用状況に照らして、航空機の運航の安全を確保するため、当該空港における一日 又は一定時間当たりの離陸 又は着陸の回数を制限する必要があるものとして国土交通省令で指定する空港をいう。以下同じ。)を使用して国内定期航空運送事業を経営しようとする本邦航空運送事業者は、混雑空港ごとに、当該混雑空港を使用して運航を行うことについて国土交通大臣の許可を受けなければならない。
前項の許可を受けようとする本邦航空運送事業者は、当該混雑空港を使用空港とする路線に係る運航計画を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
競争の促進、多様な輸送網の形成等を通じて利用者の利便に適合する輸送サービスを提供するものであること等当該混雑空港を適切かつ合理的に使用するものであること。
国土交通大臣は、第一項の許可をしようとするときは、同項の本邦航空運送事業者の当該混雑空港の従前の使用状況に配慮してこれをしなければならない。
第一項の許可の有効期間は、許可の日からその日の属する単位期間(当該混雑空港に係る同項の指定の日以後の期間を五年を超えない範囲内において国土交通省令で定める年数ごとに区分した各期間をいう。)の末日までの期間とする。
第一項の許可を受けた本邦航空運送事業者は、第二項の運航計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
第三項の規定は、前項の認可について準用する。
第六項の本邦航空運送事業者は、当該混雑空港を使用して行う国内定期航空運送事業を廃止しようとするときは、その六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、その二月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第一項の本邦航空運送事業者についての前条の規定の適用については、
同条第一項から第三項までの規定中
「運航計画」とあるのは
「次条第一項の混雑空港を使用空港としない路線に係る運航計画」と、
同条第四項中
「国内定期航空運送事業」とあるのは
「国内定期航空運送事業(次条第一項の混雑空港を使用して行うものを除く。)」とする。
第一項の混雑空港の指定があつたときは、当該指定の時において当該混雑空港を使用して国内定期航空運送事業を経営している本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該指定の日に同項の許可を受けたものとみなす。
混雑空港について第一項の指定が解除されたときは、当該解除の時において当該空港を使用して国内定期航空運送事業を経営している本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、前条第一項 又は第二項の規定による届出をしたものとみなす。
本邦航空運送事業者は、その業務を行う場合には、天候 その他やむを得ない事由のある場合を除くほか、事業計画 及び運航計画に定めるところに従わなければならない。
国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が前項の規定に違反していると認めるときは、当該本邦航空運送事業者に対し、事業計画 及び運航計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。
本邦航空運送事業者は、事業計画の変更(第三項 及び第四項に規定するものを除く。)をしようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
第百一条(第一項第五号に係るものを除く。)の規定は、前項の認可について準用する。
本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定める事業計画の変更をするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なく その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。
ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより利用者の利益を不当に害することとなるとき、又は第百十一条の三第四項の規定による公示があつた後一月を経過したとき(同条第三項の請求に応じ、国土交通大臣が第百十一条の二の規定による処分をした場合を除く。)は、この限りでない。
航空輸送需要の減少により事業の継続が困難と見込まれる本邦内の各地間の路線において地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するため、当該路線において二以上の航空運送事業者が事業を経営している場合に本邦航空運送事業者が他の航空運送事業者と行う共同経営に関する協定の締結
本邦内の地点と本邦外の地点との間の路線 又は本邦外の各地間の路線において公衆の利便を増進するため、本邦航空運送事業者が他の航空運送事業者と行う連絡運輸に関する契約、運賃協定 その他の運輸に関する協定の締結
本邦航空運送事業者は、前条各号の協定を締結し、又はその内容を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の認可の申請に係る協定の内容が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
利用者の利益を不当に害さないこと。
協定の目的に照らして必要最小限度であること。
国土交通大臣は、前条第一項の認可に係る協定の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、その本邦航空運送事業者に対し、その協定の内容を変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。
国土交通大臣は、第百十条第一号の協定について第百十一条第一項の認可をしようとするときは、公正取引委員会に協議しなければならない。
国土交通大臣は、第百十条第二号の協定について第百十一条第一項の認可をしたとき、又は第百十条各号の協定について前条の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
公正取引委員会は、第百十一条第一項の認可を受けた第百十条各号の協定の内容が第百十一条第二項各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、国土交通大臣に対し、前条の規定による処分をすべきことを請求することができる。
