地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律

平成二十年法律第四十号
略称 : 歴史まちづくり法 
分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和三年六月十四日 ( 2021年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第二十二号による改正
最終編集日 : 2024年 04月02日 16時09分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 歴史的風致維持向上基本方針

  • 第三章 歴史的風致維持向上計画の認定等

  • 第四章 認定歴史的風致維持向上計画に基づく特別の措置

    • 第一節 歴史的風致形成建造物
    • 第二節 歴史的風致維持向上施設の整備等に関する特例
  • 第五章 歴史的風致維持向上地区計画

  • 第六章 歴史的風致維持向上支援法人

  • 第七章 雑則

  • 第八章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、地域におけるその固有の歴史 及び伝統を反映した人々の活動と その活動が行われる歴史上価値の高い建造物 及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境(以下「歴史的風致」という。)の維持 及び向上を図るため、文部科学大臣、農林水産大臣 及び国土交通大臣による歴史的風致維持向上基本方針の策定 及び市町村が作成する歴史的風致維持向上計画の認定、その認定を受けた歴史的風致維持向上計画に基づく特別の措置、歴史的風致維持向上地区計画に関する都市計画の決定 その他の措置を講ずることにより、個性豊かな地域社会の実現を図り、もって都市の健全な発展 及び文化の向上に寄与することを目的とする。

1項

この法律において「公共施設」とは、道路、駐車場、公園、水路 その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。

2項

この法律において「重点区域」とは、次に掲げる要件に該当する土地の区域をいう。

一 号

次の 又はいずれかに該当する土地の区域 及びその周辺の土地の区域であること。

文化財保護法昭和二十五年法律第二百十四号第二十七条第一項第七十八条第一項 又は第百九条第一項の規定により重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物として指定された建造物(以下「重要文化財建造物等」という。)の用に供される土地

文化財保護法第百四十四条第一項の規定により選定された重要伝統的建造物群保存地区(以下単に「重要伝統的建造物群保存地区」という。)内の土地

二 号
当該区域において歴史的風致の維持 及び向上を図るための施策を重点的かつ一体的に推進することが特に必要であると認められる土地の区域であること。
1項

国 及び地方公共団体は、地域における歴史的風致の維持 及び向上を図るため、第三十一条第一項に規定する歴史的風致維持向上地区計画 その他の都市計画の決定、景観法平成十六年法律第百十号)第八条第一項に規定する景観計画の策定、地域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与する公共施設 その他の施設(以下「歴史的風致維持向上施設」という。)の整備に関する事業の実施 その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第二章 歴史的風致維持向上基本方針

1項

主務大臣は、地域における歴史的風致の維持 及び向上に関する基本的な方針(以下「歴史的風致維持向上基本方針」という。)を定めなければならない。

2項
歴史的風致維持向上基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 号
地域における歴史的風致の維持 及び向上の意義に関する事項
二 号
重点区域の設定に関する基本的事項
三 号
地域における歴史的風致の維持 及び向上のために必要な文化財の保存 及び活用に関する基本的事項
四 号
歴史的風致維持向上施設の整備 及び管理に関する基本的事項
五 号
良好な景観の形成に関する施策との連携に関する基本的事項
六 号

次条第一項に規定する歴史的風致維持向上計画の同条第八項の認定に関する基本的事項

七 号

前各号に掲げるもののほか、地域における歴史的風致の維持 及び向上に関する重要事項

3項

主務大臣は、歴史的風致維持向上基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

4項

主務大臣は、歴史的風致維持向上基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5項

前二項の規定は、歴史的風致維持向上基本方針の変更について準用する。

第三章 歴史的風致維持向上計画の認定等

1項

市町村は、歴史的風致維持向上基本方針に基づき、当該市町村の区域における歴史的風致の維持 及び向上に関する計画(以下「歴史的風致維持向上計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を申請することができる。

2項
歴史的風致維持向上計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 号
当該市町村の区域における歴史的風致の維持 及び向上に関する方針
二 号
重点区域の位置 及び区域
三 号
次に掲げる事項のうち、当該市町村の区域における歴史的風致の維持 及び向上のために必要なもの
文化財の保存 又は活用に関する事項
歴史的風致維持向上施設の整備 又は管理に関する事項
四 号

第十二条第一項の規定による歴史的風致形成建造物の指定の方針

五 号

第十二条第一項の規定により指定された歴史的風致形成建造物の管理の指針となるべき事項

六 号
計画期間
七 号
その他主務省令で定める事項
3項

前項第三号ロに掲げる事項には、次に掲げる事項を記載することができる。

一 号

次の 又はいずれかに該当する歴史上価値の高い農業用用水路 その他の農業用用排水施設であって、現に地域における歴史的風致を形成しており、かつ、当該農業用用排水施設の有する耕作の目的に供される土地の保全 又は利用上必要な機能の確保と併せてその歴史的風致の維持 及び向上を図ることが必要と認められるもの並びにその管理に関する事項

