古物営業法

昭和二十四年法律第百八号
分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 05月13日 13時07分

T
  • 第一章 総則

  • 第二章 古物営業の許可等

    • 第一節 古物商及び古物市場主
    • 第二節 古物競りあつせん業者
  • 第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等

  • 第三章の二 古物競りあつせん業者の遵守事項等

  • 第四章 監督

  • 第五章 雑則

  • 第六章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗 その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。

1項

この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品 及び商品券、乗車券、郵便切手 その他政令で定めるこれらに類する証票 その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械 その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

2項

この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。

一 号

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること 又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

二 号

古物市場(古物商間の古物の売買 又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業

三 号

古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法 その他の政令で定めるものに限る)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。

3項

この法律において「古物商」とは、次条の規定による許可を受けて前項第一号に掲げる営業を営む者をいう。

4項

この法律において「古物市場主」とは、次条の規定による許可を受けて第二項第二号に掲げる営業を営む者をいう。

5項

この法律において「古物競りあつせん業者」とは、古物競りあつせん業を営む者をいう。

第二章 古物営業の許可等

第一節 古物商及び古物市場主

1項

前条第二項第一号 又は第二号に掲げる営業を営もうとする者は、都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

1項

公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号いずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。

一 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

二 号

禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪 若しくは刑法明治四十年法律第四十五号第二百三十五条第二百四十七条第二百五十四条 若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者

三 号

集団的に、又は常習的に暴力的不法行為 その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

四 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第十二条 若しくは第十二条の六の規定による命令 又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令 又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの

五 号

住居の定まらない者

六 号

第二十四条第一項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日 及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。

七 号

第二十四条第一項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日 及び場所が公示された日から当該取消しをする日 又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第八条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く)で、当該返納の日から起算して五年を経過しないもの

八 号

心身の故障により古物商 又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

九 号

営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。


ただし、その者が古物商 又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号 及び第十一号いずれにも該当しない場合を除くものとする。

十 号

営業所(営業所のない者にあつては、住所 又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第十三条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者

十一 号

法人で、その役員のうちに第一号から第八号までいずれかに該当する者があるもの

1項

第三条の規定による許可を受けようとする者は、その主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。


この場合において、許可申請書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 又は居所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二 号

主たる営業所 又は古物市場 その他の営業所 又は古物市場の名称 及び所在地

三 号

営業所 又は古物市場ごとに取り扱おうとする古物に係る国家公安委員会規則で定める区分

四 号

第十三条第一項の管理者の氏名 及び住所

五 号

第二条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者にあつては、行商(仮設店舗(営業所以外の場所に仮に設けられる店舗であつて、容易に移転することができるものをいう。以下同じ。)を出すことを含む。以下同じ。)をしようとする者であるかどうかの別

六 号

第二条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者にあつては、その営業の方法として、取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く。以下同じ。)により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いるかどうかの別に応じ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号 その他の符号 又はこれに該当しない旨

七 号

法人にあつては、その役員の氏名 及び住所

2項

公安委員会は、第三条の規定による許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。

3項

公安委員会は、第三条の規定による許可をしないときは、理由を付した書面をもつて、申請者にその旨を通知しなければならない。

4項

許可証の交付を受けた者は、許可証を亡失し、又は許可証が滅失したときは、速やかにその旨を主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に届け出て、許可証の再交付を受けなければならない。

1項

公安委員会は、第三条の規定による許可を受けた者について、次に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。

一 号

偽りその他不正の手段により許可を受けたこと。

二 号

第四条各号第十号除く)に掲げる者のいずれかに該当していること。

三 号

許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。

2項

公安委員会は、第三条の規定による許可を受けた者の営業所 若しくは古物市場の所在地を確知できないとき、又は当該者の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該者から申出がないときは、その許可を取り消すことができる。

3項

前項の規定による処分については、行政手続法平成五年法律第八十八号第三章の規定は、適用しない

1項

古物商 又は古物市場主は、第五条第一項第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして主たる営業所 又は古物市場の所在地を変更しようとするときは、その変更後の主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会)に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。

