起業者は、次条の規定による事業の認定を受けようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定める説明会の開催 その他の措置を講じて、事業の目的 及び内容について、当該事業の認定について利害関係を有する者に説明しなければならない。
土地収用法
第三章 事業の認定等
第一節 事業の認定
起業者は、当該事業 又は当該事業の施行により必要を生じた第三条各号の一に該当するものに関する事業(以下「関連事業」という。)のために土地を収用し、又は使用しようとするときは、この節の定めるところに従い、事業の認定を受けなければならない。
事業が次の各号のいずれかに掲げるものであるときは、国土交通大臣が事業の認定に関する処分を行う。
国 又は都道府県が起業者である事業
事業を施行する土地(以下「起業地」という。)が二以上の都道府県の区域にわたる事業
一の都道府県の区域を超え、又は道の区域の全部にわたり利害の影響を及ぼす事業 その他の事業で次に掲げるもの
道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条第四項に規定する会社が行う同法による高速道路に関する事業
鉄道事業法による鉄道事業者がその鉄道事業(当該事業に係る路線 又はその路線 及び当該鉄道事業者 若しくは当該鉄道事業者がその路線に係る鉄道線路を譲渡し、若しくは使用させる鉄道事業者が運送を行う上でその路線と密接に関連する他の路線が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
港湾法による港湾施設で国際戦略港湾、国際拠点港湾 又は重要港湾に係るものに関する事業
航空法による飛行場 又は航空保安施設で公共の用に供するものに関する事業
電気通信事業法第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者が同項に規定する認定電気通信事業(その業務区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
日本放送協会が放送事業の用に供する放送設備に関する事業
電気事業法による一般送配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、送電事業(供給の相手方たる一般送配電事業者 又は配電事業者の供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、特定送配電事業(供給地点が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)又は発電事業(当該事業の用に供する電気工作物と電気的に接続する電線路が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する電気工作物に関する事業
イからトまでに掲げる事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所 又は宿舎 その他の施設に関する事業
前三号に掲げる事業に係る関連事業
事業が前項各号の一に掲げるもの以外のものであるときは、起業地を管轄する都道府県知事が事業の認定に関する処分を行う。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、次条の規定による事業認定申請書を受理した日から三月以内に、事業の認定に関する処分を行なうように努めなければならない。
起業者は、第十六条の規定による事業の認定を受けようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、左に掲げる事項を記載した事業認定申請書を、前条第一項 又は第二十七条第一項の場合においては国土交通大臣に、前条第二項の場合においては都道府県知事に提出しなければならない。
前項の申請書には、国土交通省令で定める様式に従い、次に掲げる書類を添付しなければならない。
事業が関連事業に係るものであるときは、起業者が当該関連事業を施行する必要を生じたことを証する書面
起業地内に第四条に規定する土地があるときは、その土地に関する調書、図面 及び当該土地の管理者の意見書
起業地内にある土地の利用について法令の規定による制限があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の意見書
事業の施行に関して行政機関の免許、許可 又は認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があつたことを証明する書類 又は当該行政機関の意見書
第十五条の十四の規定に基づき講じた措置の実施状況を記載した書面
前項第四号から第六号までに掲げる意見書は、起業者が意見を求めた日から三週間を経過しても、これを得ることができなかつたときは、添附することを要しない。
この場合においては、意見書を得ることができなかつた事情を疎明する書面を添附しなければならない。
第一項第三号 及び第二項第二号に規定する起業地の表示は、土地所有者 及び関係人が自己の権利に係る土地が起業地の範囲に含まれることを容易に判断できるものでなければならない。
前条の規定による事業認定申請書 及びその添附書類が同条 又は同条に基く国土交通省令に規定する方式を欠くときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、相当な期間を定めて、その欠陥を補正させなければならない。
