この法律は、地方公共団体の経営する企業の組織、財務 及びこれに従事する職員の身分取扱い その他企業の経営の根本基準 並びに企業の経営に関する事務を処理する地方自治法の規定による一部事務組合 及び広域連合に関する特例を定め、地方自治の発達に資することを目的とする。
地方公営企業法
第一章 総則
この法律は、地方公共団体の経営する企業のうち次に掲げる事業(これらに附帯する事業を含む。以下「地方公営企業」という。)に適用する。
水道事業(簡易水道事業を除く。)
前項に定める場合を除くほか、次条から第六条まで、第十七条から第三十五条まで、第四十条から第四十一条まで 並びに附則第二項 及び第三項の規定(以下「財務規定等」という。)は、地方公共団体の経営する企業のうち病院事業に適用する。
前二項に定める場合のほか、地方公共団体は、政令で定める基準に従い、条例(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の一部事務組合(以下「一部事務組合」という。)又は広域連合(以下「広域連合」という。)にあつては、規約)で定めるところにより、その経営する企業に、この法律の規定の全部 又は一部を適用することができる。
地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。
地方公共団体は、地方公営企業の設置 及びその経営の基本に関する事項は、条例で定めなければならない。
地方公営企業に関する法令 並びに条例、規則 及びその他の規程は、すべて第三条に規定する基本原則に合致するものでなければならない。
国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分 その他の事務の執行にあたつては、すみやかに適切な措置を講ずる等 地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮するものとする。
この法律は、地方公営企業の経営に関して、地方自治法 並びに地方財政法(昭和二十三年法律第百九号) 及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)に対する特例を定めるものとする。
第二章 組織
地方公営企業を経営する地方公共団体に、地方公営企業の業務を執行させるため、第二条第一項の事業ごとに管理者を置く。
ただし、条例で定めるところにより、政令で定める地方公営企業について管理者を置かず、又は二以上の事業を通じて管理者一人を置くことができる。
なお、水道事業(簡易水道事業を除く。)及び工業用水道事業を併せて経営する場合 又は軌道事業、自動車運送事業 及び鉄道事業のうち二以上の事業を併せて経営する場合においては、それぞれ当該併せて経営する事業を通じて管理者一人を置くことを常例とするものとする。
管理者は、地方公営企業の経営に関し識見を有する者のうちから、地方公共団体の長が任命する。
次の各号のいずれかに該当する者は、管理者となることができない。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで 又はその執行を受けることがなくなるまでの者
管理者は、衆議院議員 若しくは参議院議員 又は地方公共団体の議会の議員 若しくは常勤の職員 若しくは地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。
管理者の任期は、四年とする。
管理者は、再任されることができる。
地方公共団体の長は、管理者が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合 又は管理者の業務の執行が適当でないため経営の状況が悪化したと認める場合 その他管理者がその職に必要な適格性を欠くと認める場合には、これを罷免することができる。
地方公共団体の長は、管理者に職務上の義務違反 その他管理者たるに適しない非行があると認める場合には、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職 又は免職の処分をすることができる。
管理者は、前二項の規定による場合を除くほか、その意に反して罷免され、又は懲戒処分を受けることがない。
管理者は、第二項各号のいずれかに該当するに至つたときは、その職を失う。
地方自治法第百五十九条、第百六十五条第二項 及び第百八十条の五第六項から第八項まで並びに地方公務員法第三十条から第三十七条まで 及び第三十八条第一項の規定は、管理者について準用する。
管理者は、次に掲げる事項を除くほか、地方公営企業の業務を執行し、当該業務の執行に関し当該地方公共団体を代表する。
ただし、法令に特別の定めがある場合は、この限りでない。
地方公共団体の議会の議決を経るべき事件につきその議案を提出すること。
決算を監査委員の審査 及び議会の認定に付すること。
地方自治法第十四条第三項 並びに第二百二十八条第二項 及び第三項に規定する過料を科すること。
第七条ただし書の規定により管理者を置かない地方公共団体においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行う。
