採石法

# 昭和二十五年法律第二百九十一号 #

第三章 採石業

分類 法律
カテゴリ   鉱業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 02月18日 18時13分


第一節 採石業者の登録

1項

採石業を行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。

1項

前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

一 号
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 号

事務所の名称 及び所在地 並びにその事務所に置く採石業務管理者(以下「業務管理者」という。)の氏名

三 号
法人にあつては、その業務を行う役員の氏名
2項

前項の申請書には、前条の登録を受けようとする者が第三十二条の四第一項第一号から 第五号まで 及び第七号に該当しない者であることを誓約する書面 その他の経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。

1項

都道府県知事は、第三十二条の登録の申請があつたときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第一項各号に掲げる事項 並びに登録の年月日 及び登録番号を採石業者登録簿に登録しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定により登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

1項

都道府県知事は、第三十二条の登録を受けようとする者が次の各号いずれかに該当するとき、又は第三十二条の二第一項の申請書 若しくは その添付書類に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

一 号

この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

二 号

第三十二条の十第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

第三十二条の登録を受けた者(以下「採石業者」という。)であつて法人であるものが第三十二条の十第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその採石業者の業務を行う役員であつた者でその処分のあつた日から二年を経過しないもの

四 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(第七号において「暴力団員等」という。

五 号

法人であつて、その業務を行う役員のうちに前各号いずれかに該当する者があるもの

六 号

その事務所ごとに、次に掲げる者であつて一号から 第四号までに該当しないものを業務管理者として置いていない者

採石業務管理者試験(以下「業務管理者試験」という。)に合格した者

に掲げる者と同等以上の知識 及び技能を有すると都道府県知事が認定した者

七 号
暴力団員等がその事業活動を支配する者
2項

都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

1項

採石業者がその事業の全部を譲り渡し、又は採石業者について相続、合併 若しくは分割(その事業の全部を承継させるものに限る)があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者 又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人 若しくは合併により設立した法人 若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その採石業者の地位を承継する。


ただし、当該事業の全部を譲り受けた者 又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人 若しくは合併により設立した法人 若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人が第三十二条の四第一項第一号から 第五号まで 又は第七号いずれかに該当するときは、この限りでない。

2項

前項の規定により採石業者の地位を承継した者は、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

採石業者は、第三十二条の二第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨をその登録をした都道府県知事に届け出なければならない。

2項

第三十二条の二第二項の規定は、前項の規定による届出に準用する。

1項

採石業者は、その登録に係る都道府県の区域内において採石業を廃止したときは、遅滞なく、その旨をその登録をした都道府県知事に届け出なければならない。

1項

採石業者が、その登録に係る都道府県の区域内において採石業を廃止したときは、その者に係る第三十二条の都道府県知事の登録は、その効力を失う。

1項

都道府県知事は、その登録を受けた採石業者が次の各号いずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めてその事業の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第三十二条の四第一項第一号第三号から 第五号まで 又は第七号いずれかに該当することとなつたとき。

二 号

第三十二条の四第一項第六号に該当することとなつた場合において、その該当することとなつた日から二週間を経過してもなお同号に該当しているとき。

三 号

第三十二条の七第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

四 号

第三十三条の規定に違反して岩石の採取を行つたとき。

五 号

第三十三条の十二の規定による認可の取消しを受けたとき。

六 号

不正の手段により第三十二条の登録を受けたとき。

2項

都道府県知事は、前項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を当該処分に係る者に通知しなければならない。

1項

都道府県知事は、その登録を受けた採石業者の登録がその効力を失つたときは、その登録を消除しなければならない。

1項

業務管理者は、岩石の採取に伴う災害の防止に関し経済産業省令で定める職務を誠実に行なわなければならない。

2項

岩石の採取に従事する者は、業務管理者がその職務を行なうために必要であると認めてする指示に従わなければならない。

1項
業務管理者試験は、岩石の採取に伴う災害の防止に関して必要な知識 及び技能について都道府県知事が行なう。
2項

業務管理者試験の実施 及び第三十二条の四第一項第六号ロの規定による認定に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