2項

古物商 又は古物市場主は、第五条第一項各号第二号除く)に掲げる事項に変更があつたときは、主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。

3項

前二項に規定する公安委員会以外の公安委員会の管轄区域内に営業所 又は古物市場を有する古物商 又は古物市場主は、前二項の規定による届出書の提出を当該公安委員会を経由して行うことができる。

4項

第一項 又は第二項の規定により提出する届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

5項

第一項 又は第二項の規定により届出書を提出する場合において、当該届出書に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、その書換えを受けなければならない。

1項

公安委員会は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いる古物商(第十二条第二項 及び第三項において「特定古物商」という。)について、次に掲げる事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供するものとする。

一 号

その古物営業を廃止したとき。

二 号

第三条の規定による許可が取り消されたとき。

三 号

許可証の再交付を受けた場合において、亡失した許可証を発見し、又は回復したとき。

2項

前項第一号の規定による許可証の返納があつたときは、第三条の規定による許可は、その効力を失う。

3項

許可証の交付を受けた者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、許可証をその主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。

一 号

死亡した場合

同居の親族 又は法定代理人

二 号

法人が合併により消滅した場合

合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

1項

公安委員会は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いる古物商について、次に掲げる事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供するものとする。

一 号

氏名 又は名称

二 号

第五条第一項第六号に規定する文字、番号、記号 その他の符号

三 号

許可証の番号

2項

公安委員会は、前項各号に掲げる事項に変更があつた場合には、遅滞なく、当該事項を補正するものとする。

1項

古物商 又は古物市場主は、自己の名義をもつて、他人にその古物営業を営ませてはならない。

1項

古物商は、古物市場主の経営する古物市場以外において競り売りをしようとするときは、あらかじめ、その日時 及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出なければならない。

2項

前項に規定する公安委員会の管轄区域内に営業所を有しない古物商は、同項の規定による届出を、その営業所の所在地を管轄する公安委員会を経由して行うことができる。

3項

古物商は、売却する古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供し、その買受けの申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いて第一項の競り売りをしようとする場合には、同項の規定にかかわらずあらかじめ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号 その他の符号、競り売りをしようとする期間 その他国家公安委員会規則で定める事項を当該古物を取り扱う営業所の所在地を管轄する公安委員会に届け出なければならない。

4項

前三項の規定は、古物競りあつせん業者が行うあつせんを受けて取引をしようとする場合には、適用しない

第二節 古物競りあつせん業者

1項

古物競りあつせん業者は、営業開始の日から二週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあつては、住所 又は居所をいう。以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。


この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 又は居所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二 号

営業の本拠となる事務所 その他の事務所の名称 及び所在地

三 号

法人にあつては、その役員の氏名 及び住所

四 号

第二条第二項第三号の競りの方法 その他業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの

2項

前項の届出書を提出した者は、古物競りあつせん業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があつたときは、公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして営業の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会)に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。


この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等

1項

古物商は、行商をし、又は競り売りをするときは、許可証を携帯していなければならない。

2項

古物商は、その代理人、使用人 その他の従業者(以下「代理人等」という。)に行商をさせるときは、当該代理人等に、国家公安委員会規則で定める様式の行商従業者証を携帯させなければならない。

3項

古物商 又はその代理人等は、行商をする場合において、取引の相手方から許可証 又は前項の行商従業者証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。

1項

古物商 又は古物市場主は、それぞれ営業所 若しくは仮設店舗 又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。

2項

古物商 又は古物市場主は、その事業の規模が著しく小さい場合 その他の国家公安委員会規則で定める場合(その者が特定古物商である場合を除く)を除き、国家公安委員会規則で定めるところにより、その氏名 又は名称、許可をした公安委員会の名称 及び許可証の番号(次項において「氏名等」という。)を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。

3項

特定古物商は、前項の規定により氏名等を公衆の閲覧に供するときは、氏名等と共に、その取り扱う古物に関する事項を公衆の閲覧に供しなければならない。

1項

古物商 又は古物市場主は、営業所 又は古物市場ごとに、当該営業所 又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人選任しなければならない。