管理者は、前条の規定に基いて、地方公営企業の業務の執行に関し、おおむね左に掲げる事務を担任する。
その権限に属する事務を分掌させるため必要な分課を設けること。
職員の任免、給与、勤務時間 その他の勤務条件、懲戒、研修 及びその他の身分取扱に関する事項を掌理すること。
予算の原案を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
予算に関する説明書を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
決算を調製し、地方公共団体の長に提出すること。
議会の議決を経るべき事件について、その議案の作成に関する資料を作成し、地方公共団体の長に送付すること。
当該企業の用に供する資産を取得し、管理し、及び処分すること。
料金 又は料金以外の使用料、手数料、分担金 若しくは加入金を徴収すること。
予算内の支出をするため一時の借入をすること。
出納 その他の会計事務を行うこと。
証書 及び公文書類を保管すること。
当該企業に係る行政庁の許可、認可、免許 その他の処分で政令で定めるものを受けること。
前各号に掲げるものを除く外、法令 又は当該地方公共団体の条例 若しくは規則によりその権限に属する事項
管理者は、法令 又は当該地方公共団体の条例 若しくは規則 又はその機関の定める規則に違反しない限りにおいて、業務に関し管理規程(以下「企業管理規程」という。)を制定することができる。
管理者に事故があるとき、又は管理者が欠けたときは、管理者が当該地方公共団体の長の同意を得てあらかじめ指定する上席の職員がその職務を行う。
管理者は、その権限に属する事務の一部を第十五条の職員に委任し、又はこれにその職務の一部を臨時に代理させることができる。
管理者は、その権限に属する事務の一部を、当該地方公共団体の経営する他の地方公営企業の管理者に委任することができる。
地方公営企業を経営する地方公共団体に、管理者の権限に属する事務を処理させるため、条例で必要な組織を設ける。
管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員(以下「企業職員」という。)は、管理者が任免する。
但し、当該地方公共団体の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、当該地方公共団体の長の同意を得なければならない。
企業職員は、管理者が指揮監督する。
地方公共団体の長は、当該地方公共団体の住民の福祉に重大な影響がある地方公営企業の業務の執行に関しその福祉を確保するため必要があるとき、又は当該管理者以外の地方公共団体の機関の権限に属する事務の執行と当該地方公営企業の業務の執行との間の調整を図るため必要があるときは、当該管理者に対し、当該地方公営企業の業務の執行について必要な指示をすることができる。
第三章 財務
地方公営企業の経理は、第二条第一項に掲げる事業ごとに特別会計を設けて行なうものとする。
但し、同条同項に掲げる事業を二以上経営する地方公共団体においては、政令で定めるところにより条例で二以上の事業を通じて一の特別会計を設けることができる。
次に掲げる地方公営企業の経費で政令で定めるものは、地方公共団体の一般会計 又は他の特別会計において、出資、長期の貸付け、負担金の支出 その他の方法により負担するものとする。
その性質上 当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てることが適当でない経費
当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行なつてもなおその経営に伴う収入のみをもつて充てることが客観的に困難であると認められる経費
地方公営企業の特別会計においては、その経費は、前項の規定により地方公共団体の一般会計 又は他の特別会計において負担するものを除き、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない。
地方公共団体は、災害の復旧 その他特別の理由により必要がある場合には、一般会計 又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に補助をすることができる。
地方公共団体は、第十七条の二第一項の規定によるもののほか、一般会計 又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に出資をすることができる。
地方公営企業の特別会計は、前項の規定による出資を受けた場合には、利益の状況に応じ、納付金を一般会計 又は当該他の特別会計に納付するものとする。
地方公共団体は、第十七条の二第一項の規定によるもののほか、一般会計 又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に長期の貸付けをすることができる。
地方公営企業の特別会計は、前項の規定による長期の貸付けを受けた場合には、適正な利息を一般会計 又は当該他の特別会計に支払わなければならない。
