この法律は、消費者契約に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害等(財産的被害 及び精神上の苦痛を受けたことによる損害をいう。以下同じ。)について、消費者と事業者との間の情報の質 及び量 並びに交渉力の格差により消費者が自らその回復を図ることには困難を伴う場合があることに鑑み、その財産的被害等を集団的に回復するため、特定適格消費者団体が被害回復裁判手続を追行することができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律
第一章 総則
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
消費者
個人(事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。
事業者
法人 その他の社団 又は財団 及び事業を行う場合における個人をいう。
消費者契約
消費者と事業者との間で締結される契約(労働契約を除く。)をいう。
共通義務確認の訴え
消費者契約に関して相当多数の消費者に生じた財産的被害等について、事業者、事業者に代わって事業を監督する者(次条第一項第五号ロ 及び第三項第三号ロにおいて「事業監督者」という。)又は事業者の被用者(以下「事業者等」と総称する。)が、これらの消費者に対し、これらの消費者に共通する事実上 及び法律上の原因に基づき、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、金銭を支払う義務を負うべきことの確認を求める訴えをいう。
対象債権
共通義務確認の訴えの被告とされた事業者等に対する金銭の支払請求権であって、前号に規定する義務に係るものをいう。
対象消費者
対象債権を有する消費者をいう。
簡易確定手続
共通義務確認の訴えに係る訴訟(以下「共通義務確認訴訟」という。)の結果を前提として、この法律の規定による裁判所に対する第三十三条第二項に規定する債権届出に基づき、相手方が認否をし、第四十六条第一項に規定する認否を争う旨の申出がない場合はその認否により、同項に規定する認否を争う旨の申出がある場合は裁判所の決定により、対象債権 及び第十一条第二項に規定する和解金債権(以下「対象債権等」という。)の存否 及び内容を確定する裁判手続をいう。
異議後の訴訟
簡易確定手続における対象債権等の存否 及び内容を確定する決定(以下「簡易確定決定」という。)に対して適法な異議の申立てがあった後の当該請求に係る訴訟をいう。
被害回復裁判手続
次に掲げる手続をいう。
特定適格消費者団体が対象債権等に関して取得した債務名義による民事執行の手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第一項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十八条第一項、第九十条第一項 及び第百五十七条第一項の訴えに係る訴訟手続(第六十六条第一項第三号において「民事執行に係る訴訟手続」という。)を含む。)及び特定適格消費者団体が取得する可能性のある債務名義に係る対象債権の実現を保全するための仮差押えの手続(民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十六条において準用する民事執行法第三十三条第一項、第三十四条第一項 及び第三十八条第一項の訴えに係る訴訟手続(第六十六条第一項第一号において「仮差押えの執行に係る訴訟手続」という。)を含む。)
特定適格消費者団体被害回復裁判手続を追行するのに必要な適格性を有する法人である適格消費者団体(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体をいう。以下同じ。)として第七十一条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。
第二章 被害回復裁判手続
第一節 共通義務確認訴訟に係る民事訴訟手続の特例
特定適格消費者団体は、事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって消費者契約に関する第一号から第四号までに掲げる請求 及び第五号イからハまでに掲げる者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって消費者契約に関する同号に掲げる請求(これらに附帯する利息、損害賠償、違約金 又は費用の請求を含む。)に係るものについて、共通義務確認の訴えを提起することができる。
不法行為に基づく損害賠償の請求(民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定によるものに限り、次号(イに係る部分に限る。)に掲げるものを除く。)
事業者の被用者が消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えたことを理由とする次のイからハまでに掲げる者に対する当該イからハまでに定める請求
事業者(当該被用者の選任 及びその事業の監督について故意又は重大な過失により相当の注意を怠ったものに限る。第三項第三号において同じ。)
民法第七百十五条第一項の規定による損害賠償の請求
事業監督者(当該被用者の選任 及びその事業の監督について故意 又は重大な過失により相当の注意を怠ったものに限る。第三項第三号ロにおいて同じ。)
民法第七百十五条第二項の規定による損害賠償の請求
被用者(第三者に損害を加えたことについて故意 又は重大な過失があるものに限る。第三項第三号ハにおいて同じ。)
不法行為に基づく損害賠償の請求(民法の規定によるものに限る。)
次に掲げる損害については、前項第三号から第五号までに掲げる請求に係る金銭の支払義務についての共通義務確認の訴えを提起することができない。
契約上の債務の不履行 又は不法行為により、物品、権利 その他の消費者契約の目的となるもの(役務を除く。次号において同じ。)以外の財産が滅失し、又は損傷したことによる損害
消費者契約の目的となるものの提供があるとすればその処分 又は使用により得るはずであった利益を喪失したことによる損害
契約上の債務の不履行 又は不法行為により、消費者契約による製造、加工、修理、運搬 又は保管に係る物品 その他の消費者契約の目的となる役務の対象となったもの以外の財産が滅失し、又は損傷したことによる損害
消費者契約の目的となる役務の提供があるとすれば当該役務を利用すること 又は当該役務の対象となったものを処分し、若しくは使用することにより得るはずであった利益を喪失したことによる損害
精神上の苦痛を受けたことによる損害(その額の算定の基礎となる主要な事実関係が相当多数の消費者について共通するものであり、かつ、次のイ 又はロのいずれかに該当するものを除く。)
共通義務確認の訴えにおいて一の訴えにより、前項各号に掲げる請求(同項第三号から第五号までに掲げる請求にあっては、精神上の苦痛を受けたことによる損害に係る請求を含まないものに限る。以下このイにおいて「財産的請求」という。)と併せて請求されるものであって、財産的請求と共通する事実上の原因に基づくもの
事業者の故意によって生じたもの
次の各号に掲げる請求に係る金銭の支払義務についての共通義務確認の訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。
第一項第一号から第三号までに掲げる請求
消費者契約の相手方である事業者
第一項第四号に掲げる請求
消費者契約の相手方である事業者 若しくはその債務の履行をする事業者 又は消費者契約の締結について勧誘をし、当該勧誘をさせ、若しくは当該勧誘を助長する事業者
第一項第五号に掲げる請求
次に掲げる者
消費者契約の相手方である事業者 若しくはその債務の履行をする事業者 又は消費者契約の締結について勧誘をし、当該勧誘をさせ、若しくは当該勧誘を助長する事業者であって、当該事業者の消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えた被用者を使用するもの
イに掲げる事業者の事業監督者
イに掲げる事業者の被用者であって、当該事業者の消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えたもの
裁判所は、共通義務確認の訴えに係る請求を認容する判決をしたとしても、事案の性質、当該判決を前提とする簡易確定手続において予想される主張 及び立証の内容 その他の事情を考慮して、当該簡易確定手続において対象債権の存否 及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるときは、共通義務確認の訴えの全部 又は一部を却下することができる。
共通義務確認の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
共通義務確認の訴えの訴状には、対象債権 及び対象消費者の範囲を記載して、請求の趣旨 及び原因を特定しなければならない。
共通義務確認訴訟については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第五条(第五号に係る部分を除く。)の規定は、適用しない。
次の各号に掲げる請求に係る金銭の支払義務についての共通義務確認の訴えは、当該各号に定める地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
第三条第一項第一号から第三号までに掲げる請求
義務履行地
第三条第一項第四号 及び第五号に掲げる請求に掲げる請求
不法行為があった地
対象消費者の数が五百人以上であると見込まれるときは、民事訴訟法第四条第一項 若しくは第五条第五号 又は前項の規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、共通義務確認の訴えを提起することができる。
対象消費者の数が千人以上であると見込まれるときは、東京地方裁判所 又は大阪地方裁判所にも、共通義務確認の訴えを提起することができる。
民事訴訟法第四条第一項、第五条第五号、第十一条第一項 若しくは第十二条 又は前三項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、共通義務確認の訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。
ただし、その地方裁判所は、著しい損害 又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、当該共通義務確認の訴えに係る訴訟の全部 又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
裁判所は、共通義務確認訴訟がその管轄に属する場合においても、他の裁判所に事実上 及び法律上同種の原因に基づく請求を目的とする共通義務確認訴訟が係属している場合において、当事者の住所 又は所在地、尋問を受けるべき証人の住所、争点 又は証拠の共通性 その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申立てにより 又は職権で、当該共通義務確認訴訟の全部 又は一部について、当該他の裁判所に移送することができる。
請求の内容 及び相手方が同一である共通義務確認訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
前項に規定する場合には、当事者は、その旨を裁判所に申し出なければならない。
消費者は、民事訴訟法第四十二条の規定にかかわらず、共通義務確認訴訟の結果について利害関係を有する場合であっても、特定適格消費者団体を補助するため、その共通義務確認訴訟に参加することができない。
共通義務確認訴訟が係属する裁判所は、次に掲げる事由につき疎明があった場合には、当該共通義務確認訴訟の当事者である特定適格消費者団体の申立てにより、決定で、当該共通義務確認訴訟の当事者である事業者等に対して、第三十一条第一項の規定により事業者等が特定適格消費者団体に開示しなければならない同項に規定する文書について、同条第二項に規定する方法により開示することを命ずることができる。
第二条第四号に規定する義務が存すること。
前項の規定による命令(以下この条において「保全開示命令」という。)の申立ては、文書の表示を明らかにしてしなければならない。
裁判所は、保全開示命令の申立てについて決定をする場合には、事業者等を審尋しなければならない。
事業者等が正当な理由なく保全開示命令に従わないときは、裁判所は、決定で、三十万円以下の過料に処する。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法第百八十九条の規定は、第六項の規定による過料の裁判について準用する。
共通義務確認訴訟の確定判決は、民事訴訟法第百十五条第一項の規定にかかわらず、当該共通義務確認訴訟の当事者以外の特定適格消費者団体 及び当該共通義務確認訴訟に係る対象消費者の範囲に属する第三十三条第二項第一号に規定する届出消費者に対しても その効力を有する。
共通義務確認訴訟の当事者は、当該共通義務確認訴訟において、当該共通義務確認の訴えの被告とされた事業者等に当該共通義務確認訴訟の目的である第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解をするときは、当該義務に関し、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