2項

次の各号いずれかに該当する者は、管理者となることができない

一 号

未成年者

二 号

第四条第一号から第七号までいずれかに該当する者

三 号

心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

3項

古物商 又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術 又は経験を得させるよう努めなければならない。

4項

公安委員会は、管理者がその職務に関し法令の規定に違反した場合において、その情状により管理者として不適当であると認めたときは、古物商 又は古物市場主に対し、当該管理者の解任を勧告することができる。

1項

古物商は、その営業所 又は取引の相手方の住所 若しくは居所以外の場所において、買い受け、若しくは交換するため、又は売却 若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から古物を受け取つてはならない


ただし、仮設店舗において古物営業を営む場合において、あらかじめ、その日時 及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出たときは、この限りでない。

2項

前項ただし書に規定する公安委員会の管轄区域内に営業所を有しない古物商は、同項ただし書の規定による届出を、その営業所の所在地を管轄する公安委員会を経由して行うことができる。

3項

古物市場においては、古物商間でなければ古物を売買し、交換し、又は売却 若しくは交換の委託を受けてはならない

1項

古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却 若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号いずれかに掲げる措置をとらなければならない。

一 号

相手方の住所、氏名、職業 及び年齢を確認すること。

二 号

相手方からその住所、氏名、職業 及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る)の交付を受けること。

三 号

相手方からその住所、氏名、職業 及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法 その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律平成十二年法律第百二号第二条第一項に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第四条第一項 又は第十五条第一項の認定を受けた者により同法第二条第二項に規定する証明がされるものに限る)が行われているものの提供を受けること。

四 号

前三号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの

2項

前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。

一 号

対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く

二 号

自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合

3項

古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却 若しくは交換の委託を受けようとする場合において、当該古物について不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。

1項

古物商は、売買 若しくは交換のため、又は売買 若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿 若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。


ただし前条第二項各号に掲げる場合 及び当該記載 又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合は、この限りでない。

一 号

取引の年月日

二 号

古物の品目 及び数量

三 号

古物の特徴

四 号

相手方(国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した相手方を除く)の住所、氏名、職業 及び年齢

五 号

前条第一項の規定によりとつた措置の区分(同項第一号 及び第四号に掲げる措置にあつては、その区分 及び方法

1項

古物市場主は、その古物市場において売買され、又は交換される古物につき、取引の都度、前条第一号から第三号までに規定する事項 並びに取引の当事者の住所 及び氏名を帳簿等に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。

1項

古物商 又は古物市場主は、前二条の帳簿等を最終の記載をした日から三年間営業所 若しくは古物市場に備え付け、又は前二条の電磁的方法による記録を当該記録をした日から三年間営業所 若しくは古物市場において直ちに書面に表示することができるようにして保存しておかなければならない。

2項

古物商 又は古物市場主は、前二条の帳簿等 又は電磁的方法による記録をき損し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちに営業所 又は古物市場の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。

1項

警視総監 若しくは道府県警察本部長 又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、必要があると認めるときは、古物商 又は古物市場主に対して、盗品 その他財産に対する罪に当たる行為によつて領得された物(以下「盗品等」という。)の品触れを書面により発することができる。

2項

古物商 又は古物市場主は、前項の規定により発せられた品触れを受けたときは、当該品触れに係る書面に到達の日付を記載し、その日から六月間これを保存しなければならない。


ただし情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律平成十四年法律第百五十一号第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、到達の日付を記載することを要しない。

3項

古物商は、品触れを受けた日にその古物を所持していたとき、又は前項の期間内に品触れに相当する古物を受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

4項

古物市場主は、第二項に規定する期間内に、品触れに相当する古物が取引のため古物市場に出たときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

5項

情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行われた品触れについては、同法第七条第三項の規定は、適用しない

1項

古物商(個人に限り、未成年者を除く)が古物営業に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない

1項

古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券(民法明治二十九年法律第八十九号第五百二十条の十三に規定する記名式所持人払証券をいう。)及び無記名証券であるものを除く)のうちに盗品 又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品 又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者 又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。


ただし、盗難 又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。

1項

古物商が買い受け、若しくは交換し、又は売却 若しくは交換の委託を受けた古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物商に対し三十日以内の期間を定めて、その古物の保管を命ずることができる。