地方公営企業の事業年度は、地方公共団体の会計年度による。
地方公営企業においては、その経営成績を明らかにするため、すべての費用 及び収益を、その発生の事実に基いて計上し、かつ、その発生した年度に正しく割り当てなければならない。
地方公営企業においては、その財政状態を明らかにするため、すべての資産、資本 及び負債の増減 及び異動を、その発生の事実に基き、かつ、適当な区分 及び配列の基準 並びに一定の評価基準に従つて、整理しなければならない。
前項の資産、資本 及び負債については、政令で定めるところにより、その内容を明らかにしなければならない。
地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収することができる。
前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。
国は、地方公営企業の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、地方公共団体が地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるため起こす地方債(以下「企業債」という。)の償還の繰延べ、借換え等につき、法令の範囲内において、資金事情が許す限り、特別の配慮をするものとする。
地方公共団体は、企業債のうち、地方公営企業の建設に要する資金に充てるものについては、償還期限を定めないことができる。
この場合においては、当該地方公営企業の毎事業年度における利益の状況に応じ、特別利息をつけることができる。
地方公営企業の予算は、地方公営企業の毎事業年度における業務の予定量 並びにこれに関する収入 及び支出の大綱を定めるものとする。
地方公共団体の長は、当該地方公営企業の管理者が作成した予算の原案に基いて毎事業年度地方公営企業の予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければならない。
業務量の増加に因り地方公営企業の業務のため直接必要な経費に不足を生じたときは、管理者は、当該業務量の増加に因り増加する収入に相当する金額を当該企業の業務のため直接必要な経費に使用することができる。
この場合においては、遅滞なく、管理者は、当該地方公共団体の長にその旨を報告するものとし、報告を受けた地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。
地方公共団体の長は、地方公営企業の予算を議会に提出する場合においては、当該地方公営企業の管理者が作成した政令で定める予算に関する説明書をあわせて提出しなければならない。
予算に定めた地方公営企業の建設 又は改良に要する経費のうち、年度内に支払義務が生じなかつたものがある場合においては、管理者は、その額を翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による場合を除くほか、毎事業年度の支出予算の金額は、翌事業年度において使用することができない。
ただし、支出予算の金額のうち、年度内に支出の原因となる契約 その他の行為をし、避け難い事故のため年度内に支払義務が生じなかつたものについては、管理者は、その金額を翌事業年度に繰り越して使用することができる。
前二項の規定により予算を繰り越した場合においては、管理者は、地方公共団体の長に繰越額の使用に関する計画について報告をするものとし、報告を受けた地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。
地方公営企業の業務に係る出納は、管理者が行う。
ただし、管理者は、地方公営企業の業務の執行上必要がある場合においては、政令で定める金融機関で地方公共団体の長の同意を得て指定したものに、当該地方公営企業の業務に係る公金の出納事務の一部を取り扱わせることができる。
監査委員は、必要があると認めるとき、又は管理者の要求があるときは、前条の規定により指定された金融機関が取り扱う地方公営企業の業務に係る公金の収納 又は支払の事務について監査することができる。
監査委員は、前項の規定により監査をしたときは、監査の結果に関する報告を地方公共団体の議会 及び長 並びに管理者に提出しなければならない。
地方公営企業を経営する地方公共団体に、当該地方公営企業の業務に係る出納 その他の会計事務をつかさどらせるため、企業出納員 及び現金取扱員を置く。
ただし、現金取扱員は、置かないことができる。
企業出納員 及び現金取扱員は、企業職員のうちから、管理者が命ずる。
企業出納員は、管理者の命を受けて、出納 その他の会計事務をつかさどる。
現金取扱員は、上司の命を受けて、企業管理規程で定めた額を限度として当該地方公営企業の業務に係る現金の出納に関する事務をつかさどる。
管理者は、予算内の支出をするため、一時の借入をすることができる。
前項の規定による借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。