第二節 採取計画の認可等

1項

採石業者は、岩石の採取を行おうとするときは、当該岩石の採取を行う場所(以下「岩石採取場」という。)ごとに採取計画を定め、当該岩石採取場の所在地を管轄する都道府県知事(当該所在地が地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区域に属する場合にあつては、当該所在地を管轄する指定都市の長。以下 この節 並びに第三十三条の十七第三十四条の六 及び第四十二条から 第四十二条の二の二までにおいて同じ。)の認可を受けなければならない。

1項

前条の採取計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号
岩石採取場の区域
二 号
採取をする岩石の種類 及び数量 並びにその採取の期間
三 号
岩石の採取の方法 及び岩石の採取のための設備 その他の施設に関する事項
四 号
岩石の採取に伴う災害の防止のための方法 及び施設に関する事項
五 号

前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

1項

第三十三条の認可を受けようとする採石業者は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

一 号
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 号
登録の年月日 及び登録番号
三 号
採取計画
2項

前項の申請書には、岩石採取場 及び その周辺の状況を示す図面 その他の経済産業省令で定める書類を添附しなければならない。

1項

都道府県知事は、第三十三条の認可の申請があつた場合において、当該申請に係る採取計画に基づいて行なう岩石の採取が他人に危害を及ぼし、公共の用に供する施設を損傷し、又は農業、林業 若しくは その他の産業の利益を損じ、公共の福祉に反すると認めるときは、同条の認可をしてはならない。

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る採取計画を変更しようとするときは、その認可をした都道府県知事の認可を受けなければならない。


ただし、経済産業省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

2項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る採取計画について前項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨をその認可をした都道府県知事に届け出なければならない。

3項

前条の規定は、第一項の規定による変更の認可に準用する。

4項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、第三十三条の三第一項第一号 又は第二号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨をその認可をした都道府県知事に届け出なければならない。

1項

都道府県知事は、第三十三条の認可 又は前条第一項の規定による変更の認可に係る処分をする場合は、関係市町村長の意見をきくとともに、これらの処分をしたときは、その旨を当該関係市町村長に通報しなければならない。

1項

第三十三条の認可 又は第三十三条の五第一項の規定による変更の認可には、条件を附することができる。

2項

前項の条件は、認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、認可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る採取計画(第三十三条の五第一項 又は第二項の規定による変更の認可 又は届出があつたときは、その変更後のもの。以下次条において「認可採取計画」という。)に従つて岩石の採取を行なわなければならない。

1項

都道府県知事は、認可採取計画に基づいて行なわれている岩石の採取が第三十三条の四に規定する要件に該当することとなると認めるときは、その認可を受けた採石業者に対し、当該認可採取計画を変更すべきことを命ずることができる。

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る岩石採取場における岩石の採取を引き続き六箇月以上休止しようとするとき、又は当該岩石の採取を廃止したときは、遅滞なく、その旨をその認可をした都道府県知事に届け出なければならない。

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者が当該認可に係る岩石採取場における岩石の採取を廃止したとき、又は第三十二条の十第一項の規定によりその登録を取り消されたときは、当該廃止した岩石採取場に係る第三十三条の認可 又は当該取り消された登録に係る都道府県の区域内の岩石採取場に係る同条の認可は、その効力を失う。

1項

都道府県知事は、第三十三条の認可を受けた採石業者が次の各号の一に該当するときは、その認可を取り消し、又は六箇月以内の期間を定めてその認可に係る岩石採取場における岩石の採取の停止を命ずることができる。

一 号

第三十三条の七第一項の条件に違反したとき。

二 号

第三十三条の八の規定に違反したとき。

三 号

第三十三条の九 又は次条第一項の規定による命令に違反したとき。

四 号

不正の手段により第三十三条の認可を受けたとき。

1項

都道府県知事は、岩石の採取に伴う災害の防止のため緊急の必要があると認めるときは、採取計画についてその認可を受けた採石業者に対し、岩石の採取に伴う災害の防止のための必要な措置をとるべきこと 又は岩石の採取を停止すべきことを命ずることができる。

2項

都道府県知事は、第三十二条の規定に違反して採石業を行なつた者 又は第三十三条 若しくは第三十三条の八の規定に違反して岩石の採取を行なつた者に対し、採取跡の崩壊防止施設の設置 その他岩石の採取に伴う災害の防止のための必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