当該義務に係る事実上 及び法律上の原因
共通義務確認訴訟の当事者は、当該共通義務確認訴訟において、当該共通義務確認訴訟に係る対象債権に係る紛争の解決に関し、当該紛争に係る消費者の当該共通義務確認の訴えの被告とされた事業者等に対する対象債権以外の金銭の支払請求権(以下「和解金債権」という。)が存することを認める旨の和解をするときは、当該和解金債権に関し、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
和解金債権を有する消費者(第二十六条第一項第十号において「和解対象消費者」という。)の範囲
共通義務確認訴訟における和解において、当該共通義務確認訴訟の当事者である特定適格消費者団体が当該共通義務確認訴訟の目的である第二条第四号に規定する義務について共通義務確認の訴えを提起しない旨の定めがされたときは、当該定めは、当該共通義務確認訴訟の当事者以外の特定適格消費者団体に対してもその効力を有する。
共通義務確認の訴えが提起された場合において、原告 及び被告が共謀して共通義務確認の訴えに係る対象消費者の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、他の特定適格消費者団体は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。
第二節 対象債権の確定手続
⤏ 第一款 簡易確定手続
⤏ 第一目 通則
簡易確定手続は、共通義務確認訴訟における請求を認容する判決が確定した時 又は請求の認諾等(請求の認諾、第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解 又は和解金債権が存することを認める旨の和解をいう。以下この条において同じ。)によって共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体(第九十三条第二項の規定による指定があった場合には、その指定を受けた特定適格消費者団体。第十五条において同じ。)の申立てにより、当該判決が確定した時 又は請求の認諾等によって当該共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった事業者等を相手方として、共通義務確認訴訟の第一審の終局判決をした地方裁判所(第一審において請求の認諾等によって共通義務確認訴訟が終了したときは、当該共通義務確認訴訟が係属していた地方裁判所)が行う。
簡易確定手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
前項の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。
⤏ 第二目 簡易確定手続の開始
共通義務確認訴訟における請求を認容する判決が確定した時 又は請求の認諾によって共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。
第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、当該義務に係る対象債権について、簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。
ただし、当該対象債権のうち、当該和解においてその額 又は算定方法のいずれかが定められている部分(当該和解において簡易確定手続開始の申立てをしなければならない旨が定められている部分を除く。)については、この限りでない。
和解金債権が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した場合において、当該和解において当該和解金債権の全部 又は一部について簡易確定手続開始の申立てをしなければならない旨が定められているときは、当該共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、当該定めに係る和解金債権について簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。
前条の場合において、簡易確定手続開始の申立ては、共通義務確認訴訟における請求を認容する判決が確定した日 又は請求の認諾、第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解 若しくは和解金債権が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した日(第九十三条第二項の規定による指定があった場合には、その指定を受けた日)から四月以内にしなければならない。
裁判所は、必要があると認めるときは、前条の規定により簡易確定手続開始の申立てをしなければならない特定適格消費者団体の申立てにより、二月以内の期間を定めて、前項の期間(この項の規定により当該期間が伸長された場合にあっては、当該伸長された期間。次項において同じ。)の伸長の決定をすることができる。
ただし、当該期間は、通じて八月を超えることができない。
裁判所は、前項の規定により第一項の期間の伸長の決定をしたときは、前条の規定により簡易確定手続開始の申立てをしなければならない特定適格消費者団体 及び第十三条に規定する事業者等に対し、その旨を通知しなければならない。
簡易確定手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。
簡易確定手続開始の申立てをするときは、申立てをする特定適格消費者団体は、第二十三条第一項の規定による公告 及び同条第二項の規定による通知に要する費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
簡易確定手続開始の申立ては、裁判所の許可を得なければ、取り下げることできない。
民事訴訟法第二百六十一条第三項 及び第二百六十二条第一項の規定は、前項の規定による申立ての取下げについて準用する。
裁判所は、簡易確定手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てが不適法であると認めるとき 又は第十八条に規定する費用の予納がないときを除き、簡易確定手続開始の決定(以下「簡易確定手続開始決定」という。)をする。
簡易確定手続開始の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
簡易確定手続開始決定は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を記載した決定書を作成してしなければならない。
共通義務確認訴訟において第二条第四号に規定する義務が認められたとき
当該義務に係る対象債権 及び対象消費者の範囲
共通義務確認訴訟において和解金債権が存する旨を認める和解をしたとき
当該和解金債権に係る第十一条第二項第一号 及び第三号に掲げる事項
裁判所は、簡易確定手続開始決定と同時に、当該簡易確定手続開始決定に係る簡易確定手続開始の申立てをした特定適格消費者団体(第九十三条第一項の規定による指定があった場合には、その指定を受けた特定適格消費者団体。以下「簡易確定手続申立団体」という。)が第三十三条第二項に規定する債権届出をすべき期間(以下「届出期間」という。)及びその債権届出に対して簡易確定手続の相手方(以下この款において単に「相手方」という。)が認否をすべき期間(以下「認否期間」という。)を定めなければならない。
裁判所は、簡易確定手続開始決定をしたときは、直ちに、官報に掲載して次に掲げる事項を公告しなければならない。
第二十一条各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項
裁判所は、簡易確定手続申立団体 及び相手方に対し、前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
簡易確定手続開始決定がされた事件については、特定適格消費者団体は、更に簡易確定手続開始の申立てをすることができない。
裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、届出期間 又は認否期間の伸長の決定をすることができる。
裁判所は、前項の規定により届出期間 又は認否期間の伸長の決定をしたときは、簡易確定手続申立団体 及び相手方に対し、その旨を通知しなければならない。
裁判所は、第一項の規定により届出期間 又は認否期間の伸長の決定をしたときは、直ちに、官報に掲載してその旨を公告しなければならない。
⤏ 第三目 簡易確定手続申立団体による公告及び通知等
簡易確定手続開始決定がされたときは、簡易確定手続申立団体は、正当な理由がある場合を除き、届出期間の末日の一月前までに、次に掲げる事項を相当な方法により公告しなければならない。
共通義務確認訴訟の確定判決の内容(請求の認諾、第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解 又は和解金債権が存することを認める旨の和解がされた場合には、その内容)
共通義務確認訴訟において第二条第四号に規定する義務が認められた場合には、当該義務に係る対象債権 及び対象消費者の範囲
共通義務確認訴訟において和解金債権が存する旨を認める和解をした場合には、当該和解金債権に係る第十一条第二項第一号 及び第三号に掲げる事項
対象消費者等(対象消費者 及び和解対象消費者をいう。以下同じ。)が簡易確定手続申立団体に対して第三十四条第一項の授権をする方法
対象消費者等が簡易確定手続申立団体に対して第三十四条第一項の授権をする期間
前項の規定による公告後、届出期間中に同項第七号に掲げる事項に変更があったときは、当該変更に係る簡易確定手続申立団体は、遅滞なく、その旨を、相当な方法により公告するとともに、裁判所 及び相手方に通知しなければならない。
この場合において、当該通知を受けた裁判所は、直ちに、官報に掲載してその旨を公告しなければならない。
第一項の規定による公告後、届出期間中に同項第八号から第十二号までに掲げる事項に変更があったときは、当該変更に係る簡易確定手続申立団体は、遅滞なく、その旨を、相当な方法により公告しなければならない。
簡易確定手続開始決定がされたときは、簡易確定手続申立団体は、正当な理由がある場合を除き、届出期間の末日の一月前までに、知れている対象消費者等(次条第一項の規定による通知(以下この目 及び第九十八条第二項第二号において「相手方通知」という。)を受けたものを除く。)に対し、前条第一項各号に掲げる事項を書面 又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であって内閣府令で定めるものにより通知しなければならない。
前項の規定にかかわらず、同項の規定による通知において次に掲げる事項を記載する場合には、前条第一項第一号、第三号、第六号、第九号、第十号 及び第十二号に掲げる事項を記載することを要しない。
前条第一項の規定により公告を行っている旨
相手方は、簡易確定手続申立団体の求め(相手方通知のため通常必要な期間を考慮して内閣府令で定める日までにされたものに限る。)があるときは、届出期間の末日の二月以上前の日であって内閣府令で定める日までに、当該求めに係る知れている対象消費者等に対し、次に掲げる事項を書面 又は電磁的方法であって内閣府令で定めるものにより通知しなければならない。
共通義務確認訴訟において第二条第四号に規定する義務が認められた場合には、当該義務に係る対象債権 及び対象消費者の範囲
共通義務確認訴訟において和解金債権が存する旨を認める和解をした場合には、当該和解金債権に係る第十一条第二項第一号 及び第三号に掲げる事項
対象消費者等が簡易確定手続申立団体に対して第三十四条第一項の授権をする期間
簡易確定手続申立団体が第二十六条第一項の規定により公告を行っている旨
簡易確定手続申立団体は、相手方に対し、前項の求めをするときは、同項第四号に掲げる連絡先、同項第五号から第七号までに掲げる事項 その他内閣府令で定める事項を通知しなければならない。
相手方は、相手方通知をしたときは、当該相手方通知をした時から一週間以内に、第一項の求めをした簡易確定手続申立団体に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
相手方は、簡易確定手続申立団体の求めがあるときは、遅滞なく、インターネットの利用、営業所 その他の場所において公衆に見やすいように掲示する方法 その他これらに類する方法により、届出期間中、前条第一項各号に掲げる事項(同項第四号、第五号、第八号 又は第九号に掲げる事項に変更があったときは、変更後の当該各号に掲げる事項)を公表しなければならない。
前条第二項の規定は、簡易確定手続申立団体が相手方に対し前項の求めをするときについて準用する。
この場合において、
同条第二項中
「ならない」とあるのは、
「ならない。この場合において、当該求めの後、届出期間中に前項第四号 又は第五号に掲げる事項 その他内閣府令で定める事項に変更があったときは、当該変更に係る簡易確定手続申立団体は、遅滞なく、その旨を相手方に通知しなければならない」と
読み替えるものとする。
相手方は、簡易確定手続申立団体から次に掲げる事項について照会があるときは、当該照会があった時から一週間以内に、当該簡易確定手続申立団体に対し、書面 又は電磁的方法であって内閣府令で定めるものにより回答しなければならない。
