都道府県に、都道府県警察を置く。
警察法
第四章 都道府県警察
第一節 総則
都道府県警察は、当該都道府県の区域につき、第二条の責務に任ずる。
都道府県警察に要する次に掲げる経費で政令で定めるものは、国庫が支弁する。
警視正以上の階級にある警察官の俸給 その他の給与、地方公務員共済組合負担金 及び公務災害補償に要する経費
警察教養施設の維持管理 及び警察学校における教育訓練に要する経費
警察通信施設の維持管理 その他警察通信に要する経費
犯罪鑑識施設の維持管理 その他犯罪鑑識に要する経費
犯罪統計に要する経費
警察用車両 及び船舶 並びに警備装備品の整備に要する経費
警衛 及び警備に要する経費
国の公安に係る犯罪 その他特殊の犯罪の捜査に要する経費
武力攻撃事態等における対処措置 及び緊急対処事態における緊急対処措置 並びに国の機関と共同して行う これらの措置についての訓練に要する経費
国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する財産の凍結等に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十四号)第三章の規定による措置に要する経費
犯罪被害者等給付金に関する事務の処理に要する経費
第二十一条第二十三号に規定する給付金に関する事務の処理に要する経費
第二十一条第二十四号に規定する国外犯罪被害弔慰金等に関する事務の処理に要する経費
前項の規定により国庫が支弁することとなる経費を除き、都道府県警察に要する経費は、当該都道府県が支弁する。
都道府県の支弁に係る都道府県警察に要する経費については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、国がその一部を補助する。
第二節 都道府県公安委員会
都道府県知事の所轄の下に、都道府県公安委員会を置く。
都道府県公安委員会は、都、道、府 及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の規定により指定する市(以下「指定市」という。)を包括する県(以下「指定県」という。)にあつては五人の委員、指定県以外の県にあつては三人の委員をもつて組織する。
都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する。
第五条第五項の規定は、都道府県公安委員会の事務について準用する。
都道府県公安委員会は、その権限に属する事務に関し、法令 又は条例の特別の委任に基いて、都道府県公安委員会規則を制定することができる。
都道府県公安委員会は、国家公安委員会 及び 他の都道府県公安委員会と常に緊密な連絡を保たなければならない。
委員は、当該都道府県の議会の議員の被選挙権を有する者で、任命前五年間に警察 又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のないもののうちから、都道府県知事が都道府県の議会の同意を得て、任命する。
但し、道、府 及び指定県にあつては、その委員のうち二人は、当該道、府 又は県が包括する指定市の議会の議員の被選挙権を有する者で、任命前五年間に警察 又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のないもののうちから、当該指定市の市長がその市の議会の同意を得て推せんしたものについて、当該道、府 又は県の知事が任命する。
次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
破産者で復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられた者
委員の任命については、そのうち二人以上(都、道、府 及び指定県にあつては三人以上)が同一の政党に所属することとなつてはならない。
委員の任期は、三年とする。
但し、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
委員は、二回に限り再任されることができる。
委員は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その職を失うものとする。
第三十九条第二項各号のいずれかに該当するに至つた場合
当該都道府県の議会の議員の被選挙権を有する者でなくなつた場合(第三十九条第一項ただし書に規定する委員については、当該指定市の議会の議員の被選挙権を有する者でなくなつた場合)
都道府県知事は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合 又は委員に職務上の義務違反 その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、当該都道府県の議会の同意を得て、これを罷免することができる。
但し、第三十九条第一項但書に規定する委員の罷免については、道、府 又は指定県の知事は、当該指定市の市長に対しその市の議会の同意を得ることを求めるものとし、その同意があつたときは、これを罷免することができる。
指定県以外の県の知事は、委員のうち二人以上が同一の政党に所属するに至つた場合においては、これらの者のうち一人をこえる員数の委員を当該県の議会の同意を得て、罷免する。