第三章の二 古物競りあつせん業者の遵守事項等

1項

古物競りあつせん業者は、古物の売却をしようとする者からのあつせんの申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置をとるよう努めなければならない。

1項

古物競りあつせん業者は、あつせんの相手方が売却しようとする古物について、盗品等の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。

1項

古物競りあつせん業者は、古物の売買をしようとする者のあつせんを行つたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、書面 又は電磁的方法による記録の作成 及び保存に努めなければならない。

1項

古物競りあつせん業者は、その業務の実施の方法が、国家公安委員会が定める盗品等の売買の防止 及び速やかな発見に資する方法の基準に適合することについて、公安委員会の認定を受けることができる。

2項

前項の認定を受けた古物競りあつせん業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、同項の認定を受けている旨の表示をすることができる。

3項

何人も、前項の場合を除くほか、同項の表示 又はこれと紛らわしい表示をしてはならない。

4項

前三項に定めるもののほか、申請の手続、認定の取消し その他第一項の認定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

古物競りあつせん業(日本国内に在る者をあつせんの相手方とするものに限る)を外国において営む者は、その業務の実施の方法が前条第一項に規定する基準に適合することについて、国家公安委員会規則で定めるところにより、公安委員会の認定を受けることができる。

2項

前条第二項の規定は前項の認定を受けた者について、同条第四項の規定は前項の認定について準用する。

1項

古物競りあつせん業者のあつせんの相手方が売却しようとする古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物競りあつせん業者に対し、当該古物に係る競りを中止することを命ずることができる。

第四章 監督

1項

警察職員は、必要があると認めるときは、営業時間中において、古物商の営業所 若しくは仮設店舗、古物の保管場所、古物市場 又は第十条第一項の競り売り(同条第三項 及び第四項に規定する場合を除く)の場所に立ち入り、古物 及び帳簿等(第十八条第一項に規定する書面で同項の記録が表示されたものを含む。第三十五条第三号において同じ。)を検査し、関係者に質問することができる。

2項

前項の場合においては、警察職員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者に、これを提示しなければならない。

3項

警察本部長等は、必要があると認めるときは、古物商、古物市場主 又は古物競りあつせん業者から盗品等に関し、必要な報告を求めることができる。

4項

前項の規定は、第二十一条の六第一項の認定を受けた者について準用する。

1項

古物商 若しくは古物市場主 又はこれらの代理人等がその古物営業に関し この法律 若しくはこの法律に基づく命令 又は他の法令の規定に違反した場合において、盗品等の売買等の防止 又は盗品等の速やかな発見が阻害されるおそれがあると認めるときは、当該古物商 又は古物市場主の主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会は、当該古物商 又は古物市場主に対し、その業務の適正な実施を確保するため必要な措置をとるべきことを指示することができる。

2項

公安委員会は、他の公安委員会の管轄区域内に主たる営業所 若しくは古物市場を有する古物商 若しくは古物市場主で当該公安委員会の管轄区域内において古物営業を営むもの又はこれらの代理人等が当該公安委員会の管轄区域内におけるその古物営業に関し この法律 若しくはこの法律に基づく命令 又は他の法令の規定に違反した場合において、盗品等の売買等の防止 又は盗品等の速やかな発見が阻害されるおそれがあると認めるときは、当該古物商 又は古物市場主に対し、その業務の適正な実施を確保するため必要な措置をとるべきことを指示することができる。

1項

古物商 若しくは古物市場主 若しくはこれらの代理人等がその古物営業に関し この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくは他の法令の規定に違反した場合において盗品等の売買等の防止 若しくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認めるとき、又は古物商 若しくは古物市場主がこの法律に基づく処分(前条の規定による指示を含む。)に違反したときは、当該古物商 又は古物市場主の主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会は、当該古物商 又は古物市場主に対し、その古物営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて、その古物営業の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