相手方は、対象消費者等の氏名 及び住所 又は連絡先(内閣府令で定めるものに限る。次項において同じ。)が記載された文書(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をもって作成されている場合における当該電磁的記録を含む。)を所持する場合において、届出期間中に簡易確定手続申立団体の求めがあるときは、当該文書を当該簡易確定手続申立団体に開示することを拒むことができない。
ただし、相手方が開示すべき文書の範囲を特定するために不相当な費用 又は時間を要するときは、この限りでない。
前項に規定する文書の開示は、その写しの交付(電磁的記録については、当該電磁的記録を出力した書面の交付 又は当該電磁的記録に記録された情報の電磁的方法による提供であって内閣府令で定めるもの)により行う。この場合において、相手方は、個人(対象消費者等でないことが明らかである者を除く。)の氏名 及び住所 又は連絡先が記載された部分以外の部分を除いて開示することができる。
相手方は、第一項に規定する文書の開示をしないときは、簡易確定手続申立団体に対し、速やかに、その旨 及びその理由を書面により通知しなければならない。
簡易確定手続申立団体は、届出期間中、裁判所に対し、情報開示命令(前条第一項の規定により相手方が簡易確定手続申立団体に開示しなければならない同項に規定する文書について、同条第二項に規定する方法による開示を相手方に命ずる旨の決定をいう。以下この条において同じ。)の申立てをすることができる。
情報開示命令の申立ては、文書の表示を明らかにしてしなければならない。
裁判所は、情報開示命令の申立てを理由があると認めるときは、情報開示命令を発する。
裁判所は、情報開示命令の申立てについて決定をする場合には、相手方を審尋しなければならない。
情報開示命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。
相手方が正当な理由なく情報開示命令に従わないときは、裁判所は、決定で、三十万円以下の過料に処する。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法第百八十九条の規定は、第七項の規定による過料の裁判について準用する。
⤏ 第四目 対象債権等の確定
前項の規定による届出(以下「債権届出」という。)は、届出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「届出書」という。)を簡易確定手続開始決定をした裁判所に提出してしなければならない。
前二号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項
簡易確定手続申立団体は、債権届出の時に対象消費者が事業者等に対して対象債権に基づく訴えを提起するとすれば民事訴訟法第一編第二章第一節の規定により日本の裁判所が管轄権を有しないときは、第一項の規定にかかわらず、当該対象債権については、債権届出をすることができない。
簡易確定決定があるまでに簡易確定手続申立団体が届出債権について第一項の授権を欠いたとき(前項の規定により当該授権がその効力を失ったときを除く。)は、当該届出債権については、債権届出の取下げがあったものとみなす。
前項の届出消費者が同項の期間内に第一項の授権をしないときは、その届出債権については、債権届出の取下げがあったものとみなす。
簡易確定決定があった後に、届出消費者が第三項の規定により第一項の授権を取り消したときは、当該届出消費者は、更に簡易確定手続申立団体に同項の授権をすることができない。
簡易確定手続申立団体は、前条第一項の授権に先立ち、当該授権をしようとする者に対し、内閣府令で定めるところにより、被害回復裁判手続の概要 及び事案の内容 その他内閣府令で定める事項について、これを記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供して説明をしなければならない。
簡易確定手続申立団体は、やむを得ない理由があるときを除いては、簡易確定手続授権契約(対象消費者等が第三十四条第一項の授権をし、簡易確定手続申立団体が対象債権等について債権届出をすること 及び簡易確定手続を追行することを約する契約をいう。以下同じ。)の締結を拒絶してはならない。
第三十四条第一項の授権を得た簡易確定手続申立団体は、やむを得ない理由があるときを除いては、簡易確定手続授権契約を解除してはならない。
第三十四条第一項の授権を得た簡易確定手続申立団体は、当該授権をした対象消費者等のために、公平かつ誠実に債権届出、簡易確定手続の追行 及び第二条第九号ロに規定する民事執行の手続の追行(当該授権に係る債権に係る裁判外の和解を含む。)並びにこれらに伴い取得した金銭 その他の財産の管理をしなければならない。
第三十四条第一項の授権を得た簡易確定手続申立団体は、当該授権をした対象消費者等に対し、善良な管理者の注意をもって前項に規定する行為をしなければならない。
裁判所は、第三十三条第二項の規定による届出書の提出を受けたときは、次条第一項 又は第六十九条第一項の規定により債権届出を却下する場合を除き、遅滞なく、当該届出書を相手方に送達しなければならない。
裁判所は、債権届出が不適法であると認めるとき、又は届出書の送達に必要な費用の予納がないときは、決定で、当該債権届出を却下しなければならない。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
債権届出団体は、簡易確定手続において、届出債権について、和解をすることができる。
債権届出があったときは、当該債権届出に係る対象債権の時効の完成猶予 及び更新に関しては、簡易確定手続の前提となる共通義務確認の訴えを提起し、又は民事訴訟法第百四十三条第二項の書面を当該共通義務確認の訴えが係属していた裁判所に提出した時に、裁判上の請求があったものとみなす。
債権届出団体は、届出期間内に限り、当該債権届出の内容を変更することができる。
債権届出は、簡易確定決定に対し適法な異議の申立てがあるまで、その全部 又は一部を取り下げることができる。
ただし、簡易確定決定があった後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。
民事訴訟法第二百六十一条第三項 及び第二百六十二条第一項の規定は、前項の規定による債権届出の取下げについて準用する。
裁判所書記官は、届出債権について、届出消費者表を作成しなければならない。
前項の届出消費者表には、各届出債権について、その内容 その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。
届出消費者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。
相手方は、届出期間内に債権届出があった届出債権の内容について、認否期間内に、認否をしなければならない。
認否期間内に前項の認否(以下「届出債権の認否」という。)がないときは、相手方において、届出期間内に債権届出があった届出債権の内容の全部を認めたものとみなす。
相手方が、認否期間内に届出債権の内容の全部を認めたときは、当該届出債権の内容は、確定する。
裁判所書記官は、届出債権の認否の内容を届出消費者表に記載しなければならない。
第三項の規定により確定した届出債権については、届出消費者表の記載は、確定判決と同一の効力を有する。
この場合において、債権届出団体は、確定した届出債権について、相手方に対し、届出消費者表の記載により強制執行をすることができる。
債権届出団体は、前条第三項の規定により届出債権の内容が確定したときを除き、届出債権の認否に対し、認否期間の末日から一月の不変期間内に、裁判所に届出債権の認否を争う旨の申出(以下単に「認否を争う旨の申出」という。)をすることができる。
裁判所は、認否を争う旨の申出が不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所書記官は、認否を争う旨の申出の有無を届出消費者表に記載しなければならない。
裁判所は、適法な認否を争う旨の申出があったときは、第三十九条第一項 又は第六十九条第一項の規定により債権届出を却下する場合を除き、簡易確定決定をしなければならない。
裁判所は、簡易確定決定をする場合には、当事者双方を審尋しなければならない。
簡易確定決定は、主文 及び理由の要旨を記載した決定書を作成してしなければならない。
届出債権の支払を命ずる簡易確定決定(第五十九条 及び第八十九条第一項第二号において「届出債権支払命令」という。)については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。
第三項の決定書は、当事者に送達しなければならない。
この場合においては、簡易確定決定の効力は、当事者に送達された時に生ずる。
簡易確定決定のための審理においては、証拠調べは、書証に限りすることができる。
文書の提出 又は対照の用に供すべき筆跡 若しくは印影を備える物件の提出の命令は、することができない。
前二項の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
当事者は、簡易確定決定に対し、第四十七条第五項の規定による送達を受けた日から一月の不変期間内に、当該簡易確定決定をした裁判所に異議の申立てをすることができる。
届出消費者は、簡易確定決定に対し、債権届出団体が第四十七条第五項の規定による送達を受けた日から一月の不変期間内に、当該簡易確定決定をした裁判所に異議の申立てをすることができる。
裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
適法な異議の申立てがあったときは、簡易確定決定は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。
適法な異議の申立てがないときは、簡易確定決定は、確定判決と同一の効力を有する。
民事訴訟法第三百五十八条 及び第三百六十条の規定は、第一項 及び第二項の異議について準用する。
適法な認否を争う旨の申出がないときは、届出債権の内容は、届出債権の認否の内容により確定する。
前項の規定により確定した届出債権については、届出消費者表の記載は、確定判決と同一の効力を有する。
この場合において、債権届出団体は、確定した届出債権について、相手方に対し、届出消費者表の記載により強制執行をすることができる。
⤏ 第五目 費用の負担
簡易確定手続の費用(債権届出の手数料 及び簡易確定手続における届出債権に係る申立ての手数料(次条第一項 及び第三項において「個別費用」と総称する。)を除く。以下この条において同じ。)は、各自が負担する。
前項の規定にかかわらず、裁判所は、事情により、同項の規定によれば当事者がそれぞれ負担すべき費用の全部 又は一部を、その負担すべき者以外の当事者に負担させることができる。
裁判所は、簡易確定手続に係る事件が終了した場合において、必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、簡易確定手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法第六十九条から第七十二条まで 及び第七十四条の規定は、簡易確定手続の費用の負担について準用する。
裁判所は、届出債権について簡易確定手続に係る事件が終了した場合(第五十六条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合には、異議後の訴訟が終了した場合)において、必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、当該事件に関する個別費用の負担を命ずる決定をすることができる。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法第一編第四章第一節(第六十五条、第六十六条、第六十七条第二項 及び第七十三条を除く。)の規定は、個別費用の負担について準用する。
⤏ 第六目 補則
特別の定めがある場合を除き、簡易確定手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第二条、第十四条、第十六条、第二十一条、第二十二条、第一編第二章第三節、第三章(第三十条、第四十条から第四十九条まで、第五十二条 及び第五十三条を除く。)、第五章(第八十七条、第八十七条の二、第九十一条第一項 及び第二項、第九十二条第六項から第八項まで、第二節、第百十六条 並びに第百十八条を除く。)及び第七章、第二編第一章(第百三十三条、第百三十四条、第百三十七条第二項 及び第三項、第百三十八条第一項、第百三十九条、第百四十条 並びに第百四十三条から第百四十六条までを除く。)、第三章(第百五十六条の二、第百五十七条の二、第百五十八条、第百五十九条第三項、第百六十一条第三項 及び第三節を除く。)、第四章(第七節を除く。)、第五章(第二百四十五条、第二百四十九条から第二百五十二条まで、第二百五十三条第二項、第二百五十四条、第二百五十五条、第二百五十八条第二項から第四項まで 並びに第二百五十九条第一項 及び第二項を除く。)及び第六章(第二百六十一条から第二百六十三条まで 及び第二百六十六条を除く。)、第三編第三章、第四編 並びに第八編(第四百三条第一項第二号 及び第四号から第六号までを除く。)の規定を準用する。
第五十三条において準用する民事訴訟法第百四条第一項前段の規定による届出がない場合には、送達は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所においてする。