土地改良法昭和二十四年法律第百九十五号第八十五条第一項に規定する都道府県営土地改良事業によって生じた農業用用排水施設

農業振興地域の整備に関する法律昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項の規定により農業振興地域整備計画において定められた同項第一号に規定する農用地区域(第二十三条において単に「農用地区域」という。)内に存する農業用用排水施設

二 号

都市公園法昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園(以下単に「都市公園」という。)の維持 又は同条第二項に規定する公園施設(以下単に「公園施設」という。)の新設、増設 若しくは改築であって、公園施設である城跡に係る城の復原に関する工事 その他地域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与するものとして政令で定めるもののうち、当該市町村以外の地方公共団体が公園管理者(同法第五条第一項に規定する公園管理者をいう。以下同じ。)である重点区域内の都市公園について当該市町村が行おうとするものに関する事項

三 号

駐車場法昭和三十二年法律第百六号第三条第一項に規定する駐車場整備地区内に整備されるべき同法第四条第二項第五号の主要な路外駐車場(都市計画において定められたものを除く。以下「特定路外駐車場」という。)の整備に関する事項

四 号

都市計画法昭和四十三年法律第百号第七条第一項に規定する市街化調整区域(以下単に「市街化調整区域」という。)内に存する遺跡で現に地域における歴史的風致を形成しているものに係る歴史上価値の高い楼門(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物(以下単に「建築物」という。)であるものに限る)その他当該市町村の区域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与する建築物の復原を目的とする開発行為(都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為のうち主として建築物の建築の用に供する目的で行うものをいう。第二十八条第一項において同じ。)又は建築行為(建築物の新築 又は改築をいう。第二十八条第二項において同じ。)であって、当該建築物の用途からみて市街化調整区域内の土地において実施されることが適当と認められるものに関する事項

五 号

重点区域における歴史的風致の維持 及び向上を図るため、電線をその地下に埋設し、その地上における電線 及びこれを支持する電柱の撤去をし、又はこれらの設置の制限をすることが必要と認められる道路法昭和二十七年法律第百八十号第二条第一項に規定する道路 又はその部分に関する事項

4項

市町村は、歴史的風致維持向上計画に次の各号当該市町村が地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下単に「指定都市」という。)又は同法第二百五十二条の二十二第一項に規定する中核市(以下単に「中核市」という。)である場合にあっては、第四号除く)に掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ当該各号に定める者(第一号第二号 及び第五号に定める者にあっては、当該市町村を除く)に協議し、その同意を得なければならない。

一 号

第二項第三号ロに掲げる事項

当該歴史的風致維持向上施設の整備 又は管理を行う者

二 号

前項第一号に掲げる事項

次の 又はに掲げる農業用用排水施設の区分に応じ、それぞれ 又はに定める者

前項第一号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る

都道府県(土地改良法第九十四条の十第一項の規定により当該都道府県が当該農業用用排水施設を同法第九十四条の三第一項に規定する土地改良区等に管理させている場合にあっては、当該土地改良区等を含む。

前項第一号に規定する農業用用排水施設(同号ロに該当するものに限る

都道府県知事

三 号

前項第二号に掲げる事項

当該都市公園の公園管理者

四 号

前項第四号に掲げる事項

都道府県知事

五 号

前項第五号に掲げる事項

当該道路 又はその部分の道路管理者(道路法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。

5項

市町村は、歴史的風致維持向上計画に第二項第三号イに掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ、当該文化財の所有者(所有者が二人以上いる場合にあってはその全員とし、文化財保護法第三十二条の二第五項同法第八十条において準用する場合を含む。)、第六十条第三項同法第九十条第三項において準用する場合を含む。)又は第百十五条第一項同法第百三十三条において準用する場合を含む。)に規定する管理団体がある場合にあっては当該管理団体とする。)及び権原に基づく占有者(いずれも当該市町村を除く)又は保持者(当該文化財が重要無形文化財(同法第七十一条第一項に規定する重要無形文化財をいう。第十二条第一項において同じ。)又は登録無形文化財(同法第七十六条の七第五項に規定する登録無形文化財をいう。第十二条第一項において同じ。)である場合にあっては、同法第七十一条第二項 又は第七十六条の七第三項の規定により保持者 又は保持団体として認定されている者)の意見を聴かなければならない。

6項

市町村は、歴史的風致維持向上計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催 その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、第十一条第一項の規定により協議会が組織され、又は文化財保護法第百九十条第一項 若しくは第二項の規定により当該市町村の教育委員会 若しくは当該市町村に地方文化財保護審議会が置かれている場合にあっては、当該協議会 又は地方文化財保護審議会の意見を聴かなければならない。

7項

歴史的風致維持向上計画は、都市計画法第六条の二第一項に規定する都市計画区域の整備、開発 及び保全の方針 並びに同法第十八条の二第一項に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれたものでなければならない。

8項

主務大臣は、第一項の規定による認定の申請があった歴史的風致維持向上計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。

一 号
歴史的風致維持向上基本方針に適合するものであること。
二 号
当該歴史的風致維持向上計画の実施が当該市町村の区域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与するものであると認められること。
三 号
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
9項