第百二十五条の規定による手数料を納めないときも、同様とする。
起業者が前項の規定により欠陥の補正を命ぜられたにかかわらず、その定められた期間内に欠陥の補正をしないときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業認定申請書を却下しなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、申請に係る事業が左の各号のすべてに該当するときは、事業の認定をすることができる。
事業が第三条各号の一に掲げるものに関するものであること。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業の認定に関する処分を行おうとする場合において、第十八条第三項の規定により意見書の添附がなかつたとき、その他必要があると認めるときは、起業地内にある第四条に規定する土地の管理者 又は当該事業の施行について関係のある行政機関 若しくはその地方支分部局の長の意見を求めなければならない。
ただし、土地の管理者については、その管理者を確知することができないとき、その他その意見を求めることができないときは、この限りでない。
事業の施行について関係のある行政機関 又はその地方支分部局の長は、事業の認定に関する処分について、国土交通大臣 又は都道府県知事に対して意見を述べることができる。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業の認定に関する処分を行おうとする場合において必要があると認めるときは、申請に係る事業の事業計画について専門的学識 又は経験を有する者の意見を求めることができる。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業の認定に関する処分を行おうとする場合において、当該事業の認定について利害関係を有する者から次条第二項の縦覧期間内に国土交通省令で定めるところにより公聴会を開催すべき旨の請求があつたときその他必要があると認めるときは、公聴会を開いて一般の意見を求めなければならない。
前項の規定による公聴会を開こうとするときは、起業者の名称、事業の種類 及び起業地 並びに公聴会の期日 及び場所を一般に公告しなければならない。
公聴会の手続に関して必要な事項は、国土交通省令で定める。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業の認定に関する処分を行おうとするときは、申請に係る事業が第二十条に規定する要件に該当しないことが明らかである場合を除き、起業地が所在する市町村の長に対して事業認定申請書 及びその添附書類のうち当該市町村に関係のある部分の写を送付しなければならない。
市町村長が前項の書類を受け取つたときは、直ちに、起業者の名称、事業の種類 及び起業地を公告し、公告の日から二週間 その書類を公衆の縦覧に供しなければならない。
国土交通大臣は、第一項の規定による送付をしたときは、直ちに、起業地を管轄する都道府県知事にその旨を通知し、事業認定申請書 及びその添附書類の写を送付しなければならない。
市町村長が第一項の書類を受け取つた日から二週間を経過しても、第二項の規定による手続を行なわないときは、起業地を管轄する都道府県知事は、起業者の申請により、当該市町村長に代わつてその手続を行なうことができる。
前項の規定により、都道府県知事が市町村長に代わつて手続を行なおうとするときは、あらかじめ、その旨を当該市町村長に通知しなければならない。
前項の規定による都道府県知事の通知を受けた後においては、市町村長は、当該事件につき、第二項の規定による手続を行なうことができない。
前条第二項の規定による公告があつたときは、事業の認定について利害関係を有する者は、同項の縦覧期間内に、都道府県知事に意見書を提出することができる。
都道府県知事は、国土交通大臣が認定に関する処分を行おうとする事業について、前項の規定による意見書を受け取つたときは、直ちに、これを国土交通大臣に送付し、前条第二項に規定する期間内に意見書の提出がなかつたときは、その旨を国土交通大臣に報告しなければならない。
国土交通大臣は、事業の認定に関する処分を行おうとするときは、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない。
ただし、第二十四条第二項の縦覧期間内に前条第一項の意見書(国土交通大臣が、事業の認定をしようとする場合にあつては事業の認定をすることについて異議がある旨の意見が記載されたものに限り、事業の認定を拒否しようとする場合にあつては事業の認定をすべき旨の意見が記載されたものに限る。)の提出がなかつた場合においては、この限りでない。
都道府県知事は、事業の認定に関する処分を行おうとするときは、あらかじめ第三十四条の七第一項の審議会 その他の合議制の機関の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない。
ただし、第二十四条第二項の縦覧期間内に前条第一項の意見書(都道府県知事が、事業の認定をしようとする場合にあつては事業の認定をすることについて異議がある旨の意見が記載されたものに限り、事業の認定を拒否しようとする場合にあつては事業の認定をすべき旨の意見が記載されたものに限る。)の提出がなかつた場合においては、この限りでない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第二十条の規定によつて事業の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を起業者に文書で通知するとともに、起業者の名称、事業の種類、起業地、事業の認定をした理由 及び次条の規定による図面の縦覧場所を国土交通大臣にあつては官報で、都道府県知事にあつては都道府県知事が定める方法で告示しなければならない。