共通義務確認訴訟において民事訴訟法第百四条第一項前段の規定による届出があった場合
当該届出に係る場所
共通義務確認訴訟において民事訴訟法第百四条第一項前段の規定による届出がなかった場合
当該共通義務確認訴訟における同条第三項に規定する場所
⤏ 第二款 異議後の訴訟に係る民事訴訟手続の特例
簡易確定決定に対し適法な異議の申立てがあったときは、債権届出に係る請求については、当該債権届出の時に、当該債権届出に係る債権届出団体(当該債権届出に係る届出消費者が当該異議の申立てをしたときは、その届出消費者)を原告として、当該簡易確定決定をした地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。
この場合においては、届出書を訴状と、第三十八条の規定による送達を訴状の送達とみなす。
前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件は、同項の地方裁判所の管轄に専属する。
前項の事件が係属する地方裁判所は、著しい損害 又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、その事件に係る訴訟を民事訴訟法第四条第一項 又は第五条第一号、第五号 若しくは第九号の規定により管轄権を有する地方裁判所に移送することができる。
債権届出団体は、異議後の訴訟を追行するには、届出消費者の授権がなければならない。
届出消費者は、その届出債権に係る債権届出団体に限り、前項の授権をすることができる。
届出消費者が第八項において準用する第三十四条第三項の規定により第一項の授権を取り消し、又は自ら異議後の訴訟を追行したときは、当該届出消費者は、更に債権届出団体に同項の授権をすることができない。
債権届出団体は、正当な理由があるときを除いては、訴訟授権契約(届出消費者が第一項の授権をし、債権届出団体が異議後の訴訟を追行することを約する契約をいう。以下同じ。)の締結を拒絶してはならない。
第一項の授権を得た債権届出団体は、正当な理由があるときを除いては、訴訟授権契約を解除してはならない。
第一項の授権を得た債権届出団体は、当該授権をした届出消費者のために、公平かつ誠実に異議後の訴訟の追行 及び第二条第九号ロに規定する民事執行の手続の追行(当該授権に係る債権に係る裁判外の和解を含む。)並びにこれらに伴い取得した金銭 その他の財産の管理をしなければならない。
第一項の授権を得た債権届出団体は、当該授権をした届出消費者に対し、善良な管理者の注意をもって前項に規定する行為をしなければならない。
第三十四条第三項から第五項まで 及び第三十五条の規定は、第一項の授権について準用する。
民事訴訟法第五十八条第二項 並びに第百二十四条第一項(第六号に係る部分に限る。)及び第二項の規定は、異議後の訴訟において債権届出団体が第一項の授権を欠くときについて準用する。
異議後の訴訟においては、原告は、訴えの変更(届出消費者 又は請求額の変更を内容とするものを除く。)をすることができない。
異議後の訴訟においては、反訴を提起することができない。
仮執行の宣言を付した届出債権支払命令に係る請求について第五十六条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が届出債権支払命令と符合するときは、その判決において、届出債権支払命令を認可しなければならない。
ただし、届出債権支払命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。
前項の規定により届出債権支払命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した届出債権支払命令に係る請求について第五十六条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、届出債権支払命令を取り消さなければならない。
第三節 特定適格消費者団体のする仮差押え
特定適格消費者団体は、当該特定適格消費者団体が取得する可能性のある債務名義に係る対象債権の実現を保全するため、民事保全法の規定により、仮差押命令の申立てをすることができる。
特定適格消費者団体は、保全すべき権利に係る金銭の支払義務について共通義務確認の訴えを提起することができる場合に限り、前項の申立てをすることができる。
第一項の申立てにおいては、保全すべき権利について、対象債権 及び対象消費者の範囲 並びに当該特定適格消費者団体が取得する可能性のある債務名義に係る対象債権の総額を明らかにすれば足りる。
特定適格消費者団体は、対象債権について、第一項の規定によるもののほか、保全命令の申立てをすることができない。
前条第一項の申立てに関する民事保全法第十一条の規定の適用については、共通義務確認の訴えを本案の訴えとみなす。
民事保全法第十二条第一項 及び第三項の規定の適用については、共通義務確認訴訟の管轄裁判所を本案の管轄裁判所とみなす。
第六十一条第一項の申立てに係る仮差押命令(以下単に「仮差押命令」という。)に関する民事保全法第三十七条第一項、第三項 及び第四項の規定の適用については、当該申立てに係る仮差押えの手続の当事者である特定適格消費者団体がした共通義務確認の訴えの提起を本案の訴えの提起とみなす。
前項の共通義務確認の訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき 又は請求の認諾、第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解 若しくは和解金債権が存することを認める旨の和解によって同項の共通義務確認の訴えに係る訴訟が終了したときは、同項の特定適格消費者団体が簡易確定手続開始の申立てをすることができる期間 及び当該特定適格消費者団体を当事者とする簡易確定手続 又は異議後の訴訟が係属している間は、民事保全法第三十七条第一項 及び第三項の規定の適用については、本案の訴えが係属しているものとみなす。
民事保全法第三十八条 及び第四十条の規定の適用については、第六十一条第一項の申立てに係る仮差押えの手続の当事者である特定適格消費者団体が提起した共通義務確認訴訟に係る第一審裁判所(当該共通義務確認訴訟が控訴審に係属するときは、控訴裁判所)を本案の裁判所とみなす。
特定適格消費者団体は、仮差押命令に係る仮差押えの執行がされている財産について強制執行の申立てをし、又は当該財産について強制執行 若しくは担保権の実行の手続がされている場合において配当要求をするときは、当該特定適格消費者団体が取得した債務名義 及び取得することとなる債務名義に係る届出債権を平等に取り扱わなければならない。
第四節 補則
訴訟代理権は、被害回復裁判手続の当事者である特定適格消費者団体の第七十一条第一項に規定する特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、又は第九十二条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されたことによっては、消滅しない。
次の各号に掲げる手続の当事者である特定適格消費者団体の第七十一条第一項に規定する特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、又は第九十二条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されたときは、その手続は、中断する。
この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、その手続を受け継がなければならない。
共通義務確認訴訟の手続、簡易確定手続(次号に掲げる簡易確定手続を除く。)又は仮差押命令に係る仮差押えの手続(仮差押えの執行に係る訴訟手続を含む。)
第九十三条第一項の規定による指定を受けた特定適格消費者団体
簡易確定手続(簡易確定決定があった後の手続に限る。)又は異議後の訴訟の手続
第九十三条第一項の規定による指定を受けた特定適格消費者団体(第三十四条第一項 又は第五十七条第一項の授権を得た場合に限る。)又は届出消費者
特定適格消費者団体が対象債権等に関して取得した債務名義に係る民事執行に係る訴訟手続
第九十三条第三項の規定による指定を受けた特定適格消費者団体
前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定は、共通義務確認訴訟 又は簡易確定手続(特定適格消費者団体であった法人が債権届出をした場合を除く。)において、他に当事者である特定適格消費者団体がある場合には、適用しない。
前項の受訴裁判所は、同項の決定を取り消すことができる。
次の表の上欄に掲げる場合において、同表の中欄に掲げる日から六月以内に、同表の下欄に掲げる対象債権について民法第百四十七条第一項各号に掲げる事由があるときは、当該対象債権の時効の完成猶予に関しては、共通義務確認の訴えを提起し、又は民事訴訟法第百四十三条第二項の書面を当該共通義務確認の訴えが係属していた裁判所に提出した時に、当該事由があったものとみなす。
一 共通義務確認の訴えの取下げの効力が生じた場合 | 当該取下げの効力が生じた日 | 当該取り下げられた共通義務確認の訴えに係る対象債権 |
二 共通義務確認の訴えを却下する裁判が確定した場合 | 当該裁判が確定した日 | 当該却下された共通義務確認の訴えに係る対象債権 |
三 第十五条第一項に規定する特定適格消費者団体が第十六条第一項の期間(同条第二項の規定により当該期間が伸長された場合にあっては、当該伸長された期間。次号において同じ。)内に簡易確定手続開始の申立てをしなかった場合 | 当該期間の満了の日 | 共通義務確認訴訟において 認められた義務に係る対象債権 |
四 第十五条第二項に規定する特定適格消費者団体が第十六条第一項の期間内に簡易確定手続開始の申立てをしなかった場合 | 当該期間の満了の日 | 当該和解において 認められた義務に係る対象債権(第十五条第二項ただし書に規定する部分を除く。) |
五 簡易確定手続開始の申立ての取下げ(届出期間満了後にされたものを除く。)の効力が生じた場合 | 当該取下げの効力が生じた日 | 当該取り下げられた申立てに係る対象債権 |
六 第十三条に規定する簡易確定手続開始の申立てを却下する裁判(第十六条第一項 又は第二十四条の規定に違反することを理由とするものを除く。)が確定した場合 | 当該裁判が確定した日 | 当該却下された申立てに係る対象債権 |
簡易確定手続開始決定の前提となった共通義務確認訴訟の判決が再審により取り消された場合には、簡易確定手続が係属する裁判所は、決定で、債権届出(当該簡易確定手続開始決定の前提となった共通義務確認訴訟の判決が取り消されたことによってその前提を欠くこととなる部分に限る。)を却下しなければならない。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第一項の場合には、第五十六条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件が係属する裁判所は、判決で、当該訴え(当該簡易確定手続開始決定の前提となった共通義務確認訴訟の判決が取り消されたことによってその前提を欠くこととなる部分に限る。)を却下しなければならない。
この章に定めるもののほか、被害回復裁判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第三章 特定適格消費者団体
第一節 特定適格消費者団体の認定等
適格消費者団体は、内閣総理大臣の認定(以下「特定認定」という。)を受けた場合に限り、被害回復関係業務を行うことができる。
前項に規定する「被害回復関係業務」とは、次に掲げる業務をいう。
被害回復裁判手続に関する業務(第三十四条第一項 又は第五十七条第一項の授権に係る債権に係る裁判外の和解を含む。)
前号に掲げる業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報の収集に係る業務
第一号に掲げる業務に付随する対象消費者等に対する情報の提供 及び金銭 その他の財産の管理に係る業務
特定認定を受けようとする適格消費者団体は、内閣総理大臣に特定認定の申請をしなければならない。
内閣総理大臣は、前項の申請をした適格消費者団体が次に掲げる要件の全てに適合しているときに限り、特定認定をすることができる。
差止請求関係業務(消費者契約法第十三条第一項に規定する差止請求関係業務をいう。以下同じ。)を相当期間にわたり継続して適正に行っていると認められること。
第二項に規定する被害回復関係業務(以下単に「被害回復関係業務」という。)の実施に係る組織、被害回復関係業務の実施の方法、被害回復関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法、被害回復関係業務の実施に関する金銭 その他の財産の管理の方法 その他の被害回復関係業務を適正に遂行するための体制 及び業務規程が適切に整備されていること。
その理事に関し、次に掲げる要件に適合するものであること。
被害回復関係業務の執行を決定する機関として理事をもって構成する理事会が置かれており、かつ、定款で定めるその決定の方法が次に掲げる要件に適合していると認められること。
当該理事会の決議が理事の過半数 又はこれを上回る割合以上の多数決により行われるものとされていること。
共通義務確認の訴えの提起 その他の被害回復関係業務の執行に係る重要な事項の決定が理事 その他の者に委任されていないこと。