主務大臣は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。

10項

主務大臣は、第八項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村に通知しなければならない。

11項

市町村は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る歴史的風致維持向上計画を公表するよう努めるとともに、当該通知を受けた旨を都道府県に通知しなければならない。

1項

主務大臣は、前条第一項の規定による認定の申請を受けた日から三月以内において速やかに、同条第八項の認定に関する処分を行わなければならない。

1項

第五条第八項の認定を受けた市町村(以下「認定市町村」という。)は、当該認定を受けた歴史的風致維持向上計画の変更(主務省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。

2項

第五条第四項から第十一項まで 及び前条の規定は、前項の認定について準用する。

1項

主務大臣は、認定市町村に対し、第五条第八項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。第二十四条第一項除き、以下同じ。)を受けた歴史的風致維持向上計画(変更があったときは、その変更後のもの。以下「認定歴史的風致維持向上計画」という。)の実施の状況について報告を求めることができる。

1項

主務大臣は、認定歴史的風致維持向上計画が第五条第八項各号いずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

2項

主務大臣は、前項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村に通知しなければならない。

3項

市町村は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を、公表するよう努めるとともに、都道府県に通知しなければならない。

1項
都道府県は、認定市町村に対し、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言を行うことができる。
2項
国は、認定市町村に対し、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報の提供、助言 その他の援助を行うよう努めなければならない。
3項

前項に定めるもののほか、国 及び認定市町村は、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

4項

認定市町村の長 及び教育委員会は、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に緊密な連携を図りながら協力しなければならない。

1項

市町村は、歴史的風致維持向上計画の作成 及び変更に関する協議 並びに認定歴史的風致維持向上計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。

2項
協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
一 号
当該市町村
二 号
歴史的風致維持向上計画にその整備 又は管理に関する事項を記載しようとする歴史的風致維持向上施設の整備 又は管理を行う者
三 号

第三十四条第一項の規定により当該市町村の長が指定した歴史的風致維持向上支援法人(次章において「支援法人」という。

四 号
都道府県、重要文化財建造物等の所有者、学識経験者 その他の市町村が必要と認める者
3項
協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明 その他必要な協力を求めることができる。
4項

第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

5項

前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

第四章 認定歴史的風致維持向上計画に基づく特別の措置

第一節 歴史的風致形成建造物

1項

市町村長は、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第二項第六号の計画期間(以下「認定計画期間」という。)内に限り、当該認定歴史的風致維持向上計画に記載された同項第四号の方針に即し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された重点区域(以下「認定重点区域」という。)内の歴史上価値の高い重要無形文化財、登録無形文化財、重要無形民俗文化財(文化財保護法第七十八条第一項に規定する重要無形民俗文化財をいう。)又は登録無形民俗文化財(同法第九十条の六第一項に規定する登録無形民俗文化財をいう。)の用に供されることによりそれらの価値の形成に寄与している建造物 その他の地域の歴史的な建造物(重要文化財建造物等 及び重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物群(同法第二条第一項第六号に規定する伝統的建造物群をいう。第十七条第一項において同じ。)を構成している建造物を除く)であって、現に当該認定重点区域における歴史的風致を形成しており、かつ、その歴史的風致の維持 及び向上のためにその保全を図る必要があると認められるもの(これと一体となって歴史的風致を形成している土地 又は物件を含む。)を、歴史的風致形成建造物として指定することができる。

2項

市町村長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該建造物の所有者(所有者が二人以上いる場合にあっては、その全員)及び当該市町村の教育委員会の意見を聴くとともに、当該建造物が公共施設である場合にあっては、当該公共施設の管理者(当該市町村を除く)に協議し、その同意を得なければならない。


ただし、当該市町村が文化財保護法第五十三条の八第一項に規定する特定地方公共団体(以下単に「特定地方公共団体」という。)であるときは、当該市町村の教育委員会の意見を聴くことを要しない。

3項

市町村の教育委員会は、前項の規定により意見を聴かれた場合において、当該建造物が文化財保護法第二条第一項第一号に規定する有形文化財、同項第三号に規定する民俗文化財 又は同項第四号に規定する記念物(以下「有形文化財等」という。)に該当すると認めるときは、その旨を市町村長に通知しなければならない。

1項

認定重点区域内の建造物の所有者は、認定計画期間内に限り、当該建造物が前条第一項に規定する建造物に該当すると思料するときは、主務省令で定めるところにより、市町村長に対し、当該建造物を歴史的風致形成建造物として指定することを提案することができる。


この場合において、当該建造物に当該提案に係る所有者以外の所有者がいるときは、あらかじめ、その全員の合意を得なければならない。

2項

支援法人は、認定計画期間内に限り、認定重点区域内の建造物が前条第一項に規定する建造物に該当すると思料するときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該建造物の所有者(所有者が二人以上いる場合にあっては、その全員)の同意を得て、市町村長に対し、当該建造物を歴史的風致形成建造物として指定することを提案することができる。