都、道、府 及び指定県の知事は、委員のうち三人以上が同一の政党に所属するに至つた場合においては、第九条第三項各号の規定の例により、そのこえるに至つた員数の委員を、当該都、道、府 又は指定県の議会の同意を得て、罷免する。
但し、新たに同一の政党に所属するに至つた委員のうちに第三十九条第一項但書に規定するものを含むときは、これらの委員のうち罷免すべきものは、くじで定める。
都道府県知事は、委員のうち一人(都、道、府 及び指定県にあつては二人)がすでに所属している政党に新たに所属するに至つた委員を直ちに罷免する。
前四項の場合を除く外、委員は、その意に反して罷免されることがない。
地方公務員法第三十条から第三十四条まで 及び第三十八条第一項本文の規定は、委員の服務について準用する。
ただし、都道府県知事は、委員が同項に規定する地位を兼ね、又は同項に規定する行為をすることが委員の職務の遂行上 支障があると認める場合のほかは、同項に規定する許可を与えるものとする。
委員は、地方公共団体の議会の議員 若しくは常勤の職員 又は地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。
委員は、政党 その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
都道府県公安委員会に委員長を置き、委員が互選する。
委員長の任期は、一年とする。
但し、再任することができる。
委員長は、会務を総理し、都道府県公安委員会を代表する。
都道府県公安委員会は、都道府県警察の事務 又は都道府県警察の職員の非違に関する監察について必要があると認めるときは、都道府県警察に対する第三十八条第三項の規定に基づく指示を具体的 又は個別的な事項にわたるものとすることができる。
都道府県公安委員会は、前項の規定による指示をした場合において、必要があると認めるときは、その指名する委員に、当該指示に係る事項の履行の状況を点検させることができる。
都道府県公安委員会は、都道府県警察の職員(第六十条第一項の規定による援助の要求により派遣された警察庁の職員を含む。)に、前項の規定により指名された委員の同項に規定する事務を補助させることができる。
都道府県公安委員会の庶務は、警視庁 又は道府県警察本部において処理する。
この法律に定めるものの外、都道府県公安委員会の運営に関し必要な事項は、都道府県公安委員会が定める。
第五十一条に規定する方面本部を管理する機関として、同条の規定により方面本部を置く方面ごとに、方面公安委員会を置く。
第三十八条第二項 及び第六項 並びに第三十九条から前条までの指定県以外の県の県公安委員会 及び その委員に関する規定は、方面公安委員会について準用する。
この場合において、
第三十八条第六項中
「及び 他の都道府県公安委員会」とあるのは
「並びに他の方面公安委員会 及び都道府県公安委員会」と、
第四十三条の二中
「都道府県警察」とあるのは
「方面本部」と、
同条第一項中
「第三十八条第三項」とあるのは
「第四十六条第一項」と
読み替えるものとする。
新たに指定市の指定があつた場合における当該指定市を包括する県の県公安委員会の第三十九条第一項ただし書に規定する委員が最初に任命されるまでの間の委員の数 及びその最初に任命される委員の任期に関する本節の規定の適用の特例については、政令で定める。
第三節 都道府県警察の組織
都警察の本部として警視庁を、道府県警察の本部として道府県警察本部を置く。
警視庁 及び道府県警察本部は、それぞれ、都道府県公安委員会の管理の下に、都警察 及び道府県警察の事務をつかさどり、並びに第三十八条第四項において準用する第五条第五項の事務について都道府県公安委員会を補佐する。
警視庁は特別区の区域内に、道府県警察本部は道府県庁所在地に置く。
警視庁 及び道府県警察本部の内部組織は、政令で定める基準に従い、条例で定める。
都警察に警視総監を、道府県警察に道府県警察本部長を置く。
警視総監 及び道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、それぞれ、都道府県公安委員会の管理に服し、警視庁 及び道府県警察本部の事務を統括し、並びに都警察 及び道府県警察の所属の警察職員を指揮監督する。
警視総監は、国家公安委員会が都公安委員会の同意を得た上内閣総理大臣の承認を得て、任免する。
都公安委員会は、国家公安委員会に対し、警視総監の懲戒 又は罷免に関し必要な勧告をすることができる。
警察本部長は、国家公安委員会が道府県公安委員会の同意を得て、任免する。
道府県公安委員会は、国家公安委員会に対し、警察本部長の懲戒 又は罷免に関し必要な勧告をすることができる。
道の区域を五以内の方面に分ち、方面の区域内における警察の事務を処理させるため、方面ごとに方面本部を置く。
但し、道警察本部の所在地を包括する方面には、置かないものとする。
方面本部に、方面本部長を置く。
方面本部長は、方面公安委員会の管理に服し、方面本部の事務を統括し、及び道警察本部長の命を受け、方面本部の所属の警察職員を指揮監督する。
前条の規定は、方面本部長について準用する。
方面の数、名称 及び区域 並びに方面本部の位置は、国家公安委員会の意見を聞いて、条例で定める。