理事のうち一人以上が弁護士であること。
共通義務確認の訴えの提起 その他の被害回復裁判手続についての検討を行う部門において消費者契約法第十三条第三項第五号イ 及びロに掲げる者(以下「専門委員」と総称する。)が共にその専門的な知識経験に基づいて必要な助言を行い 又は意見を述べる体制が整備されていること その他被害回復関係業務を遂行するための人的体制に照らして、被害回復関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。
被害回復関係業務に関して支払を受ける報酬 又は費用がある場合には、その額 又は算定方法、支払方法 その他必要な事項を定めており、これが消費者の利益の擁護の見地から不当なものでないこと。
被害回復関係業務以外の業務を行うことによって被害回復関係業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。
前項第二号の業務規程には、被害回復関係業務の実施の方法、被害回復関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法、被害回復関係業務の実施に関する金銭 その他の財産の管理の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。
この場合において、業務規程に定める被害回復関係業務の実施の方法には、簡易確定手続授権契約 及び訴訟授権契約の内容 並びに請求の放棄、和解 又は上訴の取下げをしようとする場合において第三十四条第一項 又は第五十七条第一項の授権をした者(第八十二条第一項において単に「授権をした者」という。)の意思を確認するための措置、前項第四号の検討を行う部門における専門委員からの助言 又は意見の聴取に関する措置 及び役員、職員 又は専門委員が被害回復裁判手続の相手方と特別の利害関係を有する場合の措置 その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならない。
次の各号のいずれかに該当する適格消費者団体は、特定認定を受けることができない。
この法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しないもの
第九十二条第一項各号 又は第二項各号に掲げる事由により特定認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しないもの
役員のうちに次のイ 又はロのいずれかに該当する者のあるもの
この法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
特定適格消費者団体が第九十二条第一項各号 又は第二項各号に掲げる事由により特定認定を取り消された場合において、その取消しの日前六月以内に当該特定適格消費者団体の役員であった者でその取消しの日から三年を経過しないもの
前条第三項の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
最近の事業年度における財産目録、貸借対照表 又は次のイ 若しくはロに掲げる法人の区分に応じ、当該イ 若しくはロに定める書類(第九十九条第二項第七号 及び第百十条第一項において「財産目録等」という。)その他の経理的基礎を有することを証する書類
特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人(第九十八条第一項 及び第二項において単に「特定非営利活動法人」という。)
同法第二十七条第三号に規定する活動計算書
一般社団法人 又は一般財団法人
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百二十三条第二項(同法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する損益計算書(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第五条に規定する公益認定を受けている場合にあっては、内閣府令で定める書類)
被害回復関係業務に関して支払を受ける報酬 又は費用がある場合には、その額 又は算定方法、支払方法 その他必要な事項を記載した書類
前条第六項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
被害回復関係業務以外に行う業務の種類 及び概要を記載した書類
内閣総理大臣は、特定認定の申請があった場合には、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨 並びに前条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項を公告するとともに、同条第二項各号(第六号ロ、第九号 及び第十一号を除く。)に掲げる書類を、公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
内閣総理大臣は、特定認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該特定適格消費者団体の名称 及び住所、被害回復関係業務を行う事務所の所在地 並びに当該特定認定をした日を公示するとともに、当該特定適格消費者団体に対し、その旨を書面により通知するものとする。
特定適格消費者団体は、内閣府令で定めるところにより、特定適格消費者団体である旨について、被害回復関係業務を行う事務所において見やすいように掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く。第百一条第二項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
特定適格消費者団体でない者は、その名称中に特定適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字を用い、又はその業務に関し、特定適格消費者団体であると誤認されるおそれのある表示をしてはならない。
特定認定の有効期間は、当該特定認定の日における当該特定認定に係る消費者契約法第十三条第一項の認定の有効期間の残存期間と同一の期間とする。
特定認定の有効期間の満了後引き続き被害回復関係業務を行おうとする特定適格消費者団体は、その有効期間の更新を受けなければならない。
前項の有効期間の更新を受けようとする特定適格消費者団体は、当該有効期間の満了の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「更新申請期間」という。)に、内閣総理大臣に前項の有効期間の更新の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により更新申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
特定認定の有効期間は、当該特定認定の日における当該特定認定に係る消費者契約法第十三条第一項の認定の有効期間の残存期間と同一の期間とする。
第三項の申請があった場合において、当該有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の特定認定は、当該有効期間の満了後も その処分がされるまでの間は、なお効力を有する。
前項の場合において、第二項の有効期間の更新がされたときは、その特定認定の有効期間は、従前の特定認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
第七十一条(第一項、第二項 及び第六項第二号を除く。)、第七十二条、第七十三条 及び前条第一項の規定は、第二項の有効期間の更新について準用する。
この場合において、
第七十一条第四項第一号中
「同じ。)」とあるのは
「同じ。)、被害回復関係業務 又は相当多数の消費者と事業者との間の消費者契約に関する紛争の解決のための業務」と、
第七十二条第二項中
「ならない」とあるのは
「ならない。ただし、既に内閣総理大臣に添付して提出された書類と同一内容のものについては、その添付を省略することができる」と、
同項第二号中
「差止請求関係業務」とあるのは
「差止請求関係業務、被害回復関係業務 又は相当多数の消費者と事業者との間の消費者契約に関する紛争の解決のための業務」と
読み替えるものとする。
特定適格消費者団体は、第七十二条第一項各号に掲げる事項 又は同条第二項各号(第二号 及び第十一号を除く。)に掲げる書類に記載した事項に変更があったときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
ただし、その変更が内閣府令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
特定適格消費者団体である法人が他の特定適格消費者団体である法人と合併をしたときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の規定により合併により消滅した法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
特定適格消費者団体である法人が特定適格消費者団体でない法人(適格消費者団体である法人に限る。次項において同じ。)と合併(特定適格消費者団体である法人が存続するものを除く。以下この条 及び第八十条第一項第二号において同じ。)をした場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その合併について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、合併により消滅した法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする特定適格消費者団体である法人 及び特定適格消費者団体でない法人は、共同して、その合併がその効力を生ずる日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その合併がその効力を生ずる日までにその申請に対する処分がされないときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その処分がされるまでの間は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。
第七十一条(第一項 及び第二項を除く。)、第七十二条、第七十三条 及び第七十四条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
特定適格消費者団体である法人は、特定適格消費者団体でない法人と合併をする場合において、第四項の申請をしないときは、その合併がその効力を生ずる日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
特定適格消費者団体である法人が他の特定適格消費者団体である法人に対し 被害回復関係業務に係る事業の全部の譲渡をしたときは、その譲渡を受けた法人は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の規定によりその譲渡をした法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
特定適格消費者団体である法人が特定適格消費者団体でない法人(適格消費者団体である法人に限る。次項において同じ。)に対し被害回復関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合には、その譲渡を受けた法人は、その譲渡について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、その譲渡をした法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする特定適格消費者団体である法人 及び特定適格消費者団体でない法人は、共同して、その譲渡の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その譲渡の日までにその申請に対する処分がされないときは、その譲渡を受けた法人は、その処分がされるまでの間は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による特定適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。
第七十一条(第一項 及び第二項を除く。)、第七十二条、第七十三条 及び第七十四条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
特定適格消費者団体である法人は、特定適格消費者団体でない法人に対し被害回復関係業務に係る事業の全部の譲渡をする場合において、第四項の申請をしないときは、その譲渡の日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
特定適格消費者団体が被害回復関係業務を廃止したときは、法人の代表者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
特定適格消費者団体について、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、特定認定は、その効力を失う。