3項

市町村長は、前二項の規定による提案が行われた場合において、当該提案に係る建造物について前条第一項の規定による指定をしないこととしたときは、遅滞なく、その旨 及びその理由を当該提案をした者に通知しなければならない。

4項

市町村長は、前項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。


ただし、当該市町村が特定地方公共団体であるときは、この限りでない。

1項

市町村長は、第十二条第一項の規定による指定をしたときは、直ちに、その旨(当該歴史的風致形成建造物が同条第三項の規定による通知がなされた建造物である場合にあっては、当該歴史的風致形成建造物が有形文化財等に該当する旨を含む。)を当該歴史的風致形成建造物の所有者(所有者が二人以上いる場合にあってはその全員とし、当該歴史的風致形成建造物の指定が前条第二項の規定による提案に基づくものである場合にあってはその提案をした支援法人を含む。第十七条第三項において同じ。)に通知しなければならない。

2項

市町村は、第十二条第一項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、条例 又は規則で定めるところにより、これを表示する標識を設置しなければならない。

1項

歴史的風致形成建造物の増築、改築、移転 又は除却をしようとする者は、当該増築、改築、移転 又は除却に着手する日の三十日前までに、主務省令で定めるところにより、行為の種類、場所、着手予定日 その他主務省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。


ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

一 号
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為で政令で定めるもの
二 号
非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 号

都市計画法第四条第十五項に規定する都市計画事業の施行として行う行為 又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

四 号

前三号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める行為

2項

前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち主務省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、主務省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。

3項

市町村長は、第一項 又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が当該歴史的風致形成建造物の保全に支障を来すものであると認めるときは、その届出をした者に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第二項第五号に掲げる事項を勘案して、その届出に係る行為に関し設計の変更 その他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

4項

市町村長は、前項の規定による勧告をしようとする場合において、当該歴史的風致形成建造物が第十二条第三項の規定による通知がなされた建造物であるときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。


ただし、当該市町村が特定地方公共団体であるときは、この限りでない。

5項

市町村長は、第三項の規定による勧告を受けた者の申出があった場合において、当該歴史的風致形成建造物の保全を図るために必要があると認めるときは、その者に対し、当該歴史的風致形成建造物に関する権利の処分についてのあっせん その他の必要な措置を講ずるものとする。

6項

国の機関 又は地方公共団体が行う行為については、前各項の規定は、適用しない


この場合において、第一項の規定による届出を要する行為をしようとする者が国の機関 又は地方公共団体であるときは、当該国の機関 又は地方公共団体は、あらかじめ、その旨を市町村長に通知しなければならない。

7項

市町村長は、前項の規定による通知があった場合において、当該歴史的風致形成建造物の保全を図るために必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関 又は地方公共団体に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第二項第五号に掲げる事項を勘案して、当該歴史的風致形成建造物の保全のため講ずべき措置について協議を求めることができる。

1項

歴史的風致形成建造物の所有者 その他歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、当該歴史的風致形成建造物の保全に支障を来さないよう、適切に管理しなければならない。

1項

市町村長は、歴史的風致形成建造物が重要文化財建造物等 又は重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物群を構成する建造物に該当するに至ったとき、又は滅失、毀損 その他の事由により歴史的風致形成建造物の指定の理由が消滅したときは、遅滞なく、当該歴史的風致形成建造物の指定を解除しなければならない。

2項

市町村長は、歴史的風致形成建造物について、公益上の理由 その他特別な理由があるときは、その指定を解除することができる。


この場合において、当該歴史的風致形成建造物が第十二条第三項の規定による通知がなされた建造物であるときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。


ただし、当該市町村が特定地方公共団体であるときは、当該市町村の教育委員会の意見を聴くことを要しない。

3項

市町村長は、前二項の規定により歴史的風致形成建造物の指定を解除したときは、直ちに、その旨を当該歴史的風致形成建造物の所有者に通知しなければならない。

1項
歴史的風致形成建造物の所有者が変更したときは、新たに所有者となった者は、遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならない。
1項

市町村長は、歴史的風致形成建造物に関する台帳を作成し、これを保管しなければならない。

2項

前項の台帳の作成 及び保管に関し必要な事項は、主務省令で定める。

1項
市町村長は、必要があると認めるときは、歴史的風致形成建造物の所有者に対し、その現状について報告を求めることができる。
1項

第十四条第一項の規定による通知(当該歴史的風致形成建造物が有形文化財等に該当する旨をその内容に含むものに限る)を受けた歴史的風致形成建造物(文化財保護法第二条第一項第一号に規定する有形文化財、同法第九十条第三項に規定する登録有形民俗文化財 又は同法第百三十三条に規定する登録記念物であるものを除く。以下この項において同じ。)の所有者 その他当該歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、文部科学省令で定めるところにより、文化庁長官に対し、当該歴史的風致形成建造物の管理 又は修理に関する技術的指導を求めることができる。

2項

前項に定めるもののほか、歴史的風致形成建造物の所有者 その他歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、市町村長 又は支援法人に対し、当該歴史的風致形成建造物の管理 又は修理に関し必要な助言 その他の援助を求めることができる。