公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定める航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態が発生したときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
国土交通大臣は、毎年度、前条の規定による報告に係る事項、第百十二条の規定による命令に係る事項 その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を整理し、これを公表するものとする。
本邦航空運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、毎事業年度、安全報告書(輸送の安全を確保するために講じた措置 及び講じようとする措置 その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。)を作成し、これを公表しなければならない。
国土交通大臣は、世界的規模の感染症の流行 その他の本邦航空運送事業者を取り巻く環境の著しい変化により、本邦航空運送事業者が経営する航空運送事業に甚大な影響が生じ、我が国の国際航空輸送網 及び国内航空輸送網の形成に支障を来すおそれがあると認められる事態(以下「甚大影響事態」という。)が発生した場合においては、利用者の利便に対する重大な影響を回避するとともに、安全かつ安定的な輸送を確保するため、当該甚大影響事態に対処するための航空運送事業の基盤強化に関する方針(以下「航空運送事業基盤強化方針」という。)を定めなければならない。
航空運送事業基盤強化方針においては、当該甚大影響事態に対処するため、定期航空旅客運送事業者(本邦航空運送事業者であつて、路線を定めて一定の日時により航行する航空機により旅客の運送を行う航空運送事業を経営するものをいう。以下同じ。)が経営する航空運送事業に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
航空運送事業の基盤強化の意義 及び目標に関する事項
航空運送事業の基盤強化のために政府が実施すべき施策に関する基本的な事項
航空運送事業の実施に関連して必要となる空港の機能の確保のために政府が実施すべき施策に関する基本的な事項
前各号に掲げるもののほか、政府が実施する具体的施策 その他の定期航空旅客運送事業者が経営する航空運送事業の基盤強化のために必要な事項
国土交通大臣は、航空運送事業基盤強化方針を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
国土交通大臣は、航空運送事業基盤強化方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
国土交通大臣は、当該甚大影響事態の推移により必要が生じたときは、航空運送事業基盤強化方針を変更するものとする。
第三項 及び第四項の規定は、航空運送事業基盤強化方針を変更し、又は廃止する場合について準用する。
定期航空旅客運送事業者は、前条第一項の規定により航空運送事業基盤強化方針が定められたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該航空運送事業基盤強化方針を踏まえ、当該定期航空旅客運送事業者が経営する航空運送事業の基盤強化に関する計画(以下「航空運送事業基盤強化計画」という。)を作成し、国土交通大臣に届け出なければならない。
同条第五項の規定により航空運送事業基盤強化方針が変更されたとき その他必要があると認める場合にこれを変更するときも、同様とする。
航空運送事業基盤強化計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
前各号に掲げるもののほか、当該定期航空旅客運送事業者が講ずる具体的措置 その他の当該定期航空旅客運送事業者が経営する航空運送事業の基盤強化のために必要な事項
国土交通大臣は、第一項の規定による届出があつた航空運送事業基盤強化計画が航空運送事業基盤強化方針に適合していないと認めるときは、当該定期航空旅客運送事業者に対し、これを変更すべきことを求めることができる。
定期航空旅客運送事業者は、前条第一項の規定による届出をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、定期的に、当該届出に係る航空運送事業基盤強化計画の実施状況について、国土交通大臣に報告しなければならない。
国土交通大臣は、前項の規定による報告を受けた場合において、航空運送事業基盤強化方針に照らして必要があると認めるときは、当該定期航空旅客運送事業者に対し、当該定期航空旅客運送事業者が経営する航空運送事業の基盤強化のために必要な助言 又は勧告をすることができる。
定期航空旅客運送事業者が、第百十一条の八第一項の規定による届出をしたときは、同条第二項第二号 及び第三号に掲げる事項のうち、第百七条の二第二項 並びに第百九条第三項 及び第四項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により届出をしたものとみなす。
国土交通大臣は、本邦航空運送事業者の事業について輸送の安全、利用者の利便 その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該本邦航空運送事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
事業計画 又は運航計画を変更すること。
安全管理規程 又は運航規程 若しくは整備規程を変更すること。
運賃 若しくは料金(国際航空運送事業に係るものに限る。)又は運送約款を変更すること。
第一号、第二号 及び前号に掲げるもののほか、輸送の安全を確保するため必要な措置を講ずること。
航空事故により支払うことあるべき損害賠償のため保険契約を締結すること。
本邦航空運送事業者は、その名義を他人に航空運送事業のため利用させてはならない。
本邦航空運送事業者は、事業の貸渡し その他いかなる方法をもつてするかを問わず、航空運送事業を他人にその名において経営させてはならない。
本邦航空運送事業者の事業の用に供する航空機の運航 又は整備に関する業務の管理の委託 及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