特定認定の有効期間が経過したとき(第七十五条第五項に規定する場合にあっては、更新拒否処分がされたとき)。
特定適格消費者団体である法人が特定適格消費者団体でない法人と合併をした場合において、その合併が第七十七条第三項の認可を経ずにその効力を生じたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その合併の不認可処分がされたとき)。
特定適格消費者団体である法人が特定適格消費者団体でない法人に対し被害回復関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合において、その譲渡が第七十八条第三項の認可を経ずにされたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その譲渡の不認可処分がされたとき)。
消費者契約法第十三条第一項の認定が失効し、又は取り消されたとき。
内閣総理大臣は、前項各号に掲げる事由が生じたことを知った場合において、特定適格消費者団体であった法人を当事者とする被害回復裁判手続が現に係属しているときは、その被害回復裁判手続が係属している裁判所に対し、その特定認定が失効した旨を書面により通知しなければならない。
第二節 被害回復関係業務等
特定適格消費者団体は、対象消費者等の利益のために、被害回復関係業務を適切に実施しなければならない。
特定適格消費者団体は、不当な目的でみだりに共通義務確認の訴えの提起 その他の被害回復関係業務を実施してはならない。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務について他の特定適格消費者団体と相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。
特定適格消費者団体、独立行政法人国民生活センター その他の関係者は、独立行政法人国民生活センターが行う独立行政法人国民生活センター法(平成十四年法律第百二十三号)第十条第八号に掲げる業務が円滑かつ効果的に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。
特定適格消費者団体は、授権をした者との簡易確定手続授権契約 又は訴訟授権契約で定めるところにより、被害回復関係業務を行うことに関し、報酬を受けることができる。
共通義務確認訴訟において和解を行った特定適格消費者団体は、当該和解に係る消費者との間で締結する契約(簡易確定手続授権契約 及び訴訟授権契約を除く。)で定めるところにより、被害回復関係業務を行うことに関し、報酬を受けることができる。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務を行う場合において、民事訴訟に関する手続(簡易確定手続を含む。)、仮差押命令に関する手続 及び執行抗告(仮差押えの執行の手続に関する裁判に対する執行抗告を含む。)に係る手続については、弁護士に追行させなければならない。
特定適格消費者団体は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を他の特定適格消費者団体に通知するとともに、その旨、その内容 その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に報告しなければならない。
この場合において、当該特定適格消費者団体が、当該通知 及び報告に代えて、全ての特定適格消費者団体 及び内閣総理大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置であって内閣府令で定めるものを講じたときは、当該通知 及び報告をしたものとみなす。
共通義務確認の訴えの提起 又は第六十一条第一項の申立てをしたとき。
共通義務確認訴訟の判決の言渡し 又は第六十一条第一項の申立てについての決定の告知があったとき。
前号の判決に対する上訴の提起 又は同号の決定に対する不服の申立てがあったとき。
第二号の判決 又は同号の決定が確定したとき。
共通義務確認訴訟における和解が成立したとき。
前二号に掲げる場合のほか、共通義務確認訴訟 又は仮差押命令に関する手続が終了したとき。
共通義務確認訴訟に関し、請求の放棄、和解、上訴の取下げ その他の内閣府令で定める手続に係る行為であって、それにより確定判決 及びこれと同一の効力を有するものが存することとなるものをしようとするとき。
第十六条第三項の規定による通知を受けたとき。
簡易確定手続開始の申立て 又はその取下げをしたとき。
第二十六条第一項、第二項前段 又は第三項の規定による公告をしたとき。
第二十七条第一項の規定による通知をしたとき。
内閣総理大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、全ての特定適格消費者団体 及び内閣総理大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置 その他の内閣府令で定める方法により、他の特定適格消費者団体に当該報告の日時 及び概要 その他内閣府令で定める事項を伝達するものとする。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務に関し、消費者の個人情報(個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。第三項において同じ。)を保管し、又は利用するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内でこれを保管し、及び利用しなければならない。
ただし、当該消費者の同意がある場合 その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務に関し、消費者から収集した消費者の被害に関する情報を被害回復裁判手続に係る相手方 その他の第三者が当該被害に係る消費者を識別することができる方法で利用するに当たっては、あらかじめ、当該消費者の同意を得なければならない。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務において消費者の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
特定適格消費者団体の役員、職員 若しくは専門委員 又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、被害回復関係業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
特定適格消費者団体の被害回復関係業務に従事する者は、その被害回復関係業務を行うに当たり、被害回復裁判手続に係る相手方の請求があったときは、当該特定適格消費者団体の名称、自己の氏名 及び特定適格消費者団体における役職 又は地位 その他内閣府令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない。
特定適格消費者団体は、次に掲げる場合を除き、その被害回復裁判手続に係る相手方から、その被害回復裁判手続の追行に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を受けてはならない。
被害回復裁判手続における判決(確定判決と同一の効力を有するもの、仮執行の宣言を付した届出債権支払命令 及び第六十一条第一項の申立てについての決定を含む。次号において同じ。)又は第五十一条第三項 若しくは第五十二条第一項 若しくは民事訴訟法第七十三条第一項の決定により訴訟費用(簡易確定手続の費用、和解の費用 及び調停手続の費用を含む。)を負担することとされた相手方から当該訴訟費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
被害回復裁判手続における判決に基づく民事執行の執行費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。
特定適格消費者団体は、対象消費者等 又は第九十八条第二項に規定する消費者団体訴訟等支援法人に前項第一号に規定する義務の履行として金銭 その他の財産上の利益を受けさせる場合を除き、その被害回復裁判手続に係る相手方から、その被害回復裁判手続の追行に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を第三者に受けさせてはならない。
前三項に規定する被害回復裁判手続に係る相手方からその被害回復裁判手続の追行に関して受け 又は受けさせてはならない財産上の利益には、その相手方がその被害回復裁判手続の追行に関してした不法行為によって生じた損害の賠償として受け 又は受けさせる財産上の利益は含まれない。
特定適格消費者団体は、被害回復関係業務に係る経理を他の業務に係る経理と区分して整理しなければならない。
第三節 監督
内閣総理大臣は、特定適格消費者団体が、第七十一条第四項第二号から第七号までに掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該特定適格消費者団体に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、前項に定めるもののほか、特定適格消費者団体が第七十一条第六項第三号に該当するに至ったと認めるとき、特定適格消費者団体 又はその役員、職員 若しくは専門委員が被害回復関係業務の遂行に関し この法律の規定に違反したと認めるとき、その他特定適格消費者団体の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該特定適格消費者団体に対し、人的体制の改善、違反の停止、業務規程の変更 その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、特定適格消費者団体について、次の各号のいずれかに掲げる事由があるときは、特定認定を取り消すことができる。
偽りその他不正の手段により特定認定、第七十五条第二項の有効期間の更新 又は第七十七条第三項 若しくは第七十八条第三項の認可を受けたとき。
第七十一条第四項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったとき。
第七十一条第六項第一号 又は第三号に該当するに至ったとき。
前三号に掲げるもののほか、この法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき(次項第二号に該当する場合を除く。)。
内閣総理大臣は、前項の規定による取消しのほか、特定適格消費者団体について、次の各号のいずれかに掲げる事由があるときは、特定認定 又は消費者契約法第十三条第一項の認定を取り消すことができる。
第八十九条第一項 又は第二項の規定に違反したとき。
当該特定適格消費者団体の役員、職員 又は専門委員が第八十九条第三項の規定に違反したとき。
特定適格消費者団体が、第八十四条第一項の規定に違反して同項の通知 又は報告をしないで、共通義務確認の訴えに関し、同項第七号に規定する行為をしたときは、内閣総理大臣は、当該特定適格消費者団体について前項第一号に掲げる事由があるものとみなすことができる。
内閣総理大臣は、第一項 又は第二項の規定による取消しをしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその取消しをした日を公示するとともに、特定適格消費者団体であった法人に対し、その旨を書面により通知するものとする。
この場合において、当該特定適格消費者団体であった法人を当事者とする被害回復裁判手続が現に係属しているときは、その被害回復裁判手続が係属している裁判所に対しても、その取消しをした旨を書面により通知しなければならない。
被害回復裁判手続(第二条第九号ロに規定する民事執行の手続を除く。)の当事者である特定適格消費者団体に係る特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、若しくは前条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されるとき、又はこれらの事由により既に失効し、若しくは既に取り消されているときは、内閣総理大臣は、当該被害回復裁判手続を受け継ぐべき特定適格消費者団体として他の特定適格消費者団体を指定するものとする。
ただし、共通義務確認訴訟 又は簡易確定手続(特定適格消費者団体であった法人が債権届出をした場合を除く。)において、他に当事者である特定適格消費者団体があるときは、この限りでない。
第十三条に規定する特定適格消費者団体に係る特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、若しくは前条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されるとき、又はこれらの事由により既に失効し、若しくは既に取り消されているときは、内閣総理大臣は、第十三条に規定する特定適格消費者団体として他の特定適格消費者団体を指定するものとする。
ただし、同条に規定する特定適格消費者団体が他にあるときは、この限りでない。