第二節 歴史的風致維持向上施設の整備等に関する特例

1項

都道府県は、支援法人に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第三項第一号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る)の管理の全部 又は一部を委託することができる。

2項

土地改良法第九十四条の六第二項の規定は、前項に規定する農業用用排水施設についての同項の規定による管理の委託について準用する。


この場合において、

同条第二項
その国営土地改良事業」とあるのは
「その都道府県営土地改良事業」と、

準拠して」とあるのは
「準拠するとともに、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号第八条に規定する認定歴史的風致維持向上計画に記載された同法第五条第三項第一号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る)の管理に関する事項の内容に即して」と

読み替えるものとする。

1項

第五条第三項第一号に掲げる事項(同号ロに該当する農業用用排水施設に係るものに限る)が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第八項の認定を受けた場合において、当該農業用用排水施設の存する農用地区域内の開発行為(農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項に規定する開発行為をいう。)について、同法第十五条の二第一項の許可の申請があったときにおける同条第四項の規定の適用については、

同項第三号中
機能」とあるのは、
「機能 又は当該農業用用排水施設が形成している歴史的風致(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号第一条に規定する歴史的風致をいう。)の維持 及び向上」と

する。

1項

文化庁長官は、次に掲げるその権限に属する事務であって、第五条第八項の認定を受けた町村(以下この条 及び第二十九条において「認定町村」という。)の区域内の重要文化財建造物等に係るものの全部 又は一部については、認定計画期間内に限り、政令で定めるところにより、当該認定町村の教育委員会(当該認定町村が特定地方公共団体である場合にあっては、当該認定町村の長。次項から第四項までにおいて同じ。)が行うこととすることができる。

一 号

文化財保護法第四十三条第一項から第四項まで 又は第百二十五条第一項から第四項までの規定により、現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の許可 及びその取消し(重大な現状変更 又は保存に重大な影響を及ぼす行為の許可 及びその取消しを除く)をし、並びに現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の停止を命ずること。

二 号

文化財保護法第五十四条同法第八十六条 及び第百七十二条第五項において準用する場合を含む。)、第五十五条第一項第百三十条同法第百七十二条第五項において準用する場合を含む。)又は第百三十一条第一項の規定により、報告を求め、並びに立入調査 及び調査のため必要な措置をさせること。

2項

前項の規定により認定町村の教育委員会が文化財保護法第四十三条第四項同法第百二十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定による現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の許可の取消しをする場合において、聴聞をしようとするときは、当該聴聞の期日の十日前までに、行政手続法平成五年法律第八十八号第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、当該処分の内容 並びに当該聴聞の期日 及び場所を公示しなければならない。


この場合においては、文化財保護法第百五十四条第三項の規定を準用する。

3項

第一項の規定により認定町村の教育委員会が文化財保護法第五十五条第一項 又は第百三十一条第一項の規定による立入調査 又は調査のため必要な措置をさせようとするときは、関係者 又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。


この場合においては、同法第百五十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

4項

文化財保護法第百八十四条第二項第四項第三号に係る部分を除く)及び第五項から第八項までの規定は、認定町村の教育委員会について準用する。

5項

認定市町村の長は、認定歴史的風致維持向上計画を実施する上で特に必要があると認めるときは、その議会の議決を経て、文部科学大臣に対し、第一項に規定する事務の全部 又は一部を、文化財保護法第百八十四条第一項 又は第一項の規定により当該認定市町村の教育委員会(当該認定市町村が特定地方公共団体である場合にあっては、当該認定市町村の長)が処理することとするよう要請することができる。

6項

認定市町村の議会は、前項の議決をしようとするときは、あらかじめ、当該認定市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。


ただし、当該認定市町村が特定地方公共団体であるときは、この限りでない。

1項

認定市町村は、認定計画期間内に限り、都市公園法第二条の三の規定にかかわらず、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第三項第二号に規定する都市公園の維持 又は公園施設の新設、増設 若しくは改築(以下この条において「都市公園の維持等」という。)を行うことができる。

2項

認定市町村は、前項の規定により都市公園の維持等を行おうとするとき、及び都市公園の維持等を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3項

認定市町村は、第一項の規定により都市公園の維持等を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該都市公園の公園管理者に代わってその権限を行うものとする。

4項

第一項の規定により認定市町村が行う都市公園の維持等に要する費用は、当該認定市町村の負担とする。

5項

認定市町村が第三項の規定により公園管理者に代わってした都市公園法第三十四条第一項各号に掲げる処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。

6項

第三項の規定により公園管理者に代わってその権限を行う認定市町村は、都市公園法第六章の規定の適用については、公園管理者とみなす。

1項

認定市町村は、第五条第三項第三号に掲げる事項を記載した歴史的風致維持向上計画が同条第八項の認定を受けたときは、駐車場整備計画(駐車場法第四条第一項に規定する駐車場整備計画をいう。以下この条において同じ。)において、その記載された事項の内容に即して、おおむね その位置、規模、整備主体 及び整備の目標年次を定めた特定路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要を定めることができる。