方面本部の内部組織は、政令で定める基準に従い、条例で定める。
指定市の区域内における道府県警察本部の事務を分掌させるため、当該指定市の区域に市警察部を置く。
市警察部に、部長を置く。
市警察部長は、市警察部の事務を統括し、及び道府県警察本部長の命を受け、市警察部の所属の警察職員を指揮監督する。
都道府県の区域を分ち、各地域を管轄する警察署を置く。
警察署に、署長を置く。
警察署長は、警視総監、警察本部長、方面本部長 又は市警察部長の指揮監督を受け、その管轄区域内における警察の事務を処理し、所属の警察職員を指揮監督する。
警察署の名称、位置 及び管轄区域は、政令で定める基準に従い、条例で定める。
警察署の下部機構として、交番 その他の派出所 又は駐在所を置くことができる。
警察署に、警察署協議会を置くものとする。
ただし、管轄区域内の人口が僅少であること その他特別の事情がある場合は、これを置かないことができる。
警察署協議会は、警察署の管轄区域内における警察の事務の処理に関し、警察署長の諮問に応ずるとともに、警察署長に対して意見を述べる機関とする。
警察署協議会の委員は、都道府県公安委員会が委嘱する。
警察署協議会の設置、その委員の定数、任期 その他警察署協議会に関し必要な事項は、条例(警察署協議会の議事の手続にあつては、都道府県公安委員会規則)で定める。
警視庁に警視庁警察学校を、道府県警察本部に道府県警察学校を附置する。
警視庁警察学校 及び府県警察学校は、警察職員に対し、新任者に対する教育訓練 その他所要の教育訓練を行う。
道警察学校は、警察職員に対し、新任者に対する教育訓練、幹部として必要な教育訓練 その他所要の教育訓練を行う。
都道府県警察に、警察官 その他所要の職員を置く。
警視総監、警察本部長、方面本部長、市警察部長 及び警察署長は、警察官をもつて充てる。
第一項の職員のうち、警視総監、警察本部長 及び方面本部長以外の警視正以上の階級にある警察官は、国家公安委員会が都道府県公安委員会の同意を得て、任免し、その他の職員は、警視総監 又は警察本部長がそれぞれ都道府県公安委員会の意見を聞いて、任免する。
都道府県公安委員会は、警視総監、警察本部長 及び方面本部長以外の警視正以上の階級にある警察官については国家公安委員会に対し、その他の職員については警視総監 又は警察本部長に対し、それぞれその懲戒 又は罷免に関し必要な勧告をすることができる。
都道府県警察の職員のうち、警視正以上の階級にある警察官(以下「地方警務官」という。)は、一般職の国家公務員とする。
前項の職員以外の都道府県警察の職員(以下「地方警察職員」という。)の任用 及び給与、勤務時間 その他の勤務条件、並びに服務に関して地方公務員法の規定により条例 又は人事委員会規則で定めることとされている事項については、第三十四条第一項に規定する職員の例を基準として当該条例 又は人事委員会規則を定めるものとする。
警視総監 又は警察本部長は、第四十三条の二第一項の規定による指示がある場合のほか、都道府県警察の職員が次の各号のいずれかに該当する疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、当該職員が当該各号のいずれかに該当することが明らかになつたときは、都道府県公安委員会に対し、都道府県公安委員会の定めるところにより、その結果を報告しなければならない。
その職務を遂行するに当たつて、法令 又は条例の規定に違反した場合
前号に掲げるもののほか、職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
前条第一項の規定にかかわらず、退職時に特定地方警務官(地方警務官のうち、その属する都道府県警察において 巡査の階級から順次警視の階級まで昇任し、引き続き地方警務官となつた者 及びこれに準ずるものとして国家公安委員会規則で定める者をいう。以下同じ。)であつた者については、国家公務員法第六十条の二の規定は、適用しない。
特定地方警務官は、第五十六条の四第一項の規定により任命されたときは、当該任命の時に一般職の国家公務員を退職する。
特定地方警務官に対する国家公務員法第八十一条の二 及び第八十一条の七の規定の適用については、
同法第八十一条の二第一項ただし書中
「異動期間」とあるのは
「当該職員が警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の二第一項に規定する特定地方警務官である場合 又は異動期間」と、
「又は」とあるのは
「若しくは」と、
同法第八十一条の七第一項ただし書中
「ただし、」とあるのは
「ただし、警察法第五十六条の二第五項において読み替えて準用する」と
する。
第五十六条の四第一項の規定により任命された者に対する国家公務員法第八十一条の三の規定の適用については、
同条中
「(他の官職への降任等」とあるのは
「(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の四第一項の規定による任命」と、
「職員」とあるのは
「者」と、
「当該他の官職への降任等」とあるのは
「当該任命」と
する。
国家公務員法第八十一条の五の規定は、特定地方警務官について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「他の官職への降任等を」とあるのは