対象債権等に係る債務名義を取得した特定適格消費者団体 又はその民事執行法第二十三条第一項第三号に規定する承継人である特定適格消費者団体に係る特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、若しくは前条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されるとき、又はこれらの事由により既に失効し、若しくは既に取り消されているときは、内閣総理大臣は、同法第二十三条第一項第三号に規定する承継人となるべき特定適格消費者団体として他の特定適格消費者団体を指定するものとする。
内閣総理大臣は、前三項の規定による指定を受けた特定適格消費者団体(以下この項 及び次項において「指定特定適格消費者団体」という。)について、特定認定が、第八十条第一項各号に掲げる事由により失効し、若しくは既に失効し、又は前条第一項各号 若しくは第二項各号に掲げる事由により取り消されるときは、指定特定適格消費者団体に係る指定を取り消さなければならない。
第一項から第三項までの規定による指定は、指定特定適格消費者団体が受け継ぐことになった手続をその指定前に追行していた者に次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたことを理由として取り消すことができない。
特定認定の取消処分、特定認定の有効期間の更新拒否処分 若しくは第七十七条第三項の合併 若しくは第七十八条第三項の事業の全部の譲渡の不認可処分(以下この号において「特定認定取消処分等」という。)が取り消され、又は特定認定取消処分等の取消し 若しくはその無効 若しくは不存在の確認の判決が確定したとき。
消費者契約法第十三条第一項の認定の取消処分、同項の認定の有効期間の更新拒否処分 若しくは同法第十九条第三項の合併 若しくは同法第二十条第三項の事業の全部の譲渡の不認可処分(以下この号において「認定取消処分等」という。)が取り消され、又は認定取消処分等の取消し 若しくはその無効 若しくは不存在の確認の判決が確定したとき。
内閣総理大臣は、第一項から第三項までの規定による指定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその指定をした日を公示するとともに、その指定を受けた特定適格消費者団体に対し、その旨を書面により通知するものとする。
第四項の規定により当該指定を取り消したときも、同様とする。
前項前段の場合において、特定適格消費者団体であった法人を当事者とする被害回復裁判手続が現に係属しているときは、内閣総理大臣は、その被害回復裁判手続が係属している裁判所に対しても、その指定をした旨を書面により通知しなければならない。
次の各号に掲げる場合には、当該各号の指定を受けた特定適格消費者団体は、遅滞なく、知れている届出消費者に、各別にその旨を通知しなければならない。
第一項の規定による指定がされた場合(特定適格消費者団体であった法人が簡易確定手続(当該特定適格消費者団体であった法人が債権届出をした場合に限る。)又は異議後の訴訟の手続の当事者であったときに限る。)
第三項の規定による指定がされた場合
第一項から第三項までの規定による指定がされたときは、特定適格消費者団体であった法人は、遅滞なく、その指定を受けた特定適格消費者団体に対し、その指定の対象となった事件について、対象消費者等のために保管する物 及び被害回復関係業務に関する書類を移管し、その他被害回復関係業務をその指定を受けた特定適格消費者団体に引き継ぐために必要な一切の行為をしなければならない。
第四節 補則
特定適格消費者団体である適格消費者団体に対する消費者契約法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる同法の規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第二十九条第一項 | その行う差止請求関係業務 | その行う差止請求関係業務 及び消費者裁判手続特例法第七十一条第二項に規定する被害回復関係業務(以下単に「被害回復関係業務」という。) |
、差止請求関係業務 | 、差止請求関係業務 及び被害回復関係業務 | |
第三十一条第二項第七号 | 差止請求関係業務 | 差止請求関係業務 及び被害回復関係業務 |
第三十二条第一項 | この法律 | この法律 又は消費者裁判手続特例法 |
内閣総理大臣は、消費者の財産的被害等の防止 及び救済に資するため、特定適格消費者団体から第八十四条第一項(第一号 及び第七号に係る部分を除く。)の規定による報告を受けたときは、インターネットの利用 その他適切な方法により、速やかに、共通義務確認訴訟の確定判決(確定判決と同一の効力を有するものを含む。)の概要、簡易確定手続開始決定の概要、第二十六条第一項、第二項前段 及び第三項の規定による公告の概要、第二十七条第一項の規定による通知の概要、当該特定適格消費者団体の名称 及び当該共通義務確認訴訟の相手方の氏名 又は名称 その他内閣府令で定める事項を公表するものとする。
前項に規定する事項のほか、内閣総理大臣は、被害回復関係業務に関する情報を広く国民に提供するため、インターネットの利用 その他適切な方法により、特定適格消費者団体の名称 及び住所 並びに被害回復関係業務を行う事務所の所在地 その他内閣府令で定める必要な情報を公表することができる。
内閣総理大臣は、独立行政法人国民生活センターに、前二項に規定する情報の公表に関する業務を行わせることができる。
内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、特定適格消費者団体の求めに応じ、当該特定適格消費者団体が被害回復裁判手続を適切に追行するために必要な限度において、当該特定適格消費者団体に対し、特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)又は預託等取引に関する法律(昭和六十一年法律第六十二号)に基づく処分に関して作成した書類で内閣府令で定めるものを提供することができる。
前項の規定により書類の提供を受けた特定適格消費者団体は、当該書類を当該被害回復裁判手続の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
独立行政法人国民生活センター 及び地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、特定適格消費者団体の求めに応じ、当該特定適格消費者団体が被害回復関係業務を適切に遂行するために必要な限度において、当該特定適格消費者団体に対し、消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談に関する情報で内閣府令で定めるものを提供することができる。
前項の規定により情報の提供を受けた特定適格消費者団体は、当該情報を当該被害回復関係業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
第四章 消費者団体訴訟等支援法人
第一節 消費者団体訴訟等支援法人の認定等
内閣総理大臣は、特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人であって、次に掲げる要件に該当すると認められるもの(適格消費者団体である法人を除く。)を、その申請により、次項に規定する業務(以下この章 及び第百十七条第二項第二号において「支援業務」という。)を行う者として認定することができる。
支援業務以外の業務を行うことによって支援業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。
前項の規定による認定(以下この章 及び第百十七条第一項において「支援認定」という。)を受けた特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人(以下「消費者団体訴訟等支援法人」という。)は、次に掲げる業務を行うものとする。
前三号に掲げるもののほか、内閣総理大臣の委託を受けて、次に掲げる業務を行うこと。
第九十五条第一項 及び第二項の規定による公表
第一項第三号の業務規程には、支援業務の実施の方法、支援業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法、支援業務の実施に関する金銭 その他の財産の管理の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。
次の各号のいずれかに該当する者は、支援認定を受けることができない。
この法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの 若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
第百十三条第一項各号に掲げる事由により支援認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号 及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人
政治団体(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第一項に規定する政治団体をいう。)
役員のうちに次のイからハまでのいずれかに該当する者のある法人
禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの 若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
消費者団体訴訟等支援法人が第百十三条第一項各号に掲げる事由により支援認定を取り消された場合において、その取消しの日前六月以内に当該消費者団体訴訟等支援法人の役員であった者でその取消しの日から三年を経過しないもの
前条第一項の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
役職員名簿(役員 及び職員の氏名、その役職 その他内閣府令で定める事項を記載した名簿をいう。第百十条第二項第三号において同じ。)
前条第四項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
支援業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
内閣総理大臣は、支援認定の申請があった場合には、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨 並びに前条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項を公告するとともに、同条第二項各号(第八号 及び第十号を除く。)に掲げる書類を、公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
内閣総理大臣は、支援認定の申請をした者について第九十八条第四項第三号、第四号 又は第六号ハに該当する疑いがあると認めるときは、警察庁長官の意見を聴くものとする。
消費者団体訴訟等支援法人は、内閣府令で定めるところにより、消費者団体訴訟等支援法人である旨について、支援業務を行う事務所において見やすいように掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。
消費者団体訴訟等支援法人は、第九十九条第一項各号に掲げる事項 又は同条第二項各号(第二号、第三号 及び第十号を除く。)に掲げる書類に記載した事項に変更があったときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
ただし、その変更が内閣府令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
前項の規定により合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併(消費者団体訴訟等支援法人である法人が存続するものを除く。以下この条 及び第百六条第一号において同じ。)をした場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その合併について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする消費者団体訴訟等支援法人である法人 及び消費者団体訴訟等支援法人でない法人は、共同して、その合併がその効力を生ずる日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その合併がその効力を生ずる日までにその申請に対する処分がされないときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その処分がされるまでの間は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継しているものとみなす。
第九十八条(第二項を除く。)、第九十九条、第百条 及び第百一条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
消費者団体訴訟等支援法人である法人は、消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併をする場合において、第四項の申請をしないときは、その合併がその効力を生ずる日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