但し、資金不足のため償還することができない場合においては、償還することができない金額を限度として、これを借り換えることができる。
前項但書の規定により借り換えた借入金は、一年以内に償還しなければならない。
但し、借入金をもつてこれを償還するようなことをしてはならない。
管理者は、毎事業年度終了後二月以内に当該地方公営企業の決算を調製し、証書類、当該年度の事業報告書 及び政令で定めるその他の書類と併せて、当該地方公共団体の長に提出しなければならない。
地方公共団体の長は、決算 及び前項の書類を監査委員の審査に付さなければならない。
監査委員は、前項の審査をするに当たつては、地方公営企業の運営が第三条の規定の趣旨に従つてされているかどうかについて、特に、意を用いなければならない。
地方公共団体の長は、第二項の規定により監査委員の審査に付した決算を、監査委員の意見を付けて、遅くとも当該事業年度終了後三月を経過した後において最初に招集される定例会である議会の認定(地方自治法第百二条の二第一項の議会においては、遅くとも当該事業年度終了後三月を経過した後の最初の定例日(同条第六項に規定する定例日をいう。)に開かれる会議において議会の認定)に付さなければならない。
前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
地方公共団体の長は、第四項の規定により決算を議会の認定に付するに当たつては、第二項の規定により監査委員の審査に付した当該年度の事業報告書 及び政令で定めるその他の書類を併せて提出しなければならない。
地方公共団体の長は、第四項の規定により議会の認定に付した決算の要領を住民に公表しなければならない。
地方公共団体の長は、第四項の規定による決算の認定に関する議案が否決された場合において、当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じたとき、又は管理者が当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じて当該措置の内容を当該地方公共団体の長に報告したときは、速やかに、これらの措置の内容を議会に報告するとともに、公表しなければならない。
第一項の決算について作成すべき書類は、当該年度の予算の区分に従つて作成した決算報告書 並びに損益計算書、剰余金計算書 又は欠損金計算書、剰余金処分計算書 又は欠損金処理計算書 及び貸借対照表とし、その様式は、総務省令で定める。
管理者は、毎月末日をもつて試算表 その他当該企業の計理状況を明らかにするために必要な書類を作成し、翌月二十日までに当該地方公共団体の長に提出しなければならない。
地方公営企業は、毎事業年度利益を生じた場合において前事業年度から繰り越した欠損金があるときは、その利益をもつてその欠損金をうめなければならない。
毎事業年度生じた利益の処分は、前項の規定による場合を除くほか、条例の定めるところにより、又は議会の議決を経て、行わなければならない。
毎事業年度生じた資本剰余金の処分は、条例の定めるところにより、又は議会の議決を経て、行わなければならない。
資本金の額は、議会の議決を経て、減少することができる。
地方公営企業は、毎事業年度欠損を生じた場合において前事業年度から繰り越した利益があるときは、その利益をもつてその欠損金をうめなければならない。
地方公営企業の用に供する資産の取得、管理 及び処分は、管理者が行う。
前項の資産のうちその種類 及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める重要なものの取得 及び処分については、予算で定めなければならない。
地方公営企業の用に供する行政財産を地方自治法第二百三十八条の四第七項の規定により使用させる場合に徴収する使用料に関する事項については、管理者が定める。
地方自治法第二百四十三条の二から第二百四十三条の二の六までの規定は、地方公営企業の業務に係る公金の徴収 若しくは収納 又は支出の事務の委託について準用する。
この場合において、
同法第二百四十三条の二の四第一項中
「他の法律 又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、政令で定めるもの」とあるのは
「地方公営企業の業務に係るもの(指定公金事務取扱者が徴収することにより、その収入の確保 及び住民の便益の増進に寄与すると認められるものに限る。)」と、
同法第二百四十三条の二の六第一項中
「他の法律 又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、政令で定めるもの」とあるのは
「地方公営企業の業務に係るものとして政令で定めるもの」と、
同条第三項中
「規則」とあるのは
「規則 又は企業管理規程」と
読み替えるものとする。
地方自治法第二百四十三条の二の八の規定は、地方公営企業の業務に従事する職員の賠償責任について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「規則」とあるのは
「規則 又は企業管理規程」と、
同条第八項中
「議会の同意を得て」とあるのは
「条例で定める場合には議会の同意を得て」と