都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
国土交通大臣は、第一項の規定による告示をしたときは、直ちに、関係都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
事業の認定は、第一項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第二十条の規定によつて事業の認定をしたときは、直ちに、起業地が所在する市町村の長にその旨を通知しなければならない。
市町村長は、前項の通知を受けたときは、直ちに、第二十四条第一項の規定により送付を受けた起業地を表示する図面を、事業の認定が効力を失う日 又は第三十条の二において準用する第三十条第二項 若しくは第三項の規定による通知を受ける日まで公衆の縦覧に供しなければならない。
第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第一項の通知を受けた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行なわない場合に準用する。
起業者は、左の各号の一に該当するときは、国土交通大臣に対して事業の認定を申請することができる。
この場合においては、起業者は、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
都道府県知事が第十八条の規定による事業認定申請書を受理した日から三月を経過しても事業の認定に関する処分を行わないとき。
国土交通大臣は、前項第一号の規定による申請を受けたときは、あらかじめ公害等調整委員会の意見を聞いた上で、自ら事業の認定に関する処分を行わなければならない。
国土交通大臣は、第一項第二号の規定による申請を受けたときは、あらかじめ都道府県知事の意見を聞いた上で、都道府県知事に対して、相当な期間を定めて、事業の認定に関する処分を行うことを指示することができる。
国土交通大臣は、都道府県知事が前項の規定によつて指示された期間内に処分を行わないとき、又は同項の規定によつて処分を行うことを指示することが適当でないと認めるときは、都道府県知事 及び起業者にあらかじめ自ら事業の認定に関する処分を行うことを通知した上で、自ら事業の認定に関する処分を行うことができる。
前項の規定による国土交通大臣の通知を受けた後においては、都道府県知事は、当該事件につき事業の認定に関する処分を行うことができない。
都道府県知事は、第二項 又は第四項の規定によつて国土交通大臣が自ら事業の認定に関する処分を行う場合において、既に開かれた公聴会の記録、既に提出された利害関係人の意見書等当該事業の認定に関する処分を行うために必要な書類があるときは、直ちに、これらの書類を国土交通大臣に送付しなければならない。
第二項 又は第四項の規定によつて国土交通大臣が自ら事業の認定に関する処分を行う場合においては、国土交通大臣は、事業の認定に関する処分を行うための手続 その他の行為で都道府県知事が既に行つたものを省略することができる。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業の認定を拒否したときは、遅滞なく、その旨を起業者に文書で通知しなければならない。
起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつたときは、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、土地所有者 及び関係人が受けることができる補償 その他国土交通省令で定める事項について、土地所有者 及び関係人に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後においては、何人も、都道府県知事の許可を受けなければ、起業地について明らかに事業に支障を及ぼすような形質の変更をしてはならない。
都道府県知事は、土地の形質の変更について起業者の同意がある場合 又は土地の形質の変更が災害の防止 その他正当な理由に基づき必要があると認められる場合に限り、前項の規定による許可をするものとする。
起業者が第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に第三十九条第一項の規定による収用 又は使用の裁決の申請をしないときは、事業の認定は、期間満了の日の翌日から将来に向つて、その効力を失う。
第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から四年以内に第四十七条の二第三項の規定による明渡裁決の申立てがないときも、前項と同様とする。
この場合において、既にされた裁決手続開始の決定 及び権利取得裁決は、取り消されたものとみなす。
第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者が事業の全部 又は一部を廃止し、又は変更したために土地を収用し、又は使用する必要がなくなつたときは、起業者は、遅滞なく、起業地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、その旨を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