2項

認定市町村は、前項の規定により駐車場整備計画において都市公園の地下に設けられる特定路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要(以下この条において「地下駐車場整備計画概要」という。)を定めようとするときは、当該地下駐車場整備計画概要について、あらかじめ、当該都市公園の公園管理者の同意を得なければならない。

3項

第一項の規定により地下駐車場整備計画概要が定められた駐車場整備計画が駐車場法第四条第四項同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により公表された日から二年以内に当該地下駐車場整備計画概要に基づく都市公園の地下の占用について都市公園法第六条第一項 又は第三項の許可の申請があった場合においては、当該占用が同法第七条第一項の規定に基づく政令で定める技術的基準に適合する限り、公園管理者は、当該許可を与えるものとする。

1項

認定市町村 又は支援法人は、認定重点区域内の次に掲げる施設の所有者(所有者が二人以上いる場合にあっては、その全員)との契約に基づき、当該施設の管理を行うことができる。

一 号
歴史的風致形成建造物
二 号
認定歴史的風致維持向上計画にその整備 又は管理に関する事項が記載された歴史的風致維持向上施設である公共施設 その他地域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与するものとして主務省令で定める施設
2項

支援法人が前項の規定により管理する施設内の樹木 又は樹木の集団であって、都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律昭和三十七年法律第百四十二号)第二条第一項の規定に基づき保存樹 又は保存樹林として指定されたものについての同法の規定の適用については、

同法第五条第一項中
所有者」とあるのは
「所有者 及び歴史的風致維持向上支援法人(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号第三十四条第一項に規定する歴史的風致維持向上支援法人をいう。以下同じ。)」と、

同法第六条第二項 及び第八条中
所有者」とあるのは
「歴史的風致維持向上支援法人」と、

同法第九条中
所有者」とあるのは
「所有者 又は歴史的風致維持向上支援法人」と

する。

1項

第五条第三項第四号に掲げる事項が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第八項の認定を受けた場合には、その記載された事項の内容に即して行われる開発行為(都市計画法第三十四条各号に掲げるものを除く)は、同法第三十四条第十四号に掲げる開発行為とみなす。

2項

都道府県知事 又は指定都市 若しくは中核市の長は、市街化調整区域のうち都市計画法第二十九条第一項の規定による許可を受けた開発区域(同法第四条第十三項に規定する開発区域をいう。以外の区域内において認定歴史的風致維持向上計画に記載された第五条第三項第四号に掲げる事項の内容に即して行われる建築行為について、同法第四十三条第一項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る建築行為が同条第二項の政令で定める許可の基準のうち同法第三十三条に規定する開発許可の基準の例に準じて定められた基準に適合するときは、その許可をしなければならない。

1項

都道府県知事は、都市緑地法昭和四十八年法律第七十二号)第十四条第一項から第八項まで、同法第十五条において準用する同法第九条第一項 及び第二項、同法第十六条において準用する同法第十条第二項において準用する同法第七条第五項 及び第六項、同法第十七条第二項 並びに同法第十九条において読み替えて準用する同法第十一条第一項 及び第二項の規定によりその権限に属する事務であって、認定重点区域内の特別緑地保全地区(同法第十二条第一項に規定する特別緑地保全地区をいう。)に係るものについては、認定計画期間内に限り、政令で定めるところにより、認定町村の長が行うこととすることができる。

2項

前項の規定により認定町村の長が同項に規定する事務を行う場合における都市緑地法の適用については、

同法第四条第二項第四号ロ中
第十七条」とあるのは
「第十七条(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号。以下「地域歴史的風致法」という。第二十九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」と、

同条第六項中「同号ロからニまでに掲げる事項」とあるのは
「同号ロからニまでに掲げる事項(地域歴史的風致法第二十九条第二項の規定により読み替えて適用する第十七条の規定による土地の買入れ及び買い入れた土地の管理に関する事項を除く)」と、

同法第十六条において準用する同法第十条第一項中
都道府県等」とあるのは
地域歴史的風致法第二十四条第一項に規定する認定町村(以下単に「認定町村」という。)」と、

同法第十七条第一項 及び第三十一条第一項中
都道府県等」とあるのは
「認定町村」と、

同法第十七条第二項中
町村 又は第六十九条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第七十条第一号ハに掲げる業務を行うものに限る。以下この条 及び次条において単に「緑地保全・緑化推進法人」という。)を、市長にあつては当該土地の買入れを希望する都道府県 又は緑地保全・緑化推進法人を、」とあるのは
「第六十九条第一項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第七十条第一号ハに掲げる業務を行うものに限る。以下この条 及び次条において単に「緑地保全・緑化推進法人」という。)を」と、