読み替えるほか、第七条の規定により管理者が置かれている地方公営企業の業務に従事する職員の賠償責任について準用する場合に限り、
同法第二百四十三条の二の八第三項中
「普通地方公共団体の長」とあるのは
「管理者」と、
同条第八項中
「普通地方公共団体の長」とあるのは
「管理者」と、
「あらかじめ監査委員の意見を聴き、その意見」とあるのは
「管理者があらかじめ監査委員の意見を聴き、普通地方公共団体の長が当該意見」と
読み替えるものとする。
第二条第二項 又は第三項の規定により地方公共団体の経営する企業に財務規定等が適用される場合においては、管理者の権限は、当該地方公共団体の長が行う。
ただし、管理者の権限のうち当該企業の出納 その他の会計事務 及び決算に係るものについては、条例で定めるところにより、その全部 又は一部を当該地方公共団体の会計管理者に行わせることができる。
この章に定めるものを除く外、地方公営企業の財務に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 職員の身分取扱
企業職員の労働関係については、地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和二十七年法律第二百八十九号)の定めるところによる。
企業職員の給与は、給料 及び手当とする。
企業職員の給与は、その職務に必要とされる技能、職務遂行の困難度等職務の内容と責任に応ずるものであり、かつ、職員の発揮した能率が充分に考慮されるものでなければならない。
企業職員の給与は、生計費、同一 又は類似の職種の国 及び地方公共団体の職員 並びに民間事業の従事者の給与、当該地方公営企業の経営の状況 その他の事情を考慮して定めなければならない。
企業職員の給与の種類 及び基準は、条例で定める。
企業職員については、地方公務員法第五条、第八条(第一項第四号 及び第六号、第三項 並びに第五項を除く。)、第十四条第二項、第二十三条の四から第二十六条の三まで、第二十六条の五第三項(同法第二十六条の六第十一項において準用する場合を含む。)、第三十七条、第三十九条第四項、第四十六条から第四十九条まで、第五十二条から第五十六条まで、第五十八条(同条第三項中 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十四条第二項 及び第三項に係る部分 並びに同法第七十五条から第八十八条まで 及び船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十九条から第九十六条までに係る部分(地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第二条第一項に規定する者に適用される場合に限る。)を除く。)及び第五十八条の三、地方公務員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第百十号)第四条第二項、第七条、第八条、第十四条、第十五条 及び第十九条 並びに地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律(平成十二年法律第五十一号)第六条の規定は、適用しない。
企業職員(政令で定める基準に従い地方公共団体の長が定める職にある者を除く。)については、地方公務員法第三十六条の規定は、適用しない。
企業職員については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定は、適用しない。
ただし、第三十四条において準用する地方自治法第二百四十三条の二の八第三項の規定による処分を受けた場合は、この限りでない。
企業職員に対する地方公務員法第八条第一項第四号の規定の適用については、
同号中
「人事行政の運営」とあるのは、
「退職管理」と
する。
企業職員に対する地方公務員の育児休業等に関する法律第十条第一項 及び第十七条の規定の適用については、
同項中
「次の各号に掲げるいずれかの勤務の形態(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第六条の規定の適用を受ける国家公務員と同様の勤務の形態によって勤務する職員以外の職員にあっては、第五号に掲げる勤務の形態)」とあるのは
「五分の一勤務時間(当該職員の一週間当たりの通常の勤務時間(以下この項において「週間勤務時間」という。)に五分の一を乗じて得た時間に端数処理(五分を最小の単位とし、これに満たない端数を切り上げることをいう。以下この項において同じ。)を行って得た時間をいう。)に二を乗じて得た時間に十分の一勤務時間(週間勤務時間に十分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。)を加えた時間から八分の一勤務時間(週間勤務時間に八分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。)に五を乗じて得た時間までの範囲内の時間となるように地方公営企業の管理者が定める勤務の形態」と、
同法第十七条中