都道府県知事は、前項前段の規定による届出を受け取つたときは、事業の全部 又は一部の廃止 又は変更があつたことを都道府県知事が定める方法で告示し、かつ、起業地が所在する市町村の長に通知するとともに、直ちに、その旨を国土交通大臣に報告しなければならない。
都道府県知事は、第一項前段の規定による届出がない場合においても、起業者が事業の全部 又は一部を廃止し、又は変更したために土地を収用し、又は使用する必要がなくなつたことを知つたときは、前項の規定による告示、通知 及び報告をしなければならない。
事業の認定は、前二項の規定による告示があつた日から将来に向つて、その効力を失う。
前条第一項前段、第二項 及び第三項の規定は、起業者が起業地内のすべての土地について必要な権利を取得した場合に準用する。
ただし、同条第二項 及び第三項の規定による告示 及び報告は、することを要しない。
第二節 収用又は使用の手続の保留
起業者は、起業地の全部 又は一部について、事業の認定後の収用 又は使用の手続を保留することができる。
起業者は、前条の規定によつて収用 又は使用の手続を保留しようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、事業の認定の申請と同時に、その旨 及び手続を保留する起業地の範囲を記載した申立書を提出しなければならない。
この場合においては、第十八条第二項第二号に掲げる起業地を表示する図面に手続を保留する起業地の範囲を表示しなければならない。
第十八条第四項の規定は、前項の規定による起業地の範囲の表示について、第十九条第一項前段 及び第二項の規定は、前項の規定による申立書の欠陥の補正について準用する。
この場合において、
同条第一項前段中
「前条」とあるのは
「第三十二条第一項」と、
「事業認定申請書 及びその添附書類」とあるのは
「申立書 及び図面」と、
「同条」とあるのは
「同項」と、
同条第二項中
「事業認定申請書」とあるのは
「申立書」と
読み替えるものとする。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、前条第一項の申立てがあつたときは、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示の際、あわせて事業の認定後の収用 又は使用の手続が保留される旨 及び手続が保留される起業地の範囲を告示しなければならない。
起業者は、収用 又は使用の手続を保留した土地について、その手続を開始しようとするときは、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から三年以内に、都道府県知事に、収用 又は使用の手続を開始する旨を申し立てなければならない。
起業者は、前条の規定による申立てをしようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、第二十六条第一項 及び第三十三条の規定によつて告示された事項 並びに収用 又は使用の手続を開始しようとする土地を記載した申立書に、当該土地を表示する図面を添附して、これを当該土地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。
第十八条第四項の規定は、前項の規定による土地の表示について、第十九条第一項前段 及び第二項の規定は、前項の規定による申立書の欠陥の補正について準用する。
この場合において、
同条第一項前段中
「前条」とあるのは
「第三十四条の二第一項」と、
「事業認定申請書」とあるのは
「申立書」と、
「同条」とあるのは
「同項」と、
「国土交通大臣 又は都道府県知事」とあるのは
「都道府県知事」と、
同条第二項中
「国土交通大臣 又は都道府県知事は、事業認定申請書」とあるのは
「都道府県知事は、申立書」と
読み替えるものとする。
都道府県知事は、第三十四条の規定による申立てがあつたときは、遅滞なく、収用 又は使用の手続が開始される旨 及び第三十四条の四の規定による図面の縦覧場所を、都道府県知事が定める方法で告示しなければならない。
都道府県知事は、第三十四条の規定による申立てがあつたときは、直ちに、当該土地が所在する市町村の長に対して、第三十四条の二第一項の図面を送付しなければならない。
市町村長は、前項の図面を受け取つたときは、直ちに、これを第二十六条の二第二項の図面とあわせて公衆の縦覧に供しなければならない。
第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第一項の図面を受け取つた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行なわない場合に準用する。
収用 又は使用の手続を保留した土地については、第三十四条の三の規定による手続開始の告示があつた時を第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた時とみなして、この法律の規定を適用する。
ただし、この章(第二十八条の二 及び第二十九条第一項を除く。)、第九十二条第一項、第百条第二項、第百六条第一項、第百十六条第一項 及び第百三十条第一項の規定については、この限りでない。
起業者が、収用 又は使用の手続を保留した土地について、第三十四条の期間内に同条の規定による申立てをしないときは、事業の認定は、期間満了の日の翌日から将来に向つて、その効力を失う。