同条第三項中
都道府県、町村 又は緑地保全・緑化推進法人」とあるのは
「緑地保全・緑化推進法人」と、

同法第三十一条第一項中
第十六条」とあるのは
地域歴史的風致法第二十九条第二項の規定により読み替えて適用する第十六条」と、

第十七条第一項」とあるのは
地域歴史的風致法第二十九条第二項の規定により読み替えて適用する第十七条第一項」と、

買入れ並びに都道府県 又は町村が行う同条第三項の規定による土地の買入れ」とあるのは
「買入れ」と

する。

1項

第五条第三項第五号に掲げる事項が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第八項の認定を受けた場合には、同号に規定する道路 又はその部分に関する電線共同溝の整備等に関する特別措置法平成七年法律第三十九号)第三条の規定の適用については、

同条第一項中
安全かつ円滑な」とあるのは
「安全な」と、

図る」とあるのは
「図るとともに、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号第八条に規定する認定歴史的風致維持向上計画(以下単に「認定歴史的風致維持向上計画」という。)に記載された同法第五条第三項第五号に掲げる事項の内容に即し、地域における歴史的風致(同法第一条に規定する歴史的風致をいう。)の維持 及び向上を図る」と、

特に必要である」とあるのは
「必要である」と、

同条第二項中
及び次項の規定による要請をした」とあるのは
「、次項の規定による要請をした市町村 及び当該道路 又はその部分を認定歴史的風致維持向上計画に記載した」と

する。

第五章 歴史的風致維持向上地区計画

1項

次に掲げる条件に該当する土地の区域で、当該区域における歴史的風致の維持 及び向上と土地の合理的かつ健全な利用を図るため、その歴史的風致にふさわしい用途の建築物 その他の工作物(以下「建築物等」という。)の整備(既存の建築物等の用途を変更して当該歴史的風致にふさわしい用途の建築物等とすることを含む。)及び当該区域内の市街地の保全を総合的に行うことが必要であると認められるものについては、都市計画に歴史的風致維持向上地区計画を定めることができる。

一 号
現に相当数の建築物等の建築 又は用途の変更が行われつつあり、又は行われることが確実であると認められる土地の区域であること。
二 号
当該区域における歴史的風致の維持 及び向上に支障を来し、又は来すおそれがあると認められる土地の区域であること。
三 号
当該区域における歴史的風致の維持 及び向上と土地の合理的かつ健全な利用を図ることが、当該都市の健全な発展 及び文化の向上に貢献することとなる土地の区域であること。
四 号

都市計画法第八条第一項第一号に規定する用途地域が定められている土地の区域であること。

2項

歴史的風致維持向上地区計画については、都市計画法第十二条の四第二項に定める事項のほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号から第四号までに掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

一 号

主として街区内の居住者、滞在者 その他の者の利用に供される道路、公園 その他の政令で定める施設(都市計画法第四条第六項に規定する都市計画施設(次条において単に「都市計画施設」という。)を除く。以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備 並びに土地の利用に関する計画(以下この章において「歴史的風致維持向上地区整備計画」という。

二 号
当該歴史的風致維持向上地区計画の目標
三 号
当該区域の土地利用に関する基本方針
四 号
当該区域の整備 及び保全に関する方針
3項

前項第三号の基本方針には、次に掲げる事項を定めることができる。

一 号
次に掲げる建築物等のうち、当該区域における歴史的風致の維持 及び向上のため、当該区域において整備をすべき建築物等の用途 及び規模に関する事項
地域の伝統的な技術 又は技能により製造された工芸品、食品 その他の物品の販売を主たる目的とする店舗
地域の伝統的な特産物を主たる材料とする料理の提供を主たる目的とする飲食店
地域の伝統的な技術 又は技能による工芸品、食品 その他の物品の製造を主たる目的とする工場

地域の歴史上価値の高い美術品、地域の伝統的な技術 又は技能により製造された工芸品 その他これらに類する物品の展示を主たる目的とする展示場、博物館 又は美術館

その他地域における歴史的風致の維持 及び向上に寄与するものとして政令で定める建築物等
二 号

前号に規定する建築物等の形態 又は色彩 その他の意匠の制限に関する基本的事項

三 号

第一号に規定する建築物等の整備(既存の建築物等の用途を変更して同号に規定する建築物等とすることを含む。)をすべき土地の区域

4項
歴史的風致維持向上地区整備計画においては、次に掲げる事項を定めることができる。
一 号
地区施設の配置 及び規模
二 号

建築物等の用途の制限、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。)の最高限度 又は最低限度、建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。)の最高限度、建築物の敷地面積 又は建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。次条において同じ。)における工作物(建築物を除く次条において同じ。)の設置の制限、建築物等の高さの最高限度 又は最低限度、建築物等の形態 又は色彩 その他の意匠の制限、建築物の緑化率(都市緑地法第三十四条第二項に規定する緑化率をいう。)の最低限度 その他建築物等に関する事項で政令で定めるもの

三 号
現に存する樹林地、草地 その他の緑地で歴史的風致の維持 及び向上を図るとともに、良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項
四 号