「第十三条から前条まで」とあるのは
「第十三条 及び前条」と
する。
企業職員に対する地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(平成十四年法律第四十八号)第五条第三項の規定の適用については、
同項中
「承認(第二号にあっては、承認 その他の処分)」とあるのは
「承認 その他の処分」と、
同項第一号中
「承認」とあるのは
「承認に相当する承認 その他の処分」と、
同項第二号中
「条例の規定による承認 その他の処分」とあるのは
「管理規程による承認 その他の処分(当該管理規程を制定していない場合にあっては、同法第六十一条第六項の規定により読み替えて準用する同条第五項の規定による承認)」と、
同項第三号中
「承認」とあるのは
「承認に相当する承認 その他の処分」と
する。
第五章 一部事務組合及び広域連合に関する特例
地方公営企業の経営に関する事務を共同処理する一部事務組合(以下「企業団」という。)の管理者の名称は、企業長とする。
企業団には、第七条の規定にかかわらず、同条の管理者を置かず、当該管理者の権限は、企業長が行う。
企業長は、企業団の規約で別段の定めをしない限り、地方公営企業の経営に関し識見を有する者のうちから、企業団を組織する地方公共団体の長が共同して任命するものとする。
第七条の二第二項 及び第四項から第十項まで、地方自治法第百八十条の五第六項から第八項まで 並びに地方公務員法第三十四条の規定は、企業長について準用する。
この場合において、第七条の二第七項 及び第八項中「地方公共団体の長は」とあるのは、
前項に規定する方法により選任される企業長について準用する場合にあつては
「企業団を組織する地方公共団体の長は、共同して」と、
前項の別段の定めにより選任される企業長について準用する場合にあつては
「企業団の規約で定める者は、その規約で定めるところにより」
と読み替えるものとする。
企業団の監査委員は、企業長が企業団の議会の同意を得て、人格が高潔で、事業の経営管理に関し優れた識見を有する者のうちから選任する。
地方公営企業の経営に関する事務を処理する広域連合(以下「広域連合企業団」という。)に対する第七条の規定の適用については、
同条ただし書中
「政令で定める地方公営企業について管理者」とあるのは、
「管理者」と
する。
企業団 又は広域連合企業団の設置があつた場合における企業長の選任の時期 その他必要な事項は、政令で定める。
企業団 又は広域連合企業団においては、地方公営企業の財務以外の財務についても、第十七条から第三十五条まで 及び附則第二項の規定を適用する。
第十七条の二から第十八条の二までの規定は、企業団 又は広域連合企業団を組織する地方公共団体の当該企業団 又は広域連合企業団に対する経費の負担、補助、出資 及び長期の貸付けについて準用する。
前二項の規定は、第二条第二項 又は第三項の規定により財務規定等が適用される企業の経営に関する事務を処理する一部事務組合 又は広域連合に準用する。
第六章 雑則
地方公営企業の業務に関する契約の締結 並びに財産の取得、管理 及び処分については、地方自治法第九十六条第一項第五号から第八号まで 及び第二百三十七条第二項 及び第三項の規定にかかわらず、条例 又は議会の議決によることを要しない。
地方公営企業の業務に関する負担附きの寄附 又は贈与の受領、地方公共団体がその当事者である審査請求 その他の不服申立て、訴えの提起、和解、あつせん、調停 及び仲裁 並びに法律上地方公共団体の義務に属する損害賠償の額の決定については、条例で定めるものを除き、地方自治法第九十六条第一項第九号、第十二号 及び第十三号の規定は、適用しない。
管理者は、条例で定めるところにより、毎事業年度少くとも二回以上当該地方公営企業の業務の状況を説明する書類を当該地方公共団体の長に提出しなければならない。
この場合においては、地方公共団体の長は、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前項の規定による公表は、これをもつて、当該地方公営企業に係る地方自治法第二百四十三条の三第一項の規定による普通地方公共団体の長の行う公表とみなす。
総務大臣は、地方公営企業が第三条に規定する基本原則に合致して経営されるように、地方公営企業を経営する地方公共団体に対し、助言し、又は勧告することができる。
総務大臣は、前項の助言 又は勧告を行うため必要がある場合においては、地方公営企業を経営する地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、当該地方公営企業の経営に関する事項について報告を求めることができる。
地方公営企業の経営に関し、地方公共団体相互の間で協議がととのわない場合において、関係地方公共団体の申出があるときは、政令で定めるところにより、総務大臣 又は都道府県知事は、必要なあつ旋 若しくは調停をし、又は必要な勧告をすることができる。
地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、地方公営企業を経営するための地方公共企業体を設けることができる。