市町村長は、岩石の採取に伴う災害が発生するおそれがあると認めるときは、都道府県知事に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。

2項

都道府県知事は、前項の規定による要請があつたときは、必要な調査を行ない、その結果必要があると認めるときは、第三十三条の九 又は前条の規定による措置 その他必要な措置を講じなければならない。

第三節 雑則

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る岩石採取場の見やすい場所に、経済産業省令で定めるところにより、氏名 又は名称、登録番号 その他の経済産業省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

1項

第三十三条の認可を受けた採石業者は、当該認可に係る岩石採取場に係る廃土 又は廃石のたい積したものその他の経済産業省令で定める物件については、これを譲渡し、又は放棄した後であつても、当該認可に係る採取計画に従つて災害の防止に関する措置を講じなければならない。

1項

都道府県知事は、第三十三条の認可を受けた採石業者が当該認可に係る岩石採取場における岩石の採取を廃止したときは、当該廃止した者に対し、当該廃止の日から二年間は、その者が当該岩石採取場において岩石の採取を行なつたことにより生ずる災害を防止するため必要な設備をすることを命ずることができる。

1項

指定都市の長は、当該指定都市の区域において採石業者が第三十三条の規定に違反して岩石の採取を行つたと認めたとき、又は第三十三条の十二の規定による認可の取消しをしたときは、その旨を当該採石業者の登録をした都道府県知事であつて当該指定都市の区域を管轄するものに通報しなければならない。

2項

都道府県知事は、第三十二条の十第一項の規定による処分をしたときは、その旨を当該処分に係る者の採取計画(当該都道府県知事が管轄する区域内の指定都市の区域に係るものに限る)について第三十三条の認可をした指定都市の長に通報しなければならない。

1項

採石業を行う土地の区域と鉱区とが重複するときは、採石業者 又は鉱業権者(租鉱区については、租鉱権者。以下同じ。)は、事業の実施について、鉱業権者 又は採石業者に対し協議することができる。

2項

採石業者 又は鉱業権者は、前項の規定による協議をすることができず、又は協議がととのわないときは、経済産業局長の決定を申請することができる。

3項

経済産業局長は、前項の規定による決定の申請があつたときは、その申請書の副本を鉱業権者 又は採石業者に交付するとともに、当事者の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

4項

経済産業局長は、前項の意見の聴取をしようとするときは、その期日の一週間前までに、事案の要旨 並びに意見の聴取の期日 及び場所を当事者に通知し、かつ、これを公示しなければならない。

5項

第三項の意見の聴取に際しては、当事者に対して、当該事案について、証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

6項

経済産業局長は、第二項の決定をしたときは、決定書の謄本を当事者に交付しなければならない。

7項

第二項の決定があつたときは、決定の定めるところに従い、当事者の間に協議がととのつたものとみなす。

1項

採石業者は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

1項

都道府県知事 又は指定都市の長は、第三十二条の十第一項 又は第三十三条の十二の規定による命令をしようとするときは、行政手続法平成五年法律第八十八号第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2項

第三十二条の十第一項 又は第三十三条の十二の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

3項

前項の聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

1項

この法律 又は この法律に基づく命令の規定による処分 又は その不作為についての審査請求(第三十八条に規定する審査請求を除く)に対する裁決は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、審査請求人に対し、相当な期間をおいて予告をした上、同法第十一条第二項に規定する審理員が公開による意見の聴取をした後にしなければならない。

2項

前項の意見の聴取に際しては、審査請求人 及び利害関係人に対し、その事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

3項

第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第二項から 第五項までの規定を準用する。

1項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、採石業者に対し、岩石の採取に伴う災害を防止し、又は採石業の健全な発達を図るために必要な指導 及び助言に努めるものとする。

1項

経済産業大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提出 及び説明を求めることができる。

1項

この章中業務管理者 及び採取計画に関する部分の規定は、採石業であつて、採取する岩石の種類 及び用途、岩石の採取の方法、岩石の採取に従事する者の数等により岩石の採取に伴う災害の発生するおそれがないと認められるものとして政令で定める業態のものを行なう者については、適用しない

2項

前項の政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令の制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。