国土交通大臣は、前項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
受託者が本邦航空運送事業者 その他当該業務の管理を行うのに適している者であること。
委託者 及び受託者の責任の範囲が明確であること その他当該委託 及び受託が輸送の安全を確保するために適切なものであると認められること。
国土交通大臣は、第一項の業務の管理の委託 又は受託が前項各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、受託者に対し受託した運航 又は整備に関する業務の管理について改善のため必要な措置をとるべきことを命じ、又は第一項の許可を取り消すことができる。
本邦航空運送事業者が当該航空運送事業を譲渡する場合において譲渡人 及び譲受人が、その譲渡 及び譲受について国土交通大臣の認可を受けたときは、譲受人は、譲渡人のこの法律の規定による地位を承継する。
第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
本邦航空運送事業者たる法人の合併の場合(本邦航空運送事業者たる法人と航空運送事業を営まない法人が合併する場合において、本邦航空運送事業者たる法人が存続するときを除く。)又は分割の場合(当該航空運送事業を承継させる場合に限る。)において当該合併 又は分割について国土交通大臣の認可を受けたときは、合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 又は分割により当該航空運送事業を承継した法人は、本邦航空運送事業者のこの法律の規定による地位を承継する。
第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
本邦航空運送事業者が死亡した場合においては、その相続人(相続人が二人以上ある場合においては、その協議により定めた事業を承継すべき一人の相続人)は、被相続人たる本邦航空運送事業者のこの法律の規定による地位を承継する。
前項の相続人は、被相続人の死亡後六十日以内にその相続について国土交通大臣の認可を申請しなければ、その期間の経過後は、航空運送事業の許可は、その効力を失う。
認可の申請に対し、認可しない旨の処分があつた場合において、その日以後についても同様である。
第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
本邦航空運送事業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて事業の全部 若しくは一部の停止を命じ、又は第百条第一項の許可を取り消すことができる。
この法律、この法律に基づく処分 又は許可 若しくは認可に付した条件に違反したとき。
正当な理由がないのにこの章の規定により許可 又は認可を受けた事項を実施しないとき。
本邦航空運送事業者が第四条第一項各号に掲げる者に該当するに至つたとき、又は会社である本邦航空運送事業者の持株会社等が同項第四号に掲げる者に該当するに至つたときは、当該本邦航空運送事業者に係る第百条第一項の許可は、効力を失う。
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式 又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める株式を発行している会社である本邦航空運送事業者 及びその持株会社等は、その株式を取得した第四条第一項第一号から第三号までに掲げる者(以下「外国人等」という。)から、その氏名 及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることにより同項第四号に該当することとなるときは、その氏名 及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することを拒むことができる。
前項の本邦航空運送事業者 及びその持株会社等は、社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百五十一条第一項 又は第八項の規定による通知に係る株主のうちの外国人等が有する株式のすべてについて同法第百五十二条第一項の規定により株主名簿に記載し、又は記録することとした場合に第四条第一項第四号に該当することとなるときは、同法第百五十二条第一項の規定にかかわらず、第四条第一項第四号に該当することとならないように当該株式の一部に限つて株主名簿に記載し、又は記録する方法として国土交通省令で定める方法に従い、株主名簿に記載し、又は記録することができる。
第一項の本邦航空運送事業者 及びその持株会社等は、国土交通省令で定めるところにより、外国人等がその議決権に占める割合を公告しなければならない。
ただし、その割合が国土交通省令で定める割合に達しないときは、この限りでない。
航空機使用事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
第百条第二項 及び第四項 並びに第百一条(第一項第四号に係るものを除く。)の規定は、前項の許可について準用する。
この場合において、
第百条第二項第二号中
「、国際航空運送事業を経営するかどうかの別 その他」とあるのは、
「その他」と
読み替えるものとする。
第百二条、第百三条、第百八条、第百九条、第百十一条の四、第百十二条(第二号 及び第三号に係るものを除く。)、第百十三条、第百十四条から第百十六条まで(第百十四条第二項、第百十五条第二項 又は第百十六条第三項中第百一条第一項第四号の準用に係るものを除く。)及び第百十八条から第百二十条までの規定は、航空機使用事業に準用する。
この場合において、
第百八条中
「事業計画 及び運航計画」とあり、
及び第百十二条第一号中
「事業計画 又は運航計画」とあるのは、
「事業計画」と
読み替えるものとする。
この章に規定する許可 又は認可には、条件 又は期限を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件 又は期限は、公衆の利益を増進し、又は許可 若しくは認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該本邦航空運送事業者 又は航空機使用事業者(第百二十三条第一項の許可を受けた者をいう。以下同じ。)に不当な義務を課することとならないものでなければならない。