2項

公安委員会は、他の公安委員会の管轄区域内に主たる営業所 若しくは古物市場を有する古物商 若しくは古物市場主で当該公安委員会の管轄区域内において古物営業を営むもの若しくはこれらの代理人等が当該公安委員会の管轄区域内におけるその古物営業に関し この法律 若しくはこの法律に基づく命令 若しくは他の法令の規定に違反した場合において盗品等の売買等の防止 若しくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認めるとき、又は当該古物商 若しくは古物市場主が当該古物営業に関しこの法律に基づく処分(前条の規定による指示を含む。)に違反したときは、当該古物商 又は古物市場主に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該古物営業の全部 又は一部の停止を命ずることができる。

1項

公安委員会は、前条の規定により古物商 又は古物市場主の営業の停止を命じようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2項

前条の規定による処分に係る聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日 及び場所を公示しなければならない。

3項

前条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

第五章 雑則

1項

公安委員会は、盗品等の売買等の防止に資するため、盗品等に関する情報の提供を求める者で国家公安委員会規則で定めるものに対し、当該情報の提供を行うことができる。

1項

公安委員会は、次の各号いずれかに該当するときは、国家公安委員会規則で定める事項を国家公安委員会に報告しなければならない。


この場合において、国家公安委員会は、当該報告に係る事項を各公安委員会に通報するものとする。

一 号

第三条の規定による許可、第五条第四項の規定による許可証の再交付 又は第六条第一項 若しくは第二項の規定による許可の取消しをした場合

二 号

第七条第一項 若しくは第二項の規定による届出書の提出、第八条第一項 若しくは第三項の規定による許可証の返納 又は第十条第一項 若しくは第三項 若しくは第十四条第一項ただし書の規定による届出を受けた場合

三 号

第二十三条 又は第二十四条の規定による処分をした場合

2項

公安委員会は、古物商 若しくは古物市場主 若しくはこれらの代理人等が前項第三号に規定する処分の事由となる違反行為をしたと認めるとき、又は古物商 若しくは古物市場主が同号に規定する処分に違反したと認めるときは、当該古物商 又は古物市場主の主たる営業所 又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める事項を通報しなければならない。

1項

この法律 又はこの法律に基づく政令の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令の定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。

1項

この法律の規定に基づき政令 又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令 又は国家公安委員会規則で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

1項

この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続 その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第六章 罰則

1項

次の各号いずれかに該当する者は、三年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

一 号

第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号 又は第二号に掲げる営業を営んだ者

二 号

偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者

三 号

第九条の規定に違反した者

四 号

第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者

1項

第十四条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、六月以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第十四条第三項第十五条第一項第十八条第一項 又は第十九条第三項 若しくは第四項の規定に違反した者

二 号

第十六条 又は第十七条の規定に違反して必要な記載 若しくは電磁的方法による記録をせず、又は虚偽の記載 若しくは電磁的方法による記録をした者

三 号

第十八条第二項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者

四 号

第十九条第二項の規定に違反して品触れに係る書面に到達の日付を記載せず、若しくは虚偽の日付を記載し、又はこれを保存しなかつた者

五 号

第二十一条 又は第二十一条の七の規定による警察本部長等の命令に違反した者

1項

次の各号いずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

一 号

第五条第一項の許可申請書 又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者

二 号

第十条第一項 又は第三項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者

三 号

第十条の二第一項の規定に違反して届出書 若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書 若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

四 号

第二十一条の五第三項の規定に違反した者

1項

次の各号いずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

一 号

第七条第一項第二項 若しくは第四項 若しくは第十条の二第二項の規定に違反して届出書 若しくは添付書類を提出せず、又は第七条第一項第二項 若しくは第四項 若しくは第十条の二第二項の届出書 若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

二 号

第八条第一項第十一条第一項 若しくは第二項 又は第十二条の規定に違反した者

三 号

第二十二条第一項の規定による立入り又は帳簿等の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

四 号

第二十二条第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

1項

第三十一条から第三十三条までの罪を犯した者には、情状により、各本条の懲役 及び罰金を併科することができる。

1項

過失により第十九条第三項 又は第四項の規定に違反した者は、拘留 又は科料に処する。

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人等が、その法人 又は人の業務 又は財産に関し、第三十一条から第三十五条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

1項

第八条第三項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。