「警視総監 又は道府県警察本部長が警察法第五十六条の四第一項の規定による任命(以下 この項 及び第三項において「特定任命」という。)を」と、
同項各号中
「他の官職への降任等」とあるのは
「特定任命に伴う退職」と、
同条第三項中
「他の官職への降任等を」とあるのは
「警視総監 又は道府県警察本部長が特定任命を」と、
「他の官職への降任等に」とあるのは
「特定任命に伴う退職に」と
読み替えるものとする。
第五十六条第一項の規定にかかわらず、特定地方警務官については、国家公務員法第百六条の二の規定は、適用しない。
特定地方警務官であつた者で、離職後に国家公務員法第百六条の二第一項に規定する営利企業等の地位に就いているもの(同法第百六条の四第一項に規定する退職手当通算離職者を除く。)は、同法第百六条の四 及び第百九条の規定の適用については、これらの規定に規定する再就職者に含まれないものとする。
特定地方警務官に対する国家公務員法第百十二条の規定の適用については、
同条第一号中
「第百六条の二第一項 又は第百六条の三第一項」とあるのは
「第百六条の三第一項」と、
同号 及び同条第二号中
「若しくはその子法人の地位に就くこと、又は他の役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等 若しくはその子法人の地位に就かせること」とあるのは
「又はその子法人の地位に就くこと」と
する。
特定地方警務官以外の地方警務官 及び第三十四条第一項に規定する職員に対する国家公務員法第百六条の二、第百六条の四、第百九条、第百十二条 及び第百十三条の規定の適用については、
同法第百六条の二第一項中
「他の職員」とあるのは
「他の職員(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の二第一項に規定する特定地方警務官(以下単に「特定地方警務官」という。)を除く。)」と、
同法第百六条の四第一項 及び第百九条第十四号中
「役職員」とあるのは
「役職員(特定地方警務官を含む。以下この条において同じ。)」と、
同法第百十二条第二号中
「役職員に」とあるのは
「役職員(特定地方警務官を含む。)に」と、
同法第百十三条第一号中
「役職員 又は」とあるのは
「役職員(特定地方警務官を含む。以下 この号において同じ。)又は」と
する。
警視総監 又は道府県警察本部長は、国家公務員法第八十一条の二第一項に規定する管理監督職(以下 この項において単に「管理監督職」という。)を占める特定地方警務官で その占める管理監督職に係る同条第二項に規定する管理監督職勤務上限年齢に達している特定地方警務官について、国家公安委員会の同意を得て、同条第一項本文に規定する異動期間(第五十六条の二第五項において 読み替えて準用する 同法第八十一条の五第一項から第四項までの規定により延長された期間を含む。以下 この項において単に「異動期間」という。)に、当該特定地方警務官としての在職に引き続き、その属する都道府県警察の警視以下の階級にある警察官に任命するものとする。
ただし、異動期間に、同法の他の規定により当該特定地方警務官について同法第八十一条の二第一項に規定する他の官職への昇任、降任 若しくは転任をされた場合 又は同法第八十一条の七第一項の規定により当該特定地方警務官を管理監督職を占めたまま引き続き勤務させることとされた場合は、この限りでない。
前項本文の規定による任命を行うに当たつて警視総監 又は道府県警察本部長が遵守すべき基準に関する事項 その他の当該任命に関し必要な事項は、条例で定める。
特定地方警務官は、地方公務員法第八条第一項(第四号に係る部分に限る。)、第三章第六節の二(第三十八条の二第二項 及び第三項を除く。)、第六十条(第四号から第八号までに係る部分に限る。)及び第六十三条から第六十五条までの規定の適用については、同法第四条第一項に規定する職員(以下この条において単に「職員」という。)とみなす。
この場合において、
同法第八条第一項第四号中
「人事行政の運営」とあるのは
「警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の五の規定により職員とみなされる同法第五十六条の二第一項に規定する特定地方警務官(第三十八条の二第一項 及び第六項第六号において単に「特定地方警務官」という。)の退職管理」と、
「任命権者」とあるのは
「都道府県公安委員会」と、
同法第三十八条の二第一項中
「退職手当通算法人の地位に就いている者」とあるのは
「退職手当通算法人の地位に就いている者(特定地方警務官であつた者にあつては、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百六条の二第四項に規定する退職手当通算予定職員であつた者であつて引き続いて同条第三項に規定する退職手当通算法人の地位に就いている者)」と、
同条第六項第六号中
「任命権者」とあるのは
「任命権者(再就職者が特定地方警務官であつた者である場合にあつては、都道府県公安委員会)」と、
同法第三十八条の三から第三十八条の五までの規定(見出しを含む。)中
「任命権者」とあるのは
「都道府県公安委員会」とするほか、