前項の規定によりその譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をした場合には、その譲渡を受けた法人は、その譲渡について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、その譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする消費者団体訴訟等支援法人である法人 及び消費者団体訴訟等支援法人でない法人は、共同して、その譲渡の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その譲渡の日までにその申請に対する処分がされないときは、その譲渡を受けた法人は、その処分がされるまでの間は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継しているものとみなす。
第九十八条(第二項を除く。)、第九十九条、第百条 及び第百一条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
消費者団体訴訟等支援法人である法人は、消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をする場合において、第四項の申請をしないときは、その譲渡の日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
消費者団体訴訟等支援法人が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
破産手続開始の決定により解散した場合
破産管財人
合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合
清算人
支援業務を廃止した場合
法人の代表者
内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
消費者団体訴訟等支援法人について、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、支援認定は、その効力を失う。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併をした場合において、その合併が第百三条第三項の認可を経ずにその効力を生じたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その合併の不認可処分がされたとき)。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をした場合において、その譲渡が第百四条第三項の認可を経ずにされたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その譲渡の不認可処分がされたとき)。
消費者団体訴訟等支援法人が前条第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったとき。
第二節 支援業務等
消費者団体訴訟等支援法人は、その行う支援業務に支障がない限り、定款の定めるところにより、支援業務以外の業務を行うことができる。
消費者団体訴訟等支援法人は、次に掲げる業務に係る経理をそれぞれ区分して整理しなければならない。
適格消費者団体 又は特定適格消費者団体を支援する活動に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)
前二号に掲げる業務以外の業務
第三節 監督
消費者団体訴訟等支援法人は、内閣府令で定めるところにより、その業務 及び経理に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
消費者団体訴訟等支援法人は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の財産目録等 及び事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項第四号 及び第百二十二条第十一号において「財務諸表等」という。)を作成しなければならない。
支援業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
消費者団体訴訟等支援法人は、毎事業年度終了後三月以内に、前項第三号 及び第四号に掲げる書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
内閣総理大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、消費者団体訴訟等支援法人に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、消費者団体訴訟等支援法人の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
内閣総理大臣は、消費者団体訴訟等支援法人が、第九十八条第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、前項に定めるもののほか、消費者団体訴訟等支援法人が第九十八条第四項第三号から第六号までのいずれかに該当するに至ったと認めるとき、消費者団体訴訟等支援法人 又はその役員 若しくは職員が支援業務の遂行に関し この法律の規定に違反したと認めるとき、その他消費者団体訴訟等支援法人の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、人的体制の改善、違反の停止、業務規程の変更 その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、消費者団体訴訟等支援法人について、次の各号のいずれかに掲げる事由があるときは、支援認定を取り消すことができる。
偽りその他不正の手段により支援認定 又は第百三条第三項 若しくは第百四条第三項の認可を受けたとき。
特定非営利活動促進法第四十三条第一項 又は第二項の規定により設立の認証を取り消されたとき。
第九十八条第一項各号に掲げる要件のいずれかに該当しなくなったとき。
第九十八条第四項各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
前各号に掲げるもののほか、この法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき。
内閣総理大臣は、前項各号に掲げる事由により支援認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその取消しをした日を公示するとともに、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、その旨を書面により通知するものとする。
第五章 雑則
内閣総理大臣は、前二章 及び前条の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
第六章 罰則
特定適格消費者団体の役員、職員 又は専門委員が、特定適格消費者団体の被害回復裁判手続に係る相手方から、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、当該特定適格消費者団体における次に掲げる行為の報酬として、金銭 その他の財産上の利益を受け、又は第三者(当該特定適格消費者団体を含む。)に受けさせたときは、三年以下の懲役 又は三百万円以下の罰金に処する。
共通義務確認の訴えの提起、簡易確定手続開始の申立て、債権届出、簡易確定手続 若しくは異議後の訴訟に関する民事執行の申立て又は第六十一条第一項の申立てをしないこと 又はしなかったこと。
第三十四条第一項 又は第五十七条第一項の授権に係る債権に係る裁判外の和解をすること 又はしたこと。
前項の利益を供与した者も、同項と同様とする。
第一項の場合において、犯人 又は情を知った第三者が受けた財産上の利益は、没収する。
その全部 又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
第二項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。
偽りその他不正の手段により特定認定、第七十五条第二項の有効期間の更新、第七十七条第三項、第七十八条第三項、第百三条第三項 若しくは第百四条第三項の認可 又は支援認定を受けたときは、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
第八十六条の規定に違反して、被害回復関係業務に関して知り得た秘密を漏らした者
第百七条の規定に違反して、支援業務に関して知り得た秘密を漏らした者
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第七十二条第一項(第七十五条第七項、第七十七条第六項 及び第七十八条第六項において準用する場合を含む。)若しくは第九十九条第一項(第百三条第六項 及び第百四条第六項において準用する場合を含む。)の申請書 又は第七十二条第二項各号(第七十五条第七項、第七十七条第六項 及び第七十八条第六項において準用する場合を含む。)若しくは第九十九条第二項各号(第百三条第六項 及び第百四条第六項において準用する場合を含む。)に掲げる書類に虚偽の記載をして提出したとき。
第七十四条第三項の規定に違反して、特定適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用い、又はその業務に関し、特定適格消費者団体であると誤認されるおそれのある表示をしたとき。
第百一条第三項の規定に違反して、消費者団体訴訟等支援法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用い、又はその業務に関し、消費者団体訴訟等支援法人であると誤認されるおそれのある表示をしたとき。
第百九条の規定に違反して、帳簿書類の作成 若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をしたとき。
第百十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
法人(法人でない団体で代表者 又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者 若しくは管理人 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して、第百十六条、第百十七条第一項 又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者 又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人 又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
第十五条の規定に違反して、正当な理由がないのに簡易確定手続開始の申立てを怠った者
第三十六条第一項の規定に違反して、やむを得ない理由がないのに簡易確定手続授権契約の締結を拒んだ者
第三十六条第二項の規定に違反して、やむを得ない理由がないのに簡易確定手続授権契約を解除した者
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
第二十六条第一項、第二項前段 若しくは第三項の規定による公告をすることを怠り、又は不正の公告をした者
第二十六条第二項前段 若しくは第二十七条第一項の規定による通知をすることを怠り、又は不正の通知をした者
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
第五十七条第四項の規定に違反して、正当な理由がないのに訴訟授権契約の締結を拒んだ者
第五十七条第五項の規定に違反して、正当な理由がないのに訴訟授権契約を解除した者
第七十四条第二項 若しくは第百一条第二項の規定による掲示をせず、若しくは虚偽の掲示をし、又は第七十四条第二項 若しくは第百一条第二項の規定に違反して公衆の閲覧に供せず、若しくは虚偽の事項を公衆の閲覧に供した者
第七十六条、第七十七条第二項 若しくは第七項、第七十八条第二項 若しくは第七項、第七十九条第一項、第百二条、第百三条第二項 若しくは第七項、第百四条第二項 若しくは第七項 又は第百五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第八十四条第一項前段の規定による通知 若しくは報告をせず、又は虚偽の通知 若しくは報告をした者
第八十五条第二項の規定に違反して、消費者の被害に関する情報を利用した者
第八十七条の規定に違反して、同条の請求を拒んだ者
第九十三条第九項の規定による被害回復関係業務の引継ぎを怠った者
第九十六条第二項の規定に違反して、書類を同項に定める目的以外の目的のために利用し、又は提供した者
第九十七条第二項の規定に違反して、情報を同項に定める目的以外の目的のために利用し、又は提供した者
第百十条第一項の規定に違反して、財務諸表等を作成せず、又はこれに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載 若しくは記録をした者
第百十条第二項の規定に違反して、書類を備え置かなかった者
第百十条第三項の規定に違反して、書類を提出せず、又は書類に虚偽の記載 若しくは記録をして提出した者