前三号に掲げるもののほか、土地の利用に関する事項で政令で定めるもの

5項
歴史的風致維持向上地区計画を都市計画に定めるに当たっては、次に掲げるところに従わなければならない。
一 号

土地利用に関する基本方針は、当該区域における歴史的風致の維持 及び向上が図られるように定めること。この場合において、都市計画法第八条第一項第一号に規定する第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域 及び田園住居地域については、当該区域の周辺の住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障を来さないように定めること。

二 号
地区施設は、当該地区施設が、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域 及びその周辺において定められている都市計画と相まって、当該区域における歴史的風致の維持 及び向上並びに良好な都市環境の形成に資するよう、必要な位置に適切な規模で配置すること。
三 号
歴史的風致維持向上地区整備計画における建築物等に関する事項は、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域における歴史的風致にふさわしい用途、容積、高さ、配列 及び形態を備えた建築物等の整備により当該区域内において土地の合理的かつ健全な利用が行われることとなるよう定めること。
6項

歴史的風致維持向上地区計画を都市計画に定める際、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域の全部 又は一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めることができない特別の事情があるときは、当該区域の全部 又は一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めることを要しない。


この場合において、歴史的風致維持向上地区計画の区域の一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めるときは、当該歴史的風致維持向上地区計画については、歴史的風致維持向上地区整備計画の区域をも都市計画に定めなければならない。

1項

歴史的風致維持向上地区整備計画においては、当該歴史的風致維持向上地区整備計画の区域の特性に応じた高さ、配列 及び形態を備えた建築物を整備することが合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、壁面の位置の制限(道路(都市計画施設 又は地区施設である計画道路を含む。)に面する壁面の位置の制限を含むものに限る)、壁面後退区域における工作物の設置の制限(当該壁面後退区域において連続的に有効な空地を確保するため必要な工作物の設置の制限を含むものに限る)及び建築物の高さの最高限度を定めるものとする。

1項

歴史的風致維持向上地区計画の区域(歴史的風致維持向上地区整備計画が定められている区域に限る)内において、土地の区画形質の変更、建築物等の新築、改築 又は増築 その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計 又は施行方法、着手予定日 その他国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。


ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

一 号
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為で政令で定めるもの
二 号
非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 号
国の機関 又は地方公共団体が行う行為
四 号

都市計画法第四条第十五項に規定する都市計画事業の施行として行う行為 又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

五 号

都市計画法第二十九条第一項の許可を要する行為

六 号

前各号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める行為

2項

前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。

3項

市町村長は、第一項 又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が歴史的風致維持向上地区計画に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更 その他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。


この場合において、地域における歴史的風致の維持 及び向上を図るため必要があると認められるときは、歴史的風致維持向上地区計画に定められた事項 その他の事項に関し、適切な措置を講ずることについて助言 又は指導をするものとする。

第六章 歴史的風致維持向上支援法人

1項

市町村長は、一般社団法人 若しくは一般財団法人 又は特定非営利活動促進法平成十年法律第七号第二条第二項に規定する特定非営利活動法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、歴史的風致維持向上支援法人(以下「支援法人」という。)として指定することができる。

2項

市町村長は、前項の規定による指定をしたときは、当該支援法人の名称、住所 及び事務所の所在地を公示しなければならない。

3項
支援法人は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村長に届け出なければならない。
4項

市町村長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

1項
支援法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 号
歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業を実施しようとする者に対し、当該事業に関する知識を有する者の派遣、情報の提供、相談 その他の援助を行うこと。
二 号
認定重点区域 又は歴史的風致維持向上地区計画の区域において歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業を実施すること、又は当該区域における歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業に参加すること。
三 号

前号の歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業に有効に利用できる土地であって政令で定めるものの取得、管理 及び譲渡を行うこと。

四 号
歴史的風致形成建造物の管理 又は修理に関し、必要な助言 その他の援助を行うこと。
五 号

第二十二条第一項に規定する農業用用排水施設 又は第二十七条第一項に規定する施設の管理を行うこと。

六 号
地域における歴史的風致の維持 及び向上に関する調査研究を行うこと。
七 号

前各号に掲げるもののほか、地域における歴史的風致の維持 及び向上を図るために必要な業務を行うこと。

1項

市町村長は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、支援法人に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

2項

市町村長は、支援法人が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、支援法人に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

3項

市町村長は、支援法人が前項の規定による命令に違反したときは、第三十四条第一項の規定による指定を取り消すことができる。

4項

市町村長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

1項
国 及び関係地方公共団体は、支援法人に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供 又は指導 若しくは助言をするものとする。

第七章 雑則

1項
この法律における主務大臣は、文部科学大臣、農林水産大臣 及び国土交通大臣とする。
2項

この法律における主務省令は、文部科学省令・国土交通省令とする。


ただし第五条第二項第七号 及び第七条第一項に規定する主務省令については、文部科学省令・農林水産省令・国土交通省令とする。

1項

この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第八章 罰則

1項

第三十三条第一項 又は第二項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第一項本文 又は第二項に規定する行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して同項の罰金刑を科する。

1項

次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、五万円以下の過料に処する。

一 号

第十五条第一項 又は第二項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第一項本文 又は第二項に規定する行為をしたとき。

二 号

第十八条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。