職員とみなされる特定地方警務官に対する同法第六十三条第一号 及び第二号の規定の適用については、
同条第一号中
「若しくは当該役職員」とあるのは
「又は当該役職員」と、
「行為、又は営利企業等に対し、離職後に当該営利企業等 若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、若しくは当該地位に就くことを要求し、若しくは約束する行為」とあるのは
「行為」と、
同号 及び同条第二号中
「離職後に当該営利企業等 若しくはその子法人の地位に就くこと、又は他の役職員を その離職後に、若しくは」とあるのは
「他の役職員をその離職後に、又は」と、
「若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し」とあるのは
「又はその子法人の地位に就かせることを要求し」と
する。
地方警務官の定員は、都道府県警察を通じて、政令で定め、その都道府県警察ごとの階級別定員は、内閣府令で定める。
地方警察職員の定員(警察官については、階級別定員を含む。)は、条例で定める。
この場合において、警察官の定員については、政令で定める基準に従わなければならない。
本節に定めるものの外、都道府県警察の組織は、都道府県公安委員会規則で定める。
第四節 都道府県警察相互間の関係等
都道府県警察は、相互に協力する義務を負う。
都道府県公安委員会は、警察庁 又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる。
前項の規定により都道府県公安委員会が他の都道府県警察に対して援助の要求をしようとするときは、あらかじめ(やむを得ない場合においては、事後に)必要な事項を警察庁に連絡しなければならない。
第一項の規定による援助の要求により派遣された警察庁 又は都道府県警察の警察官は、援助の要求をした都道府県公安委員会の管理する都道府県警察の管轄区域内において、当該都道府県公安委員会の管理の下に、職権を行うことができる。
管轄区域が隣接し、又は近接する都道府県警察は、相互に協議して定めたところにより、社会的経済的一体性の程度、地理的状況等から判断して相互に権限を及ぼす必要があると認められる境界の周辺の区域(境界から政令で定める距離までの区域に限る。)における事案を処理するため、当該関係都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼすことができる。
都道府県警察は、広域組織犯罪等を処理するため、必要な限度において、その管轄区域外に権限を及ぼすことができる。
都道府県警察は、居住者、滞在者 その他のその管轄区域の関係者の生命、身体 及び財産の保護 並びにその管轄区域における犯罪の鎮圧 及び捜査、被疑者の逮捕 その他公安の維持に関連して必要がある限度においては、その管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。
警視総監 又は警察本部長は、当該都道府県警察が、他の都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼし、その他 他の都道府県警察と共同して事案を処理する場合において、必要があると認めるときは、相互に協議して定めたところにより、関係都道府県警察の一の警察官(第六十条第一項の規定による援助の要求により派遣された者を含む。)に、当該事案の処理に関し、当該協議によりあらかじめ定めた方針の範囲内で、それぞれの都道府県警察の警察職員に対して必要な指揮を行わせることができる。
第六十条第二項の規定は、前項の規定による協議をしようとする場合について準用する。
都道府県警察は、他の都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼすときは、当該他の都道府県警察と緊密な連絡を保たなければならない。
長官は、広域組織犯罪等に対処するため必要があると認めるときは、都道府県警察に対し、広域組織犯罪等の処理に係る関係都道府県警察間の分担(重大サイバー事案の処理にあつては、警察庁及び関係都道府県警察間の分担) その他の広域組織犯罪等に対処するための警察の態勢に関する事項について、必要な指示をすることができる。
都道府県警察は、前項の指示に係る事項を実施するため必要があるときは、第六十条第一項の規定により他の都道府県警察に対し広域組織犯罪等の処理に要する人員の派遣を要求すること、第六十条の三の規定により広域組織犯罪等を処理するためその管轄区域外に権限を及ぼすこと その他のこの節に規定する措置をとらなければならない。
長官は、重大サイバー事案について警察庁と都道府県警察が共同して処理を行う必要があると認めるときは、当該重大サイバー事案の処理に関する方針を定め、警察庁 又は関係都道府県警察の一の警察官(第六十条第一項の規定による援助の要求 又は第一項の規定による指示により派遣された者を含む。)に、当該重大サイバー事案の処理に関し、当該方針の範囲内で、警察庁 及び関係都道府県警察の警察職員に対して必要な指揮を行わせることができる。
第一項の規定による指示により重大サイバー事案の処理に関して警察庁に派遣された都道府県警察の警察官は、国家公安委員会の管理の下に、当該重大サイバー事案の処理に必要な限度で、全国において、職権を行うことができる。